「と言うことは、他の人もこれを見たということ?」
「ええ、そう」 とケイトは俺の額にキスをした。
「…そしてみんな気に入っていたわ」 と俺の顔を女性的な柔らかな手で挟んで、俺の唇にむっちりとキスをした。
「どうしようかなあ…」
ケイトの背後に目をやると、俺はミセス・グラフの股間を舐めているところが映っていた。ミセス・グラフはあの小さな黒いベンチに拘束されて、なされるがままになっているところだ。
「おカネのことだけを考えて」 ケイトはそう言って、ちょっと画面をふり返った。
「必要なのは3つのシーンだけ。それをテープに収めれば、高額の値段で売ることができるの」 とケイトは向きを戻し、俺の目を覗きこんだ。
ケイトに股間の上に座られていたが、最高の感覚だ。テレビの画面に映る行為を見ていたが、いつの間にか、ケイトはゆっくり腰を動かしていた。彼女のあそこが俺の勃起を擦っている。
「カネの取り分は?」
「山分けにするわ。あなたが演じて、私がテープの編集と生産を担当する…」 と嬉しそうな笑顔で言う。
「山分けにするとどのくらいに?」
「1本あたり10万ドル。だから山分けすれば1人あたり5万ドル」 ケイトはそう言い、俺の顔に何度もキスをした。
俺は驚いて思わず背を伸ばした。ただセックスをするだけで、そんなにカネを儲けられるのかと信じられなかった。ふと、トリスタのことが頭に浮かんだ。彼女が欲しがるものを、何でも買ってあげられたらいいだろうなと。
顔を戻して、ケイトの目を覗きこんだ。「どこにサインすればいい?」 と言いながら、両手を伸ばし、手をお椀の形にして、ほとんど露出してると言ってよい彼女の乳房を押さえた。
ケイトはキスをし、俺の手を払いのけた。俺の指先が乳首と乳首ピアスをかすめた。
「それはメインイベントまでお預けよ」 とケイトは言い、俺の股間からお尻をあげ、立ち上がった。
ケイトはデスクの向こう側に戻っていった。俺は椅子を半転させ、テレビを見た。画面では、俺がミセス・グラフにブッカケをしているところだった。ふり返ると、隣にケイトが立っていて、サインする書類を持っていた。
ビデオも終わり、俺は椅子の向きを元に戻した。ケイトからペンを渡された。震える手でペンを握り、書類に名前を書き、ケイトを見上げた。
「さあ、10万ドル、稼ぎましょう!」 とケイトは書類を取り上げ、デスクの引き出しにしまった。
ディ・ディがエマに訊いた。「あの人を立たせておいただけって、どういうこと?」
「あっ、いけない! あれ、言っても良かったの、パパ?」
アンドリューは微笑んだ。「いいよ、大丈夫。ママたちはお前たちがいつも安全でいるのを知っている必要があるからね」
彼はそう言って、今度は私たちの方を見た。彼は、少なくともちょっと困った顔をするくらいの気づかいは示してくれた。
「この子たちは、ホモ・サピエンスの心を乗っ取ることができるんだよ。そうしなければいけない時に限られるけどね。ひとりひとりだとまだちょっと難しい。エマが一番うまいかな。だけど、4人で力を合わせると圧倒的になる。4人とも、僕が使っていいと言わない限りは、その能力を使ってはいけないと知っているし、その能力で誰かを傷つけたら、ひどい苦境に嵌まることになると知っているんだ。そうだよね、みんな?」
エディが言った。「パパ、みんな、ひどいことに嵌まりたくないと思ってるよ」
するとエレが、「それを一番使ってるのはエマだよ。他の人にいたずらをしてるんだ」
それに対してエマが「エレ! 黙ってよ、告げ口屋! 黙っていなければ、あんたを乗っ取るよ!」
アンドリューがみんなをおとなしくさせた。「みんな、今夜は何が起きてもパパは怒らないよ。だから、エマ、君は良いことのためだけ、あの力を使うようにしなくちゃいけないよ。スパイダーマンみたいにね。テレパシー制御を使って、鎮めるんだ。いいね?」
私は言葉が出なかった。「アンドリュー、ちょっと話し合いをしなくちゃいけないと思うわ。寝室で。今すぐ!」
エディが口を出した。「パパが危ない! パパ、ママたちに叱られるよ」
アンドリューは娘たちに優しく微笑んだ。「お願いだから、もうおやすみ。マインド・コントロールは一時休止だ。いいね? お前たちのおかげで、パパはみじめになってしまいそうだから」
エマが言った。「大丈夫だよ、パパ。ママたちはパパに大声を上げても、その後でパパとヤリたいって思ってるから」
もう、イヤな子! エマはいつもトドメの言葉を刺したくてうずうずしている。私は叱ってやろうとエマのところに近づいた。でも、実際は、エマをギュッと抱きしめて、また泣き出していた。ディ・ディもアンドリューも娘を少なくともひとりは抱きしめていた。
そこへ、エリックとイーサンが彼らの寝室から走ってきた。ああ、坊やたちの方を忘れていたわ! この子たちを見て、いっそう大泣きしてしまった。うちの家族はみんな無事だったのね。
娘たちの部屋に侵入者があったことと、子供たちがスーパーヒーロー並みの超能力を持っていると知ったこと。自分でもどっちがよりショッキングだったのか分からない。どっちもショッキングであったのには変わりない。そしてアンドリューはそれを私たちに言わなかった。彼は知っていたのに、話してくれなかった。
ディ・ディと私とアンドリュー、3人そろって寝室に向かった。エマが言ったことは本当だと認めなければならない。アンドリューがあんなに男らしい振舞いをしたのを見て、確かにエッチな気持ちになっていた。多分、こういう事件の余韻のせいかもしれないけど、どうしても彼に私の中に来てほしかった。
寝室に入り、アンドリューをベッドに座らせた。うちのベッドは巨大なキングサイズのベッドで私たち3人で寝ても快適でいられる。アンドリューはパジャマのズボンを履いていた。パジャマの上は着ない。彼が素敵に見えた。こうなると、彼に腹を立て続けるのはとても難しい。
ディアドラが言った。「それで? アンドリュー? 何か自分で言うことはある?」
「本当にヤリたいと思ってる?」
私たちに何ができよう? 思わず吹き出して、大笑いしてしまった。そして、その後、ディ・ディと二人で彼を攻撃した。1対1のルールはあったけど、この夜だけはちょっと脇に置くことにした。ディ・ディも私も彼のことがすぐに欲しかったから!