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暗示の力 (7) 

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最近、ジェニーがどうなったのか分からない。急に僕にものすごく迫ってくるようになっている。しかも、すごく攻撃的に…ほとんど乱暴にと言ってもいいほど。それが嫌だと言ってるわけではない。でも、心の奥では、ふたりの関係では、男は僕で、彼女ではないと思い続けている。もちろん、バカげたことだとは知っている。僕はもちろん男なんだから。

最近は、ふたりで愛し合うときの愛し方が、以前とはずいぶん変わったように思う。例えば、今日のように…

僕が家に戻ると、ジェニーは文字通り僕に襲いかかってきた。何と言うか、今は、彼女の方が僕より強くなっているし、僕も体重がすごく減ったので、ジェニーはその気があれば、僕を抱き上げることすらできるようになっている。彼女が僕の身体をまさぐったり、触りまくったりする、その仕方……。何と言うか、僕は、彼女がああいうふうに支配的になるのが大好きだ。ジェニーが好き放題にしたいことをし、その間、僕はなすすべもなく、なされるがままになっている。これって、すごくエロティックだ。

でも、言いたいことは、そのことじゃない。それも一部かかわっているとは思うけど、ほんの小さな部分にすぎない。僕たちが愛しあうときの愛しあい方だけど、ほとんど、僕たちがレスビアンのカップルのようになっている。確かに、今も普通のセックスはしているけれど、急に前戯の部分がずっと重要になっている。彼女に挿入しても、その行為自体は、ほとんど後からのおまけのようになっている。

僕はジェニーがいったかどうか、いつも気にかけてきた。これまでは、そのことが重要なことだと思っていた。でも今は? 今は、むしろ彼女がいくことで、僕もいった気持になるような感じだ。

いや、それが悪いことだと言ってるわけではない。僕は、ジェニーに僕と同じくらいセックスを楽しんでもらいたいと思っている。それが夫婦でいることの意味の一部だと思うからね?


[2013/11/25] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

暗示の力 (6) 

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というわけで、今日、ジェニーとショッピングに行った。ずっと前から行きたかったけど、仕事があってなかなか行けなかったから。ちゃんと自分にフィットした服を買うまでは、ジェニーのユニセックス風の服を借りて着ていた。ちょっと僕には大き目だけど、少なくとも、道を歩いてて、ずり落ちてしまうことはない。

もう僕には紳士服のサイズでは合わなくなってる。このことに心構えをしておくべきだったかなと思う。でも、紳士服売り場に行って棚に並んでる服を見るまで、これを考えたこともなかった。そこに並んでた服は、僕が着たら全部だぶだぶになりそうなのばかりだった。結局、紳士服はあきらめて、すぐに子供服売り場に行き着いた。今度は、確かにサイズが合ってるのもあったけど、でも僕の体型に沿うようなものじゃなかった。それに、スタイルも限られていて、選べるようなものがなかったし。

というわけで、10代向けの服の売り場に来ていた。そこならいいものがありそうだと思った。そこの服は10代の女の子向けの服ばかりで、その点についてはジェニーに文句を言ったんだけど、でも、内心、そこの服がなんて可愛いんだろうと感じていた。それを見ながら独り言を言い続けた。ジーンズとTシャツだけ…。ジーンズとTシャツだけ…。派手すぎないやつ…。女の子っぽくなさそうなやつ…。もし僕一人で買い物に来ていたら、なかなか決められなくて何時間もかかってしまっただろうと思う。

でも、このショッピングをしながら、一種、怖い感じを味わっていた。なんと言うか、男なのに、衣服について10代の女の子のように大騒ぎしてる自分って、どんな男なんだろう? って。 そのことをジェニーに言うのは怖くてできなかった。ジェニーは、何も変なことじゃないといったふうに振舞っていた。だから僕がちょっと過剰にはしゃいでも、何ということもないのじゃ? たかが服だ。何ということもないのじゃ? 着ている服で人間としての僕の何か分かるわけじゃないし。そうだろ? 

とにかく、今日は一番キュートな服を着てみた。とてもベーシックな服。ただの白いTシャツとジーンズ。でも、これを着ると……なんとなく自分に自信がつく感じになるんだ。


[2013/11/25] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)