ドニーの話し郡検事のジェイク・ランドルフが今日の午後、毎週しているテニス試合のために家に来た。ジェイクはニューヨーク市立大のテニス選手だったし、とても上手い。アンドリューも高校の時、州のチャンピオンになったし、オハイオ州ヤングストン州立大学のスター選手だった。ふたりの力は互角で、見ている方もとても楽しい。特にネット越しに、打ち合うボールの速さと同じくらいの速さで、相手を侮辱する言葉の応酬が飛び交うので面白い。 この毎週恒例の試合では、ディ・ディと私は、アイスティーを飲みながら座って観戦する習慣となっている。ジェイクはとても魅力的な男性である。私たちは、暑いジョージアの日差しの中、汗をかきながら能力の出しあいをするセクシーなふたりのテニス男を見るのが、本当に楽しい。 試合が終わるころには、私もディ・ディも、アンドリューが提供してくれることに対する準備がすっかりできてる状態になっている。私が言っている意味が分かればの話しだけど。ああ、私の人生は最高だわ。 でも、今日はいつもと違うことになる予定。先日、私たちはコスモポリタン誌の記者から電話を受けた。彼女はとりわけディアドラと私にインタビューをしたがっている。私たちは承諾する気はなかったけれど、彼女は圧力をかけてきた。いわく、私たちが大変興味深く感じるはずの情報があると、それを知った時の私たちの反応を知りたいと。 結局、私たちはその記者と会うことにした。彼女は今日の午後、飛行機でこちらに飛んでくるよう手配した。 彼女は4時ちょっとすぎに現れた。アンドリューは4時半にジェイクと試合する予定になっている。リビングルームで、私とディ・ディ、そして記者の3人がうち溶けあっているとき、アンドリューが試合準備のため、そばを通りかかった。 この記者は名前をヘレン・ギャモンといい、痩せ形でファッションモデル風の可愛い人だった。私たちからすれば、彼女はまさに彼女自身の雑誌の表紙を飾る美人たちと張り合えそうな人である。 アンドリューは彼女がいるのを見て、浮かない顔になった。「あ、ドニー? 今日の午後、例の予定があったのだろうか? そんなはずじゃなかったと思うけど。20分後にはジェイクと試合をすることになってるんだよ」 それから彼はこのギャモンさんの方を向いて言った。「こんにちは、僕はアンドリュー・アドキンズです。あなたは…」 私は急いで割りこんだ。「こ、こちらは、ヘレン・ギャモンさん。この人はディアドラと私に話しがあって来たのよ。あなたは試合しに行って。私たちに構わずに」 彼は、はっきり分かるほど安心した顔になった。「ああ、そう。もちろん。邪魔してすまない」 彼はそう言って立ち去った。 ギャモンさんが言った。「彼、私を見てがっかりしたような顔をしていた」 どういうふうに言ってよいか分からない。 「あの、ディアドラと私で、毎週、何名か女性をアンドリューと会わせるように予定を組んでいるの。これは、人類向上組織IAMでの彼の仕事の一部なのよ。彼、あなたのことを、そのような女性のひとりだと思ったらしいの」 「多分、侮辱されたと感じるべきなんだろうけど…。彼の『仕事』が何であるかは知っています。私って、創始者が私と愛し合うより、テニスをした方が良いと思うほど、そんなに醜いの?」 ディ・ディが抗弁した。「ギャモンさん、これはあなたとは関係ないことですよ。愛しあうこととも関係ないの。アンドリューは義務感から『仕事』をしてるのであって、欲望からではないの。彼はできれば一切中止したいと思っているのよ。彼はあの女性たちと『愛しあう』ことはしてないの。彼が愛しあうのは私たちとだけ。あの女性たちには受精作業をするだけ。IAMの関係から、私たちは彼に中止させるのができずにいるのです」 「わーお、本当におっしゃる通りなら、これはニュースだわ。アンドリュー・アドキンズは他の女より自分の妻が好き」 私はこのニューヨークあばずれ女にちょっとムカッとした。 「そろそろ、このインタビューの本題に入ってほしいところね。あなたは私たちのための情報があって、それに対する私たちのコメントを欲しいと言っていたけど?」 彼女はカナリアを飲みこんだ猫( 参考)のような顔になった。 「プレーボーイ誌に記事が載るんです。今週号は今日、書店に並ぶはず。その記事のタイトルは、『デス・バイ・ファッキング:創始者に孕ませられちゃった』と…」
「身体の横も塗り忘れないでね」 バルは小さな声で言った。まるで、胸を触るようにと俺を導こうとしているようだ。 俺は両手を彼女の背筋に当てて、ゆっくりと尻まで滑らせ、それから左右の体側に沿ってヌルヌルの手を這いあがらせた。その俺の指先がはみ出た乳房の肉丘に触れる。元々キツイ水泳パンツの中、分身が痛いほどに勃起してるのを感じる。 何度か手を上下に動かし、バルの胴体の側面にオイルを塗りこんだ後、俺は彼女の横に腹這いになって寝そべった。 そうやってしばらく横たわりながら、俺たちは軽い雑談をした。いろんなことを話した。バルの通ってる学校のこととか、そこでの友だちのこととか。バルの出身のフィリピンのこととか、そこでの以前の生活がどんなふうだったかとか。 俺たちは互いに横に顔を向けて、相手の顔を見ながら話していたのだが、ふと、バルがつま先で俺の脚を触ってるのに気がついた。俺たちは互いに相手の瞳を見つめあった。互いの顔が30センチも離れていない。ただ、見つめあいながら陽にあたっていた。うつ伏せになっているのだが、ますます勃起していて、その姿勢になってるのがだんだん難しくなっていた。 「それで? こっちで君を預かってくれてるステイ先の親はどんな感じ?」 と俺は彼女のアーモンド形の瞳を見つめながら訊いた。 「まあまあね…」 とバルはちょっと間をおいた。「あまり私の好みじゃないけど。信心深い家で暮らすのって」 「どういうこと?」 「分からないけど、何と言うか、あの人たち、ものすごく信心深いけど、偽善者なのがありありとしてるの。そういう人と暮らすのって気持ち悪いのよ」 とバルは不快そうな声で言った。 「偽善者って、どういうこと?」 トリスタの家も信心深い家だが、父親は別として、そんなに変じゃなかったので、不思議だった。 バルは、俺の方を向きながらしばらく黙っていた。陽は高く、暑くなっていた。ずっとうつ伏せになっていたので、そろそろ背中が熱くなっていた。バルは背中に手を回し、ビキニのトップを結び直した。 「仰向けになりましょう」 と彼女は起き上がった。 俺はバルの胸を見て、息がつまりそうになった。胸には小さな青い三角布がふたつついているだけで、乳首と乳輪だけが隠れてるだけだったからだ。細いストラップが首にかかり、その三角形を留めている。このビキニの前の方を見たのは初めてだから、驚きはなおさらだった。 俺が唖然としてじっと見つめていたのにバルも気づいたのだろう。わざと前のめりになって、胸の谷間を俺に見せつける格好をした。 「気に入った?」 と四つん這いになって俺の方に近寄り、最後には、実際に胸が俺の顔に触れるまで近寄った。 「さあ、仰向けになって」 とバルはココナツ・オイルの瓶を取り、俺の脚の方へと這った。
左右から伸びてきてるこの手! その指があたしに与えてる快感! それにより、あたしの抵抗力が徐々に溶けはじめていた。 左右の変態たちは、あたしのパンティをいじっている間に、あたしの右側に座ってる男のさらに向こうに座ってる変態も手を伸ばしてきて、あたしのブラウスの中に手をかけた。ゆっくりとブラウスを引き下げて胸を露出させ、指先であたしの右側の胸の乳輪をカリカリと擦り始めた。そうしたら、助手席に座ってる変態もあたしの太腿に手を伸ばしてきて、そこの生肌を優しく撫で始めた。ああ、もう……。どんどん狂った状態に追い立てられていく…。 4人の変態男たちがあたしを触ってる。8本の手であたしを触ってる。車の中とはいえ、外から見える場所なのに! もちろん、あたしの中の慎み深いひとりは、こんなことを嫌悪していた。だけど、もうひとりのあたしがいて、あたしとしてはそちらの方を押し殺そうとしていたけど、そっちがはるかに強力になっていた。そちらの側のあたしは、男たちに触られて感じていたし、そうされることを喜んでいる! パンティを触っている指がお豆があるところを小さな円を描くように擦り始めた。その途端、あたしの脚が勝手に広がっていた。自分では閉じていたかったのに、脚が勝手に動いて、広げてしまってる。どうしてもコントロールできないの…。あたしはただ悩ましい喘ぎ声を上げるだけ。満たされない思いに、甘えねだるような声を上げていた。 「ああ、もうイヤ…。お、お願い…。こんなことしないで…。いまは…」 男たちはちょっとだけあたしの顔を見たけど、すぐに視線をあたしの身体へと戻した。ますます露出されていくあたしの身体に…。胸やあそこに…。 変態たちの熱く刺すような視線! それを浴び続けているうちに、残っていた抵抗力もぜんぶ溶けてしまって、あたしまでも変態的に自分から身体を開いてしまっていた。 男たちの指はますます大胆にパンティのところをまさぐっていて、いつの間にか股間の生地を横にずらされ、ツルツルに剃ったあそこが露わになっていた。こんな格好になっているあたしを見る男たちの目。どの変態男を見ても興奮してる顔になっている。 突然、両脚を持ち上げられ、両足を前部シートの背もたれの上に乗せられた。あそこが露わにされたまま……。 あたしの胸を触っていた変態は、ゆったりとしたブラウスを引き下げて、おっぱいを全部、露出させ、みんなに見えるようにした。そして固くなってる左右の乳首をつまんで、引っぱりながら、きゅっ、きゅっとつねった。電流のように快感が走って、思わずのけぞってしまう。その間も、あそこをいじってる指が濡れた唇をヌルヌル擦って、左右に広げてる……。 あたしは、最後までかろうじて残っていた自尊心から、両手を引っぱって自由になろうとしたけど、両側に座る変態たちが、すぐにあたしの手を掴んで、背中に回し、そこに固定した。ああん、動けない……! 何もかも露出してしまってる…。こんなに露出してる気持ちになったのは初めて。あたしの大事なところが隅々まで見世物になってる感じ…。 車の窓の外に目をやった。車の中で起きてることが、道路の歩道からすっかり見えてるのに気づいた。 ああ、イヤっ! 他の人にも、こんな格好にされてるあたしが見られてる! 頭がくらくらしていた。快感からなのか、ショックからなのか分からない。 変態男たちは、その間も、ずっと続けている。あたしの身体を探りまわり、あそこの唇を広げてはあたしが出す女のお汁で指を濡らし、いやらしい笑みを浮かべてあたしの身体をじろじろ見ている。そしてあたしはと言うと、男たちが見て喜ぶようにと、淫らに身体を広げている……。嫌なのに……。 脚の間に目を落とした。広げられたあそこの唇の間、男たちの指が這いまわってる。割れ目の先端から末尾までヌルヌルと何度も往復している。あたしをどんどん濡れさせ、どんどん狂わせようと! あたしは、再びのけぞった。目玉が頭の奥へ持ちあがっていくのを感じた。白目を剥いてる。ああっ! ああっ! ああーっ! と喜びの声を上げているのが聞こえた。 その時、変態のひとりがあたしのお口に唇を重ねた。キスをしながら強引に舌をお口の中に挿しこんでくる。あたしは抵抗した。でも、それも長続きしなかった。男の指があたしの濡れた穴に入ってくるのを感じたから。指を挿しこまれた後は抵抗する力が抜けて、なされるままになっていた。 お口を開けて、熱いキスを返し、自分から舌を絡ませていた。熱っぽく親密にあたしの舌と彼の舌が絡みあう。 そうしてたら、別の指があたしの中に入ってくるのを感じた。ああ、あそこに同時にふたりの男に指を入れられてるの? それに気づいても、淫らに許してしまってる…。
「ノボル? ここ私の職場なのよ?」 アンジェラは、ノボルの手が身体を這い、ますます切実な雰囲気を帯びてきてるのを感じ、弱々しく抗議した。 ノボルはアンジェラのスカートの中に手を忍び込ませた。ソング・パンティの湿った生地に手が触れ、アンジェラは強く抗うことはないとノボルに伝えた。 「ランチを食べに階上の私の部屋に来ることになっていたよね。忘れていない?」 とノボルは彼女の濡れた陰部に指を2本挿しこみながら呟いた。 「ランチのためにじゃないくせに…」 アンジェラはノボルの指を締めつけながら、喘いだ。 ノボルの勃起はすでに痛いほどになっていた。アンジェラがケンに出ていってと言ったときから、すでに勃起していた。 「もちろん、その通りです。ただ、いつもあまりあからさまになるのは避けたいから」 アンジェラは仕返しをするように、ズボンの上からノボルの睾丸を握った。それを受けてノボルはうめき声を上げた。 「私には、これはかなりあからさまに見えるわ」 アンジェラは手の中、彼の分身がひくひく脈動するのを感じた。 ノボルは我慢できなくなった。唸り声を上げながら、荒々しくアンジェラをデスクにうつ伏せにさせ、スカートを腰まで捲り上げた。彼女の脚を開かせながら、ズボンのチャックを降ろし、怒張を引っぱりだし、彼女の濡れたパンティに擦りつけた。 そして指で薄い生地を横にずらし、我慢しきれなくなった分身を一気に彼女の最奥に押し込んだ。それを受けてアンジェラは喜びの声を上げそうになるが、何とかして大きな声にならぬよう押し殺した。そのアンジェラにノボルは切羽詰まったかすれ声で囁いた。 「あなたは私のものだ。私は、いつでも、どこでも、望んだ時にあなたを奪うつもりです」 片手でアンジェラの首根っこを押さえつけたまま、ノボルは激しく後ろから打ち込みを続けた。アンジェラが急速にオーガズムに近づいていくのを彼も感じ取っていた。 「出す時は思い切り中に出す。今日の午後は、家に帰ってくるまでずっと、私が出したものを中に入れたまま座って仕事をするんだ。いいね、分かった?……」 そう言う間もずっと激しい打ち込みを続けている。 「……患者さんと話しをするときも、私の樹液がゆっくり染み出てくるのを気にし続けてほしい。そうやって、午後の診察の仕事をする直前に、このデスクで私に犯されたことを思い出して欲しい」 ノボルの言葉攻めは望み通りの効果を得た。アンジェラはノボルの言葉に刺激され、自分からも激しくお尻を突き上げた。そうでもしないと、アンジェラは声を出すまいと口に指を入れて塞いでいたが、危うくその指を噛みそうになったからである。 そしてふたりは同時に絶頂に達した。ノボルの射精を受け、アンジェラの女陰は短い間隔の収縮を続け、彼の肉茎を締めつけた。 やがて行為が終わり、ノボルはまだ荒い呼吸のままではあったが、満足したうめき声を出しながら、アンジェラから抜け出て、ズボンを履きなおした。ズボンの前には誰の目にも明らかな染みが浮かんでいたが、ノボルはシャツの裾をズボンの外に出すことで、それを隠した。その後、アンジェラのパンティとスカートを元通りに整えてあげながら、彼女の鼻先に軽くキスをし、冗談を言った。 「このズボンはもう洗わないことにするよ。家で待ってるからね」 ドアの向こうで音がするのが聞こえ、ノボルは顔を上げた。 「ああ、ゲンゾーか。時間通りだ。じゃーな[Ja-na]、マイ・エンジェル!」 ノボルはそう言い、何食わぬ顔で手を振り、別のドアから出て行った。 ノボルが出て行った別のドアをゲンゾーがノックした。 「アンジェラ様、何事もありませんでしたか?」 「ええ大丈夫、ゲンゾー」 とドアの向こうからアンジェラの声がした。「それと、これを言うのは最後にするけど、様はいらないわ。アンジェラと言って」 ドアを通してであっても、ゲンゾーはノボルの匂いを感知できていた。そして自分がいない間に、まさにどのようなことが起きていたかを理解した。ゲンゾーは、小さく鼻で笑いながら、腰を降ろし、ノートパソコンを開いた。 _______________________________________
「生まれ変わり:シャーリーンの話し」Reborn - Charlene's Story by Mr_Owlow http://www.literotica.com/s/reborn-charlenes-story シャーリーンは豚のようにうめき、唸りながら階段を上がった。体重182キロの身体をぶるんぶるん揺らしながら、2階にあるベッドへと向かう。誰かを雇って、ベッドを1階に降ろしてもらおうと何度考えたことか。でも、毎日の生活で、これが唯一運動と言えることだし、これを止めてしまったら、さらに太って、動くことすらできなくなるのではないかと心配だった。 彼女は、この3年間、ずっと引きこもり生活を続けていた。あの2作目の小説が惨めな失敗になってから、ずっとである。作品が失敗しただけならまだいい。彼女は全国ネットのテレビ番組でこてんぱんにけなされ、そのため世の中から弾きだされることを余儀なくされたのである。 やっとのことで階段を登り切り、乱れた呼吸を整えた後、シャーリーンは歯を磨き、パジャマに着替え、ベッドに入った。iPadでしばらくネットサーフィンをし、食べ物関係のブログをチェックし、それから、小説をちょっと読む。そうした後、メガネを外し、うとうとと眠りに落ちた。 ***** あの生物は再び腹をすかせていた。もう1週間も何も食べていない。あの、連れを他の人に奪われた男。その男の身体を消化した後、何も食べていないのだ。 この生物は食料として身体を摂取する代わりに、人間に快楽と若返りと幸福感を与えていた。何度か試行錯誤を繰り返すうちに、この生物は、餌食とするものを幸せにする最善の方法を習得していた。それは、その餌食に、可能な限り多くの喜びを与える肉体をもたらすこと、および、その精神を少しいじり、変身後の状態を受け入れるようにすることだった。 その生物が再びハンティングをしていた。あの男よりももっと大きな人間がいないだろうかと。なにしろ、一度の食事で少なくとも40キロは消化しなければ空腹が収まらないのだ。できるなら、それより多ければ多いほどいい。 この生物は、初めて訪れた時、餌食の体重を間違って判断してしまった。そして最初の餌食を間違って殺してしまったし、二番目の餌食はあまりに小さくしすぎてしまい、赤ん坊に変えてやらなければならなかったのだった。 ***** シャーリーンは、真夜中、驚いて目を覚ました。 何か変なことが起きている。身体の下半分が、何か生温かくて濡れたものの中にあるようだし、何かが足首や手首を掴んで引っぱって、動けなくしてるように感じたのである。 窓ごしに月の光が差し込んでいる。よく見ると、ベッドの裾にぶよっとした大きな塊があって、両手首が黒っぽい触手に掴まれてるのが見えた。 シャーリーンは悲鳴を上げた。何度も悲鳴を上げる。だが、突然、その塊は彼女の腹部を這い上がり、彼女は身体をぐいっと前に引っぱられた。次の瞬間、シャーリーンはその生き物の中に取り込まれていた。何かベトベトしたジェルのようなモノの中にである。 不思議なことに、その内部の方が明るかった。すべてが暖かいピンク色の光に照らされていた。シャーリーンは、自分の手首を掴んでる触手が明るい紫色をしているのを見た。 シャーリーンはもがき、暴れた。溺れてしまうと思ったからだ。しかし、2本の細い触手が伸びてきて、彼女の鼻孔に入ってくると、突然、再び呼吸ができるようになった。別の触手が何本か出てきて、腕や脚を這っている。不思議とエロティックな這い方をしていた。すると急にその触手が曲がり、パジャマを掴んで引き裂いた。みるみるパジャマや他の衣類が引き裂かれていく。 すぐにシャーリーンは素っ裸にされてしまった。恥ずかしさの感情が襲ってくる。それとともに、このように醜い裸体を晒されることを思い、恐怖感も襲ってきた。毛布を掴んで、身体を隠そうとしたが、触手たちはそれを許さない。しばらく抵抗してはみたものの、誰にも見られてるわけでもないと知り、シャーリーンは抵抗を諦めた。
黒いネクタイを締めて、タキシード姿のロブはロブは確かに颯爽としていた。その彼が、私の姿を目に留めるや、口をパクパクさせた。先の鮫の話ではないけれど、海の生き物のたとえを使うなら、海から引き揚げられた魚のように、口をパクパクさせている。彼を正気に戻し、あからさまに私に接近するのをやめさせるには、かなり腕っ節の強い人が制止に入らねばならなかった。 会場に向かう間、私たちはずっと「有名スター」的な振舞いを続けた。ロブは私をエスコートしてリムジンの後部座席に案内し、その後、私の隣に座った。途中、ジムとアンジーを拾い上げ、ワシントン通りにある元中央図書館、現在のシティ・カルチュラル・センターへの道をシャンパンを啜りながらドライブした。 「遅かれ早かれ、そのドレスを着ると思っていたわよ」とアンジーが堰を切ったようにしゃべりだした。「もう、ほんとに、あなたったら…。深呼吸したら、絶対、はみ出しちゃうわよ。恥知らずなんだから!」 私もふざけまじりに辛辣さを装って反撃した。「でも、その言葉、ドナテラ・ヴェルサーチ( 参考)のオリジナル服をフレデリックス・オブ・ハリウッド( 参考)のように見せてしまう身体をした人が言う言葉?」 実際、黒サテンのビスチェ風( 参考)のシース・ドレス( 参考)に身を包んだアンジーはハッと息を飲むほどセクシーだった。このドレス、私たちが木曜朝の会議の後、すぐにオフィスを抜けだし、ニードレス・マークアップ( 参考)のドレスメーカ・サロンで見かけたもの。 アンジーはこれを試着して、三面鏡で自分の姿を見た時、目をらんらんと輝かせたが、その直後に値札を見て、みるみる目に涙を溢れさせた。そこに私はプラチナ・カードを出したのだけど、そうしたら、アンジーは公の場所なのに泣きだしたのだった。 「いいこと? あなたのせいで3か月前にこんなことに巻き込まれることになったのよ。私ひとりだけでやるとなったら怒るんだから」 そして、ウソ怒りを和らげるためにアンジーの頬に優しくキスをした。 「それにね……あなたはその服を着る価値のある人だし」 そんなことを思い出しながら、さらにシャンパンを飲んだり、カナペを食べたりしているうちに会場に到着した。 メインの会場には弦楽四重奏団がいたし、それより小さな、かつては参考書類が置いてあった部屋にはハープ奏者もいた。この雰囲気は、有名企業の社交文化にしばらくいた人たちにとってすら、珍しい雰囲気だった。苗字がホットドッグやベーコンの包装紙に載っている人はもちろん、公共の建築物や企業のロゴに名前がついてる人たちと一緒に会場にいて、肘を突き合わすようにしていて、ちょっと恐れ多い感じもした。いわゆるセレブたちに囲まれて、アンジーはすでに有頂天になっていたし、私もそれに近い気持ちになっていた。
7年目アンドリューの話し友人のジェイクが電話をよこした。多分、テニスの予定を変更したいとか、そういう話しだろうと思った。だが、違った! あいつは妙なニュースを得て、それでもって僕を苦しめようと思ったようなのだ。 「おい、アンドリュー! お前は俺のヒーローだぜ! 俺はお前は女の尻に敷かれっぱなしで、たまにテニス・ボールを打つのだけが楽しみのつまんねえ男だと思っていたが、今は違うぞ、お前は女たちに神が授けた贈り物なんだってなあ」 今頃、何だ? 僕は充分に困っていないとでも? 「オーケー、ジェイク。どんなニュースだ。何が起きたって?」 ジェイクは気取った調子で答えた。 「で? アンドリュー。プレーボーイの最新号、買ったか?」 プレーボーイ? まったく何てことだ! 「僕があの雑誌を家に持ちこんだら、妻たちがカンカンに怒るのは知ってるだろ? 確かに、僕は尻に敷かれているよ。大きな声で言ってもいい。言ってくれ、プレーボーイに何が載ってるんだ? もう充分に惨めな人生になってるのに、さらに追い打ちをかけるような記事だろうけど…」 「お前の奥さんたち、これは一度見ておきたいと言うと思うけどなあ。今月のプレーメイトが表紙に載ってるんだ」 あーあ、何となく嫌な予感がする。 「プレーメイト? 複数形で?」 ジェイクはしてやったりと思ってるだろう。 「ああ、双子のプレーメイトだ。おお、これこれ。綺麗だし、若いし…。お前、この野郎! 中の記事のタイトルは、『デス・バイ・ファッキング:創始者に孕ませられちゃった』ときたもんだ!」 僕は返事をしようとしたが、まともな言葉が出てこなかった。そういうニュースに対して何と言ったらよいのか。 「ジェイク、今日の午後のテニスは予定通りなのか?」 「もちろん。お前が女たちといちゃつく合間の時間があるならな。このスケベ野郎!」 「おいおい、やめてくれよ、ジェイク! その忌々しい雑誌を持って来てくれるか? 妻たちには僕から話した方が良いと思うんだ。妻たちがクラブの会合とかでどこかのお喋り女から話しを聞くようなことは避けたいから。それで、その双子って誰なんだ? 美人なのか?」 ジェイクは電話の向こうで大笑いしていた。「おい、お前なあ。もし俺がこの娘たちとヤッテたら、この娘たちの顔は永遠に脳に焼きつけられると思うぜ。なのに、お前はどの女なのかも忘れてる。俺、どんな間違いをしてるんだ? 教えてくれよ。どうしたらお前のように釣りができるんだ?」 僕は真面目な声になった。「ジェイク。試してみるか? もし、お前がこのIAMの双子たちのうちの一人でも妊娠させられたら、お前の身体が許す限り、いくらでもさせてやると誓うよ。全員、持っていけ! ただ僕の妻たちはダメだよ。それはお願いだから」
「それにしても、そのビキニ、どうやって親に見つからないようにするつもり?」 と俺は手にオイルをかけながら言った。 「親には絶対バレないわ」とバル。 俺は彼女の片方の脚を持ち上げ、足の指や甲にオイルを塗り始めた。 「どうしたの、ジャスティン。このビキニ、気に入らないの?」 と足の指を動かしながらバルは訊いた。 「いや、正反対さ。すごくいいよ」 と今度はふくらはぎにオイルを塗り始めた。 彼女の脚にローションを塗りながらゆっくりと揉みほぐす。その間、俺の目は、彼女の脚の間の小さな楕円形のスポットに釘付けだった。太腿の裏側に移ったころには、俺の分身は自由になりたいとキリキリ言い始めていた。脚を這い上がるのにつれて、俺の顔がバルの尻に近づいていく。 脚の一番上まで来た時、そのままお尻に触っていいものか迷い、ちょっと躊躇した。いったん手を離し、両手にローションを取っていると、バルが肩越しに振り向いて言った。 「全部、くまなく塗ってね」 まるで誘おうとしてるような雰囲気だった。 俺は手にローションを取るのをやめて、直接、彼女の尻にローションをかけることにした。魅力的な尻にローションを垂らすと、とろとろと尻の割れ目に沿って流れ始めた。 俺は本能的にローションの瓶を脇に置き、素早く両手を彼女の尻頬に添えた。垂らしたオイルをすくうようにして、尻頬に塗り込んでいく。尻の下から腰へと塗り上げるようにして、刷り込んだ。 尻の割れ目に流れ込んだローションはどうする? 俺は心臓をドキドキさせながら、両手の親指をゆっくりと彼女の尻の割れ目に沿って動かした。 くまなく塗ってやらなければいけないんだからなと、ヌルヌルになった親指で尻頬の間をゆっくりなぞり始めた。余ったオイルが親指から手へと流れてくるのを感じた。 俺の親指が、尻の間に食い込んだ青いストラップの部分を行き来し始めると、本能的にか、バルは腰を浮かせた。 だが、しつこいのはダメだ。一通り、その部分に塗りこんだ後は、ウエストへと移動し、その後、いったん手を離して、またローションの瓶を取った。 背中へとオイルを垂らす。ふと、バルの脚の間へ目をやると、そこに湿ったスポットができてるのに気がついた。ずいぶん大きなスポットになっていて驚いた。ソング・パンティ全体がびちゃびちゃになっているようだった。 今度は背中をマッサージしながら、肌にオイルを塗り込んでいく。ゆっくりと上方へと塗り込んでいったが、やがて上のビキニを留めている結び目に手が触れた。 するとバルが振り返って、「いいわよ。それ、解いて」と言い、また、顔をブランケットに埋めた。 このチャンスを逃してはならぬと、俺は指を震わせながら結び目に触れ、ゆっくりと青い紐を引っ張った。結び目がゆっくりほどけていく。 解いた紐は左右に置いて、再びオイルを垂らし、マッサージを始めた。 「うーん…。気持ちいいわ、ジャスティン」 とバルはうっとりと溜息まじりの声を出した。
後部座席で変態男たちに挟まれて、ぎゅうぎゅうになって座ってる。ずっとスカートが捲れないようにと頑張っていたけど、不可能だった。腰をぴっちり包むタイトスカートなので、少しでも動いたら、すぐに捲り上がってしまって、今は脚がすっかり露出してたし、シースルーのパンティも顔を出しそうになっていた。 あたしの周りの変態たちが、しょっちゅうそこに視線を向けてくる。フランクも運転しながら、あたしの脚の間を見ようとミラーの向きを変えていた。あたしは、絶対に見せまいと、脚をしっかり閉じ続けた。 ふと、太腿に手が置かれるのを感じた。下を見たら、右側の変態男があたしの肌に手を置いている。そのすぐ後に、左側の変態も同じことを始めた。 ふたりともしばらくそうやってあたしの太腿に手を置いていたけど、だんだんと手を動かし始めた。すごくゆっくりだけど、あたしの肌をさわさわと撫で始めている。フランクはミラーでその様子を見てたのか、にやりと笑っていた。 ふたりの手がパンティのすぐそばまで上がってきた時、あたしは両手であいつらの手を押さえ、身体を前に倒してうずくまる姿勢になって、払いのけた。そんなに簡単に触らせてたまるもんですか! 「それで、フランク! 今からどこに行くの? あんた、何を考えてるの?」 とあたしは問いかけた。 「ということは、マックスの店のこと、聞いたことがないのか?」 「あるとは言えないわね。多分、あたしが行くような所じゃないんでしょうけど」 「じゃあ、今夜はサプライズが待ってることになるよ、ケイト。俺を信じていいぜ。きっと気に入るから」 その時、誰かの手が背中に回って、あたしのスカートを引っぱり上げてるのを感じた。すぐに姿勢を元に戻して阻止しようとしたけど、お尻に敷いていたスカートの裾が、お尻の下から引っぱりだされてしまった。お尻に冷たい革のシートを感じる。その冷たさが少し気持ちよくて、その気持ち良さがすぐに股間の中心へと伝わってきた。 車は何回かカーブを曲がり、そのたびに、太腿の手が露わになったパンティに近づいてくる。あたしは、脚をぴったり閉じたままにしておくために、意識を集中していなくてはいけなくて、あまり言葉はしゃべらなくなっていた。 そして気がついたら、あたしの両手が身体の脇に行っていて、ピッタリと身体を押しつけている両側の男たちに挟まれて、手が動かせなくなっていた。 しっかり脚を閉じているけど、男たちに太腿の肌をさわさわと太腿を触られている。この状況、吐き気がするくらい嫌なのに。なのに、触られているうちに呼吸がだんだんと苦しくなっていた。 指が1本、横からパンティ・ラインをなぞるようにして、中心部に近づいてきた。息が乱れてくる…。 下を見たら、左右の変態男のふたりとも、あたしの脚の隙間に手を挿しこんで、開かせようとしていた。だけど、あたしは前のめりになって自分を守る格好になって、しっかりガードしていた。あたしは後部座席の真中に座っていたので、膝頭が2つの前部座席の隙間に嵌まる形。これだと、どう頑張って脚を開かせようとしても、いつまでも、いま以上に開くことはないわ。 ただ、この姿勢だと、濡れたパンティの股間部分や、その中の濡れた割れ目は見えてしまっている。何とかして両手を自由にしようともがいたけど、かえってブラウスがずれてしまって、胸元から乳輪が顔を出してしまっていた。 狭い車の中、4人の男たちが皆、あたしのことを見ている。助手席の男もこっちを見ていたし、フランクもミラーをチラチラ見て、あたしを見ていた。あたしの身体の一番大切なところがどんどん露出してきている……。 こんなことやめさせたいのだけど、狭い車の中でぎゅうぎゅう詰めになっているのでできない。手が動かせないので、ただ触られるがままになっているしかない。左右から手が伸びてきて、その指がパンティの上からあそこの割れ目の筋を優しくなぞっている。その刺激にひとりでに身体が震えてしまう。 触られているのを見ているしかできない。本当に嫌なのに…。 何か言わなければ。やめてと言わなければとは思ったけれど、口を開けたら、言葉じゃなくて喘ぎ声が出てしまいそうで、できなかった。この変態たちに、あたしが感じていると思われるのだけは、絶対に嫌だったから。実際、感じてきてしまっているし!
ケンが出たのを見届けた後、アンジェラは勢いよくドアを開け、ゲンゾーに食ってかかった。 「ちょっと、あなた! 何をしたか分かってるの?」 「私は命じられたことをしただけです」 とゲンゾーはノートパソコンから顔も上げずに、平然と答えた。 頭に血を登らせたアンジェラが、ゲンゾーに説教しようとしかかった時、ノボルが彼女の後ろに近寄った。 「ゲンゾー、食事をして来なさい。30分以内に戻ってくるように」 ゲンゾーはお辞儀をし、待合室から出て行った。 アンジェラは勢いよく振り返り、ノボルと面と向かった。 「彼があなたを呼んだんでしょ?」 ノボルはアンジェラが韓国人の癇癪( 参考)を燃え上がらせるのを見てワクワクした。彼女がそんなに怒るのを見て、微笑みがこぼれてしまいそうになるのを何とか隠した。 「そうですよ」 とノボルはドアを閉めた。 「ノブ? 彼、ケンをあんなに乱暴に扱う必要なかったのに!」 「ゲンゾーは私の要求を真剣に考えてくれたのです。ゲンゾーはケンのことを知らなかったし。私が知らない人は誰でも、あなたの安全にとって害とならないと判明するまでは、脅威になる存在なのです」 ノボルは胸の前で腕を組み、当然のことと言わんばかりの顔でアンジェラを見た。アンジェラは、カーッと頭に血を登らせ、噛みついた。 「だったら、配達業の人なんかはどうなるの? ゲンゾーは知らない人だからと、配達人にも攻撃するの? そんなことさせられないわ!」 アンジェラはくるりと後ろ向きになり、片手で顔を覆い、もう片手を腰に当てて、溜息をついた。 「ゲンゾーにはもっと丁寧に対処するよう、言いましょう」 ノボルは両腕でアンジェラを包み、前を向かせた。「だから、お願いです。怒らないでください。これは私にとっても初めてのことなんです。私は、あなたのプライバシーを尊重しつつ、あなたを守ろうとしているんです。でも、不慣れなところがあって…」 ノボルは彼女のあごに手をかけ、上を向かせ、そして小さな声で「ゴメン[Gomen]」と言った。 アンジェラはノボルの誠実そうな青い瞳を覗きこみ、苛立った気持ちが溶けてなくなるのを感じた。「大昔に私を失ったときのこと、本当に恐ろしいことだったのね」 ノボルは前夜の夢を思い出した。「あなたを守り切れなかった自分が決して許せないのです。絶対に同じ過ちを冒すことはできない」 ノボルはアンジェラをきつく抱き寄せ、感情のこもったキスをした。
私は、アンジーとダイアナが鉢合わせしてしまう可能性が一時的にせよなくなったのを感謝した。でも、よく考えると、ふたりを鉢合わせさせる必要があるのかもしれない。そうやって、無理やりどちらかに手の内をさらけ出させるのだと。もちろん、ふたりのどちらかがジェフ・スペンサーと手を組んでいるならの話だけれども。 ともあれ、私のプライベートな生活にかかわってる人の中、陰謀に加わってそうな人は誰もいなかった。少なくとも、それをほのめかすような情報はこれっぽちもなかった。私の公的な面でも同様に情報はまったくなかった。これは本当に、あのクォーターバックのジェフが必死になって仕組んだ策略なのだろうか? おいおう、もういい加減、顔を出せよ! 餌をいま以上に熟れて、ジューシーで、よだれが出そうにするなんて、できないんだから。いや、でも、ちょっと待って。ひょっとすると、もっと魅力的な餌を用意できるかも…… ロブとジムは社会慈善事業活動をしていて、毎月第3土曜日がそのようなチャリティを行う日だった。シカゴ市長をはじめとして、たいていの市の重鎮が集まる。その中には様々なスポーツのフランチャイズにかかわる人々も含まれる。 そして、その重鎮が男性の場合には、アンジーと私がエスコート役になることになった。実は、ロブとジムは、木曜午前の重役会議で、まさにそうなるように仕向けたのである。ふたりは私たちの反応を見て、呆気にとられた。 「不意打ちの招待だって言うけど、どういう意味?……ふさわしい服に着替えるのに3日もかからないだろ? ……職場でライフルを乱射した男とかっているよね?……」 私もふたりの魂胆が見えてきた……。 でも、ともあれ、その時点では私はもっと大事なことを考えていた。私には着ていくドレスがないということ……いや、あったかしら? そのドレスを100回は見つめていたと思う。クローゼットに釣り下がってるあのドレス。罪悪感についての話を聞きたい? 私はダイアナに教えられた電話番号に伝言メッセージを残した。でも、彼女はまだ返事をよこしてくれてない。確かに、ミシガン通りを車で流せば、何か他のものを見つけられたかもしれない。でも、なぜか直感がくすぐられる。このドレスには何かある。展開しつつある陰謀に何らかの意味合いを持っている感じがする。だから、このドレスこそが完璧なチョイスだとしか思えなかった。これが私の場合の「マルタの鷹」なら、どうしても着ていきたい…… そしてそれを着た。 あらまあ! ちょっと、これ、似合いすぎかも。 すでに全行程を済ませていた。美容室に行って、赤い子牛革のコルセットを締めて、それにマッチしたソング・パンティを履いて、薄地の黒いストキングと、あのドレスを身につけ、仕上げにアクセサリ類をつけた。コートはいらない。5月にしては例年になく暖かい日だったから(シカゴでは6月の第2週に雪が降って、7月の第4週に30度以上になるのも普通)。このドレス、胴まわりが過剰なほどふわふわしていて、スカートのところはお尻を気持ちよく包んでる。 そう。鮫どもに餌を撒くとしたら、中途半端じゃダメ。
ディアドラの話しそれは私が予想してたこととは違った。私たちが愛しあいたくなると、その行為は激しく求めあう形になるのが普通だった。アンドリューは強引に私たちを奪い、私たちも彼を強引に奪う。そうして強烈なオーガズムになるし、情熱も激しく、時には失神してしまうほどになる。だけど、この時は、そういうのとは違った。 アンドリューは私たちをベッドに寝かせた。そして、優しく私たちの服を脱がし始めた。本当にゆっくりと、そして優しく……。それからとても愛情をこめて優しくキスをしてくれた。しっとりとしたキス……。とてもロマンチックだった。 私たちは若くはない。中年にさしかかったカップル。いや、カップルと言うのはおかしくて、3人組だけど、言葉なんか、どうでもいい。そんな若くない男女なのに、愛は深く、純粋だった。私たちの間に起きた様々なことを経てもなお、生き残り続けた愛情。 彼はとても気を使ってくれて、優しく、愛情豊かだった。そして私たちも彼に同じように愛情深くお返しをしてあげた。私たちの愛は、すべての女性が若かった頃に夢見るような愛と言える。どんな女性も若いころに夢見るけれど、それを達成できる女性はほとんどいない。そんな愛。 アンドリューとドニーと私。この3人は永遠なのだ。無意識的に、この愛が失われるかもしれないという不安を持っていたが、それは所以のない不安だった。あらゆるホモサピエンスが抱えている種類の不安。ホモサピエンスは真に孤立している。そのために感じる種類の不安。孤立した存在であるために、自分が愛されていることを、相手の行為によってしか知ることができないホモサピエンスの感じる不安。 そう思ったときだった。ハッと気づいたことがあった。私の理論だ! 私自身で気づいた、私の理論! 私は突如、気づいたのだ。つまり、アンドリューのもう一つの不安、ずっと前から彼が感じていた不安、すなわち私たち夫婦についてではなく、新人類についての彼の不安のことだけど、その不安がまったく根拠のないものだと。 なぜなら、私たちの子供たちは愛を知ってるから! 子供たちには、愛は抽象的な概念ではなく、物理的な実在物なのだ。ホモサピエンスは誰でも、愛することがどんなことかは知っている。だけど、愛されることがどんなことかは本当には誰も知らない。 だけど、新人類である娘たちは、他の人の愛を感じることができるのだ。ドニーも私も無条件に娘たちを愛している。でも、アンドリューは! アンドリューは、私が知る他の人には誰もできないような愛を行うことができる。娘たちは常時、アンドリューの愛に包まれていることを感じているに違いない。娘たちは、彼のおかげで、私たち3人のおかげで、安全だと、守られていると感じている。 愛がホモサピエンスを救うだろう。新人類は、私たちを愛するゆえに、私たちが愛するゆえに、私たちホモサピエンスのことを気づかうだろう。新人類の世界は、共感が単なる概念ではなく、一定不変のものとしてある世界だ。私たちも世界がそうなってほしいとずいぶん前に願った。そんな世界が娘たちの世界。私には分かる。 人を傷つけたい衝動、支配したい衝動、虐待したい衝動…。それらは孤立していることからのみ生じる。新人類の場合、誰も孤立する人はいない。 アンドリューが心配顔で私を見ていた。 「どうしたの? 100万キロも彼方に飛んでいたような顔をしているけど。どこか具合が悪いの?」 私は微笑んだ。とても幸せ! 現実であれ思い込みであれ、意識してたものであれ、無意識のものであれ、私が感じていたあらゆる不安が、今日、この時、終息したから。 「どこも悪くないわ、アンドリュー。すべて問題なしよ! 今すぐ、私たちを愛して! 後で話すから。世界は素晴らしいものに変わるわよ! 私たちにとってだけでなく、あらゆる人々にとっても!」
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