バルの細長い指で首にローションを塗られ、気がついたら勃起を始めていた。指先で両わき腹をヌルリとされた時には、背中のあたりの毛がぞわっと立つのを感じた。 バルはちょっとマッサージの手を休めた。ローションの補給をしているようだ。 「どう? 気持ちいい?」 バルはローションの補給を終えると、また前のめりになって俺に覆いかぶさり、俺の両腕に塗り始めた。 「ああ、いいよ…」 暖かい日差しも、気持ちいい。 バルは這うようにして俺から降りると、今度は脚の裏側にオイルを塗り始めた。指や手が信じられないほど気持ちいい。俺の脚の裏側を何度も優しく擦ってる。 今度は太腿の内側に触れてきた。さらに勃起してくるのを感じる。少し脚を開いたら、バルの指先が睾丸の付け根あたりを軽く引っ掻いた。危うく、イキそうになった。 バルはゆっくりと俺の尻辺りから足先まで何度も往復し、ローションを擦り込んでくれた。特に足先について、彼女の柔らかくて細い指で、足の指を一本一本丁寧にマッサージしてもらい、すごく気持ちよかった。 そして、もっと続くかと思っていたのだが、気がついたら、オイル塗りが終わってしまった。 「はい、これで塗り終わったわ。今度はあなたの番よ」 とバルは優しい声で言い、立ち上がった。 「ちょっとトップを脱ぐの手伝ってくれる?」 と彼女は後ろを向いて両腕を上げた。 手がオイルでヌルヌルになってるからだろう。俺にトップを脱がしてくれというわけだ。俺は完全に勃起してる状態なので、それがバレないように注意して立ち上がった。 バルは後ろを向いたまま、両腕を頭の上にあげて、バンザイをしている。よく見ると、タンクトップの裾が持ち上がって、乳房の下のふもとがチラリと見えていた。俺は震える手でタンクトップの裾を指で挟み、引っぱり上げた。 じわじわと引っぱり上げながら、俺は息が苦しくなるのを感じた。捲り上げていくと、背中の中央、ビキニの細紐が見えた。背中で結び留めるビキニだ。 そしてさらに捲り上げていく。肩を過ぎるあたりで、前の方で捲り上げるのを抵抗する感じがした。どうやら乳房に引っかかっていたらしい。それを過ぎ、さらに両腕を過ぎて、俺は彼女のタンクトップを完全に脱がした。 「下の方もお願い」 とバルは肩越しに振り返って言った。 下を脱がす時もバルは後ろ向きになっていて、遠くで日光浴をしている人たちを見ていた。俺はショートパンツの腰ゴムに指を挿しこみ、軽く引っぱった。少しずつ引き下ろしていく。気がつくと、俺は先走りを出してしまってるのに気づいた。水着を濡らしてる感じがする。 おお、これはすごい。と、彼女のビキニのトップを見ながら思った。その間もゆっくりとショートパンツを降ろしている。セクシーなお尻が顔を出してきた。 お尻の割れ目のすぐ上、小さな青いストラップが見えてきた。思わず息を飲む。さらにピンク色のショートパンツを降ろしていくと、ほとんど裸同然のお尻が見えてきた。バルはソング型の青いビキニを履いていた。 この場で、この尻にぶち込みたい。そうは思ったけど、もちろん、そんなことできないのは分かってる。ショートパンツが太腿を超えたところで手を放したら、するすると足元まで落ちた。バルは蹴るようにしてそのパンツを脱ぎすて、その後、両膝をついた。そして、ゆっくりとブランケットにうつ伏せになった。両腕は横に広げ、脚をかすかに開いている。 俺はゆっくりとバルの足元に移動した。完璧と言えるお尻を鑑賞しながら。ビキニの結び目が、腰の脇のタオルのところに来てる。すぐにでも、この結び目を解いてしまいたいと衝動に駆られた。
~*~ 「殿! 殿にお会いしたいという男が来ております。奥様について知らせがあると」 馬に乗ろうとしていたレオンは動きを止めた。「どこにいる?」 「城門のところです」 レオンは片脚を振り上げ、手綱を握って鞍に座った。「私から会いに行く」 レオンは速足で城内を駆けた。部下たちはその後ろをついていくのがやっとだった。レオンは城門のそばに馬を止めた。 「どんなことを知っている?」 とレオンは男に声をかけた。彼は初老の農夫で、恭しく帽子を脱ぎ手に持った。 「マリイ様が、殿にコローの近くの廃墟とお伝えするようにおっしゃったので…」 何てことだ! レオンは男に持っていた金の入った袋を投げ渡し、蹴るようにして乗馬し、駆けだした。そして城を取り囲む堀の橋を叫びながら疾走した。部下たちもすばやくレオンに続いた。罠が待ち構えているのは間違いない。 ~*~ 人の声がし、イサベラは目を覚ました。目を覚ますとともに、頭痛がし、小さなうめき声を上げた。その声は、しかし、くぐもっていた。口に猿轡をされていたからだ。横寝にされていて、両手は後ろ手に縛られていたし、両足も縛られていた。苦痛で床についた方の顔を歪ませた。 イサベラはまばたきし、顔にかかる髪の毛ごしに薄暗い部屋の向こうに目を凝らした。 冷たい石壁の部屋。その中央には使い古された低い椅子があり、そこに、彼女の父が座っていた。そして、その父の下腹部にマリイがまたがっていた。両手を頭に上げ、セクシーに長い黒髪を持ち上げている。 また私はこのふたりに囚われてしまったの? 恐怖がイサベラの中にふつふつと湧いてきた。どうして私はこんなに愚かなことをしてしまったのかしら? イサベラは、マリイが両手を前に添え、小さなボタンを一つずつ外し始めるのを見た。胸元のボタンからから、ひとつひとつ、外していく。外し終えると、前を開き、中の絹のシュミーズを露わにした。クリーム色の肌の胸の隆起も見える。 マリイは、背中を反らせ、胸を突きだしながら、イサベラの父アランの両手を握り、自分の胸に近づけた。アランの下腹部の上、腰を前後に動かしながら、呟いた。 「触って…」 アランは高笑いしながら、シュミーズの上からマリイの胸を手荒に揉み始めた。やがて、彼は、マリイのシュミーズに手をかけ、繊細な生地を引き裂き、彼女の豊満な乳房を露わにした。 アランは両手を出し、その露わになった乳房を鷲づかみにした。両手の指が柔肌の乳房に食い込む。それを受けて、マリイは淫らな喘ぎ声をあげ、頭を後ろに倒した。美しい首筋が見える。自分の身体を彼に差し出している。そして、その間もゆっくりと腰を前後させ、しきりに求め続ける。 アランはマリイのガウンに手をかけ、乱暴に引っぱった。ビリビリと生地が裂ける音が響いた。それは何度も繰り返され、マリイは最後にはリボンで結んだ下着一枚だけの姿で彼の上にまたがる姿にされた。 するとマリイは腰を浮かせ、一度アランから離れ、自ら下着を降ろした。むっちりと肉づきのよい尻と太腿、その太腿の間に茂る濃い縮れ毛の三角形が露わになる。その熟れた女性美にイサベラは目を見張った。 しかし、それより驚いたことは、マリイの全身の肌が不自然なほど光沢を帯びていたことだった。暖炉の火明かりのなか、キラキラと輝いている。それを見てイサベラはショックで叫び声をあげそうになった。マリイは何をしたの? 全裸になったマリイは、アランのチュニックに手をかけ、頭へと引き、脱がした。それから両手を蛇のようにズボンの中へと滑りこませ、中から彼の分身を引きだした。愛しそうに両手でアランの勃起を撫でながら、再びマリイは彼にまたがった。 「はあぁぁぁ……」 マリイは艶めかしい声を上げながら、ゆっくりと腰を沈めた。 「自分で動け、マリイ。淫乱女らしく、淫らに腰を振るんだ」 アランはマリイのツンと尖った乳首をつまんだ。マリイは身体を上下させながら、両腕をアランの首に巻きつけ、抱き寄せ、アランの背中を擦った。アランの背中がオイルで光沢を帯びてくる。 イサベラは目をつむった。だが、目をつむっても、ふたりの出す音が聞こえなくなるわけではない。男女の肉がぶつかり合う湿った音。男の低い唸り声。女の漏らす溜息。 イサベラは音を立てないようにして、手首を縛る縄から逃れようともがいた。だが、きつく縛られた縄は簡単には解けない。イサベラは、どうしようもないじれったさに、泣きそうになった。 マリイとアランの行為は延々と続いた。やがて、イサベラの父の息づかいは、次第に苦しく、途切れ途切れになり始めた。それと共にマリイが上げる喜びの声はかすれた声に変わっていった。アランがほぼ意識を失った状態になっても、まだ、激しく動き続けている。イサベラは、早く終わってと祈った。 そしてアランは死んだ。その死は決して静かな死ではなかった。 イサベラは涙をこらえつつ、その死を見届けた。行為を終えたマリイは全裸のまま、イサベラのところへ歩み、彼女を見降ろした。全身の肌が興奮でほのかに染まり、アーモンド・オイルで輝いていた。彼女の瞳も輝いていた。 「あいつを憎むことにしたのよ」と彼女は微笑んだ。恐ろしい笑みだった。 ~*~ イサベラは岩だらけの道を進んでいた。歩くたびに雑草が服に絡みついたが、気にせず進んだ。彼女の背後には廃墟の石塔がそびえ、彼女に影を落としていた。 地面が響くのを足を通じて感じ、イサベラは顔を上げた。遠くの平原を何十頭もの馬が埃を巻き上げながら走ってくるのが見えた。その騎士たちの装具も武具も、お馴染みの黒と黄色なのが見えた。そして、その先頭を走るレオンの姿を見て、イサベラの胸は膨らんだ。石塔を取り囲むよう部下たちに大声で指示をするレオンの声が聞こえる。 イサベラは歩みを止め、軽く身体を傾けた。もうその必要はないのよ。そうレオンに言うこともできただろう。彼女はマリイから、父の部下たちが遁走したことを聞いていたからである。レオンが、アランの味方をした者を捕まえたら金貨1000枚の報償を出すと聞いて、みな遁走したのであった。 「イサベラ!」 レオンが馬から飛び降り、彼女のところに走ってきた。怒りと恐れで顔色が悪い。レオンはイサベラを抱き上げ、いたわるようにして、部下たちが集まっているところへと運んだ。その間、イサベラは顔をレオンの胸元に押しつけ、しがみついていた。彼の匂いが懐かしい。 「こんなに俺を心配させやがって…。俺は、お前を抱いてキスすべきかどうか、迷ってる」 「どうして私の居場所が分かったの?」 イサベラは囁いた。ずっとレオンにしがみついたままで、もう決して離れないと言わんばかり。 「マリイが伝言を残したんだ。マリイはどこだ? あいつに傷つけられなかったか?」 「いいえ、マリイはあることの始末をしているところ。私、自分でできると思っていたけど、でも今は……。ほんとに夢のよう…。でも本当になったのね。とうとう」 「お前は謎めいたことを言う」 「すべてが終わったの、レオン。マリイのおかげで、ようやくすべてが…」 とイサベラはレオンの喉元に唇をつけた。男っぽい塩辛い味が嬉しい。 「キスでごまかせると思わないように。お前のせいで俺はどれだけ心配したか。その償いを一生かけてしてもらうからな」 イサベラは顔を上げて、笑顔でレオンを見上げた。その顔がぱっと明るくなった。 「それはそれでいいわ。だから、早く私を家に連れ帰って」 おわり
「くるっと回ってみせろ!」 とフランクが命令した。 あたしは、言われた通りにし、お尻を見せた。お尻は完全に露出してるも同然なのに。また、口々にイヤラシイ言葉を吐きかけられた。 やっぱり淫乱女になった気持ち。フランクの言いなりになる淫乱スレイブ…。 でも、どういうわけか、それが嬉しい感じもしていた。自分では理解できないんだけど。侮辱されて怒るべきなのに。こんなことさせられて、腹を立てるべきであって、興奮するなんてあり得ないのに! 後ろを見せた後、また回って、男たちの方に向いた。その時も、スカートを捲り上げたままだった。そして、これも理由が分からないんだけど、リズの顔を見た。彼女の瞳に、ショックの色と興奮してる色が浮かんでいた。それを見て、あたしはさらに興奮した。 「リズ、どう思う? 彼女、このパンティ、似合うかな?」 リズは固唾を飲みながら、探るような目で、あたしの頭からつま先まで、何度も視線を往復させた。唇が渇いていたのか、一度、舌舐めずりをした。 「ああ、うん…。私、これまで……。いや、でも……いいと思うわ。似合ってると思う」 リズは顔を真っ赤にさせながらそう言い、フランクの方を見た。 この娘、興奮している。そして、フランクもそれに気づいたと思った。ニヤリと口元を歪ませるのが見えた。すぐに元に戻したけど、あたしにはちゃんと見えた。この男、何か考えてる。何か企んでる。変態頭脳を高速回転させて、何か計画してるのが分かる。 「あのね、僕たち、この友だちをバーに連れて行こうと思ってるんだ。よかったら君も来ない? 仕事は何時に終わるの、リズ?」 「8時よ」 とリズは素早く答えた。 またフランクが口元を歪ませた。この娘さんまでも変態行為のための獲物にできると思ってるんだわ! 「良かった! 僕たちマックスのバーに行くんだよ。あの店の場所、知ってるよね?」 リズが大きく目を開いて、「きゃっ!」と声を上げた。 「ええっ! ほんと? 私、帰る時、あそこのそばを通るのよ。本当にあそこに行くの?」 彼女の声の調子を聞いて、あたしは嫌な予感を感じた。マックス…? マックスってどこだろう? 名前は聞いたことがあるけど…。あたしもときどき主人とバーに行くから、街のたいていの人気があるバーは知っている。でも、マックスってバーはどこだったか、知らない。 「ああ、そうだよ。そして、彼女が獲物なんだ」 とフランクはあたしを指差した。 リズはまたあたしを見た。そして、またあたしの股間に視線を向けた。じーっと射抜くような視線…。そしてようやく返事をした。 「なるほどね。分かったわ。8時ごろ、私もそこに行くから」 ええ? どういうこと? そこ、どんな店なの? あたしは元の下着に着替えようと、試着室に戻ろうとした。でも、フランクがそれを止めた。 「おっと、ケイト。それは履いたままでいいぜ。俺たちが割り勘で代金を払うから」 「ええ、私もお金を出すわよ」 とリズはフランクに笑顔を見せ、レジへと向かった。 フランクたちがお金を出し合い、あたしはリズの後についてレジに向かった。無言のまま。罠にかけられた…。それは分かってる。でも、それは今だけ。 レジへと歩く間、男たちが、また、あたしのお尻をじろじろ見ているのを感じた。また、身体じゅうがぞくぞくして、鳥肌が立つのを感じた。 どうしてこうなっちゃうの? どうしてあたしはこんなに興奮してるの? こんな露出した服装で公の場所にいる。そんなあたしを男たちの群れがじろじろ見ている。どうして、あたしはその視線が好きなの? 支払いをしている間、フランクはずっとリズとイチャイチャし続けていた。それが終わり、男たちはあたしを連れてモールの中を進み、外に出た。駐車場に行き、全員で1台の車に乗り込んだ。あたしは後部座席に押し込められるようにして乗せられた。フランクの仲間の男3人と一緒に。運転をするのはフランク。
ゲンゾーはアンジェラの方に軽く頭を下げ、ケンを離し、何事もなかったように腰を降ろした。 「アンジェラ、一体どうなってるんだ? 電話に出たのはこの男か?」 とケンは怒った顔をして首を擦り、すでにノートパソコンに注意を戻してるゲンゾーを睨みつけた。 「ケン、こっちに入って」 アンジェラはそう冷たく言い、診療室のドアを指差した。もう、私の人生にはいま以上ドラマティックなことはいらないのと思った。ケンが診療室に入る時、ゲンゾーが携帯電話で日本語で話すのを聞いたが、彼女が分かった言葉は「彼氏[kareshi]」だけだった。 ケンに注意を戻し、アンジェラは強い口調で言った。「何しに来たのよ?」 「何しに来たかって?」 とケンは信じられないと言わんばかりに同じ言葉を繰り返した。「この前、君に電話したら、誰か男が出たんだ。そして、俺の声を聞くなり切りやがった。君も、全然かけ直してくれないし。メールすらよこさない。せめて無事だと知らせてくれればいいのに。俺、心配したんだぜ! アンジェラ!」 と彼は苛立ちながら部屋の中を進んだ。 アンジェラにとって、ケンは自己中心的なことが多い男だったが、今回は心配かけてすまないと感じた。 「ごめんなさい、ケン。最近、ちょっと気が変になるようなことばっかりあって…」 「外にいるあいつが、そいつなのか?」 とケンはドアを指差した。「あいつが、電話に出た男なのか? あいつとヤッたのか?」 「ケン!」 アンジェラは鋭い眼でケンを睨みつけた。ケンはその強い視線に、少しひるんだ。 「誰かと付きあってるのか? あいつがその男?」 と前より落ち着いた声でケンは訊いた。 「ケン、これについては話しあったはずよ。ただのセックス。それ以上、何もないの」 「どれだけ真剣なんだ? 君のマンションに行ったら、もう引っ越したと言われた。今はあいつのところに住んでるのか?」 ケンの声には、アンジェラが引っ越したと知って心が傷ついている様子が現れていた。 アンジェラが返事をしようとした時だった。急にドアが開き、ノボルが入ってきた。ノボルはアンジェラに近づき、両手を彼女の腰に添え、優しく尋ねた。「大丈夫か[Daijo-ka]?」 「そうか、こいつが電話に出た野郎だな」 とケンが吐き捨てるように言った。 ノボルはケンを無視し、もう一度アンジェラの顔を覗きこみ、同じ質問をした。 「大丈夫。彼とは知り合いなの。彼は私のことを心配していた。ただそれだけよ」 とアンジェラはノボルの肩越しにケンの方を見た。「後で電話するから、いい? 今はその時じゃないから、変なことはしないで」 「そういうことかよ。ヤルのに俺が邪魔で、追い返そうとしてるんだな。腹立つ!」 とケンは厭味を言った。 それを聞いてアンジェラは目を丸くして、両手を腰に当て、鋭い眼でケンを睨みつけた。 「ケン! あなたにこんなことを言ってもできっこないのは知ってるけど、数秒間だけでいいから、そんなバカなナルシストになるのを我慢してくれない?」 ケンはノボルのところにずんずんと近寄り、偉そうな顔で彼を見下ろした。 「良い出会いだな、おい」 ケンはいつも自信過剰の人物であった。アンジェラが彼と最終的に別れたのも、そのことが理由の一つだった。ただ、ケンがそのように自信過剰になるのも理由がないわけではない。日本人とアメリカ人のハーフで、身長は190センチ、体重96キロ。ハンサムな顔立ちで、彼自身、自分がイケメンであることを自覚している。 ケンはノボルの前に立ち、彼を見下ろしながら言った。「アンジェラ? 俺は、君はチビとはやらないとばかり思っていたんだけどなあ」 アンジェラは、ノボルが顔色を変えずにいて、この場でケンを殺したりしないでと祈りながら、ふたりの間に割りこんで、ケンを強く跳ねのけた。 「もう出て行って! 後で電話するって言ったでしょ? 今すぐ出て行かなかったら、もう二度とあなたと会わないから、そのつもりで!」 ケンは最後にもう一度、ノボルをきつく睨みつけ、部屋から出て行った。ドアを乱暴に閉じて。アンジェラはケンが出て行くときにゲンゾーのそばを通らずに済んで、内心ほっとした。
オーガズムの余韻を楽しみながら少し休んだ後、ベッドの上、猫のように背伸びをして、起き上がった。電動ディルドはまだ中に入れたままだが、最後に残ってる巨大なヤツを取った。こいつを使うときは、これまでとは違う、何か新しいことを試してみたいと思った。 そうだ、自分の姿を見ながらやってみたいと、そう思った。誰か他の人にヤラレテいる感じを味わいたいと。 俺は廊下に出て、全身鏡のところに行った。この鏡は、リビング・ルームへのアーチウェイ( 参考)に立てかけてある。これなら完璧だと思った。 早速、巨大ディルドの吸盤部分をべろべろ舐めて濡らし、アーチウェイの壁に押し付けた。だいたい膝くらいの高さのところに。鏡の向かい側だ。 床は堅そうなので、カウチから枕をふたつ持って来て、アーチウェイの突き出た壁を挟むように左右に置いた。その状態で、鏡に向かう形で両膝を床に突いた。左右の脚で突き出た壁を若干挟むようにし、位置についた。 鏡の中、床に両手を突いて、四つん這いでこっちを見ているセクシーな娘がいる。もちろん俺のことだが、実にエロい。 俺は後ろに手を伸ばし、入れたままのディルドを掴んだ。そして、思い切って一気に引き抜いた。 「あああ~んッ!」 鏡の中の女が喘いだ。 俺はアヌスが締まってしまう前に、これまた思い切って、後ろで待ちかまえている巨大ディルドに尻を突きだした。 「ああっ! くっ! くうううぅぅッ!」 鏡の中の女が大きな叫び声を上げるのが聞こえた。 突然、強烈な痛みと、中を最大に満たされる感覚に襲われた。腹が張ってる感じだし、とてつもなく中を広げられてる感じだ。あの触手にやられた時より、自分でこぶしを入れた時より、広げられてる感じだ。 …そして、これが実に堪らなく気持ちいい! 小刻みに尻を後ろに動かす動きを始めた。 「ああぁ! ああぁ! ああぁ! ああぁ!」 動くたびに女が声を上げている。 中が完全にいっぱいになった感じがし、ようやく俺は目を開き、鏡の中を見た。 そこには卑猥極まりない淫乱女がいた。全身汗まみれで、涙をぽろぽろ流し、化粧も乱れている。乱れきった姿ではあるが、純粋に淫欲に浸った表情を浮かべている。アヘ顔って言うのか? 身体を動かすたびに、床を突いている両腕の間、大きな乳房がぶるんぶるんと揺れているのが見える。奥の方でも、巨大な勃起がぶるんぶるんと揺れている。実にエロい。 後ろを振り返り、お尻を見てみたら、驚いた。まだ3分の1くらい残ってるではないか。今でもはちきれんばかりに感じるが、俺は全部入れてしまおうと決めた。 ゆっくりと身体を前に出し、亀頭だけがアヌスに入ってるくらいにした後、思い切って強く後ろに突きだした。尻頬がアーチウェイにぶつかるまで。 「あああぁぁぁッ!……」 顔を歪め、絶叫してる女の顔が見える。 強烈な痛みだ。だが、これがまた気持ちいい…! 感じるぅぅ…! 気づくと、床に射精していた。白いドロドロがびゅっ、びゅっと出ていた。ペニスに触ってもいないのに。 俺は何かにとり憑かれたようになっていた。快感が俺を支配したような感じだ。ただひたすら、身体を後ろに叩きつける動作を繰り返していた。そうするたびに身体の中を限界まで充満される快感に襲われる。 さっきの射精の後、しばらくはペニスは脚の間にだらりとしていたが、すぐにまた血液が集まり始めてる。 また顔を上げて鏡の中を見た。激しく犯されながらも淫らな表情で悶えてる女の姿が見える。俺はその女に下品な言葉を吐きかけた。 「このエロ女め! でかい黒マラを尻に突っ込まれて、よがり狂ってるのか? こんなにイヤラシイことをしてて、喜んでる。とんでもない淫乱だな! ほら、もっとヤッテやろう! もっと激しくズブズブやってやる! 根元まで喰らえ!」 やがて、俺はまたイキそうになっていた。次第にこうして言葉を吐くことすら難しくなっていた。ただ喘ぎ、叫び声を上げるだけになっていた。悶え狂う女の声で。 「ああっ…。ううぅぅぅ……。いいッ!……あああぁぁぁ!! うううっ…!」 睾丸が身体にせり上がってくるのを感じ、俺は両手を床から離し、身体を起こした。尻を突きだし、膝立ちする格好。自分の体重でディルドが最深部まで入った。 両方の手で乳房を握り、背中を反らし、胸を突きだしながら乳首を強くつねった。 その瞬間、電流が全身に走った感じがし、再び射精を開始していた。何発も何発も撃ち出してるようで、床にびちゃっ、びちゃっと落ちる音が繰り返し聞こえた。 こんなに長く射精が続いたことは経験がない。単にペニスをいじってする射精とは全然違う感じがした。もっと身体全体が関わってる感じだった。 乳房や乳首からの快感。腹や太腿がぶるぶる震えてる快感。自分が出してる声だが、性的に極限まで高められ喘ぎ悶える女の声。前立腺からの快感。アヌス、睾丸、ペニスからの快感。それらすべてが同時に身体のいたるところから襲ってくる。 長時間、射精してるはずだが、まだ続いていた。ずっと射精しっぱなしになるのではと思った。あの生物に襲われた時と同じように。 だが、ようやくそれも終わりになった。俺は力尽き、前のめりに突っ伏した。自分が出したスペルマで顔から身体からびちゃびちゃになるのを感じた。突っ伏すと同時に、ディルドがぬちゃっと湿った音を立てて俺から抜けた。 俺はスペルマまみれになったまま、床に横たわっていた。ハアハアと荒い呼吸をしながら。 どの位そうしていただろう。だが、やがてゆっくりとだが体力が戻ってくるのを感じ、俺は立ち上がった。 しかし、立ち上がると同時に、自分の出した白濁でつるりと足を滑らせ、思い切り尻もちをついてしまった。 「アハハ!」 明るい女の笑い声だが、もちろん俺の笑い声だ。俺は笑いながら、這ってスペルマの水溜りから離れ、注意深く立ちあがった。 ディルドを壁から剥がし、キッチンに行って、バイブ式のディルドと一緒にシンクに放り込んだ。そしてペーパータオルを何枚か取って、床についたドロドロを拭き取った。思い切りやった後で性欲も鎮まっていたこともあり、急に汗やスペルマまみれになってるのが気持ち悪くなり、シャワーに飛び込んだ。 身体を洗い流し、熱いシャワーを浴び、気持ち良かった。興奮していて気づかなかったが、ずいぶん裸でいたので、身体が少し冷えていたようだ。 シャワーから出て、タオルで体を拭き、ブラシをしながらドライヤーで髪を乾かした。そして、男の身体の時に使っていたトランクスとTシャツを寝巻代わりに着た。これを着てちょっとだけ昔の自分に戻れたらと期待したからだ。それほど、今の自分は昔の自分から離れてしまったように感じた。今の新しい自分がますます気に入ってきている。 それからカウチに座り、毛布にくるまって映画を観た。以前の俺のお気に入りの「キル・ビル」だ。 映画の感想は前と変わらなかった。最高だ。観るのは5回目だが、最初に観た時と変わらなかった。 映画が終わった後、俺は歯を磨き、裸のままベッドに入った。身体を丸めて横寝になって寝た。大きなペニスや乳房を抱くようにしながら。そして、明日はどんなことが起きるだろうと思いながら眠りに落ちた。 おわり
身体的な移行は驚くほど簡単だった。でも、精神的な移行はそれに比べてずっと難しかった。もはや前の自分には戻ることがないことをきちんと認識すること。それは難しかった。怒りや苦悩を乗り越えるのに、しばらく時間がかかった。どうしたら、以前の自分をすっかり捨てることができるのだろう? だけど、結局、捨てることなどないと悟るようになった。知的には、以前と全然変わらない自分である。ほとんど同じ仕事をしているのだから。 外見は変わった。そして外見に対する知覚も変わった。自分自身に対する知覚も他の人からの知覚も。感情も変わった。部分的にホルモンのせいもあるだろう。 しかし時間が経つにつれ、全体的に見て、得るものが多く、失うものは少なかったという認識になっていった。チョコレート・サンデーのことを思い出して? 毎日それを食べることができて、しかも飽きがこなくて、さらに全然体重が増えないとしたら? 術後の回復期間が終わり、仕事に復帰した。自分でも素早く気持ちを切り替え、仕事に集中できたことに驚いた。回復期間中、私はCNNとCNBCを見続けた。合衆国の西部地域とカナダで干ばつが続いているというレポートを読んでいた。仕事に復帰するとすぐに、私はテレビに出ていた農民団体と話しをするためフライトの予約を取った。 現地の農民から状況がどれだけ酷いか、じかに聞きとった。企業が所有しているマスコミの甘ったるい報道では分からない現状を掴んだ。その後、早速オフィスに電話し、冬場の小麦の先物取引について、パックマンのごとく買い漁るよう指示した。1ヶ月後、農業省が、干ばつのため生産が20%落ちると発表した。小麦と言う黄金色の収穫物は、私たちには本物の黄金になった。冬場の小麦相場が高騰したからである。 アジアの鳥インフルエンザの流行がどれだけ悪影響を持つか、言いかえれば、このアメリカでの鳥肉の価格にどれだけの影響を与えるか、たいていの人は予想していなかった。だけど、これは実に単純なこと。鳥インフルにより家禽類の数がかなりのパーセントで減るとなれば、中国は感染していないニワトリで自国内の食料をまかなう必要が出てくる。その数は膨大になるだろう。私たちは早速、家禽類の先物を買い漁った。表向きは、私たちが鶏小屋を守るキツネのフリをして見せていたけれど。 端的に言って、中国が風邪をひいたら、世界の他の地域は鼻水を流し始める。だから私たちは先回りしてティッシュー売り場に急いだと。そういうこと。 原油取引はもちろんだけど、このような取引のおかげで、今年は、私たちの会社つまりSTG社にとって過去最高成績の年になった。と言っても、まだ半年も過ぎていないのだけど。 今年は、クリスマスのボーナスは社員の誰もを笑顔でいっぱいしていて、社員はSTGを「サンタさん」と思っている。戦略的トレーディング部門の社員たちは私の本能を不気味だと言っている。トワイライト・ゾーン的なものだと。また、彼らは、まるでランスが社を去っていないようだとも言っていた。ランスは自分のクローンとして私を作りだしたのではないかと言うのだ。どうやってかは知らないけれど。 そういう時、私はただにっこり笑い、素敵なお世辞、ありがとうと言う。そうは言っても、別に彼らをバカにしているつもりはない。実際、私は彼らの何人かと3年は一緒に働いてきているのだから。彼らはただそれを知らないだけだから。 私は先物トレーダーとしてこれだけ成功でき、幸運の星の元に生れたと感謝している。でも、陰謀者の割り出しの仕事については、サム・スペード( 参考)にはなれていない。メモリアル・デイは2週間先に迫っていたけど、陰謀者の割り出しには手術の前から一歩も進展できてないように感じていた。 アンジーと私はファッションショーのリハーサルを繰り返していた。ダイアナはロサンジェルスにいる知り合いの女の子に会いに行っていた。でも、ショーには充分間に合うよう帰ってくると約束してくれた。ダイアナがロスに行ったことについて、ポールはまったく心配していなかった。これまでもいくつもショーに出演してきたベテランのダイアナのことだから、ポールがどうしてほしいと思ってるかダイアナはちゃんと分かっていると自信を持っているようだった。戻ってきた後は、「高速で追い付いてくるはず」と。
CNNとABCのどの世論調査でも、私たちのアンドリューはこの世で一番セクシーな男だと確認されてる。彼の写真は何度も「ピープル」誌の表紙を飾ってる。普通は、ブリトニー・スピアーズか誰か他のセクシーな女と並んで、まるでアンドリューが彼女たちを知ってるかのように挿入されて表紙に載ってる。それに、彼との結婚の申し込みや、それよりずっと下品な申し込みをするメールが毎日送られてくる。 そんな状況なのに、アンドリューは私たちだけを求めてる。野暮で中年妻の私たちだけを。ディアドラも私も嬉し涙を流した。自分たちも知らなかった何か心の奥の琴線に触れることだった。 私たちがアンドリューに対してセットしてきた、この性交渉の時間の間、私たちは一切私情を挟まず、仕事として割り切っている。彼には巧くするよう励まし、女性たちとは仲良く雑談をし、彼女たちが想像すらしてなかった最高のセックスをした後のショックから立ち直らせてあげ、そして、送りだす。 そうやって仕事と割り切ってきたものの、心の奥のどこかでは、これが疑念の種になると思っていたのかもしれない。内心、こういうことを続けて、私たちの夫婦関係にどんな影響があるかと心配していたのではないか。アンドリューはああいう女性たちの方が好きなのではないか。私たちよりずっと美しい女性がたくさんいた。アンドリューは彼女たちの方を気に入るのではないか? どうして私たちはそんな疑念を持ってしまったのだろう? アンドリューは私たちと出会った瞬間からずっと、心から私たち一筋できていたのだ。 ディ・ディも私も泣いていた。ふたり抱き合って、互いの肩に顔を埋めて泣きあった。そんな私たちを見て、アンドリューはエレを下に降ろした。エレは裏庭へと走った。 裏庭に通じるドアのところでエレがこっちを振り返って言った。 「パパ? ディ・ディママとドニーママがパパのこと欲しがってると思うわ。愛してあげて。そうすればママたち気持ちよくなると思うから」 そしてエレは出て行った。6歳の子なのに、ずっと賢い。 私とディ・ディはふたりとも両腕を広げ、アンドリューを抱きしめた。みんな泣いていた。アンドリューも泣いていた。あの女性たちのこと私たちの間に亀裂を生む可能性があったことなのに、私たちは気づいていなかったなんて! 可哀想なアンドリューは、私たちが求めたのでしかたなく実行していたのだ。決して自分で求めたからではなくて。彼は私たちのためなら何でもするつもりでいるのだ。たとえ、本心に反することであっても。私たちの愛は純粋で永遠に続くものだ。それを改めて知ってとても、とても嬉しい。 突然、アンドリューが私たちの腰に腕をかけた。右腕には私、左腕にはディ・ディ。そうして私たちを洗濯物入れ2つを運ぶようにして抱え、二階に上がった。彼は私たちを求めている。でも場所は寝室で。これから私たちは夫と愛し合うのだ! こんなに幸せだったのはいつだろう? 覚えていない。
「先に行っていいよ」 と俺はバルに言った。実を言うと、板張りの通路を歩く時の彼女の後姿、それにハイヒールによる、コツコツコツという音に催眠術をかけられたような気分になっていたからだ。 すぐ後ろをついて歩いていると、バルは板道の端まできて、そこで立ち止り、蹴るようにして靴を脱いだ。そして手に持っていたビーチサンダルを落とし、そこに足を入れ、腰をかがめてハイヒールを拾い上げた。 そして俺たちは岩陰への砂浜へと進んだ。歩きながら、ふたりとも無言のままだった。砂は足に柔らかく、海から陸へと吹くそよ風が気持よかった。ようやく、岩陰へ着き、バルは立ち止った。 「ここ良い場所ね」 と俺を振り返り、俺の瞳を覗きこむ。 まだピンク色のショートパンツと白いタンクトップの姿でいるバルだ。もちろん俺が見たいのはその中に隠された姿なわけだが。 俺は砂に座り、ココナツオイルの瓶を置き、ブランケットを出した。バルには反対側を持ってもらい、ふたりで広げる。うまく敷き広げ、飛ばないようにした上で、ふたりでそこに横になった。 「私たちがほとんど裸同然で一緒にここで横たわってるのを見たら、トリスタ、何て言うと思う?」 バルはそう言って、ビーチサンダルをブランケットの隅のところ、セクシーなハイヒールの隣に放り投げた。俺も靴を脱ぎ、素早くシャツを捲り上げ、頭から脱いだ。 「バルはトリスタが何と言うと思う?」 と俺は訊き返した。互いの視線が合って、見つめあう形になっていた。 「素敵なカラダしてる……」 とバルは俺の胸板に視線を落として言い、また目を上げて俺を見つめた。 俺は辺りを見回した。波打ち際で行ったり来たりしてる人がふたりほどいたが、他には誰もいなかった。 俺はカットオフ・パンツのボタンを外して、かかとまで降ろした。そして蹴るようにして、素早く脱ぎすて、腹這いになった。 「僕にココナツオイルを塗ってくれる? そうしたら僕も後で君に塗ってあげるから」 大胆にそう告げ、バルにローションの瓶を投げ渡した。 頭を横にし、片頬をブランケットにつけ、腹這いになる。俺は波打ち際で遊ぶ人たちを眺めた。 急にバルが俺の背中にまたがるのを感じた。ココナツオイルの瓶のふたが開けられる音が聞こえる。そして次の瞬間、ひんやりとした液体が背中に垂れてきた。どろっとした感じだ。バルが瓶とタオルを横に置く音が聞こえ、その後、彼女の指が背中に触れるのを感じた。手でローションを肌に擦りこんでくる。 「うーむ…」 バルが本格的に背中全体に擦り込み始めるのを感じ、俺は小さく唸り声を上げた。
~*~ イサベラは疲労していた。暑さと旅の埃で身体も汚れ、べたべたしていた。熱いお風呂と柔らかな寝床。何よりそれを渇望していた。 「あと、どれくらい?」 「そう遠くないわ。あなたの父親と部下たちは、コローの町のはずれにある古い修道院に駐留している。見つけるのが難しいのよ。人里離れたところにあるから。そこへの道を見つければ、すぐに行けるんだけど」 マリイは水の入った革袋を手渡した。イサベラは時間をかけて飲み、喉の渇きを癒した。ふたりの間には、以前はぎこちない沈黙時間があったが、それも今は少し和らいでいた。時々、イサベラはマリイが自分に目を向けているのに気づいた。不思議な表情を浮かべて自分を見ている。 実際、イサベラはこの年上の女性に、ある意味、興味を持っていると認めざるを得ない気持ちがあった。マリイは、とても美しく、官能的であり、かつ勝気の性格。このような個性は、生き残りのために生れたのだろうか? マリイは14歳のときにレオンの父親と結婚した。14歳と言えば、レオンより1つか2つ年上の少女。そんな娘が父親ほどの男性に嫁いだ。しかもその男性は先妻をこよなく愛していた。そのような境遇によってマリイは今のような性格になったのだろうか? それとも、何か他の出来事があって、こうなってしまったのだろうか? そろそろ、そういう立ち入った質問をしてもよいかもしれない。イサベラはそう思った。 時が経つにつれて、イサベラはぞっとする疑念を押し殺すことができなくなっていた。本当に、父はマリイが言う場所にいるのだろうか? マリイはただこの辺りをぐるぐる回っているだけで、やがて金塊を持って逃げだすのではないか? あるいは、最悪、罠にかけようとしているのではないか? やがてふたりは小高い丘に着いた。広大な森が見渡せる。そして、その森の中央部に崩れかけの石の塔が立っていた。イサベラの肌は、不吉な予感に、鳥肌になった。 「もうあなたは、私が与えた金塊を持ってどこかに行っていいわよ。その時の取引を忘れないで。あなたには私の前から姿を消して欲しいの」 イサベラは廃墟の塔をじっと見つめたまま、そう言った。その塔は不自然なほど静かだった。生き物の気配がまったく感じられない。イサベラは片脚を振り上げ、馬から降り、その塔へと歩き始めた。 「あんたって、どこまでウブなの? お人よしのマヌケ? どうして、あの男があんたを傷つけないと思うのよ?」 イサベラはその声に振り返った。マリイがこっちに大股で歩いてくる。 「私のお腹にはレオンの子がいるの。父はこの子は傷つけないわ。この子を使って、レオンの領地と富を操るつもりでいるから」 「他にも方法はいくらでもあるのよ、イサベラ。あの男は、何も赤ちゃんを傷つけなくても、あなたの心をずたずたにすることができるわ。あいつが異常なほどあんたのカラダに興味を持ってるのを知ってるんだから」 イサベラは、マリイの言うことに反論できなかった。 「いいの、マリイ。もう行きなさい。これは私一人で片づけるから」 そう言い、イサベラは前に店で買った瓶入りのアーモンド・オイルを見せた。 「ほとんど知られてないけど、父はナッツ類にアレルギーがあるの。父は、ちょっと触れただけで肌がかぶれるの。ひと瓶飲んだら、速やかに死んでしまえる」 「でも、あんたを行かせるわけにはいかない。…イサベラ…」 マリイのこぶしがイサベラを襲い、驚く間もなく、痛みにすべてが真っ暗になった。 倒れたイサベラを、マリイは頭を振りながら見下ろした。 「あんたは、ほんとにウブなお馬鹿さん。守ってやらなきゃダメでしょう。とりわけ、向う見ずな自分自身から守りなさいよ」
「ええ、女の子も学校を続けながらいくらかお金を稼がなくちゃいけないのよ」 とそのリズという娘は答え、あたしが持ってるパンティを見た。 「すみません、お客様。それは試着できないんですよ。申し訳ありませんが、その商品の場合は買っていただかなくてはいけないのです。何か問題があった時は、いつでも返品していただいてかまいませんが…」 それを聞いてあたしはニッコリ笑った。この言葉のおかげでフランクの計画がダメになるわ。ざまあみなさい、フランク! 「リズ? 彼女、買う前にどうしても試着してみたいんだよ。何とかできないかなあ」 とフランクはまたも爽やかな笑顔を彼女に見せた。 どうしてこの店をフランクが選んだか、だんだん分かってきた。フランクは、彼女がここで働いているのを知ってたんだ! 何て邪悪な男なの! リズは下唇を噛んで、考えていた。 「そうね、たぶん…。ええ、今回だけは規則を曲げてもいいかも。そんなに頼むなら…。今回だけよ」 と彼女はフランクに微笑んだ。 この娘、フランクに媚を売ってる。フランクに気があるのは確かだわ。ああ、この娘が、フランクが本当はどんなヤツか知ってたらいいのに…。 「ほ、本当! ありがとう。君って最高だよ、リズ!」 リズはフランクの横をいそいそと過ぎ、近くのカウンターから数字のついた札を取ってきた。彼女、あたしを見て、もともと大きな目をさらに大きくさせた。ハッと息を飲んでる。多分、彼女、さっきあたしが前のめりになったところを見ていたからか、ちょっとおどおどしている感じだった。 「ついてきてください」 とだけ言い、彼女は試着室が並んでいるところに向かった。 「ああ、ケイト? それを履いたところ見たいから、履いたら、一度出てきてくれよ」 リズは目を丸くしてフランクを見たが、何も言わなかった。あたしは彼女に案内されて、ひとつのブースに入り、ドアを閉めた。 壁に背をつけ、携帯電話をチェックした。どんな状況なのか、クリスティから連絡がないかチェックするため。期待しながら小さな画面を見たけど、何のメッセージも来てない。ああ…。パンティね、いいわよ。履けばいいんでしょ。…それくらいなら、いいわ。 それまで、手に持っていたパンティに注意を払っていなかったけど、改めてよく見てみると、それが、完璧にシースルーなのに気づいた。ソング・パンティ( 参考)で、股間のところに小さな白い布がついてるけど、シースルーになってる! どうりでフランクがこれを選んだわけだわ! でも、諦めるほかなかった。この状況を避ける方法はないもの…。 それまで履いていたパンティを脱いで、そのソングを履いてみた。スカートを腰まで捲り上げて、鏡で見てみた。 ああ、やっぱり、心配していた通り…! あそこがすっかり見えてる。お豆も、あそこの唇も…何もかも! 恥辱的すぎる! あの若い娘さんがいなくなってくれたらと祈るだけ。 あたしはスカートを元に戻し、一度、深呼吸してからドアを開け、外に出た。 そこにはリズも、フランクも、その仲間たちもいた。みんなでおしゃべりして笑ってた。あたしが出ていくと、みんながいっせいにあたしに視線を向けた。あたしは連中の前に進み、立ち止った。リズが目を大きくしてあたしを見ている。フランクと彼の仲間たちは、飢えるような目であたしを見た。 「じゃあ、ケイト。見せてくれよ」 とフランク。 ためらった。リズは、また別のパンティを持ってきてる。それは予想してなかった。あたしのことも、あたしの置かれてる状況も知らない、無邪気な瞳であたしを見ていた。彼女にとっては、あたしは単なる淫乱女にしか見えてないのかも…。淫らに身体を露出して喜ぶ中年女にしか見えてないのかも… フランクは冷たいまなざしでじっと見てるだけ。 しかたなくスカートに手をかけ、ゆっくりと捲り上げた。リズがハッと息を飲んで、周りの男たちの顔を見た。彼女、あたしが、こんなにたくさんの男たちの前でこんなことをするなんて、信じられない様子。 でも、あたしはこうしなくちゃいけないのよ。あたしはスカートを腰の上まで捲り上げ、がっくりとうなだれた。この変態たちが満足した顔をしてるのなんか、絶対に見たくない! 「いいな。すごくセクシーだ」 「うひょー! 見ろよ、こいつ!」 「わお!」 シースルーのソング・パンティに包まれたあたしのあそこを見て、男たちが口々にイヤらしい言葉をかける。あたしは勇気を振り絞って顔を上げた。 みんながあたしを見ていた…。あたしと言うより、あたしのあそこを。あの女の子も。 ああ、イヤッ! この人たちに身体を見せている! あそこがじわじわと熱くなってくるのを感じた。興奮してしまってる。呼吸も途切れ途切れになってる。どんなに心では頑張っていても、身体が勝手にこの状況に反応してしまい、あそこが濡れてくる…。
ゲンゾーに付き添われて、アンジェラは彼女の診療所についた。鍵を開け、中に入った。ゲンゾーは待合室の椅子に座り、鞄からノートパソコンを出した。 「あら、ゲンゾー? あなたも中に入っていいわよ。最初の患者さんは9時まで来ないから」 ゲンゾーは無言のまま、彼女の後について中に入った。彼は窓際の梁に腰を降ろし、忙しそうにパソコンで作業を始めた。その間、アンジェラはその日に予約がある患者のための準備をした。 アンジェラには、ゲンゾーが彼女に注意を払っている様子がまったくないように見えた。このような人にガードされるというのも変な感じがした。8時55分になると、ゲンゾーは静かにノートパソコンを閉じ、アンジェラを見るでもなく部屋を出て、元の待合室の椅子に座った。 アンジェラは、その日の午前のセラピーで、何かが普段と違うことに気づいた。もちろん、彼女はいつも患者の感情に同調し、注意を払っているのではあるが、この日は、特に患者の精神状態がいつになく明瞭に知覚できているような気がした。 ある患者の診察時、アンジェラは休暇を取る予定だとその患者に伝えた。するとその患者は、表向きは陽気な顔をし、休暇を楽しんできてくださいと言っていたが、アンジェラは患者の感情が一気に怒りに染まるのを察知し、驚いた。この患者は1年以上も診てきているが、このような深い怒りが潜んでることを察知したのは、今回が初めてだった。 また別の患者についても、表向きは数か月の間、良好な状態であり、今も順調だし、気分も良いと口では言っていた。だが外見は以前の診察時と変わらないものの、アンジェラはその患者の心にわずかな悲しみと不安があるのを感じ取ることができた。アンジェラがその患者にちょっと悩みでもあるのと優しく訊いた途端、彼は急に頑固になり、どこも悪くないと言い張った。 _________________________ 午前の最後の患者の診察を終え、アンジェラは椅子に座って、診察記録をつけ始めた。その時、待合室で誰かが口論してる声を聞いた。何事だろうとドアに近づくと、その声がケンとゲンゾーの声だと気づいた。 「おい、あんた。あんた、自分が何者だと思ってるのか知らないが、俺はアンジェラにはお昼には患者を見ないのは知ってるんだ。だから、頼むよ、中に入れさせろよ」 「いいえ、アンジェラ様に面会する予約がない以上、私はあなたを中に入れるわけにはいきません」 「なんだ、こいつ。分かったよ。俺を中に入れなかったら…」 ケンの声が言葉の途中で消え、取っ組み合うような音が聞こえた。アンジェラは急いでドアを開けた。そこにはゲンゾーに首根っこを掴まれてるケンの姿があった。 「ゲンゾー。すぐにその人を離しなさい!」 とアンジェラは叫んだ。
その変わった形のディルドを持って、尻穴に押し付けた。先端がゆっくりとアヌスを広げていき、やがてするりと中に入った。 ポルノを見ていて、俺にとって最も興奮するシーンのひとつがこれだ。おもちゃを女のアヌスに出し入れするところ。押し込む時にはアヌスの周りのすぼまった襞ひだが内側にずるずると引きずられて入っていき、引っぱり出す時にはその襞ひだがぐぐっと盛り上がってきて、最後にすぽっと抜ける。 それを今、目の前で見ることができるし、同時に感じることもできている。 最初の頭部を使って、何度も何度も出し入れを繰り返した。やがて、筋肉がほぐれたのか、抵抗なく入っていくようになった。その後、今度は2番目の頭部に移った。もちろん最初のより大きい。 こいつも入れる時、抵抗があったが、それもつかの間だった。すぐにぺロリと中に入った。しかも、気持ち良さも倍増だった。堪らなくなって、さらに3番目の頭部へと進んだ。 さらに大きな3番目の頭部でアヌスをギシギシ広げていく。するとすでに中に入ってる最初の頭部が俺の前立腺を擦った。広げられていく痛みと前立腺の快感! このコンビネーションは最高だ! ちょっとアヌスを酷使した感じがしたので、しばらく休ませることにして、3番目まで入れたまま、ペニスを吸うことにした。ああっ! なんて下品なことをやってるんだろう! でも最高だ! そういえば、思い出した。このディルドは電動式なのだ。そこで、中のレベルのスイッチを押した。 おおっ、これはすごいぞ。バイブレーションが前立腺から睾丸へ、そしてペニスの先端へと快感を伝播してくる。しかも、そのペニスを自分でしゃぶってるのだから、異次元レベルの快感だ。 俺はペニスを咥えたまま、くぐもった喘ぎ声をあげた。そうして、ディルドを引いたり押したりし始めた。引く時は最初の頭部だけを中に入れたままにして。 それを繰り返せば繰り返すほど、アヌスがほぐれてくるのか、どんどん楽になってきた。そして自分でも気づかぬうちに、4番目の頭部も中に入っていたのだった。さらに、それから何回か出し入れした後、さらに大きな5番目も入れていた。 引き抜く時にひと山抜けるたびにアヌスから全身に衝撃が走り、「あんッ! あんッ! あんッ!」と声が出る。挿しこむ時もひと山越えるたびに気持ちいい苦痛からの解放があり、「ううん! ううん! ううん!」声を出してた。その声が自分の声なのに、これまた色っぽく、堪らない。 だんだんペニスの方も射精に近づいていた。睾丸が身体にせり上がってきて、もうすぐ射精になると感じたのを受けて、俺は最後の一番大きな頭部を中に突っ込み、同時にバイブのスイッチを最大にした。 その瞬間、狂ったようになって絶頂に達した。自分が男なのか女なのか分からなくなる。射精してるのは男の俺だが、出してる声は女の声で、ふんっ! ふんっ!と切羽詰まった声を出しながら何度も撃ち出した。それを口に出されて喜んでる俺は女の俺だろう。だな何とも言えないほど美味しいのだ。何発も出せる。口の中がいっぱいになり、それを飲み下していくのだが、すぐにまた口の中がいっぱいになる。追いつけない。 やがて噴射も弱まってきた。俺は逆さになってる力がもたなくなり、脚も身体もベッドへ降ろし、ぐったりと大の字になった。途中、残っていたスペルマが俺の乳房に垂れた。やがてあれだけ勃起していたペニスも柔らかくなり始め、腹の上にごろりと横たわった。 ディルドはバイブレーションの強度最大のまま、まだ根元まで中に入っていたが、ちょっときつくなってきたので、スイッチを切った。ただ、まだ中に入れたまま。どういうわけか抜くのが切ない。 俺はぐったりと横たわったまま、呼吸が元に戻るまで、両手でゆっくりと自分の身体を撫で回った。乳房に降りかかったスペルマを肌に擦りこむように撫で回った。またもそういうことをしている自分に驚いた。だが、そういうことをするのが実に自然のことのように感じたのだ。いやらしいことだけど自然のことだと。アヌスにモノを挿したり、スペルマを肌に擦りこんだり、ペニスをしゃぶったり…。昔の俺なら、気持ち悪いと思って、絶対にしないことなのだが…。
「裏切り」 第9章:誰かが企んでいる Betrayed Chapter Nine: The Game's Afoot by Angel Cherysse *****
これまでのあらすじ
ランスは、妻のスーザンとジェフの浮気を知りショックを受ける。ジェフがシーメール・クラブの常連だったのを突き止めた彼はそこでダイアナと知り合い、彼女に犯されてしまう。だが、それは彼の隠れた本性に開眼させる経験でもあった。やがてランスダイアナと付き合い、女装の手ほどきを受けリサという名前をもらった。そんなある日、会社の美人秘書アンジーに正体を見透かされる。そしてリサの姿でアンジーとレストランに行くと、そこには会社の上司であるジムとロブがいた。そこでリサは自分が昇格したこと、およびランス=リサであることがバレていることを知らされる。リサはショックを受けたが、本来の自分に忠実にアンジー、ロブ、ジムと4人プレーをして燃える。その頃、ジェフを中心としてランスを陥れようとしてる陰謀が進行しているのを知る。同時に、ショーに向けて本格的に女体化することを決めたのだった。
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月日が流れていくk。3月、4月、そして5月に入った。手術の内容や術後のことについては詳しくは述べない。ほとんど常時、アンジーかダイアナのどちらかが私のそばにいてくれた。ただし、ふたり一緒にということは決してない。私は、ふたりを両天秤にかけたとか二股をかけたとは言いたくないが、ときどき微妙なバランスが要求されることだったのは事実。私は、頭のてっぺんからつま先までダイアナにぞっこんなのではあるけど、アンジーに対してその気がないとは言い切れない。どちらかを選ぶなんてできないと思った。もっと言えば、その選択は私がするものではないかもしれない。結局、どちらとも別れることになるかもしれないから。 特にダイアナについて言うと、彼女は、これまで見たことがないほど感情に波が出るようになっていた。私にべったりとなって、どんなに心の底から愛してるかを伝えたかと思えば、急に何の理由もなく泣きだしたりする。ホルモンのせいで感情の起伏が激しくなるのは私の方のはずなのにと思った。確かに、ダイアナが生の感情を表すところは好きなところでもあるんだけど、どうしてこうなるのかと不思議に思わざるを得なかった。あの涙の後ろには単なる愛情以上のことがあるのではないか、と。 私の鼻は…ツンとして可愛らしくなった。この表現も、これまで自分の鼻について使うとは思っていなかった言葉。まだちょっと大きい感じはしてるけど。それに感覚も麻痺してる感じだった。お医者さんによると、この麻痺は1年もすると消えるらしい。 目のところは大好き。嘘だと思ったら訴訟してくれていい。特にお化粧した時はそうなのだけれど、私の目を見た誰もがうっとりとしてくれる。頬骨と唇は前よりぷっくりとなった。私の知人たちが、言葉を失って、囚われたような様子で私の顔をじっと見つめるのを見るのは、少し怖かった。そのうち、それに慣れるとは思うけど、と言うか、慣れなければならないことがたくさんあるんだけど、それでも、このじっと見つめられるという経験は新しい経験。 身体の他のところも新しくなった。手術の前から毎日コルセットをつけていたので、それ自体は前と変わりはない。でも、コルセットをつけた時の効果はまったく変わった。アンジーと私は、ショーの時までに、コルセットを締めた時にウエスト周り50センチになるのを目標としている。でもダイアナはコルセット装着で46センチ。イヤラシイ女ね! ともあれポールは歓喜状態になってる。 偽乳房はつけなくなった。今は生身の身体でFカップになってる。まあ、生身というより、私の身体とパーマプラストの合作だけど。最初はものすごく大きく感じた。でも、それを言ったら、ダイアナと初めて会ったときも、同じ感想だった。これも大急ぎで慣れなくてはいけないことのひとつ。 でも、胸の谷間を誇示できるというのはイイ気持ち。仕事中はちょっと谷間を見せて、プライベートではもっと見せる。お尻の方もイイ感じに膨らんでいた。 女性が女性同士では語るけど、男性には決して語らない小さな喜びがある。これもそのひとつ。例えばオフィスや道を歩いてる時、誰か男性とすれ違ったとする。そういう時、1秒か2秒後に、後ろの方で足が乱れたり転んだりする音が聞こえることがある。その音は、すれ違った男性が歩く方向を見てなかったために、壁やファイル・キャビネットや電柱にぶつかったりする音。最初はたまにだったけど、最近、その経験がどんどん増えている。もし、そういうことがあっても笑みを浮かべないと言う女がいたら、その女は確実にあなたに嘘をついていると言ってよい。
私は訊いてみた。 「アンドリュー、どんな悩みなの?」 彼は辛そうな顔をした。「もう、こんなことにすっかり疲れ果てただけ。勘違いしないでほしい。僕は愛しあうことは好きなんだ。大好きなことなんだ。でも、あの女性たちとの場合は、愛しあってることにならないんだ。ただ、ヤッてるだけ。ドニー、僕はもうすっからかんだよ… 「…僕たちが一緒の時、つまり僕が君とディ・ディといるときは、どの一瞬も貴重だ。毎日、互いに一緒になれる時間がある。その時間の中のセクシャルな時間は特に素晴らしい。でも、どうしてその時間が素晴らしいのかと言うと、それは僕たちが一緒にいるからなんだ…。セックスじゃないんだ… 「…僕が求めているのは、君たちと一緒にいること。性行為から愛の側面を抜きとったら、残りは診療的と言うか臨床的なものだけで、それは退屈で悲しいものだ。彼女たちを幸せにしてあげようとベストを尽くしているよ。実際、たいていの場合は、うまくやってると思ってる。でも、僕自身は幸せじゃないんだ… 「もちろん彼女たちはとても良い人たちだろうと確信している。でも、そうだとどうしたら分かるだろう。彼女たちは家にやってきて、僕とセックスして、帰っていく。彼女たちが帰った10分後には、僕は名前すら忘れている… 「…明後日あたり、同じ人を連れてこられても、僕は気づかないだろう。あの女性たちは、僕にとっては、みな名前も持たず、顔もないんだ。これには落ち込むよ。どうか、どうかお願いだ。この奉仕を実行できる誰か他の人を探そうよ。僕には、もうこれ以上、できない」 ディアドラが言った。「あなたがウェブから得た情報で作った、あの数々の縁組はどうなの? あの縁組の中でうまく子供ができた組はあったの?」 「まあ、あったかどうか。結婚したのは何十組とあった。でも子供については知らない。統計数字を見ようとすら考えてこなかった。彼らは、情報を提供したい気分になった時は、提供してくれるけど、そうでないときは何もしない。知ってるだろう? 僕はプログラマであって、数字屋じゃないんだよ… 「…それに、たとえ子供ができたとして、その子供たちが次世代の新人類かどうかは分からないし。これまでと同じ双子の女の子、つまり賢いけど平均的なホモ・サピエンスかもしれないし」 ディ・ディが甲高い声を上げた。「どうしたら分かるか、手があるわ!」 と彼女は裏庭に面した窓に顔を向けた。 エレが外から急いで家に戻ってきた。Eガールたちは庭で犬たちと鬼ごっこをしていた。娘たちと犬たちとの間にはある種、奇妙な絆がある感じだった。犬たちはEガールと一緒にいると、普段よりずっと知的になるように思える。 エレは息を切らしながら入ってきた。「ママ、何か用事?」 「子供たちがいれば、その人たちの注目を得るために大きな声を上げることもないわ」とディアドラは自慢げに私たちを見た。そしてエレに向き直って、「エレ? パパやママたちが作ったリスト、覚えてる? 他の妹、弟たちと連絡を取るためのリスト」 「もちろん。まだ私のコンピュータに入ってるよ。あのリストにある中で話しができる人全員に連絡を取ったわ」 ディ・ディが訊いた。「あなたがコンタクトした子供たちで、リストに載っていない子、いた?」 エレは不思議そうな顔をした。「いいえ。だって、ママはリストに載ってる子供たちとコンタクトを取ってって言ったでしょ? リストに載ってない子はたくさんいるよ。でも、その子たちとはコンタクトは取ってないわ。ママがコンタクトを取ってほしいなら、私にそう言うはずだもの」 アンドリューが椅子から飛び上がって、エレを抱きしめ、頭の上に抱え上げた。彼は大笑いして、抱きしめていた。エレも笑っていたけど、父親の反応の激しさにビックリして笑っている感じだった。 アンドリューがこんなに安心した様子になったのは初めて見た。いままでのこと、ひどくつらかったに違いない。長い間ずっと耐えてきたいたのに、私たちに何も言わなかったなんて! でも、そんなに辛いことだなんて誰が想像できただろう? たくさんのいろんな女性とセックスする機会を与えられて、しかも私たちの同意の上でなのだから。 なのに彼は私たちだけを求めていた! 私とディアドラだけを!
結局、その水着の上に着古しのカットオフ( 参考)を履くことにした。上も着古しのシャツ。それに靴は裸足のままテニスシューズを履くことにした。それから急いで地下室に行き、物入れを漁り、古いブランケットを見つけた。そのブランケットとココナツ・オイルを持って地下室を出て、ガレージへと走り、バンに乗り込んだ。 これから水着姿のバルを見られるぞと期待しながらモールへ急いだ。モールの駐車場に入り、店の入口へと向かった。そこで見たバルの姿に、きつめの水着に包まれた俺の分身が、さっそく大きくなり始めた。 バルは入口脇のベンチに脚を組んで座っていた。俺の姿に気づくと、立ち上がり、バンの方に歩いてきた。さっきまで履いていたビーチサンダルは手に持って、今はセクシーなハイヒールを履いている。それを見た時、息がつまりそうになった。特段、ヒールが高いわけではなかったが、セクシーなのは事実だ。 バルは車のドアを開け、乗り込んできた。やっぱり驚くほど美しい足をしてる。その隅々まで見ることができた。 「新しい靴も買わなくちゃいけなかったの」 とバルは俺の方に頭を傾け、微笑みながら、小さな声で言った。 「どう、気に入ってくれる?」 と片足を持ち上げ、ダッシュボードの上に乗せた。 「うん、もちろん」 と俺は車を動かし始めた。 「とてもセクシーに見えるよ」 と彼女の目を見つめながら言った。ちょっと見つめてる時間が長すぎて、他の車にクラクションを鳴らされてしまった。別の車線に入ってしまってたようだ。 それにしてもバルのすらりと長い脚と足先から視線を外すのは辛い。どうしても見てしまう。ハイヒールは、ストラップで留める、つま先の空いたデザイン。見てるだけであそこがヒクヒク言いだす。そのまま見続けていたら、水着の中、先走りを出してしまうんじゃないかと心配だった。 バルは手を伸ばして、またラジオのスイッチを入れた。チューナーを回して、「ノー・ダウト」( 参考)の曲を流してるトップ40のラジオ局を見つけると、音量を上げた。そしてその曲にあわせて彼女も歌い始めた。 「グウェンってすごくいいわよね」 とそのバンドのリード・シンガーになった気で歌っている。 「ああ、そうだね」 その頃には、ビーチに着き、俺は公園の駐車場に車を入れた。幸い近くに空きスペースがあったので、そこにバンを駐車した。それからふたり車から飛び出し、俺はブランケットとココナツオイルを手にした。 ふたりでビーチ沿いの板道を歩きながら、あまり人が混んでいない、良さそうな場所を探した。 「あそこは?」 とバルが指差した。岩で半分囲まれたようになってる場所だった。 その場所を見てみると、近くには3人くらいしかいないところだった。大半は海に近いところに集まっていたから。
~*~ イサベラは毛織のズボンを履いた。脚がむず痒い。男の人はこういうのを履いて居心地が悪くないのかしらと思った。それでも彼女は自ら進んでこれを履いた。村のはずれにいる親類を訪問する母親に付き添う少年の扮装をするためである。 イサベラは、マリイが農民から馬を買うあいだ、後ろに引きさがってそれを待ち、その後、マリイとそれぞれの馬に乗り、マリイが指示する道を進み始めた。 何事が起きても動揺してはいけない。マリイを信頼することはできないのは分かっている。それでも、イサベラは自分の命をマリイに預けた。マリイが寝返り、自分を父に引き渡すかもしれないが、マリイに渡した金塊が充分であればと願った。これが賭けなのは知っている。うまくいけばいいと祈るのみだった。 その前夜、レオンは帰ってこなかった。おそらく、朝か翌日までイサベラがいなくなったのに気づかないだろう。彼は激怒するかもしれない。でも、その怒りを喜んで耐えるつもりだ。もしこの計画が実を結んだら…。もしマリイが裏切らなかったら…。 イサベラは鞍についてる物入れからリンゴを取り出し、不安げにそれにかぶりついた。そろそろ正午だった。空を見上げ、陽の光を顔に浴びた。心地よく暖かだったが、彼女の不安をなだめることは少しもなかった。 ~*~ レオンは廊下を大股で進んだ。革の手袋を手から引き抜きながら。長時間、馬上におり、ひどく消耗していた。その間ずっと、イサベラが自分の前で自らを慰めた光景が頭に浮かび続け、それによっても苦しめられた。 部屋の前に来て、付き添っていた衛兵たちを解散させ、ドアを開けた。あの甘い香りを鼻から吸い込む。イサベラの香りと分かるあの香り。そして、レオンは気づいた。その小部屋に愛しい妻がいないことを。 レオンはチュニック( 参考)を頭から脱ぎ、ベッドに腰を降ろした。すぐに浴槽が来るだろう。それにイサベラも、俺が帰城したと聞いて駆けつけてくるのは間違いない。そうしたら、イサベラにしっかり教え込んでやる。あのようなことをして俺を焦らしたら、どのような結果になるのかを。 ブーツを引き脱いでいる時、一枚の羊皮紙が、イサベラのブラシと香水瓶の間に挟まっているのが目に入った。 レオンはそれを取り、書かれた文字を追う。そして心臓が高鳴るのを感じた。 「私を許して、レオン。私は、あなたが求めるような従順な妻ではいられないと分かったの。あなたが戻ってくるのを辛抱強く待っていることができないと分かったの。私の手でしなければいけないことがあるのです」 レオンは固唾を飲んだ。
「なかなかいいな。指示に従って、ちゃんとノーブラで来たんだな。お前の乳首が見える感じだぜ」 フランクはいきなりあたしの乳首のことを言った。わざと仲間の前でそんなことを言って、この場を仕切ろうとしてる。みんなに、こういう言葉を自由に使っていいんだと伝えてるみたいに。 そして、今度は視線をパンストを履いたあたしの脚とマイクロ・ミニスカートに降ろした。 「ひゅー! いい脚をしてるねぇ。俺のためにくるりと回って見せろよ、ケイト」 「何のために? ここはお店の中よ」 とあたしはきつい声で言った。 「おいおい、ケイト。最初から理解してもらわねえと困るぜ。あの写真、今日、俺たちみんなで鑑賞したんだが、アレを取り戻す方法は一つしかないってこと。俺の言うとおりにする他ないということだよ。分かったか」 とフランクは凄んでみせた。 あたしの写真をこの人たちに見せたですって! フランクのおちんちんをしゃぶってるところとか、やられてるところとか、この人たち全員に見せたですって! この人たちみんな、この服の中にあたしがどんな身体を隠してるか知っている。それを認識して、顔がゆっくり火照ってくるのを感じた。あたしはフランクに背中を見せた。言われた通りに回って見せたのではなくて、顔を隠したかったから。 「いい子だ。おおっ、ずいぶんイイ尻してるな」 突然、あたしの目の前にパンティが投げられた。フランクが投げたんだと思うけど、でも、どうして? すぐに答えを聞かされた。 「そのパンティはお前のためのだ。お前にそいつを試着してもらう。だが、膝を曲げずに拾うんだぞ。絶対に膝を曲げるなよ、ケイト」 命令調の声になって言う。 何て腐ったヤツ! お尻が丸見えになってしまうのを知ってて言ってる。フランクは、こういうことをさせたいんだわ。公衆の面前で露出すること! 仲間たちの前であたしに恥辱を与えること! あたしたちの周囲をさっと見回した。向こうに店員の若い女の子が立ってる。あの位置からだとあたしのことが見えてしまうかもしれない。 ああ、もう。仕方ないわ。やるわよ! 脚を伸ばしたまま、腰を曲げ、パンティに手を伸ばした。スカートがめくれ上がるのを感じた。お尻が露わになってる。それに履いてるパンティも小さいので、あそこもちゃんと隠せていない。 その時、誰があたしを見ているかにかかわらず、公共の場所でこんな格好になってることで、あたしはゾクゾクして、エロティックな気持ちが湧き始めていた。 「うわーっ、すごくイイ尻じゃん!」 と仲間の一人の声が聞こえた。 ハッと息を飲む声や、小さな口笛も聞こえた。あたしはこんな淫らな露出を長引かせまいと、すぐに姿勢を直した。売り子の方を見たら、彼女、あたしの方を見ていた。多分、お店の人はこんなことをしてるのを見て、あたしたちをすぐに追い出しにかかると思う。 あたしは震える手でパンティを持って向き直り、スカートを元通りに直した。 「よし。じゃあ、今度は試着室に行こうぜ。そいつを履くとどんな感じになるか、見ようぜ」 とフランクは試着室を指差した。 悔しさで歯を食いしばりながら、試着室の方へ歩き始めた。精いっぱい、セクシーな歩き方に見えないようにしながら。でも、どんなに頑張っても、ハイヒールとミニスカートで歩いたら、お尻がセクシーに見えてしまうもの。歩くたびに腰が左右に揺れて、誘っているようにしか見えない。 何となくだけど、先頭を歩くあたしのお尻を男たちがじっと見てるような気がした。視線で裸にされてるような感じ…。 狭い通路に入って、そこで止まった。誰か案内してくれる人を待った。変態どもはあたしのうしろに群れている。でも、あまり長く待つこともなかった。さっきあたしがパンティを拾うところを見ていた売り子があたしたちのところにやってきた。 「何かご用でしょうか?」 この子、若そうに見えるけど、18歳以上なのは確か。このデパートは法的に許される人しか雇わないから。髪は長くてブロンド。リボンで後ろにきちんとまとめている。顔は繊細な感じ。青い瞳がクリクリしていて、とても可愛らしい。セーターは品が良くて、豊かな胸を包んでる。ズボンはこのデパートの制服の様子。 「ああ。ここにいる僕の知り合いが、これを試着してみたいと言うんで…」 とフランクが言った。 「あら、フランク! ええ、もちろん彼女のお手伝いをするわ」 と彼女は笑顔で言った。 「あっ、リズなの? 僕、君がここで働いてるなんて知らなかったよ」 フランクも笑顔を返した。その笑顔、驚くほどチャーミングで驚いた。フランクの性格を考えると、全然、考えられない笑顔。
「ライジング・サン&モーニング・カーム」 第9章 The Rising Sun & The Morning Calm Ch. 09 by vinkb *****
これまでのあらすじ
16世紀釜山。地元娘ジウンは日本人ノボルと知り合い、ふたりは結ばれた。しかし翌朝、ジウンはノボルの弟サブローらに強姦され、自害する。それに反発したノボルは秀吉に不死の刑を科され、狐使いの美女に半人半獣の身にされてしまう。時代は変わり現代のシカゴ。女医アンジェラはノボルと知り合い、デートをし、セックスで強烈な快感を味わう。ノボルは自分が半人半獣であることを打ち明け、目の前で変身して見せた。その後、二人はアンジェラの家に向かうが、ノボルは何か危険を察知し、彼女を連れて自宅に帰る。サブローが生きててノボルを追っているらしい。ノボルは自分の身体の生化学的な研究を進めていることを説明した。そこにアンジェラのボディガードとしてノボルがつけた男、ゲンゾーが現れた。ノボルは過去を思い出す。狐使いを殺した時のこと。文禄慶長の役での朝鮮水軍の李舜臣との交流のことを。
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ゲンゾーはノボルのペントハウスへ上がるエレベーターの中、足をカツカツ鳴らし、苛立ちを露わにしていた。彼はノボルに朝の8時きっかりに来るように指示を与えられていたが、今は8時10分。電話をかけても、全然出ないからだ。幸い、守衛スタッフはゲンゾーがノボルの部下だと知っていたので、問題なくゲンゾーをマンションに入れてくれた。 ゲンゾーは、エレベーターを降り、一体どうなってるのだろうと、ノボルの部屋の前に来て、ドアをノックしようとした。するとドアの向こうから悲鳴や唸り声が聞こえる。ゲンゾーは苛立った溜息を吐きつつも、ふたりがことを終えるまで待った。そして、ノボルが切羽詰まった声で「イク[Ikku]!」と言うのを聞いて、ゲンゾーは携帯電話のリダイヤルボタンを押した。 「モシモシ[Moshi moshi]」 と荒い息の声でノボルが出た。後ろの方でアンジェラがハアハア喘いでいるのも聞こえた。 「ノボル殿、ゲンゾーです。いま玄関の外におります」 急に電話を切る音がし、その30秒後に玄関ドアが開いた。ノボルは顔を赤らめ、済まなそうな様子でゲンゾーに中に入るよう促した。 「申し訳ない、ゲンゾー」 と彼は日本語で言った。 「いや、お謝りになる必要はありません」とゲンゾーは丁寧に答えた。 少し遅れて奥のバスルームからアンジェラが姿を現した。彼女も頬を赤らめ、シャツの前をぎこちない手つきで整えながら出てきた。 「オハヨウ、オジョウサマ[Ohaiyo, Jo-Sama]」 とゲンゾーはお辞儀をした。 「おはよう、ゲンゾー。アンジェラは大丈夫よ」 そう言ってアンジェラは靴を履き、ノボルに情熱的なキスをした。ゲンゾーはそれを見て不服そうな顔をしていたが、アンジェラには見えない。ノボルはキスをされながら不謹慎にも彼女の身体を触りまくり、アンジェラはそうするノボルがローブの中、分身を固くさせて行くのを感じた。そしてそのローブの中に手を差し入れようとした時、ゲンゾーがわざと大きく咳払いするのを聞いた。アンジェラは口を尖らせながら、ノボルの腕の中から抜け出た。 「ランチは家で食べよう」 とノボルは彼女の耳元に囁きかけ、軽く耳たぶを噛んで、彼女を離した。 「そうするわ」 アンジェラはゲンゾーに付き添われながらエレベーターに乗った。ドアが閉まるとアンジェラは恥ずかしそうにゲンゾーを見て、言った。「さっきはごめんなさい」 「いいえ、私に関係のないことですから」とゲンゾーはアンジェラを見もせず、事務的に言い、「それと、あなたのボタン、ひとつ外れていますよ」と付け加えた。 「えっ?」 とアンジェラはビックリして胸元に目を降ろし、ゲンゾーの言うとおりなのを見た。「…ちぇっ!」 アンジェラは服の不具合のことに気を取られ、彼女が蓮っ葉な言葉を使ったのを聞いてゲンゾーが驚いた顔をしてるのに気がつかなかった。
その最初のオモチャを口に近づけ、ねっとりとキスをした。 「キュートなおチビちゃん! あなた、あたしのウォーミング・アップを手伝ってくれるの?」 俺は「うん!」と返事するようにその尻栓を頷かせ、くすくす笑った。そうして、後ろからアヌスに入れようと横寝になった。 車を運転してたときから、すでにお尻の穴が濡れているのを感じていた。アヌスなのに、興奮すると女のあそこのように濡れてくるのだ。小さいヤツの先端をお尻の割れ目に沿って撫でつけ、湿り気を移し、穴へとあてがった。 優しくプラグを中へと押しこみ始めた。最初はちょっとだけ。だが、俺のアヌスはあの生物にあれだけのことをされた後だ。こいつが先細りの形状をしてることもあり、簡単に入っていく。3回くらい出し入れしただけで、全部が中に入ってしまった。そいつの腰部のところを俺のアヌスがキュッと締めつけている。 「ああん、いいわぁ……! あなた、思ったよりちょっとだけ太かったのね」 アヌス周りの筋肉がオモチャの腰部をきゅっきゅっと締めつける感じもイイし、その動きにあわせて、中が掻きまわされる感じもイイ! しばらくそうした後、今度は、軽く引っぱりだしては押し込む動きを始めた。尻栓の突起部がアヌスを通る時、ぷるんぷるんして、根元まで入れるとキューっと締まる。これも気持ちいい。 俺はもう一方の手でペニスをしごき始めた。あっという間にイキそうになるのを感じた。ヤバい。これは早すぎる。もうちょっと待ちたい。 俺は尻栓を中に入れたまま、仰向けになり、ペニスから手を離した。両手で腹のあたりを擦り、呼吸が落ちつき、興奮が鎮まるのを待った。 それにしても、俺のこの新しい身体、触り心地が最高だ。腹のあたりの肌の滑らかさ。太腿の触り心地。おへそのあたりも気持ちいいし、わき腹も感じる。両手で身体じゅうを撫でているだけでも心地よくて満足できるし、撫でられる方の自分も感じてしまう。思わず、背中を反らせて、のけぞっていた。 そうしながら、あの巨大ディルドに目をやった。アレとはできるだけたっぷり時間を使いたいと思った。そこで、俺は2番目の変な形をしたヤツに手を伸ばした。 「どうやら、今夜はあなたにとってラッキーな夜になったみたいよ! あなた、あたしがイクまでヤッテもいいわ。あなたに一度いかせてもらった後なら、あなたの大きなお兄さんとたっぷり時間を使えるでしょう?」 俺は尻栓をアヌスから抜きとり、口できれいに舐め、横に置いた。それから、朝にやったときのように、腰を持ち上げ、両肩で身体を支える姿勢になった。そして自分のペニスを咥えた。丸々と太った亀頭で口がいっぱいになる。 この変なオモチャを使うには、両手が必要だと思ったし、この姿勢なら手を使わなくてもペニスを楽しませることができる。 自分のペニスではあるが、それを口に入れてると、すごく気持ちよくなってくる。ペニスが気持ちいいのは当然だが、それを入れてる口の感覚もいいのだ。俺はしばらくそのままでいて、様々に異なった快感を堪能した。 まず、唇自体が興奮して膨らみ、敏感になっていた。舌も同じだ。その舌で敏感な亀頭の底辺部をチロチロ舐める。舐めても気持ちいいし、舐められてる方も気持ちいい。鈴口からは先走りが漏れてきて、それを味わい、飲み下す。目の前には、無毛の巨大な睾丸があって、奇妙にセクシーだなと思ったし、その向こうの女っぽい丸く美しい尻肉もセクシーだし、若干、口を開いてるアヌスもエロっぽい。
しばらく経ち、アンドリューが部屋を出て、シャワーを浴びに2階に上がった。ディ・ディと私は適当と思われる時間を見計らって、寝室に入った。これはよくあることだが、この時もそうで、例の双子姉妹はぐったりとしていた。ふたりとも身体を重ねるようにしてベッドに横たわり、眠っていた。 私たちはふたりを起こして、何が起きたのかを説明した(「デス・バイ・ファッキング」という言葉を使ったかもしれない)。そして、シャワーの場所を教えてあげた。 ふたりはシャワーから出てリビング・ルームに来たが、どうやら、帰るのが嫌そうみたい。アンドリューにさようならの挨拶をしてもいいかと訊くので、私たちは彼にリビングに来るよう声をかけた。 双子姉妹は、これ以上ないと言ってよいほど愛想よく、アンドリューに感謝していた。アンドリューはふたりに感謝されつつも、ちょっと迷惑そうな顔をしていた。彼は、そんなことより、自分の部屋に戻って作業をしたいのだという顔をしていた。 双子姉妹が玄関へと歩き始めると、アンドリューは、例のセクシーな笑みを浮かべて私を見て言った。 「で、ドニー、この後、何をするつもり?」 まあ、私としてはアンドリューが私にしてほしいことなら何でもするつもりだけど。彼のあの笑みを見ると、いつも私はキュンとなってしまう。 例の双子姉妹はようやく帰ってくれた。ハッピーになってだろうし、妊娠してだろうとも思う。少なくともハッピーになっていたのは、明らかだ、 翌日、私とディ・ディがリビングでおしゃべりしながらくつろいでいた時、アンドリューが仕事部屋からふらりとやってきた。何か絶望したような顔をしている。とても悲しそうな顔。 ディアドラは私の顔を見て、私も彼女の顔を見た。ふたりとも同じ感触を持った。つまり、アンドリューは限界に達してしまったのではという感触。 彼は厚い詰め物をした椅子に沈み込むように座った。私たちは見ず、床を見つめている。話しもしない。私たちは何とかして彼をこの状態から救いださなければいけない。彼は私たちがリードするのを求めてる。 ディアドラが言った。「ねえ、アンドリュー。あなたはもうこれはしたくないと考えていいのよね?」 アンドリューが顔を上げた。彼を私たちが見つめているのを彼は見た。本当に泣きたそうな顔をしてる。こんなに落ち込んだ彼を見たことがなかった。とても心が痛んだ。 「分からない。本当に分からないんだ。この女性たちはみんな僕が持ってるものを必要としている。どうして、他の男性を探すことはダメなんだろうか? 正直のところ、お二人さん、僕にはこれからどれだけできるか分からないんだよ」 彼は私たちのことを「お二人さん」と呼んだ。こういう呼び方をするときは、彼は真剣になってるのを知っている。彼がご機嫌なときは、「可愛い子ちゃん」とか使う。「お二人さん」みたいな言い方は、ビジネスモードになっている時。彼は私たちに隠し事をすることすらできなくなっている。そうしようとすらしていない。
バルは白いタンクトップを着ていた。胸元が大きく開いていて、これは気に入った。ノーブラらしいのが分かる。乳首らしいのが中からトップの生地を押してるのが見える。バルは俺と一緒に座ってる間、ずっと俺のことを見つめ続けていた。そんな俺とバルの間に性的な緊張感が生まれてるところをトリスタに見つからなければいいんだが。俺はそう願うばかりだった。 「ビーチに行ってもいいけど、家に戻って、水着とタオルを持ってこなくちゃいけないな」 と俺はコーヒーの残りを飲みほした。 「もちろんいいわよ! 私も乗せてって。モールのところで降ろしてくれればいいわ。新しい水着を買うから。あなたが家から戻ってくる時、またモールに寄って、私を拾ってくれればいいし」 バルはそう言って、ブースから抜け出た。 「ああ、いいよ」 と俺もブースから抜け、立ち上がった。 店の中をもう一度見回したが、トリスタの姿は見えなかった。バルはドアの方に歩き始め、俺も彼女のあとについて歩いた。 バルの後ろを歩いてすぐに視線を奪われたのは、彼女の尻だ。ピンク色のショートパンツに包まれた、キュッと締まった尻。なかなかの美尻だ。それが歩くのに合わせて、左右にキュッキュッと揺れてる。脚も適度に日焼けしてて良い形だし、ビーチサンダル( 参考)を履いてて、セクシーな足先が良く見える。 バルはドアを出て、俺もすぐ後に続いて外に出た。まるで母親のあとをつける子犬のようだ。 「アレが俺の車だよ」 と俺はバンを指差した。 「素敵! あなたバンを持ってるのね」 とセクシーな外国訛りでバルは言った。 「ああ、父親が昨日俺に譲ってくれたんだ」 と助手席側のドアを開けてあげた。 バルが乗り込んだ後、ドアを閉じ、反対側に回って運転席についた。そしてエンジンをかけ、走り出す。運転してると、バルが車の後部をチェックしているのに気がついた。 「この後ろのところにカーペットを敷いたらいいと思うわ」 と笑顔で俺に言う。 「ああ、おカネが入ったらすぐにそうするつもり」 その後はラジオをつけたので、あまり会話もせずに車を走らせた。音楽をがんがん鳴らしていたが、モールはすぐそこだった。駐車場に入り、モールの入口の真ん前に止めた。バルは自分でドアを開け、飛ぶようにして降りた。そして窓に顔を出し、にっこり笑顔で言った。 「ココナツ・オイルを持ってくるのを忘れないでね。それから、このあたりで待ってるから、すぐに戻ってきて」 そう言って彼女は向きを変え、モールへと歩き出した。 モールの入り口のドアを引くバルの姿を見て、どうしても彼女のゴージャスな尻から目を離せなかった。脚も完璧に近いし、ウエストもキュッと締まって、いい形だ。 俺はすぐに車を動かし、家に向かった。土曜日なので交通量は少ない。逆にビーチの方は混んでるんじゃないかと思った。 家の前に着き、車を止めた。家は全部鍵がかかっていた。ガレージを見ると、母親・父親の車が両方ともない。どっちも出かけたのだろう。 俺は自分の部屋に駆けあがり、服を脱いで、同時にドレッサーを開けた。掘り漁るようにして水着を探した。見つけ出すのに3分ほどかかってしまった。去年の秋に履いたのが最後だったから、引き出しの底にあったのだ。少ししわくちゃになっている。 そいつを履いてみたら、ちょっと小さすぎることに気がついた。鏡の前に行くと、本当にキツキツに見える。それに股間の盛り上がりも露骨だ。もし、何かで興奮してしまったら、何もかもバルに見られてしまうだろう。
~*~ イサベラは窓から下の中庭を眺めた。 お馴染みの日常的光景が嬉しい。仕事をする男女、ギイギイ音を鳴らし進む荷馬車、吠える犬、それに遊ぶ子供たちの楽しそうな声…。 彼女は膨らんだお腹を触っていた。自分の中で新しい命が成長しているのを感じる。いまや私のものとなったもの、いや、レオンと私のものとなったものを守るために、どれほどのことであろうともするつもりであると心に決めていた。 暖かな陽の光から離れるのは嫌だった。だが、彼女はゆっくりと窓から離れ、小部屋の中を進み、部屋の中央に立った。そこには椅子があり、その椅子には女性が縛り付けられていた。今は黙って座っている。 衛兵たちは先を争ってイサベラの命令を実行しようとしていたが、イサベラが黙るようにと求めたので、ずっと沈黙したままでいた。レオンが戻ってきたら、すぐにこの件について知らされるだろうけれど、その時にはすでに時遅しとなっているだろう。 イサベラは黙ったまま、この抜け目のない囚われ人の顔を見つめた。その様子に衛兵たちの沈黙はいっそう緊張感を帯びてくる。しかし、忍耐強く視線を逸らしていたものの、忍耐はそう長くはもたない。とうとう、マリイは瞳に怒りの表情を浮かべ、イサベラと視線を合わせた。 「レオンはあなたの運命を私の手にゆだねて、去りました。彼は慈悲深さを示していると思ってる。何と言ってもあなたは彼の父親の妻だった人だから…」 イサベラはそう言って、マリイが座る椅子と同じ形の椅子に腰を降ろした。そして、紫色のスカートを撫で、乱れをただした。マリイは、イサベラの仕草をひとつひとつ目で追っていた。 「…男性の名誉心って、不思議なものね」 マリイは頑として沈黙のままでいた。イサベラが続けた。 「あなたは淫らにも自分の身体を売って私の父の元に走った。だが、その父はこれ幸いとばかりあなたをここに放置して、去ってしまった。ここにいると殺される運命になるかもしれないと知りながら。あなたは父が私を犯そうとしても、何食わぬ顔でその場に立って見ていられたことでしょうね。あなたは私に鞭を振るった。でも、何のためなの? レオンのため? 彼の富や権力のため? 言って」 イサベラはスカートの中から銀の短剣を取り出し、手のひらに当てた。それを見てマリイは顔を蒼白にさせ、身を強張らせた。イサベラは、ようやくマリイにこっちを向かせることができたと思った。 「あなたは誰を憎んでいるの、マリイ? あなたを利用した男? あなたを愛さなかったという理由で、レオンを憎んでるの? それとも私? それとも、あなた自身?」 マリイはいきなり高笑いした。「そう言うあんたは、憎しみを持ってないとでも言うの? 私を殺すつもりなのに」 イサベラは怪訝そうに眉を吊り上げた。「私があなたを殺すと、誰が言ったの?」 マリイは固唾を飲んだ。よく分からないとでも言いたげに、まばたきをした。「あんた、はったりをかけてるつもり?」 イサベラは椅子から立ち、マリイに近づいた。そして小声で囁いた。「私が死んでほしいと思ってるのは、私の父よ、マリイ。父にはレオンを傷つけることができないところに言ってほしいと思ってるの」 沈黙がつづいた。 「あんた、本気?」 「父は自分が手に入れてしかるべきだと思いこんでるものを手に入れるために、レオンを殺すつもりでいる。レオンは危険が迫るのを防ごうとしてる。彼は父の行方を求めて、部下たちと領地内を探索している。一方の父は、この子が無事生まれるまで行方をくらまして、時間稼ぎをしてるだけ。その後、反撃を開始して、レオンを殺し、レオンの子を使って、富を奪おうとしている」 「あんた、私に自分の父親を殺して欲しいと言ってるの?」 マリイは眉を吊り上げ、訊いた。「それほどまでにレオンを愛してるの?」 「ええ、愛してるわ。でもね、あなたに父を殺してと頼んでるわけじゃないわ。あなたには父のところに私を連れていってほしいだけ。私が殺すから」 また沈黙が続いた。 「彼がどこにいるか私が知ってると?」 「マリイ、あなたは計算にたけた女性だわ。あなたのことを二度も過小評価するなんて、そんな恥ずかしい真似はできないわ」 マリイは浮かれたような笑い声を上げ、頭を左右に振った。「あんたのこと、最初は、うぶな修道女だと思ってたけど、どうやら、そうでもなさそうね」 「私は急速に成長しなければならなかったのよ、マリイ。そうなったのは、あなたのせいでもあるのよ」
「淫乱ママ」 第9章 Slut Mommie Ch. 9 By Fantasy69
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これまでのあらすじ
息子と娘の二児の母ケイト。実は淫乱願望がある。写真好きの息子トミーにモデルを頼まれ、撮影されているうちに興奮し、息子と肉体関係を結んでしまう。露出願望もあり、バーや公園でも息子と性行為をし、靴屋で若い女店員とレズ行為も経験。さらにアナルセックスも。ある日、息子のカメラ仲間の撮影会に参加し、フランクという強引な若者に脅迫され犯され、後悔する。さらに息子たちのパーティでも若い娘たちと淫らな行為に耽ってしまう。その翌日、娘クリスティと夫に別々にスパンキングされ性的興奮を覚えるが、フランクから脅迫の電話を受け、動揺するのだった。フランクから呼び出された日の朝、クリスティに自慰の仕方を教え、不安を紛らわす。クリスティにフランクのことを相談すると、クリスティは良い計画があると言う。それを信じて、出かけるケイト。バスで出向くように指定されたのでバス停に行くと、そこには男たちに犯されて喜ぶベティという娘がいた。
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バスはあっという間に指定されたモールに着いた。バスから降りてモールに行かなければならない。 身なりをチェックしてみた。ほとんど裸で歩いているような服装だけど、一応、ちゃんとなってるのを確認。不用意に身体を露出してなかった。 確かに公共の場所で身体を露出されちゃうのは、すごくエッチで、好きなことでもあるけど、今は淫乱女みたいに見られるのは避けたかった。ああ、またこの「淫乱」という言葉を使って考え事をしてしまった。こうすると、すぐにあそこが濡れてきちゃうのを知ってるあたしなのに…… バスから降りて、人出の多い街中のモールの正面入り口へと歩き始めた。人々の中にフランクの姿を見かけないかときょろきょろしながら。 フランクの指示は、このモールの一番奥にある地元のデパートの婦人服下着売り場で待ち合わせるとのことだった。 たくさんの人々が普段通りにモールの中を歩いている。その人々の群れをかき分けるようにして、目的のデパートへと向かった。そこに近づけば近づくほど、あたしはクリスティがどんなことを計画しているのか知りたい気持が高まってきた。クリスティはあたしのあからさまな写真を取り戻す計画があると言っていたけど、どんなことをしようとしてるんだろう? 気になってきたあたしは携帯を出して、娘に電話をかけた。 「クリスティ、そっちはどう?」 「ママ、まだ友だちが来るのを待ってるところ。彼女、バスに乗って、私と待ち合わせしているスターバックスに来ることになってるんだけど、まだ来てないのよ。ママは今どこにいるの?」 クリスティは不安そうな声でそう言った。 「ママはモールにいるわ。フランクと会うことになってる場所に向かってるところ。そのお友だち、本当にちゃんと来てくれるのかしら? 助けてくれるのかしら?」 あたしも不安でパニックになっていた。 「ええ、彼女なら大丈夫と言ったはずよ、ママ。彼女は絶対に約束は守る人だから。もうちょっと待ってればきっと来るはず。だから、ママ? ちょっとだけ、時間稼ぎしててくれる? フランクをとどめておくためにできることなら、何かしてみて」 「うん、分かったわ。やってみるね。ママ、頑張るから、急いできて、お願い」 「うん、分かってる。安心してて。それに…何でもするというのはダメよ…。例えば……」 クリスティは言いかけて途中でやめてしまったけど、娘が言いたかったことは、はっきり分かっていた。 「ええ、しないわ……。クリスティ? 本当にありがとう。ママ、あなたのこと、とっても愛してるわ」 「私もママのこと愛してる。絶対、あいつから写真を取り戻してやるんだから! じゃあ、また! ともかく、携帯はいつも持っててね」 あたしは携帯を小さなハンドバックに戻して、デパートの中へ入った。驚いたことに、下着売り場は、ガラガラだった。お客さんはほとんどいなくて、いても女性で、テーブルに載ってる下着類を見ている。メインのモールの方がお客さんで人ごみだったのとは大違いだった。 店の中を見回して、すぐにフランクを見つけた。店の隅のところに立っている。4人の他の男たちと一緒に。多分、あの人たち、フランクの仲間なんだろう。 4人…フランクも混ぜて5人! これが何を意味するかを考えて、息が荒くなっていた。荒い呼吸で胸が上下にうねっていた。フランクはあたしに何をさせようとしているか知っている。とすると……。もしクリスティの計画が失敗したら、あたしは5人の男を喜ばせなければならない……。 ドキドキしながらフランクに近づいた。フランクはあたしが店に入った時から、あたしのことに気がついていたようで、あたしを指差して仲間たちに教えていた。 今は全員があたしのことをじろじろ見ていた。マイクロミニスカートでトップも小さい姿で歩くあたしを、頭の先からつま先まで、いやらしそうな眼でじろじろ見ている…。 みんなニヤニヤしていた。あたしにさせるつもりのことを予想して、ニヤニヤしてる。類は類を呼ぶだわ! 全員、フランクと同じ変態どもなんだわ! 「ハイ、フランク」 とあたしはフランクだけを見ながら挨拶した。 「やあ、ケイト。来てくれて嬉しいぜ。だが俺は6時と言ったはずだぜ。6時15分じゃなくな」 「バス停で遅れたのよ。公共交通機関が遅れるのは知ってるでしょう」 と冷たい目で答えた。 フランクは視線をあたしの胸元に落とした。緩めのブラウスとその中のノーブラの胸に……。
それから俺は家に戻り、車から荷物を降ろした。また腹が減ってきたので、買った服やオモチャを試す代わりに、サーモンを焼いてライスと一緒に食べることにした。魚を焼きながら思ったのだが、キッチンをリフォームしなければいけないようだ。必要な器具の半分は高いところにあり、それを取るのにいちいち椅子に乗らなければならない。 料理は美味かったが、この時も半分ほど食べただけで、腹がいっぱいになってしまった。適切な分量を習得できたら、かなり食費が浮くだろう。食事を終えて、食器を洗う時、一緒に買ったおもちゃも洗った。そして電池を入れ、寝室に持っていき、後で遊ぶ時のために、ベッドの上に全部並べて置いた。 洗いものをしている時に、時計を見たが、そろそろガスに会いに行かなければならない。新しい身分証明書をもらってくるのだ。俺は古い名前で小切手に5000ドルと書き、車に飛び乗った。 ガスとの面会は完璧にうまくいった。新しいIDも、運転免許証も、出生証明も、銀行口座も手に入った。口座はもちろん残金ゼロだが、カネの出し入れの記録はついていて、万全だ。さらには役所のコンピュータシステムにも名前が登録されていた。本当に政府系に友だちがいて良かった。政府系とは言ったが、どこだったか、実際は知らない。多分NSAかCIAか、何か3文字のスパイ組織だろう。 ガスは俺を見て、ニヤニヤとし、ちょっと色目を使っていたが、これは変な感じだった。自分の古くからの友だちで酒飲み仲間が、今はギラギラ目を輝かせてこっちをちらちら見てるんだから。 ただ、前もって警告しておいたことが効いてるのか、あいつは具体的には何もしようとしなかった。別れ際、ガスは俺にこう言った。 「あんた、ベンと知り合いで、ほんとに運が良かったぜ。この身分証は合衆国連邦裁判官が証人のために作ってるのと同じくらい鉄壁だからな。ともあれ、ベンに新しい女ができたのを知って嬉しいよ。あんた、今夜は感謝の意味も含めて、あいつを無茶苦茶にヤリまくってやるんだぜ。アハハ」 ガスは悪い冗談を言って、こっちが気分を害するのを狙ったのだろうが、俺はそうする代わりに、ちょっとエロっぽく微笑んで、「ええ、そうするわ」と答えた。 ガスは大笑いして、「もしベンと別れることになったら、俺に電話をくれよな」と言って、去って行った。 家に戻る車の中、あの巨大なディルドのことを思い浮かべていた。そして、笑顔を浮かべながら、「ああ、ガスの言うとおりだ。確かに今夜ベンは無茶苦茶にヤリまくられることになるな」と思った。 運転しながらも、ペニスが大きくなり始めていたし、乳首も尖がって、トップの上からも見えるほどになっていた。途中、どうしても我慢できなくなり、ちょっと乳房をいじりながら運転していて、危うく道を間違えそうになった。 ようやく家に着いたが、すでに巨大な勃起になっていた。車から降りて立ち上がると、勃起がスカートを持ち上げ、身体に直角にテントが立っていた。俺は急いで書類を取り、見られてないかと辺りを見回した。すでに暗くなっていたのはありがたい。俺は素早くダッシュで家の中に入った。 家に入り、書類を玄関わきのテーブルに置き、ドアに鍵をかけた。そしてすぐにセーターを頭から脱ぎ、他の衣類も脱ぎながら寝室へと向かった。寝室へ通じる廊下に、脱ぎ捨てた衣類が点々と落としていく。 ベッド脇に来た時には、すでに素っ裸になっていた。乳首は指抜きほどの大きさになっていたし、巨大なペニスもカチカチに固くなっていた。 ベッドの上では、あいつらが俺を待っていた。間もなく俺の親友や恋人になる連中だ。 俺は両手で優しく数々のオモチャを撫でた。その滑らかな感触が気持ちいいし、これらを使ったら、どんな感じがするかと想像し、その形にもうっとりしてしまう。 俺は一番小さな尻栓を指で撫でながら言った。 「今夜はあなたから始めるわね…」 声も仕草もすっかり女になっていて、自分ながらくすくす笑ってしまった。 次に、ちょっと変わった電動バイブに目をやった。こいつは、亀頭のような形をした球体が6個ついてるモノで、先端から根元にかけて、それぞれの球体が徐々に大きくなっている形をしている。根元は大きな平板になっているので、すっかり中に入ってしまうことはない。 「あら、あなたって面白そうな形をしてるわね。あなたは2番目にいただくことにするわ。うふっ」 最後は、例の巨大なディルドだ。俺はうっとりと顔を近づけ、その大きな亀頭にキスをして、囁いた。 「あなたを初めて見た時から、ずっとあなたのこと思ってきたのよ。ちょっと怖く感じてるところもあるの。でも、あなたなら、きっと、あの生物のようにあたしを満たしてくれそう」 俺は反対側に回ってベッドに上がった。そして最初のオモチャを手に取った。
*** 「ねえ、レーガン医師という人、知ってる?」 土曜日の朝にこういうふうに起こされるのは、あまり好きではない。それに、ダイアナなら、例えば、「ナックルボールの投げ方、教えて?」 と訊いて私を起こすこともできるはずで、そういう質問が彼女の唇から出てきたら、それはそれで素敵だと思うのだけど…… 「うん…」 と私は寝ぼけながら答えた。「でも、どうして?」 「そこの病院から電話よ。レーガン医師があなたに話しがしたいって」 「土曜日に?」 と私は受話器を受け取って、受付の人に挨拶をした。 少し経ち、医師本人が電話に出た。 「おはよう、リサ」 まるでコマーシャルでのアナウンスでもできそうな声質の声。「今日の午前中にこちらに出てくるのは大変でしょうか? 月曜午前の施術の前に、検査結果について話し合いをしたいと思ってるんです」 「何か問題でも?」 「いや、その正反対です。あなたの身体に関する限り、月曜にすることは問題なしなのですよ。ただ、どういうことをするかについて改めて確認し、承諾を得ておきたくて…」 「ええ、何とかこれから身支度して、1時間ほどでそちらに着くと思います。それで良いですか?」 「もちろん! では、またあとで」 この日の前夜、私は身体の整形のことについてダイアナに話しをしていた。ダイアナは、控え目に言っても、興奮していたと言える。彼女は豊胸について、どのくらいの大きさになるのかなどを私に訊いた。パーマ・プラストについての情報も伝え、豊胸は数週間に渡って進行することを話した。ダイアナは目を皿のように大きく広げ、私の話しを聞いていた。 「あなたの胸が大きくなるのね? ああ、すごい! 素敵よ! 私たち、これまで以上に親密になるわ」 そう言ってダイアナは私をギュッと抱きしめた。あまりきつく抱きしめるので、グルーチョ・マルクスではないが、彼女は私の背中から出てしまうのではないかと思った。 ダイアナも豊胸などの整形の道を進んできたことを告白してくれた。彼女の場合は「旧式」の方法だったけど。ともあれ、ダイアナは、私も豊胸することは、ふたりが共有する秘密がもうひとつできることであり、私がどれだけ彼女を思っているかを証明することでもあると感じたようだった。私自身は、施術に同意した時、というか仮に実際に施術したらだけど、そういうふうには思っていなかったけれど、こんなにダイアナが喜んでくれたことは嬉しかった。 私たちは、予想したより3分前にレーガン医師の診察所に到着した。受付の人はすぐに中に案内した。私は医師にダイアナを紹介し、一緒に彼の前に座った。 レーガン医師はすべて検査結果を説明し、私の身体が「卓越して健康」であると述べた。ついでに、彼自身が時間不足で運動スケジュールを守れないことを嘆いていた。 それから彼は、来たる肋骨切除、軽微な脂肪吸い出し手術、鼻形成術、目の周りの美容整形、喉仏の削除などについて再説明し、確認した。その後、それぞれについて必要な書類へ私のサインを求めた。 ダイアナは椅子に座りながらも、始終、もじもじし落ち着かなかった。話しを聞くにつれて、ますます興奮している様子。おとなしくしているというのは彼女にとって得意なことではない。とうとう、堪らなくなってダイアナは口を開いた。 「どのくらい早く注入を始めるのですか?」 私もレーガン医師も、「クリスマスまであと何日?」と聞く子供を見る親のような感じで、ダイアナの顔を見た。医師は私の方を向いて言った。 「実は、今朝あなたをお呼びした理由の一つがそれなのです。ちょっと腕を拝見できますか?」 私は左腕を出して、見てもらった。ほとんど見えないほどの突起がまだ残っていたけど、その他は何もなかった。 「これより良い結果は求められませんね。拒否反応の痕跡すらありません」 レーガン医師はダイアナに笑顔でウインクし、また私に顔を向けた。 「ダイアナさんのご質問に答えると、今すぐ開始してもよいというのが答えです。どうでしょう。それで、ご満足でしょうか?」 心臓が喉元まで上がってきた感じがした。ダイアナは私に抱きつき、アナコンダのような締めつけで抱きしめた。肋骨切除は子供でもできる仕事になるかも。医師は粉々に砕かれた骨を取りだすだけで済むから。 「それは、私の…手術の後まで待つべきじゃないのですか?」 とためらいがちに尋ねた。 レーガン医師は頭を左右に振った。 「その必要はありません。もしきょう開始すれば、受容部が月曜の朝までに整ってることでしょう。それに、パーマ・プラストによる変化は外科的な整形手術とは関係がないのです。それにもうひとつ。あなたにはできるだけ早く、ホルモン投入も開始してほしいと思っています」 「ホルモン?」 「ええ。ホルモン注入なしでも体形の増幅は可能なのですが、結果がごつごつして、人工的な感じになるコストがあります。エストロゲンとプロジェスティンを組み合わせると、身体に丸みが出てきて、豊満でより自然な姿に変わることができるのです。それにパーマ・プラストの同化促進にも効果があります」 自分の張った蜘蛛の糸に絡め取られてしまった! 陰謀を企む者たちを明るみに出すのに、もはや2日もない。いや、2分すらない。 これがラスト・チャンスだぞ! バルコニーに出て、デュバル通りを眺めることができるんだぞ。金持ちの旅行客を朝に連れ出して、午後の遅くまでビールを飲みながら釣りをし、それからスロッピー・ジョーの店でぐてんぐてんに酔っぱらって、千鳥足で家に帰ることができるんだぞ。ヘミングウェーのように。自分の船に「ぶっ壊れた水洗トイレ」と名付けることもできるんだぞ。いま、この場から立ち去れば、それでいいんだ。眉毛を元通りに太くすることもできるんだぞ。名前をトラビス・マクギーとでも変えれば、誰にも分からないって…… ただ、「いいえ、手術の後まで待ちましょう」と言えばいいんだ。そして、月曜日になったら、気持ちが変わったと…… ダイアナの瞳に浮かぶ表情は、とても期待に満ち、ワクワクしてて、愛しいものだった。こんな瞳を何年も見たことがない。ひょっとしてダイアナが怪しいかもと疑ってすらいたけど、私はどうしても彼女をがっかりさせたくはなかった。流れに任せる…… 私は「了解しました」と言い、小さく溜息をついた。 つづく
ドニーの話し去年アンドリューがテレビに出て以来、彼の奉仕の依頼が殺到し、私たちはそれに悩まされることになった。彼の奉仕、つまり性交渉を求める依頼のこと。ある意味、世界中からこのような依頼を受けるなんて笑える話ではあるけど、ちょっと悲しいことでもある。そういう依頼の大半は、普通の平均的な女性からのもので、アンドリューに子種を植え付けてほしいと思っているか、あるいは単に彼と寝てみたいと思ってるかのどちらか。 こういう依頼はすぐに破棄する。ただ、特に異様な依頼に関してはアンドリューが読むまで取っておくことにしている。彼は写真付きの依頼が好き。それとなく暗示するようなポーズの写真もあれば、あからさまな姿態の写真もある。まあ、彼にちょっとくらい代償として楽しみを与えても、いいかなとも思う。 しかし、IAMの双子姉妹からの依頼もたくさんある。この依頼については、真面目に取り扱っている。そういう双子姉妹からの依頼のリストは、すでに1000以上になっている。そして、これがアンドリューにとっては苦痛になり始めていると思う。この「雑用」は、アンドリューがしたいことのリストに載ったことは一度もないのは確か。それが、今は、これだけの数になってしまい、いつまでたってもきりがなくなっている。 こういう話しを聞いて、まさに夢が叶ったような話しじゃないかと思う男性が多いのは知っている。1000人もの女たちが、子種を授かろうと好き放題にセックスしてもらうのを待っているなんて…。でも現実は夢の話しほど魅力的ではないこともある。 そこで私たちはアンドリューに「一挙両得」( 参考)の提案をした。つまり、双子姉妹のふたりとも子種を欲しい場合は、一回のセッションで済ますという提案。渋々だったけど、この提案をしたのは、これだとアンドリューのための時間を節約できるから。一回でふたつゲットできるなら、午後を自由に使えることになるかもしれない。 デビーとデリラという双子姉妹がいた。とても美人な姉妹でモデル・レベルと言ってよいほど。年は20代後半か30代になったばかり。私たちはアンドリューを書斎から呼び出し、彼をこの双子姉妹に紹介した。私の目には、彼女たちがアンドリューをひと目で気に入ったのがはっきり分かった。ふたりが望むすべてを備えた男だと思ったみたい。本当に涎れを流しそうな感じで彼を見ていた。 いつもの通り、私とディアドラも交え、みんなでちょっと雑談をした。アンドリューは、この若くて美人の姉妹をときどきチラチラ見ていた。だけど、内心、ほっとしたのだけど、彼の関心は、やっぱり主として私とディ・ディに向けられていた。 こういうとき、ときどき、アンドリューは私たちに普段よりもずっと愛情深くなるように思う。おしゃべりが終わり、例の双子姉妹がそれぞれグラスのワインを飲みほすと、アンドリューは私たちに近寄って、私たちそれぞれに情熱的にキスをし、ハグをし、そして愛情豊かに頬に軽くキスをしてくれた。 そして彼は双子姉妹を「アンドリューを犯す部屋」に連れて行った。そして続く2時間、私たちはその部屋からときどき悲鳴がするのを聞いた。たいていはその悲鳴の後にアンドリューの名前を呼ぶ声が聞こえる。彼は、いつものことだが、注文通りの仕事をしているのだ。私たちの素敵な彼氏は、誰に対してもがっかりさせたりはしない。
俺はまたトリスタと見つめあった。美しい緑の瞳。見てるだけでうっとりしてくる。 「私、今日は何もできないの。タミーが休むって連絡入れてきたので、早めにバイトを終えることができないし、夜も教会でビンゴ大会を開くからってお父さんの手伝いをしなくちゃいけないの」 とトリスタは顔をしかめながら言った。 「それはいいよ。しょうがないよ」 と俺は言い、彼女の指をぎゅっぎゅっと握った。 「多分、明日の午後なら、一緒に何かできると思う」 と、トリスタは店の客たちを見回した。 「ああ」 と返事し、俺はコーヒーを一口すすった。 その時、俺の脚のふくらはぎあたりを誰かの足が優しく愛撫するのを感じ、俺は危うくコーヒーを吹き出しそうになった。俺はカップを置いて、両手を腿のあたりに降ろした。そうするついでにテーブルクロスを少し動かし、下をチラリと覗いた。 驚いたことに、バルが足で俺の足首を擦ってる。バルは顔を上げ、俺を見てニヤリと笑い、何食わぬ顔でコーヒーを啜った。俺はトリスタに気づかれないようにと、顔を上げ、再び彼女の瞳を見つめた。 「今日は、一緒にビーチに行けたらいいなと思っていたんだ」 と手を握りながらトリスタに言った。 「ああん、一緒に行けたら面白そうなのに…」 とトリスタはがっかりした顔になった。 「うん、そうだね…。でも、また別の日に絶対…」 と俺はコーヒーを注ぎ足しするトリスタに言った。 「トリスタ? もう休憩時間は終わりだよ」 とカウンターの向こうに立っていた店主がトリスタを呼んだ。 トリスタは素早くブースから出て、立ち上がった。そして向こうで手を振って呼んでいる店主を振り返った。それからまた俺の方に向いて、手でキスを送る仕草をした。本当はキスしたかったのだろうが、俺とトリスタの間にバルがいたので、できなかったようだ。 「今夜、電話して」 と言い残して、トリスタはカウンターの向こうへ戻って行った。 その後、俺は座ったままコーヒーを飲んでいたが、隣にバルが座っているのが、何だか変と言うか、居心地が悪い感じだった。バルは俺の隣に座ってるばかりか、俺の方に身体をもたれかかってもいたからだ。足はまだ俺の脚の上に乗せてるし、俺の瞳を覗きこんでくる。 「もし連れが欲しいなら、私が一緒にビーチに行ってもいいわよ」 とバルは笑顔で言った。 俺はすぐに返事をせず、ひとくちコーヒーを啜って間を置いた。コーヒーを飲み、カップを置いてからバルの目を見つめた。 「ちょっとやめておこうかな」 そう答えると、バルの顔が笑顔から、しかめつらに変わった。 「おねがーい」 とコーヒーに指を入れて、指でかき混ぜながら言う。 返事しようとした時、バルがその指を口に入れ、唇をすぼめて、ちゅーっと吸い、そしてゆっくりと出すのを見て、一瞬、声を出せなくなってしまった。 「ほんとに、お願いだからーん」 と頭を俺の方に傾け、下から俺を見上げる。 この交換留学生が、こんなふうに誘惑遊びをするのを受け、俺の分身がズボンの中で息を吹き返してくるのを感じた。トリスタの姿を探したが、どこにも見えなかった。昨日会ったとき、ひょっとしてバルは俺に気があるのかもしれないと思ったが、今日のこの態度で、その印象は確信に変わった。 「たぶんね」 と答えながら、俺は視線をバルの美しい茶色の瞳から、彼女の胸の谷間へと移動させた。
レオンはイサベラの片脚の足首を握り、自分の胸板へと持ち上げた。足裏が胸板につくようにさせた。その彼女の足に顔を向け、唇を押し当てた。 「俺がいないときは、こんなことをやっているのか?」 そう訊きながらも、彼は赤い縮れ毛の下に潜む小粒の宝石から目を離せなかった。 「レオン…あんっ!」 イサベラは喘ぎ声を上げた。 これは淫らで罪深いこと……。修道女たちに禁じられた場所を触りながら、裸の身体を淫らに広げている…。腰がせり上がって、お尻がベッドから浮いている……。頭を振り、髪の毛が頬を叩いてる…。はあっ、はあっ、はあっと呼吸が短くなっている……。胸が上下に波打って、太腿がぷるぷる震えてる……。 レオンは前のめりになり、滴を湛えキラキラと輝いている肉襞を舐めた。焦らすように舌でこね回した。 「い、いやーんッ…!」 イサベラは泣きそうな声を上げ、下半身を強張らせた。 「可愛いな」 そうレオンは呟き、指を1本、イサベラの中に滑り込ませた。 「ああ……!」 入れた指が熱い肉壁に捉えられ、締めつけられるのをレオンは感じた。言葉によらずに、レオンを誘っている。 イサベラの狭い入り口を指でふさいだまま、レオンは彼女の疼く突起に口をあて、吸い、そして甘噛みした。イサベラがベッドの上、のたうち回り始めるまで、それを続けた。彼女の指はレオンの髪を掴み、自分の急所へと引きつける。 間もなくイサベラはレオンの口に股間を突き上げ始めた。身体が溶けだし、そして全身を震わせながら絶頂に達した。 レオンはイサベラの脚を肩から降ろし、立ち上がった。そしてイサベラの誘惑的な姿を見下ろした。 火照った白肌。恍惚とした表情。吸ってくださいと訴えているような、柔らかそうなピンク色の陰唇とツンと尖った乳首。 レオンは苦しそうに唸りながら、後ろを向き、手をくし代りにして乱れた髪を直した。イサベラの妖しい姿態にズボンの中、分身がひくひく踊っていた。だが、イサベラもお腹の中の子も守るためには、この誘惑に負けてはいけなかった。レオンは辛い気持を抑え、イサベラを一瞥もせず部屋を出た。 イサベラは、握りこぶしを口にあて、噛みながら涙が溢れるのを堪え、レオンが出ていくのを見ていた。これからの毎日、彼は戻ってこないかもしれないと恐れながら暮らすことになるの?
ベティを犯してた男の人が、終ったらしく、おちんちんを引き抜いた。あたしはすぐ後にその穴の中に指を挿しこんだ。暖かくてヌルヌルしてる。中はどろどろでいっぱい。彼の出したドロドロが彼女の中から出てきて、あたしの指を濡らして、太腿の内側を流れて行った。 そうしたら、すぐに別の男の人のおちんちんが出てきた。顔を上げて見てみたら、黒人の人。握ってる黒いおちんちんは20センチはあって、太い。 黒いおちんちんは、正直、写真では見たことがあったけど、本物は初めてだった。息子のよりはちょっと小さいかな。でも、大きいのは事実。 でも、思わず目を奪われたのは、大きさよりも、その色だった。本当に真っ黒! ベティの中にすぶりと入っていったけど、その色のコントラストもすごい。 ああ、それにしても、あたしは何をしているの? ずっと自問を繰り返していた。 この女の子も知らないし、男の人たちも赤の他人。なのに、あたしはこの娘を犯してる知らない男の人たちのおちんちんを触ってる! 息子は、あたしがこんなことをしてるのを見たらどう思うかしら? そんなことを考えていたら、全身に鳥肌が立ってきた。 「ああぁぁ……ううぅぅぅ……ううぅぅぅ……」 ベティはただ喘ぐだけ。 でも、これってすごくエッチ! あたしは周りを見回して、一人の男の人を指差して、こっちに来るように手招いた。彼はまるであたしの言うなりになったみたいに、あたしのところに来て、おちんちんをズボンの中から出した。 あたしはそれを握って、しごき始めた。本当は、あたしはこの場にしゃがみ込んで、おしゃぶりしたかったんだけど…。ここは我慢して、しごくだけ。 すると急に、また別の男の人がベティの横に出てきて、あたしやベティをじろじろ見ながら自分でしごき始めた。いまベティは3人の男の人に取り囲まれている。3人とも固いおちんちんを出していて、ひとりは自分で擦ってて、もうひとりはあたしが擦ってて、3人目の人は彼女の可愛いあそこにズブズブ挿してる。取り囲まれてるベティは淫らに喘ぐだけ。快感に狂ってる淫乱女になって……。 男の人たち3人とも、ビックリするくらい早くオーガズムに近づいていた。黒人の人が、最初におちんちんを引き抜いた。ベティは何が起きてるのか見ようとしたのかしら? 後ろを振り返った。 「ベティ? 彼のおちんちんをしゃぶってやるの…。あなたのおまんこに入っていたおちんちんよ。あなたのエッチなお汁でべちゃべちゃじゃない? 舐めてきれいにしてあげなきゃダメ」 ビックリしたけど、ベティは全然ためらわずに、その場にしゃがみ込んで、黒いおちんちんをお口に入れてしまった。綺麗な唇を精いっぱいに広げて、黒いお肉を包んで飲み込んでく。そして半分近くを喉の奥まで入れてしまった。 そして夢中になって吸い始めてる。ううん、ううんって小さくうめき声を上げながら。 そうしてると、突然、黒人の男の人がベティの頭を押しておちんちんを出させた。そして、その直後に先端からビュッと白いものを彼女の顔面に撃ち出した。それと同時に横のふたりの男の人たちも、自分で激しくしごいて、彼女の大きなおっぱいに振りかける。 あたしはちょっと引き下がって、この様子を見ることにした。 白い筋状の体液が次々にベティに当たっていく。顔には鼻のところにどろりとついていたし、目のところにも、綺麗な髪の毛にも……。胸も白くてベトベトしたもので覆われている。 その白濁があごに伝って、ポタポタと滴り始めてる。大きな乳首リングをつけた乳首からもポタポタ。…まるでスペルマのお風呂から上がったばかりのように見える。 ベティは黒いおちんちんを握って、お口に入れて最後の数滴を吸い取って、ごくりと飲み込んだ。そして黒人の男の人を舐め清めた後、同じことを他のふたりの男の人たちにもした。最後のひと滴も漏らすまいとミルク搾りをするようにしごいて、舐め清める。 ふと辺りを見回したら、いつの間にか、取り囲んでいた人たちの数が少なくなっていて、外から見つかりやすくなっている。確かにまだ男の人たちが取り囲んでいるけど、もうこれ以上、危険を冒すのはやめた方がいいみたい。 あたしは男たちを押しのけるようにして、人の輪の中から出た。道路を見ると、バスがカーブのところに止まったのが見えた。あたしが乗ることになっているバス。 すぐに料金を払って、乗りこみ、一番後ろの座席に座った。そして、ベティがどうなってるのか見ようと窓の外を見た。あたしに見えたのはバス停の一角に男の人たちが集まっているところだけ。全員、道路側に背中を向けていて、その奥の様子は全然見えない。 あたしはにんまり微笑んだ。ベティはこの後も男の人たちにヤラれるのかしら? あたしはあの子のことが好きになっていた。Mっぽくて、欲望に忠実で、あたしを喜ばせてくれるあの娘…。ああん、もし、あの娘ともっと親密になれたら、あたし、あの娘にどんなことをしてあげよう? バスはスピードを上げ、この先あたしを待ち構えているフランクのことを考えた。フランクはあたしに何をするつもりなのかしら? つづく
次に立ち寄ったのはランジェリー・ショップである。 店内に入った途端、俺の股間のモンスターを鎮めるのに苦労しなければならなくなった。いたるところに展示されてるセクシーな女のイメージのせいもあったが、同時に、様々なランジェリーを身につけた自分のセクシーな姿を想像したせいもあった。 ともあれ、俺は、自分がこんな身体になっても、肉体的に男であった時と変わらず、女の姿をセクシーだと感じたことにほっとしていた。少なくとも、その方面については変わっていなかったのだと。 俺は、店員の女の子に近づき、ためらいがちに、俺の胸に合うブラジャーのサイズを測ってくれないかと尋ねた。その女の子はにっこり笑い、人懐っこいセールストークを始めながら、俺をショップの奥に案内した。どうやら、俺は自分のブラのサイズを知らなくても、そんなに奇異に思われていないらしい。自分のブラのサイズが分からない女性はたくさんいるらしく、女店員は俺を安心させてくれた。 店員はプロらしい手つきで素早く俺のサイズを巻き尺で測り、俺は76センチのCカップだと分かった。その後、店員の女の子はスポーツ・ブラ、プッシュアップ・ブラ、デミカップ・ブラ( 参考)、そして非常にセクシーなコルセットと、次々にアイテムを俺に買わせた。俺のショッピング・バスケットにどんどん商品が入ってくるのにつれて、彼女の目に$マークが浮かぶのが見えたが、俺は全然気にしなかった。彼女の助言はとても助かったし、この娘は仕事熱心だと思ったからだ。 パンティも見てみたが、俺の股間についているモノを考えると、たぶん収まりそうもないと思い、躊躇した。だが、実に可愛くセクシーなので、衝動を抑えきれず、3つほどは買ってしまった。 試着室を借り、ブラジャーのひとつを身体につけた。あまり胸がぶるんぶるん揺れないように、その場でつけてしまおうと思ったからだ。じっさい装着してみようとすると、背中に手を回して止めるのが難しい。で、そう言えば、元妻が腰のところで身体の前でホックを止め、それから後ろに回して腕を通していたのを思い出した。確かに、そうすると簡単に装着できる。 ランジェリーショップを出た時には、クレジットカードをかなり使っていたし、両腕にショッピング・バッグをいっぱいに抱える状態になっていたので、とりあえず今日はショッピングはこれまでにし、家に戻ることに決めた。 車に戻り、買い物袋を車に乗せた。その時になって、家に食料がなかったことを思い出し、駐車場の反対側にある食品スーパーに行き、何日かは持つ分の食品を買った。ようやく、再び車に戻った時には、もうへとへとになっていたし、歩きすぎて足が痛くなっていた。 家に向かって車を走らせたが、途中まで来たところで、ある店を見かけた。この店は、これまで何度も前を通り過ぎて、気になっていたのだが、入らずにいた店だった。この店は、一見したところブティックのように見えるのだが、実際はアダルトショップなのである。 その店を見た途端、それまでの疲れも吹っ飛び、俺は笑顔で店の前に車を止め、堂々と店内に入った。 店員は別の客の相手をしていたので、俺は独りで店の中を見て歩いた。そして、俺が求めるモノが並んでるコーナーをすぐに見つけた。アナル・グッズとディルドだ。 まるでおもちゃ屋に入った子供のように、様々な商品に触ったり、手に取ってみたりして、選んだ。結局、尻栓( 参考)をいくつか、これは中サイズのものから巨大なものまでと、面白そうなアナル・ディルドを何本か、そして、どうしても誘惑に抵抗できなかった一品、つまり、俺の腕よりも太い30センチの吸盤つきディルドを選んだ。 変身する前だったら、俺はあまりに恥ずかしくて、そもそも、このような店に入ることすらできなかっただろう。だが今はむしろ堂々としていた。女子店員がレジを打っている間、こういう品々を買う自分を自慢しているような雰囲気さえ醸し出していた。
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