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あいつにパソコンを盗まれ、あいつに僕の秘密がばれてしまった。僕の女性化願望や寝取られ願望をぜんぶ。僕はあいつに脅され、カネを巻き上げられ、仕事も奪われた。最後にはガールフレンドまで奪われてしまった。
だが、あいつはそこで終わりにしなかった。あいつは、とことん僕を侮辱したいらしい。
あいつは僕の趣味のことを彼女に話したようだ。
いま毎週、僕のところに小包が送られてくる。中には彼女の写真が入っている。それに精液で汚れたランジェリも。僕から奪ったお金で買ったランジェリだ。彼女はそれを着てあいつとセックスしている。
手紙が添えられている。「また今週もこれを着て楽しむといいぜ! 彼女、これを着たまま4回はイッタし、俺も2回は出した。じゃあな、アレックスより」
そして毎回、僕はその汚れたブラジャーとパンティを身につける。それに包まれる感覚が最高なのだ。
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その調子よ! ゆっくりとおちんちんをしごいて! タマタマを手で包んで、精液がたっぷり詰まったクルミを指の間に転がして見せて! これって興奮しない? もちろん、あなたとベッドに飛び込んでセックスしようと思えば、できるわ。でも、こっちの方が何と言うか…もっとくつろげるように思うの。それに、あなたのカラダ素敵でしょ? そのあなたの素敵なカラダを見ていたいのよ。あなたもあたしのカラダを見るのが好きだといいんだけど! こういうこと他の誰にもしないのよ。夫にもしたことない。だから、あなたは特別だと感じてほしいの! さあ、目を閉じて、おちんちんをしごいて見せて……。
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彼女が出張で家を離れている間、お前は密かに彼女の下着を身につける。
彼女が出張で家を離れている間、彼女の元カレは密かに彼女の下着を脱がしにかかる。
唯一の違いは、彼女も彼女の元カレも、お前の秘密を知っているということ。
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あたしは主人を裏切りたくないの。主人はいい人よ。ただおちんちんが小さいので、エッチが最低だということだけ。セックスでの満足を得るには、どうしても他の男が必要なのよ。そんなあたしのことを悪く思ってほしくないし、あたしは主人と別れたがってるなんて思ってほしくないわ。ただ……ただ、ヤリタイだけなの! だから、あたしを助けてくれるつもりなら……これは秘密にしておかなくてはダメよ! 家族にも友だちにも知られたくないから。だから、もし秘密を守れるなら…是非ともあなたとセックスしたいわ。ただのセックスよ。愛じゃないの。だから、あたしにあなたと奥さんとの関係をズタズタにされるんじゃないかなんて心配する必要はないわ。どうかしら…… あたしを助けることができる?
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男が妻の後ろに現れた。長く巨大で太いペニスだ。妻は振り返りすらせず、ただ手を差しのべた。男は前に進み、妻はゆっくりと男の一物を手で包む。だが握りきることすらできない。男は両手で愛撫を始め、妻はその男にもたれかかる。男の片手が妻の乳房へと動き、そこを覆う。妻は男にもたれ、唇を重ねる。熱のこもったキス。口を開いてのキス! そして僕はただ唖然としたまま、ふたりを見ているのだ。この男はいったい誰なのだ? どこから来たのだ? そして、なぜ妻は男の自由になっているのだ? こんなに喜んで? まるで男が来るのを期待していたかのように! 僕はウッと唸った。下を向くと、ズボンの前、濡れた染みが広がっていた。そして、再び顔を上げると、ふたりの姿は消えていた……。
ジーナは笑顔で息子のところに近寄り、つま先立ちになってキスをした。彼女はあたしに背中を向けている。すぐにあたしの目は彼女の丸い若々しいお尻に吸い寄せられる。タイトなジーンズに包まれたプリプリのお尻。
ちょうどその時、クリスティが起きてきた。ぐっすり寝たのか背伸びしてあくびしながらキッチンに入ってきた。
「おはよう、おふたりさん。おはよう、ママ」 と眠たそうに言う。
あ、そう言えば、この状態はマズイかも。ドキドキして心臓が胸から飛び出そう。我が娘と息子の恋人の前に立っているわけだけど、もし、あたしの顔に息子が出したものがついていたらどうしよう? 息子が発射した時、首とかについていたら、どうしよう? 娘やジーナがそれを見たら? それがアレだと気づいたら? この子たちあたしをどう思うかしら? 淫乱女? そんなことを考えていたら急に困ってしまった。あたしはくるりと娘たちに背を向けて目を閉じた。落ち着かなくちゃダメ!
「で、あなたたち、今日は何をする予定?」 とクリスティが訊いた。
「そうねえ、ちょっとお買い物して、後でディナーを食べに行くかも。思いついたこと、何でも、かなあ?」 とジーナが答えた。
「ママ? 今夜、ジーナに家に泊ってもらってもいい?」 とトミーが少し気弱そうな声で訊いた。
あたしはまたくるりと前を向いて、答えた。さっきまでしてたことの痕跡が残っていないと期待しながら。
「ええ、いいわよ。ジャニイがOKなら」
「ああ、それなら、今朝、ママから許可を得たわ。気にしないって」とジーナが素早く返事した。
「やったー。じゃあ今夜はみんなで座って映画を観れるね」とトミーがつけたした。
「残酷な映画でなければね。ああいう映画はママは我慢できないの」 と、早くこの会話を終わらせられたらと願って答えた。
だって、内心は叫び出したい気持ちだったから。それほど欲求不満が募っていた。息子にフェラをしたのに、そのお返しを何もしてもらえていない。そのことから、何だか自分が安っぽくなったような気持ちになっていた。本当のことを言えば、息子に犯してもらいたくて、うずうずしていた。息子の逞しいオトコをあたしの中に突き入れてほしい。思い切り大きな声を上げてヨガリまくりたい。なのに今はジーナが息子を独り占めしてるんだもの! あたしはちょっと不機嫌になってキッチンを出た。できるだけ気持ちを息子たちに見せないようにしながら。
トミーとジーナが出かけた後、クリスティは友だちのバーブのところに遊びに行った。家にはあたしだけ。一日中、何もしないで過ごした。テレビを見たり、スナックを作って食べたり。そして考え事をしたり……どうしたら息子とまた結ばれることができるだろうって考えていた。
こんなふうに息子に心を占領されるなんて、どうしてなの? 自分でも理解できなかった。トミーはあたしの息子で、あたしには夫がいるのに……。息子や息子のお友達と行った数々の行為。そんなことをすべきではなかったはず。息子と肉体関係になるなんて! こんなふしだらな状態から抜け出す方法を考えなければいけなかった。でも、そもそも、息子とこういう関係になることは、あたしが求めたこととは違うはずと思った。じゃあ、何なの? あたしは何を求めているの?
その日は、時間が進むにつれてどんどん事態が悪くなっていった。お昼になったころ、エアコンが急に動かなくなってしまった。修理会社に数件電話を掛けたけど、少なくとも1週間後じゃなければ見に来てもらえないと言われた。今は真夏だというのに。真夏ゆえに、修理会社には何件も依頼が入ってるらしい。家の中がどんどん、どんどん暑くなってくる。なのにあたしには何もできない。
夜になってクリスティが帰って来たけど、すぐに自分の部屋に入って眠ってしまった。また、あたしだけポツンと独り。自分の状況を考え続けたまま。
あたしは、水風呂に入ってさっぱりし、お気に入りのナイト・シャツに着替えることにしようと決めた。その後でワインを開けて、ちょっと飲むことにしようと。こんなに暑いんですもの、ナイト・シャツの下にはブラもパンティもなしにしようと決めた。
水風呂に入って着替えた後、独りテレビを見ながらワインを飲んでいると、トミーとジーナが帰ってきた。時間は9時を回った頃。
「ママ? どうして? 家の中、やけに暑いよ?」 と入ってくるなり息子が訊いた。
「エアコンが壊れちゃったの。それに、どこに電話しても修理する人がいないって」
息子とジーナがちょっと変な感じがした。よく見てみると、ふたりとも酔っぱらってるのに気づいた。息子はふらふらしているし、ジーナは息子を支えようとしてるのか、ピッタリ密着している。
「あなたたちもずいぶん楽しんできたようね?」
「まだまだよ。夜は始まったばかり」 とジーナは笑いながら答えた。
「何か重要なこと?」 とアンジーは歌うような調子で尋ね、私が閉じたばかりの携帯電話に目をやった。
「いや、もう大丈夫」 と気弱に答えた。
私は、完璧に打ちひしがれた気分だった。アンジーとダイアナはふたりとも、無邪気に私のことを見ている。アンジーがグラスを掲げた。
「さて、何に乾杯する?」
私は何も考えられなかった。歴史上の誰も、グラスを掲げて、「裏切りに乾杯!」と言った人はいないと思うし、私がそれを言う最初の人になるつもりもなかった。その時はどうでもいい気分だった。ただ肩をちょっとすくめて、グラスをくるくる回して見ていた。……モエ(
参考)のホワイトスター、エクストラ・ドライか…。まあ、乾杯したいなら……そうね、今の株価とか、ドルの為替値とか?
ボーっとした感じで上の空になっていた。この世に興味がなくなったみたいに。
ダイアナは今まで見たことがないほど美しかった。彼女は、結婚式を模したショーの花婿の役になっている。黒いタキシード・コートを着て、黒いサテンのボータイを締め、オールド・ファッションのトップハットをかぶっていた。そして、その下には、キュウキュウと締めつけた黒エナメルのコルセットを着て、脚には黒い網ストッキング、そして黒エナメルのプラットフォーム型サンダル。足首でストラップで留めるデザイン。
「花嫁」の方は、SM用の木馬に覆いかぶさっていて、両手、両足ともしっかり拘束され、誘うように脚を広げている。ウェディング・ドレスはあまり似合っているとは言えない。わざとチープでまがい物ふうにしている。いずれにしても、お尻のところが捲り上げられているし、似合っていないからと言っても意味がない。お化粧は女の子っぽい感じにはなっていても、この「花嫁」の薄汚いイメージが和らぐわけではない。
一方のダイアナの方はと言うと、まさに神がかったような美しさ。その表情は、彼女の長年の念願が叶ったような顔をしていた。
………私は、ダイアナの20センチのクリトリスに何度も何度も愛されてきたので、あれを入れられてる時のアノ感じがよく分かる。あそこを彼女のアレで抜き差しされるアノ感じ! その1ミリ、1ミリの動きがはっきり視覚化できるほど。
ビリー・アイドルの「ホワイト・ウェディング」の曲に合わせてカーテンが上がった。ステージで行われている行為を見て、ゲイの男性が圧倒的多数を占める観客が大歓声を上げた。ダイアナは「花嫁」のアヌスに怒りにまかせた出し入れを続け、この「結婚」の儀式を祝っているのだ。
観客を見ると、その中にスーザンの顔があるのが見えた。恐怖と不快感をあらわにした顔をして見ている。変なの! スーザンは、この究極の勝利の瞬間を楽しむとばかり思っていたのに。
一方のジェフ・スペンサーの方は、この瞬間を貪るように楽しんでるのは確かだった。その顔にはまぎれのない喜びの表情が浮かんでいて、ダイアナに突かれるたびに嬉しそうに声を上げている。彼の人並み外れた巨大なペニスは、最大の30センチまでに雄々しく勃起し、ダイアナに繰り返しアヌスに突き入れられるのに合わせて、SM木馬の脚の間から顔を出したりひっこめたりを繰り返した。ダイアナが、ジェフにこれをして楽しんでるのは間違いなかった。私は、ふたりを見ながら、ダイアナに入れてもらってるときのことを思い出し、少なからず、今のジェフが羨ましいと、嫉妬を感じた。
曲が終わりにさしかかるのに合わせて、カーテンが降り始めた。幕が下りると同時に、舞台の反対側からチャンタルとミミが出てきて、ダイアナのところに駆け寄り、彼女をジェフから離し、出てきた袖口へと連れて行った。
アンジーは私にしがみつき、抱き寄せた。そして私と一緒に近くの袖口から舞台の外へ出た。私は可愛いラベンダー色のスエード・スーツを着てミュールを履いたまま。アンジーは白のスーツ。3か月前のあの月曜日の午後の時もアンジーは同じ衣装を着ていたけれど、今の方がずっと似合っている。
「リサ? あの子たちがダイアナをここから逃がすことになってるの。私たちも姿を消した方がいいわ。今すぐに!」
私とアンジーは横のドアから外に出て、劇場の中二階のバルコニー席に入った。
劇場は修羅場のような大騒ぎになっていた。ホテルの警備員やシカゴ警察の警官たちが、いたるところ駆けまわっている。ほとんど服を着ていない逃げ惑う「モデル」たちを探しているのだった。公然の場でわいせつな本番セックスを見せてしまったのだから、当然だった。
駆けまわっているのは警官たちだけではなかった。報道のカメラマンや撮影隊たちも、締め切りに間に合うようにと駆けまわっていた。こんなスクープだったら、編集者やプロデューサたちは何でも用意してくれるだろう!
その大混乱の中、ちょっと化粧が濃いけど魅力的な若い女性がふたり、悠然とホテルの中を進み、ミシガン通りの出口に向かっていた。そのふたりのうちのひとりはちょっとばかりお酒を飲みすぎている様子だった。
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