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Embrace it 「受け入れなさい」 

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Embrace it 「受け入れなさい」

自分の新しい役割を受け入れること、それがあたしにとって最も良かったこと。マッチョのふりして作業靴を履いて働いていた日々があったなんて、ほとんど忘れてる。今の方がいい。ずっとずっといい。そして、それはあなたにとっても同じだと思う。屈服するだけでいいの。負ければいいの。自分の中のシシーの部分を受け入れるの。後悔しないはずよ。誓ってもいい。

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But 「でも」 

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But 「でも」

「シャワー浴びてこい。1時間もしないうちに、別の客が来る」

「もうひとり? 今日はお終いだと思ってたのに」

「俺がお終いと言うまで、お終いにならねえんだよ。それとも、ここを誰が仕切ってるのか忘れたとでも言うのか?」

「わ、忘れてない……忘れようとしてもできない」

「だよな。多分、これってお前にとっていい機会になるんじゃねえか? 俺が大人になるまでの間、お前がどんだけとんでもねえ親父だったか考えるいい機会になるぜ」

「ずいぶん考えたよ、ハリー。他のことなんか考えていられない。お前のそばにいてやるべきだったと思ってる、でも……」

「まさに、そこがお前の問題だぜ、くそオヤジ! お前をオヤジと呼ぶこと自体、胸糞が悪くなる。吐き気がしてくるぜ。お前は、俺を置いていったことに、いっつも言い訳をする。そこが問題なんだよ。俺たちを見捨てて出て行った。俺もくそガキだったが……そんなこと言っても、謝罪にならねえって、誰かに教わらなかったのかよ、お前は!」

「す、すまなかった……」

「その言葉、おふくろに言うんだな。お前が養育費を払わなかったせいで、おふくろは、テーブルに食い物を用意するために、売春婦をしなくちゃいけなかったんだぜ? 癌になっちまったおふくろに言ってやるんだな。貧乏ってことで俺をイジメやがった奴ら全員に言ってやれ」

「し、知らなかったの……そんなことになってるなんて、知らなかった。知ってたら、そんなことには……」

「そもそも、知ろうとしなかっただろ、お前は。お前は、平気で出て行っただけ。だが、俺も、そんな環境でも精いっぱい頑張ったぜ。おふくろの犠牲も無駄にしなかった。貧乏のどん底から俺は這い上がってきた。そして、お前がギャンブルでたんまり借金をしてるのを知ったと。そん時ほど、自分の運の良さが嬉しかったことはねえな。お前からこっちに出てきたと。支払のためなら何でもすると。今となっては後悔してるんじゃねえのか?」

「お前がどう言ってもらいたがってるのか、分からないよ。ごめんなさい。本当に申し訳ないわ。で、でも……」

「まただよ。でも、でもって。よっぽどその単語が好きなんだな。でもって言うと、慰めになると思ってるんじゃねえか? 自分は精いっぱいやった、本当は自分は悪くないんだ、自分は本当は良いヤツなんだが、マズいことをしてしまっただけで、誤解されてるんだって、そう思ってるんじゃねえのか? まあ、いつまでも好きにそう思ってればいいぜ。お前の次の客がお前のケツに突っ込んでる間も、客に『こんな気持ちいいセックス、初めて!』とか叫びながら、そんなことを考えてればいい。そして、カネを受け取り、自分が今は薄汚い娼婦に成り下がったと思い知るときも、そう考えることだな。さあ、さっさとシャワーを浴びてこい。時間が無くなるぞ」

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A very good girl 「実に良い娘」 

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A very good girl 「実にいい娘」

「服を脱げって言わなかったか? ミーティングまであと5分だ。お前には一番いい格好でいてほしいんだよ」

「ゼーン、いつまでボクにこんなことをさせるつもりなんだ?」

「それって、そもそも質問としてアリか?」

「お前のルールなんか知るか! もうボクには十分だろ? ボクは何もかも失ったんだ!」

「そうかな? 俺はお前の奥さんを手中に収めているのは忘れてないよな? 奥さんと言うか、元奥さんかな? 彼女、お前が今どこにいるか知ったら、そうなるだろうが」

「だから? お前はもう何年もボクの妻を犯してきてるだろ。お前がボクをこんな……こんな姿に変えるずっと前から」

「やってきたっけ? そうかもな。だが、お前の態度次第では、彼女にもっとひどいことが起きるかもしれないぞ。今は、お前の奥さんは俺のガールフレンドってことになっているし、そのことによるいろんな利益も得ているが、違った状況になることもあり得るんだぜ? スレイブとして売り飛ばすこともできる。あるいは、俺の会社のあっちこっちの支社に、贈り物としてたらいまわしすることもできる。まあ、そういう状況になったら、あの女は喜んで従うだろう。お前なら分かるよな。お前の奥さんはな、今は、俺を喜ばすためなら、喜んで崖から飛び降りるオンナになってるんだよ」

「そ、そんなこと……」

「まだ信じられないのか? これだけお前にやってきても、お前をこんな姿に変えてやった後でも、まあだ分からねえのかよ。そんじゃあ、お前の可愛い息子のことも忘れるなよな」

「む、息子に……な、何をするつもりだ? まだ子供なんだぞ……」

「いや、傷つけたりなんかしねえよ。ふつかみっつ、正しい方向につっついてやれば、お前と同じ道を進むようにできるだろうな。お前の息子なら、可愛い子になるだろうな。父親と同じく。そうして、2、3年たったら……どうなるかな。公開市場に出したら、かなりのカネで売れるのは確かじゃねえかな」

「お、お前は……そんな邪悪だとは……」

「善良とか邪悪とか、お子様向けのお話のことだよ。俺は欲しいものを手に入れるために必要なら、どんなことでもする。それ以上でも、それ以下でもない。で、さしあたり今は、お前に、その邪魔な服を脱いで、俺の客たちをもてなすのにふさわしい格好になれと言ってるんだ。言うことを聞かねえっていうなら、俺は必要なことをやるぜ? まあだ信じねえって言うなら、ちょっとひと押しするだけだ。そうすればお前も納得するだろう。絶対にな」

「お、オーケー……分かったよ。するよ。だから、息子や妻は……」

「いい娘だ。服を脱げ。そう、そして、デスクの上に上がれ。ちゃんと見てもらうんだ。脅かされるか、ご褒美をもらうか。多分、両方だろう。そう、それでいい。完璧だ。じゃあ、誰かに質問されるまでは、口を閉じているんだぞ。何か訊かれたら、本当のことを言え。分かったな?」

「分かった」

「いい娘だ。お前は本当にいい娘だよ」

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