ランチがとても遅かったので、夕食として軽いスナックを食べるだけで済ました。それから四人でもう一本映画を見て、その後、おやすみと言いあった。
マークは私の手を取り、私の寝室へと向かった。部屋に入るとすぐに、マークは私を抱き上げ、ベッドの上に降ろした。そして彼もベッドに上がり、私にキスを始めた。とても甘くて心がこもっているキスだった。マークは急かす様子はなく、ゆっくり落ち着いている感じだった。
長いキスの後、マークはゆっくりと私の首、胸へと、下の方へ唇を這わせて行った。私のおなかのところに来ると、ピアスをしたおへそを吸いながら、私のパンティを脱がしてくれた。おへその周辺に、ひらひらとキスの雨を降らせながら、手で私のクリトリスを優しく擦ってくれる。
次にマークがしたことに、私は驚いてしまった。最初、舌が下腹部を這い、恥丘を舐め、陰嚢をなぞってくれたのだけど、クリトリスをちょっと舐めてくれた後、これまでしなかったことをしてくれたのだった。口の中に私のクリトリスを含んだのだ。
最初は唇で優しくキスしてくれたのだと感じた。でも、突然、そのまま彼の唇は私のシャフトを包んで、呑み込んだのだった。クリの先端が彼の喉奥に触れるのを感じた。私はそれだけで、ミルクを出してしまいそうになってしまった。けれど、マークの口の中に出してしまうのだけは避けたかったので、何とか堪えたのだった。
マークがこれまでフェラチオをしたことがあったのかどうか、私には分からない。でも、彼はやり方を心得ているように感じられた。何秒もしないうちに、私はいじめられている女の子のようなうめき声を上げたり、悲鳴を上げていたりしていた。彼の口の中に出すのだけはするまいと堪え続けていたので、なおさら苦しい喜びだった。
マークは私が悶絶するのを楽しむかのように、私のクリトリスを含みながら頭を速く上下に動かし、口を引くたび、強く吸い上げるのだった。
マークがそれでもいいと望むなら、彼の口の中に出すことは簡単だったけれど、私はそれはイヤだった。
「ああ・・・マーク、お願い! 私のあそこにやって! 私の中に突き入れて、思う存分、叩きつけて欲しいの! お願い! あそこに欲しいの! 入れてくれないとダメなの!」
マークは私の願いを受け入れてくれて、ようやく、クリへの攻撃をやめてくれた。私の両脚を抱え、腰を浮かせ、今度は後ろの穴に口唇愛撫を始めた。彼は、本当に永遠とも思えるほど長い時間、私のあそこを舐め続けてくれた。
そこが充分にほぐれ、濡れた後、彼は両膝をついて体を起こし、唾でペニスを濡らした後、私の中に侵入し始めた。
マークが私の直腸を広げてくれたのは1週間前になるからか、最初、いくらか痛みを感じた。でも、彼の大きな頭の部分がすっぽりと中に納まった後は、痛みは急速に消えていった。
彼は最初、ゆっくりと動いて、少しずつ中に進んでくる動きをしていた。けれど、私の表情を見て、私が全部入れて欲しいと願がってることを分かってくれたのだと思う。私の足先が頭に近づくほど脚を高く引き上げた後、本格的に出し入れの動きを始めたのだった。淫乱女を相手に、欲望を満たすために、相手の体を道具のように扱うセックス。引く時は、亀頭だけが中に納まっているところまでズルズルと引き抜き、その後、力強くペニスの根元まで一気に突き刺す。彼に貫かれるたびに、私の体から空気が押し出され、快楽に狂う悩ましい声が唇から漏れ出ていた。
マークは、早いピッチで激しく私に打ち込みを続けた。全身が汗まみれで、体が動くたびに、私にぴちゃぴちゃと降りかかった。やがて彼は息づかいが苦しそうになり、唇をすぼめて吸っては、はあっと吐き出すようになった。それを見て、彼の熱い種子液を体内に感じることになるのは、間もなくだろうと思った。
私は手を股間に持っていき、自分のクリトリスを握ろうとした。彼がいく時に私もいけるようにするためだった。でも、その点でもマークは私の先を行っていた。私よりも先に、彼の大きな手が私のクリトリスを握り、出し入れの動きにあわせてしごき始めたのだった。
これには、もはや、私も堪えきれなくなり、大きな声で叫んでいた。
「お願い、中に出して! 中をいっぱいにして、マーク! 熱い汁で私のおまんこを溢れさせて!」
マークは傷ついた野獣のような低いうめき声をもらした。そして、次の瞬間、私は体の中に熱いものが満ちてくるのを感じた。彼がオルガスムに達したことが引き金となって、私も頂点に達した。クリトリスから濃くて白いものが紐状になって噴き出し、私のおなかじゅうに降りかかった。
長いオルガスムの後、マークはぐったりとなり、私の上に崩れ落ちて覆いかぶさった。彼の体重に潰されそうになったけれど、気にしなかった。いや、むしろ、彼の重い体に包まれることで、愛され守られているように感ぜられ、心地よい感覚だった。
ただ、彼はあまり長くはその姿勢を保ってくれなかった。彼のペニスが私のお尻からするりと抜け出ると、彼は体を反転させ、仰向けになったのだった。でも、それと同時に私の体も横向きにさせてくれた。私は横寝になって、マークの顔と対面した。マークは私を引き寄せ、乱れた呼吸が落ち着くのを待ちながら、私に優しくキスをしてくれた。
「報復」 第7章
10月中旬
最近、スティーブにとって、土曜日の午前中はのんびりと過ごす時間になっていた。バーバラがいないおかげで、片付けなければならない「ハニー・ドゥー・リスト」(
参考)もなければ、自分の時間を奪う者も誰もいない。テレビ局が本日の放送に選んだ大学フットボール試合は、興味を惹かない試合だったが、それでも、ちょっとした家事をする間のバックグランド音楽のようなものとしてテレビをつけておいた。
トーストしたチーズ・サンドイッチとチップスを昼食として食べながら、スティーブはいろいろ思いをめぐらした。昨夜、キムが接近してきた時、どうして自分はそれを拒んだのだろう? キムと関係を持ったとしても、バーバラには、もはや、浮気を非難する権利はない。それに何よりキム自身が乗り気だったのだ。なのに、どうして?
スティーブは、キムはバージンではないと睨んでいた。バージンである理由が見当たらない。彼女の言葉使いや行動から、彼女はスティーブに何をしたいと思っているか、スティーブに何をしてもらいたがっているか、はっきり認識できていると分かる。今のところ、誰も傷ついてはいない。だが・・・スティーブは、自分自身がどうしたいと思っているか分かっていなかった。人生が段々ややこしくなってきている。
電話が鳴った。台所にある電話の子機では、発信者の番号が表示されない。スティーブはとりあえず電話に出ることにした。
「スティーブ! 調子はどう?」
「やあ、バーバラ・・・」 スティーブは、電話してきたのはキンバリーがかもしれないと思っていた。最悪でも、バーバラの父親か母親ではないかと。「・・・何か用?」
「用事というか、今度の木曜日にある夫婦カウンセリングについてだけど、次の月曜日に変更しても大丈夫か、確かめたかったの。私、仕事の会議でオマハに行かなくちゃいけなくなったので・・・」
「いや、それはダメだよ。月曜には、街の中心地に予定されている新しい連邦関連のビル建設の契約で、ワシントンから議会の職員一行が来ることになっていて、その人たちを接待することになっているんだ。これは絶対に逃すわけにはいかないし、接待するとなれば、一日中付っきりになる可能性が高い。僕もエスコート役の一人になっていて、連中をディナーに連れて行ったり、それから・・・まあ、どういうことか、分かるだろう?」
「分かったわ、あなた・・・いや、スティーブ」
バーバラの声には責めるような気配はなかった。スティーブの断りを額面通りに受け取った。次の言葉を出すとき、バーバラはためらった。スティーブは、バーバラが意を決して深呼吸する音を聞いた。
「スティーブ? ・・・あのことについては何か・・・」
「いや」 抑揚のない声でスティーブは答えた。彼には、バーバラが何を頼もうとしてるのか話しを待つまでもなかった。たとえどんなことでも、答えはノーだ。
「スティーブ、気持ちは分かるわ・・・ヒューストンさんが私にも分かるように説明してくれたから・・・だから気持ちは分かるの、あな・・・スティーブ」
バーバラは少し間を置いた。
「全部を元通りにして、すべて問題がない状態にするためなら、私はどんなことでもするつもりなんだけど、でも・・・」
「いや、バーバラ。君は僕が感じていることを分かっていない。それは、この上なくはっきりと分かる。そういうことを言うのはやめることだよ。そのようなことを言う君の気持ちは、真実の気持ちじゃないし、これからもそれは変わらないだろう」
「オーケー、オーケー、分かったわ・・・怒らせるつもりはなかったの。ただ・・・まあ、よしましょう。じゃ、また今度。体に気をつけてね」
スティーブはこみ上げていた怒りを飲み込んだ。深く息を吸って落ち着く。
「ああ、じゃあ、また」
「じゃあ」
二人はほぼ同時に受話器を置いた。
電話の後も、長い間スティーブは腹が煮えくり返ったままだった。過剰反応だと責められたり、バーバラに「気持ちが理解できる」と言われたりと、彼は気が狂いそうだった。長い時間の後、ようやく怒りが鎮まったが、その後は、これまでにないほど深く気分が落ち込み、陰鬱になってしまったのだった。
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