ゲームを終え、ビリーとブリイが店を出ようとしたときだった。一人の男がビリーに近寄ってきて、友好試合をしようと持ちかけた。ビリーは、その申し出を丁寧に断った。すると、男は50ドル賭けてやらないかと言い出した。これにはビリーは、少し惹かれた。50ドルあれば、モーテル代が出るし、フロリダで遊ぶお金が増えることになる。でも、その一方で、自分の横、腕を巻きつけている絶品の女性がいて、一刻も早くモーテルに帰って、彼と情熱に溢れたセックスをしたがってうずうずしているのも知っていた。天秤にかければどちらが勝るかは自明だった。ビリーはまたもや丁寧に断った。 男はさらに何か言いかけたが、それよりも早く、ブリイがビリーの耳元に口を寄せ、囁いた。 「たった数分程度の仕事で50ドルよ」 ビリーはブリイの顔を見て、彼女がビリヤードをする彼の姿を見たがっているのを知った。ビリーもブリイも、ビリーが勝つのことは知っていた。「もう10分くらい、どうってことないか」 ビリーはそう思った。 ビリーはボールを木型に収め、挑戦者にブレークショットを打たせた。何分もかからず、容易くビリーが勝利を収めた。男は50ドル払った。だが、ビリーが花嫁と出て行こうとすると、男は今度は100ドルを賭けて、もう1ゲームしようと持ちかけた。この男が、懲りずにまたゲームをしようと言ったことにビリーは驚いた。そして、この時も、ブリイに促されて彼はゲームを受け、そして再び楽勝したのだった。ビリーは、またゲームを申し込まれても断りたくなっていたが、男は返り討ちのチャンスをくれと言う。この男は、明らかに腕前が下だ。またゲームをして勝ったら、250ドル手元に入ることになる。ブリイはにっこり笑ってビリーに受けるように勧めた。そして、またもやビリーが勝ったのだった。 この時までに、すでに男たちが数名、ビリヤード台の回りに集まっていて、様子を見ていた。全員、ゲームを見ると同時にブリイの姿も見て、眼の保養をしていた。とうとう男は諦めたようで、ビリーにお金を支払った。ビリーが受け取ったお金を数えていると、別の男が出てきて、250ドルでやらないかと持ちかけた。ビリーは、それは断り、出口へ行こうとした。だが、この時も、ブリイは彼にゲームするようねだったのだった。 ブリイの頭の中は、儲けたお金を使ってどんなことをしてハネムーンを楽しもうかと一杯になっていた。1週間のハネムーンを、二人は500ドルで楽しむ予定だった。今は、そのお金が750ドルに膨らんでいる。さらに250ドルが加わったら、どんなに良いだろう。彼女は、ビリーが勝つと確信していた。 ビリーは嫌気が差していたが、ブリイは何とか説得してもう1ゲームさせた。またもやゲームに勝って、ビリーはほっと安心する。だが、ここにいる男たちが怒り出す前に店を出た方が良いと彼は思った。 2番目の挑戦者は、ぶつぶつ文句を言いながら彼にお金を支払い始めた。そしてビリーに最後の1ドル札を払いながら彼は言ったのだった。 「お前、やり手だな。もうお遊びはやめるぞ。もう1ゲームどうだ? 今度は2000ドルだ」 ビリーは、信じられないと言わんばかりに目を丸くした。一旦、ブリイに目をやり、再び男に目を戻す。だが、ビリーは、2000ドルも持っていないと言い、丁寧に申し出を断り歩き始めた。すると男は、手を出して、ビリーの行く手を遮った。 「いくら足んねえんだ、達人さんよ?」 「1000ドルくらいだ」 とビリー。 「分かった、じゃあ取引しねえか。俺は2000ドル、お前は持ってる金全額ともう一つを賭ける、ってことにしよう」 「もう一つとは?」 「お前の女だ。あの女なら1000ドルの価値がある」 ビリーは困惑した顔をした。「僕の女って、どういう意味だ?」 「そこにいる女だろうが。お前と一緒に来た女だ。もし俺が勝ったら、お前の金と女を頂くことにする。お前が勝ったら2000ドルをやる」 ビリーは、怒りでみるみる顔を赤くさせた。 「自分の妻にそんなことはできない。彼女は物じゃないんだ。玉突きの賭けになんかできるか!」
スティーブは、義理の父に手を差し出し、二人は握手した。二人とも玄関先に立ったままだった。 スティーブは、彼としっかり目を合わせて、見た。バーバラの父親がどれだけ強靭か、それを示すものを探した。前と変わらず、精力的で、しっかりと元気そうだった。健康状態も良好なのだろう。スティーブは、ロイド・モンゴメリが、毎朝3マイル、ジョギングを続けていることを知っている。今日という日は、ロイドからかなり多くのエネルギーを奪うことになるはずだ。それを乗り切るために、持てる力のすべてを使わなければならないだろう。 「ロイド」 スティーブは挨拶代わりに名前を呼んだ。 ロイドは笑みを浮かべて迎えた。「おお、よく来てくれた。さあ、中に・・・いやあ、ほんとによく来てくれた。会えて嬉しいよ。バーバラに電話をして、こっちに来るように言おうか?」 今日は月曜日で、バーバラは仕事の日だった。だが、スティーブが家に来たと言えば、バーバラは喜んで午後に休みを取るだろう。そうロイドは思ったのである。 「いや、いや、それには及びません」 スティーブはあえて説明しなかった。 ダイアンから頬に挨拶代わりのキスをされた。スティーブは、少しではあるが、これに驚かされた。この義理の母は、普通、こういうことはしなかったからである。もっと言えば、そもそも、ダイアンが、彼に対して、こればかりであれ愛情を持っているとは知らなかった。だが、悲しいことではあるが、バーバラとああいう風になっている以上、いまさら親愛の気持ちを示されても遅い。 「今日、来たのはバーバラとは関係がないことなんです・・・いや・・・関係があると言えば言えますが、大半は、キムのことについてなんです」 ロイドとダイアンは、困惑した目で互いを見やった。事情が飲み込めない様子だった。 「腰を降ろしませんか?」 スティーブの言葉に、あわててダイアンはソファの反対側にある安楽椅子に手招きした。ダイアンとロイドは静かにソファに腰を降ろし、スティーブが話し始めるのを待った。 スティーブは、厳粛な顔で二人を見ながら、ブリーフケースを脇の床に置いた。彼は、ブリーフケースを開けはしたが、中から何も取り出さなかった。二人に伝えなければならないのがだ、正直、話したくない。だが、二人ともこれについて事実を知る必要があるのだ。自分が話さなくとも、いずれ彼らは知ることになるだろう。だったら、自分から聞いた方がましなのではないか。 スティーブは深呼吸をした。 「キムのことですが・・・」 ゆっくりと話し始めた。「彼女はあることにのめり込んでいます。そのことを、お二人はぜひ知っておく必要があると思って・・・」 彼はもう一度、大きく息を吸った。そして、ようやく口にした。 「キムは、ドラッグの習慣に嵌まっています」 ロイドとダイアンは、目をぱちくりさせた。ロイドはごくりと唾を飲んだ。彼もダイアンも、スティーブが言ったことを理解するのに時間が掛かっているようだった。 しばらく経ち、ようやくロイドが口を開いた。 「ああ・・・確かに、マリファナを試したことがあったのは知ってるが・・・」 スティーブは頭を左右に振った。 「ハードな麻薬です」 ロイドとダイアンは、ゆっくりとスティーブの短い言葉を噛みしめた。ダイアンは右手を伸ばし、夫の左手に触れた。そして指を絡め、しっかりと握り合った。二人ともしばらく考え込んでいた。 突然、ロイドが声を上げた。 「そんなはずがない! そんな兆候は見たことがないぞ。本当なのか、スティーブ? 本当は何か見間違えをして、悪く解釈したんじゃないのか? そうじゃないと言いきれるのか? いいか、これは軽い冗談じゃ済まされないことなんだぞ。中途半端なことだったら、ただでは済まされないのは知ってるのか?」 スティーブは目を輝かせた。むしろ、怒りを表わしてくれることを歓迎していた。自分の代わりに父親自身が怒りを示さないようだったら、彼は、怒りを引き出すようなことを何もしなかったことだろう。だが、ロイドが言ってる言葉は、ここ数ヶ月、彼がスティーブに、バーバラの不倫について「過剰反応」するなと言っていた時の言葉と同種ではあった。 スティーブはブリーフケースに手を入れ、中からビデオのケースを取り出した。それからビデオを出し、立ち上がってテレビのところに行き、プレーヤーにセットした。テレビのスイッチを入れ、リモコンを持って席に戻る。義理の両親に鋭い視線を送りながら、彼は再生のボタンを押した。
自転車のスピードを落とし、角を曲がった。4軒先に目的地の家がある。周りには誰もいない。 自転車から降りて、家に近づき、家と家の間に自転車を隠した。玄関先が明るい照明で照らされているので、家の間はかえって暗くなって何も見えない状態になっている。 心臓がドキドキしていたので、乱れた呼吸が直るまで、少しそこに立って休む。それから素早く、裏庭をチェックした。誰もいないのを確かめる。 向こうにはグラフ先生の家が見える。部屋の明かりが点いていたから、多分、家にいるのだろう。と言うことは、俺が家に戻った時には、先生からのメールが来ている可能性が大きいということだ。 家の裏側の暗がりを進んだ。キッチンテーブルの前の窓はカーテンが開け放されていた。そこから注意深く中を覗きこんだ。俺のいるところからだと、キッチンとリビングが見渡せた。誰もいない。 さらに先に進み、次の窓のところに来た。ここは暗くなっている。どうやらバスルームのようだ。次の窓が寝室の窓なのかもしれない。 だがその窓は高くて、覗き込むことができなかった。だが、家の裏手に牛乳を入れる木箱があるのを見つけた。その木箱を窓のところに運び、それに乗っかった。 ゆっくりと、非常に注意深く顔を上げ、窓の中を覗いた。カーテンは閉まっている。だが、中が見えるような隙間が少しだけあった。そこから覗いたが、ここは寝室ではなかった。それに誰もいない。 その部屋の奥、ドアの向こうに目をやった。ドアの先、廊下の反対側の部屋が寝室になっていた。そして、俺は牛乳箱からあやうく落ちそうになってしまったのである。そこで起きてることを、一部だが目にしたからだ。一部分だけとは言え、それで充分だった。 ブラッドのママがベッドに仰向けになっていた。お腹のところから頭までが見えていた。上半身裸になっていて、頭を前後に振っているのが見えた。寝ながら、うんうんと頷いているような格好だ。 俺はカメラを持ち上げて、写真を撮ろうとしたが、撮影不可の表示が出てしまった。これでは、まともな写真が撮れない。 俺は牛乳箱から飛び降り、ガレージ脇に戻った。ガレージの中に通じている、小さな入り口があったからだ。そこのドアノブに手を掛けた。心臓がドキドキいっている。回してみると、思ったとおり、鍵がかかっていなかった。ゆっくりとドアを押して中に入った。 心臓の鼓動が聞こえる。額に汗が出てきた。ガレージの中、車の横を過ぎ、さらに家の中へ通じているドアに向かった。引き戸式の扉で、静かに横へ滑らせて開ける。 「お願いだ、犬を飼っていませんように!」 そう独り言を言いながら、中に足を踏み入れた。音が出ないように戸を閉め、注意深く、角から家の中を覗きこんだ。 前方には障害物なし! 俺は静かにつま先歩きでキッチンの中を歩き、寝室へと向かった。キッチンのカウンターのところに名刺のストックが置いてあった。そこから1枚取って、ポケットに突っ込んだ。 リビング・ルームの入り口に差し掛かり、ゆっくりと角から頭を出して中を見た。誰もいない。この家には他に誰もいないのだと知り、大きく安堵した。寝室から流れてくる音楽のおかげで、俺が音を立ててしまっても聞こえないだろう。リビングの前を通り過ぎ、さらに廊下を進んで寝室へと向かう。 とうとう、寝室の入り口に来た。ドアは開けたままになっている。この向こうでは、俺の親友の母親が、夫以外の男にセックスされようとしているところなのだ。部屋の中からは、音楽と共に、色っぽい喘ぎ声が聞こえてくる。ズボンの中、ちんぽがみるみる固くなってくる。
奥さんは、早速、頭を上下に振りはじめた。俺のペニスの頭から根元までを唇が上下に滑る。俺は、唖然としたまま奥さんを見ているだけだった。これまで、ジャクソン夫人のことを性的な目で見たことなど一度もなかったが、よく見てみると、そこそこセクシーな人と言える。それに、そもそも、こんな経験は、俺にとってまったく初めての経験だ。路地裏で人妻にフェラチオをしてもらうなんて! 奥さんは、決してやめようとしなかった。俺が射精するまで延々と続けた。そして、俺もとうとう奥さんの口の中に発射したのだった。 ようやく仕事を終え、奥さんは地面に座り込んでしまった。俺の脚に両腕を巻きつけたまま、ぐったりとなって、疲れきった顔をしている。だが、何秒もしないうちに、また身体を起こして、俺のペニスを舐め始めた。最後の一滴まできれいに舐め清めようとしているのだと分かった。奥さんは、それをしながら俺の顔を見上げていた。だが、今は、奥さんの顔には、前に見せたような恐怖におののいているような表情は消えていた。清めの作業が終わると、俺のペニスをズボンの中にしまい、チャックを上げ、立ち上がった。 奥さんは、何も言わず、俺の顔を見ていた。奥さんが何を考えているのか、俺にはさっぱり見当がつかなかった。ただ、まだ、何か疑っているような表情を目に浮かべていることだけは分かった。しばらく無言のまま見つめあった後、奥さんが口を開いた。 「一緒に来て」 俺の手首を握って、俺を引っ張りながら駐車場へと戻っていく。ある自動車のところに来ると、俺に助手席に乗るように言った。奥さんはキーを持っていた。どうやら彼女の車らしい。 俺は好奇心が沸いてきた。ジャクソン夫人は何を考えているんだ? 俺は、奥さんに付き合うことにし、車に乗り込んだ。すぐに車が動き出す。 奥さんは無口のままだったが、ある時、俺の方をちらりと見たのに気づいた。後ろの道路を振り返りながら、ついでに俺の方を見て、笑みを浮かべたような気がした。 長いドライブの後、ある家の玄関前に着いた。俺が住んでるブロックではない。もっと言えば、ずいぶん離れたところだ。 「来て」 奥さんはそう言って、車から出た。俺も奥さんの後ろについて、その家の玄関へ向かった。奥さんはドアベルを鳴らし、しばらく待っていた。待ちながら、もう一度、俺の方をちらりと見た。 玄関に出てきたのは若い女だった。多く見積もっても、せいぜい20歳そこそこか? この家の持ち主にしては若すぎると思った。 ジャクソン夫人とその女は、挨拶もそこそこにすぐに話し始めた。少し経ち、奥さんは俺にその女のことを紹介した。リサという名前だそうだ。 「私、週に2日、午前中だけ、スターン先生の病院で働いているんです」 リサは、自分から言い出した。 「看護婦よ」 ジャクソン夫人は、そう付け加えた。驚いたことに、奥さんは、そう言いながら服を脱ぎ始めているのだった。 玄関のドアが閉められた。俺たちはリサの家のリビング・ルームの真ん中に突っ立ったままだった。それに、ジャクソン夫人は、そそくさと服を脱いでいる。どこか、まるで、一刻も早く脱がなくてはならないと思っているようだった。リサは、そんな奥さんの様子をちょっと見ていたが、その後、ちらりと俺を見て、それから部屋の向こうの小さなキャビネットに向かった。 ジャクソン夫人が俺を見て言った。 「急いで! 早く脱ぐのよ!」
僕はディアドラに対して少し軽薄になっていた。 「え、そうすると、男との付き合いのことも全部妹さんに喋っちまうの?」 ディアドラは僕の言葉に食って掛かった。目を輝かせたが、今までとは違った種類の光が輝いていた。それまでは見たことがないような、怒りに近い目の表情だった。 「アンドリュー、私は男付き合いなどしてないわ! 遊びの付き合いもなし! ドニーにも私の恋愛について話すことはないわ。なぜなら、恋愛をしてないから。そういうことをする時間がないの」 ディアドラは言葉を吐きながら、少しずつ落ち着いていったようだった。僕は前より強く彼女を抱きしめた。彼女がリラックスしていくのが感じられた。 「ごめん、ディアドラ。多分、僕は今は少し無用心な常態になっているのだと思う。いま二人でこうしていること。このことを君が男と女の間柄とはみなしていないのは分かっている。恋愛の関係なんかじゃありえないんだ。でも、僕にはそういう関係にあるように感じられてしまって・・・」 「ディ・ディ・・・」 ディアドラが呟くのが聞こえた。 「ディ・ディ?」 「私に近い人たちは私のことをそう呼ぶわ」 「誰がディ・ディと呼ぶの?」 「ママとパパ、それに妹のドニー。私には近い間柄の人はあまりいないの」 ディアドラは顔を僕の肩に擦り付けるようにした。子猫が足にすがりつくような仕草で。素敵な感覚だった。 「僕もディ・ディと呼んでもいいかな?」 「ええ、呼んで」 彼女は僕を見ていなかった。顔を僕の肩に埋めたままだった。 僕は手を彼女のあごに添え、上を向かせた。二人の顔が並ぶ。 「ありがとう、ディ・ディ」 そう言って、彼女にキスをした。感謝の気持ちを込め、ソフトに優しくキスをした。ばかばかしいことを言ってるのは分かる。単にあだ名で呼ぶのを許してくれただけなのだから、たいしたことじゃない。でも、僕にとっては、何か大事な垣根を越えたように思えたのだった。いま僕のそばにいるこの女性、友達のいない女性が僕に友達になって欲しいと頼んでいる。僕はもっと近い存在になりたかった。でも、どんな旅でも、最初の一歩から始まるものだ。
「無垢の人質」 第3章 Innocent Pawn Ch. 03 by wishfulthinking 鋭く射抜く褐色の瞳をした憎らしい男。あの男が戻ってきた。それをイサベラに警告し、知らせるのは、鋼鉄と扉と石壁とをつなげるかんぬきが滑る音だけ。 彼が入ってきたとき、イサベラは出窓のところに座っていた。我が身を守るように両腕で脚を抱え、あごを両膝の上に乗せ、丸くなっている。裸体を隠す衣類はすべて奪われていた。その代わりに、大きなベッドのシーツを小さな身体に幾重にも巻き付け、シーツの両端を首の後ろで結んでいた。 レオンは、王の如く、堂々と部屋へ入り、眉をひそめつつ彼女を見やり、召使が前もって用意していた皮袋からゴブレットにワインを注ぎいれた。それを持ち、暖炉のそばに立つ。鋭い視線を彼女の体を足の先から頭まで走らせる。 「この部屋に囚われている時は、その美しい体をわしの目から隠してはならない。分かったかな?」 レオンは優しい口調でそう言い、金色のゴブレットに二杯目のワインを注いだ。 「あ、あなたは私に・・・」 遠く下方に見える、四方を壁で遮られた小さな庭を見下ろす出窓から腰を上げながら、イサベラは、怒りに息を切らせて言いかけた。小さな手で、幾重にも重ね巻いた身体を守るベッド・シーツの裾を不安そうに掴む。 「分かったかな?」 レオンは冷たく繰り返した。この口調、レオンの友人たちなら、反論を許さぬ口調であることを知っている。 悔しさに、モスグリーンの瞳を大きく見開きながら、イサベラは頷いた。この男が、自分を修道女の住処から奪い去り、目の前で、衣類を剥ぎ取り、全裸にさせたことを思い出す。 イサベラは、くるりと向きを変え、レオンに背中を向けた。震える手で、首の後ろの結び目を探る。両目を固く閉じながら、生地が身体を優しく撫でながら落ちていき、足元に降り畳まるのを感じた。 「こちらを向くのだ」 命令に従い、ゆっくりと向きを変えた。恥辱に伏せ目になって床を見ながら、両手で小さな乳房を隠す。 「わしがこれから何をするか、分かっておるな?」 レオンは優しく問いかけた。そして静かに、そして素早く部屋の中を進み、イサベラの前に立った。指を一本、彼女のあごに優しく添えて、顔を上げさせる。 イサベラは、頷きつつも、レオンの視線に目を向けることができず、目をそらした。 レオンの大きな左右の手が、なだめすかすようにイサベラの両手に添えられ、彼女の胸から離させる。 「イサベラ、今日は苦痛はないだろう。約束する。悦びだけのはずだ。それも極上の悦びだ」 レオンの指の背がイサベラの頬を撫でた。イサベラは身体を震わせた。
ブリイは興奮してぴょんぴょん飛び跳ねた。彼女の胸が勝手放題に揺れまくる。ビリーは、やれやれと頭を振るだけ。ブリイはとても無邪気に振舞っていたが、ビリーは、ひょっとして彼女は、男たちの視線を感じて自分がしていることを知っているのではないかと思った。 ブリイは早速、球を並べる木枠を手にし、一方のビリーはカウンターに行って、テーブル使用料を払い、ビリヤードの球を受け取った。すぐさま球を木枠にセットするブリイ。 ブリイはビリーほど上手ではないが、ビリーに教えられて、そこそこの腕前は持っている。ビリーは、ブリイとエイト・ボールをするときには、ハンデとして2回、打ち球をポケットに入れてしまうことにしていた。それに加えて、ブレイクショットは彼が打ち、その際にボールがポケットに落ちたら、それはブリイの得点になることにしていた。ブレイクショットの後の最初のショットは、常にブリイが行う。このようなルールで行うおかげで、ブリイの勝つ回数と負ける回数がトントンになるようになっていた。 プレーを始めてすぐに、ビリーは、ブリイが「それに見合ったことをしてあげる」と言った意味を理解した。彼女は、ショットのたびに、身体を見せびらかすように颯爽とテーブルの周りを歩き、ショットのたびに、ビリヤード台の端から身体を伸ばして、そのセクシーな肢体を見せ付けたのだった。前屈みになった時の、丸みを帯びたキュートなお尻に目をやるべきか、はたまた、たわわに揺れる胸に目をやるべきか、ビリーは目のやり場に迷うほど。 だが、どこを見るべきか困っていた男はビリーだけではなかった。数名の常連客たちも、ブリイの行動に目を向けていたのである。もしブリイが、他の男立ちも見ているのに気づいていたら、きっと彼女は恥ずかしさに身を縮ませていたことだろう。 案の定、ブリイに焦らされ、ビリーはゲームに負けてしまった。ブリイの打った球が8番ボールをポケットに落としたのを見て、ブリイは喜び、またもや、ぴょんぴょんと飛び跳ね、胸を揺らした。
トレーシーはヘレンと朝食を食べた後、自分でエネマを行い、その後、ヘレンと一緒にバスタブに入った。ヘレンはエネマを使わなかったし、トレーシーに「使ってみる?」と訊かれたとき、恥ずかしそうな顔をしていた。 二人がバスに浸かっている間、私は寝室に行って、ベッドのシーツを取り替えたりと、ベッドメイキングを行った。それから寝室内の掃除もした。その時、ベッドの横にストラップ・オン( 参考)のディルドが落ちているのを見つけた。私が初めてこの家に働きに来た夜にトレーシーが使ったディルドだった。トレーシーとヘレンのどちらかが、もう片方に対して使ったのは確かだけど、どちらがどちらに使ったかは分からなかった。でも、すぐに、トレーシーが使ったに違いないと思った。ヘレンがそれをつけた姿が想像できなかったから。 トレーシーたちはバスタブの中、お湯に浸かってじゃれあった後、バスから出た。その二人のお手伝いをして、バスタオルで、二人の身体を拭いてあげる。それから、二人の肌にモイスチャライザーを擦り込んであげた。この時が、この日の朝では、マークにキスされて、昨夜はとても素敵だったよと言われた時に次いで、私にはとても楽しいひと時だった。 トレーシーとヘレンの体から水気を拭き取り、全身にモイスチャライザーを塗って、しっとりとした肌にしてあげた後、私は、食事後の汚れた食器と洗濯物を持って、寝室を出た。バスから上がった二人が、その後、何をしようとしているか分からなかったし、二人がしたいと思った場合、私はその場にいない方が良さそうと思ったから。 キッチンへ入ると、マリアとローレルがキッチンテーブルに並んで座っていた。ローレルは、マリアをおしゃべりをしながら朝食を食べていた。それに二人は手を握り合っていて、膝頭を触れ合わせているのにも気づいた。それを見て、二人は一緒に素敵な夜を過ごしたのだと分かった。 私も朝食を済ませ、その後、洗濯機をセットし、ダイニング・ルームの掃除に取りかかった。ちり払いをしていると、ヘレンが入ってきた。彼女は、私の手を両手で握って、言った。 「もう出かけるわ。1時間以内にセットに行かなくちゃいけないの。でも、出る前に訊いておきたいことがあって。つまり、私とトレーシーがああいう風になったこと、気にしている? あんな風に振舞っちゃって、ごめんなさい。あなたを傷つけるつもりはなかったのよ」 ヘレンは、トレーシーと夜を過ごしたことに罪悪感を感じているのが分かった。でも、私には彼女が罪悪感を感じる必要はまったくないと思っていた。私はヘレンの手を口に引き寄せ、優しくキスをした。 「全然、傷ついてなんかいないわ。それに罪悪感なんか感じるべきじゃないわよ」 「本当? 私は、あなたと一緒にここに来たのに、気がついたら、他の女の人と一緒の部屋に閉じこもって愛し合っていたの。こんなこと、これまで一度もなかったのに」 「昨日の夜は、楽しんだ?」 そう訊くと、ヘレンは顔を赤らめ、恥ずかしそうに頷いた。 「なら、それを訊いて私も幸せよ。それに、土曜日にあなたとしたことは、とても素敵で、もう一度したいと思っているの。もっと言うと、今度の金曜日に、またできたら良いなって。一緒にディナーを食べて、映画を見に行くということだけど・・・」 ヘレンは顔を上げて私を見た。眼に悲しそうな表情を浮かべていた。 「ということは、もう私たちセックスできないということ?」 私は笑い出してしまった。 「いいえ、もちろん、またできるわ。私がセックスのことしか考えていないように思われたくなかったから、そう言っただけ。友達としてあなたのことが好きだし、あなたと出歩くことが好きなの。友達関係を大事に思ってることを知って欲しかったから」 ヘレンは私を抱きしめた。 「私もあなたに友達になって欲しいわ。私たちの友情関係は何にも邪魔されたくないとも思ってるの。でも、私が望んでいるのは、エッチできる間柄の友達関係になること。私、あなたと一緒に寝たとき、最高だと思ったし、それは続けたいの。でも、あなたが良かったら、できればトレーシーともセックスをしたいと思っているの」 「問題ないわ。だって、私もトレーシーやマークとセックスを続けるつもりなんだもの。それについて、あなたも問題ないと思ってくれると助かるけど・・・」 ヘレンは私を見上げて、にっこり微笑み、顔を赤らめた。 「実は言っておかなくちゃいけないと思うんだけど、トレーシーが言ってたの。今度一緒に夜を過ごす時は、マークも一緒にベッドに入るだろうって。彼女、愛する相手はいつもマークと共有することにしてるって言ってたわ。それに、今朝、マークのことじっくり見てから、私、そうなることが楽しみになっているの」 私たちは声に出して笑い、それからキスをした。ヘレンは、もう行かなくちゃと言った。彼女を玄関まで見送りながら、今度の金曜日にデートをする約束をした。玄関先にはトレーシーが待っていて、彼女もヘレンにキスをして、彼女を送り出した。 ヘレンが出て行った後、トレーシーは私の手を握って言った。 「昨日の夜のこと、気にしてないわよね?」 「ええ、もちろん。お二人が楽しい夜を過ごされたこと、とても喜んでいます」 「ヘレンに飛びつく前に、あなたに少し伝えておくべきだったかもしれないと思ってるの。あなたたち一緒に寝たわけだから、もう二人は他人が割り込めない間柄かもしれない。そうだとしたら、どうしようって・・・」 私はトレーシーが真剣に考えているのが見て取れた。彼女の心配を消してあげなければと思った。 「私、自分はそんなに早く誰かとすごく親密になれないと思っているんです。ヘレンのことはとても大好きだけど、一度寝ただけで、そんなに早く、約束しあうような間柄になれるとは思っていないんですよ」 「私もそういう気持ちだったわ。マークに出会うまでは。幸い、マークは、私に一夫一婦の関係を決して求めなかった。ともかく、マークと出会わなかったらどうなっていたか分からないわね。それはそうと、一緒に来てちょうだい。あなたに仕事があるの。それから、今日の午後は、私のベッドにも来て欲しいわ、ステフィー。女の子同士で遊びたいから」 その「女の子同士の遊び」は、大半、オーラル・セックスになった。でも、トレーシーは、私を犯せるようにとストラップ・オンも装着していた。確かに、それも気持ちよかったけれど、トレーシーは、やはりマークとは違う。そのディルドを相手に、私はアナルの筋肉を使って締め付ける練習を行った。今度、マークに抱かれる時に、このテクニックを使って彼に私がどれだけ感じているか伝えられるかもしれない。 そして、そのチャンスはすぐにやってきたのだった。次の日の夜、私はトレーシーとマークの寝室に招かれたのだった。 つづく
無意識的に、スティーブは背を丸め、キンバリーの肉付きの良い尻に体を寄せた。キムは片足を持ち上げ、足首をスティーブの尻の後ろへまわした。彼女の陰部が開かれた格好になったのを受けて、スティーブは腰を突き出した。亀頭がキムの外唇の中へと滑りこむ。そこは滴り濡れていた。ゆっくりとスティーブのペニスが彼女のバギナの中へと、一気に滑り込んでいった。 キムは、待ちに待っていたことがようやく叶えられた強い満足感に、深いため息をついた。腰をくねくねと揺すって、スティーブの分身をさらにしっかりと咥えこんでいく。確実に収まったと感じると、再び手をのばしてリモコンをつかみ、テレビに向けてスイッチを押した。 キムは、スティーブに向けて尻を動かしながら、脚と同じように、片手を彼の背後にまわし、尻肉をつかんで自分に引き寄せる動きも始めた。より深く、より強く押し入れるよう、スティーブにせかす。 「このまま続けて・・・やめないで・・・」 スティーブは、キムに促されて、次第により強く、より奥深くへと出し入れをし始めた。自分の妻の妹である。だが、スティーブは、それを考えてはいなかった。この女は、ただの淫乱女なのだ。ビデオに写ってるじゃないか。 何分も経たないうちに、スティーブの勃起は、これまでにないほど太く、硬くなっていた。キムも、ビデオに映る自分の姿を見ながらも、よがり声をあげて、スティーブに感謝の気持ちを表した。それから間もなくだった。二人とも、過剰に興奮していたのだろう。キムが切羽詰まった声をあげた。 「あっ、いく、いきそう!・・・中にして・・・お願い、スティーブ・・・私の中に・・・」 スティーブは、出し入れのペースを倍化した。キンバリーの女陰にペニスを力強く叩きつけ、深々とえぐった。 何秒か後、スティーブもキムも、身体を密着させたまま、激しく硬直させた。どちらも強烈なオルガスムに全身を洗われていた。ビデオを見続けていたキムは、初めて目を閉じ、苦痛に近い表情を顔に浮かべながら、身体を震わせた。その後、ぐったりと体から力が抜け、ソファのクッションに横たわった。頭はソファの枕に乗せ、顔をテレビ画面に向けたままの姿勢だった。 射精をしたばかりだったが、スティーブは再び腰を動かし始めた。最初はゆっくりと、しかし、次第に深々と力強い打ち込みへと変わり、義理の妹の女陰を突き上げていく。スティーブの動物的な欲望の発露は、キンバリーの欲望の発露とマッチし、二人とも互いに相手の性器に自分の性器を叩きつける動きになっていった。何ら愛情も、美的なものもない行為だった。二人とも、自分の欲望を満たすことにしか興味がない二匹の野生動物になっていた。 二人は、それから何時間か、どちらかが疲労のため続けられなくなった時だけ休憩したものの、それ以外はずっとセックスを続けた。やがて、二人とも限界に達し、転がるようにして相手の肉体から離れ、ソファの下、床の上へと横たわった。そして、ふんわりとしたカーペットの上、全裸のまま眠りに落ちたのだった。 夜中、スティーブは、一時、起き上がり、自分とキムがぬくもって眠れるよう、廊下のクローゼットから毛布を取り出した。キムに毛布を被せると、半分眠ったまま暖かい掛け布に丸まり、スティーブが彼女の横に身を横たえると、彼のところに寄り添い、すがりついたのだった。 * * *
自転車で家に戻り、パソコンの前についた。メールをチェックしたが、まだグラフ先生から返事は来てなかった。そこで、例のウェブ・サイトに戻って、もう一度クラブのリストをチェックした。やっぱり同じ住所になっている。メモ書きしたのと照らし合わせても間違いない。俺は、ログオフし、親たちが帰ってくるまでだらだらすることにした。 テレビをつけて、「ジェリー・スプリンガー・ショー」( 参考)を見はじめた。間もなく、親たちも帰ってきた。母親は、素早く着替えをして、夕食の支度を始めた。夕食を作る母親と、何の変哲もない会話をしながら、俺は食卓に皿を3枚並べ、ナイフ・フォークを揃え、冷蔵庫からビール2缶とコーラを出した。 夕食はステーキで美味しかったが、食べ終わるとすぐに俺はパソコンの前に戻りたくなった。そこで、今日は食卓の準備をしたからという理由で、食器洗いは免除してもらい、早速パソコンの前に戻った。メールをチェックするが、まだ返事が来ていない。俺は諦めて、ブラッドの家に行くことにした。キッチンの前を通り過ぎる時、ちょっとブラッドの家に行って来ると声をかけると、父親が、あまり遅くなるなよと返事した。 ちょうど日が沈みかかった頃、ブラッドの家に着いた。あいつの家の前に来たとき、ブラッドの母親の車がないのに気づく。ひょっとしてブラッドの母親は、愛人の家に寄ってくるつもりなのかと思い、心臓がドキドキ言い始めた。俺は素早くペダルをこいで、隣の通りにある、この前の家へと向かった。短時間だったが、まるで永遠のように感じられた。 だが、着いて見ると、ブラッドの母親の車はなく、がっかりだった。仕方なく向きを変えて、ブラッドの家に戻ろうとしたら、向こうからヘッドライトを照らして車が来る。道脇に寄って、やり過ごしたが、よく見ると、運転しているのはブラッドの母親じゃないか。全然俺に気づいていないようだった。俺は何気なさを装って角を曲がった。そこで止まって、ブラッドのお母さんが愛人の家の前に車を寄せるのを、興奮しながら見た。 車から降り、玄関前のポーチに歩いていく。その家の鍵を彼女が持っていて、自分で開けて入っていくのを見て、俺は心臓がドキドキした。ブラッドの母親が、こんな秘密の二重生活を送っていたとは! 俺はゆっくりと家に戻り始めたが、途中で、最高の考えを思いつき、そこからは全速力でペダルをこいで家に戻った。自転車から飛び降り、家の中に駆けて入る。キッチンには、今夜は出かけるとの両親からのメモが置いてあった。 俺は自分の部屋に駆け上がり、デジカメを探した。コンピュータを置いてあるデスクの下、床に置いたジャンク物入れの中、奥底に埋まっていた。素早くメモリーカードが空になっているのをチェックする。そいつを首にぶら下げ、俺は家を飛び出し、自転車に飛び乗った。目的地はブラッドの母親、つまりステファニがいる場所だ。ペダルをこぎながら、いろんなアイデアを考えた。自転車に乗っているというのに、勃起が始まって、どうにも収まらない。
フロントへと向かうと、ある女性がいて、デスクに座る受付に話しかけていた。帰るところだったようで、俺より先にドアを出た。彼女は俺のためにドアを押さえて開けたまましてくれた。振り返った彼女を見て、その女性が、俺が住む区域に住んでる人だと分かった。 「あら、こんにちわ」 その女性は、笑みを浮かべて、俺に声をかけた。 そして、俺は彼女と一緒に駐車場へと歩いた。さっき彼女は笑みを浮かべたわけだが、どことなく、ビクビクした笑みだったように思う。彼女の名前は知らない。俺も妻のベスも、いつも彼女のことをジャクソン夫人と苗字で呼んでいた。多分、40代位の年齢で、俺やベスより10歳は年上だろう。 「ねえ、ちょっと聞いて・・・」 ジャクソン夫人は歩きながら話し始めた。「・・・このこと、うちの夫には喋らないでくれる?」 変なことを言う。病院の診察室で俺が見たことのことを言ってるのだろうか? 「ほんとに喋らないで! いい?」 ひどく必死になってるように見えた。 「ああ、喋りませんよ」 そもそも、ジャクソン氏とも、この奥さんとも、めったにお喋りしない俺だ。今日のことを喋らないことなど、何の問題もないことだった。でも、何を喋って欲しくないと言ってるんだろう? 奥さんがここにいたということか? 奥さんは俺の腕を掴んだ。 「お願い! いい?」 まるで俺の言葉を信じていない様子だ。だが、どうして彼女がそう考えるのか、俺にはさっぱり分からなかった。 「本当に、喋らないで欲しいの!」 今にも泣き出しそうな顔をしている。 「喋りませんよ! そう言ったじゃないですか」 「本気で頼んでいるのよ! ちょっと、こっちに来て!」 まだ、心配しているような口ぶりだった。奥さんは俺の腕を引っ張って、また建物の方に戻った。だが、中には入らず、建物の裏手へと行く。こういう状況には俺はまったく不得手だ。奥さんに従って、ただ一緒に行くしかできなかった。 ジャクソン夫人は裏手に回ると急に立ち止まった。 「私、本当に必死になっているの。本当にお願い。絶対に喋らないで!」 「いいですか、ジャクソンさん。何の心配も要りませんよ。実際、俺はそもそも旦那さんとお喋りすることなどないんですから」 そう返事している間も奥さんは俺の腕を掴んだままだった。だが、それに加えて、俺たちが来た方を振り返ったり、建物の向こう側を見たりしている。俺たちは、建物と高いフェンスの間の位置にいた。 すると、突然、ジャクソン夫人は、俺の前にひざまずき、俺のズボンのチャックを降ろし始めたのだった。そして、懇願するような目つきで俺を見上げながら、俺のペニスを取り出し、口に咥え込んだのである。俺はあわてて、さっき奥さんがやっていたのと同じように、辺りを見回した。誰からも見られていない。
ディアドラの身体は柔らかだ。信じられないほど柔らかだ。こんな柔肌には触れたことがない。あまりに柔らかで、強張ったところがほとんどない。抱き合いながら、両手で彼女の背中を擦りまわった。それに彼女のキス。詩人たちが言い表そうとして、ことごとく失敗してきたような夢のキス。あの唇の柔らかさ。唇が触れたときの痺れるような感覚。身体の温かさ。抱擁の優しさ。そのすべてにより、僕は、途絶えることのないロマンティックな愛のもつ永遠の深淵へと飲み込まれていく。まるで、僕の分身が外から僕の様子を見ているような感じだった。僕の一部が、僕がディアドラに溺れていく様を見ている。 「これをやったら死ぬことになるだろう」と自分に言いながら、それでも先に進み、やってしまったという経験が、皆さんにもないだろうか? まさにディアドラがそうだった。彼女との関係には未来がない。ディアドラにとっては、一夜だけの関係なのだ。僕の人生は、あと2週間で終わってしまう。僕はこれで死ぬことになるのだ。 でも、ともかく今は彼女は僕と一緒にいる。だから、このひと時だけでも永遠の時のように感じられるようにしなければ。 キスをした。永遠に続くように感じられた。ひょっとすると、僕も彼女も、どちらもやめたいと思わなかったようだ。少なくとも僕はやめたくなかった。いつまでもキスを続けていたかった。ようやく彼女が顔を離した。彼女は瞳をキラキラ輝かせていた。ディアドラは、瞳に、これを持っているんだ。何か分からないが、内部スイッチのようなものを持ってて、彼女はそのスイッチを入れたり切ったりできるように見えた。スイッチが入ると、彼女の瞳に光が灯る。その光は、美しく、まばゆく、魔法のように僕を夢中にさせる。この現象が起きるのは、彼女が微笑んだ時だけじゃないかと思った。 「ありがとう、アンドリュー。これまで私に起きたことすべての中で一番素敵なことだったわ」 僕はまだ恐れていた。「乱暴すぎたんじゃ?」 ディアドラはちょっと微笑んだ。あの愛らしく温かみのある笑み。 「いいえ。乱暴すぎたりなんかじゃなかったわよ。ちょっと圧倒的ではあったけど。でも、時には、圧倒的だったほうが素敵なこともあるの」 「もしもう一度するとしたら、絶対、時間をかけて優しくするから。約束する。なんだか、突然何かに盗りつかれてしまったみたいだったんだ。僕は僕じゃなかったんだ」 ディアドラは笑い出した。おおらかでうたうような笑い。彼女の目が、顔全体が笑っているようだった。 「あなたじゃなかったの? だったら、私を殺しそうになっていた、そのもう一人の方の男の人に会いたいわ」 ディアドラは、遊び心がある、一緒にいて楽しい人だ。彼女の人格の不可欠の部分として、ユーモアがあって、それはベッドの中で、一層、表に顔を出してくるように思えた。愛らしく、くつろいだ雰囲気で、すべてのことに対処する、そういう人だった。 僕たちは、抱き合ったまま、話しを続けた。僕は彼女のことを知りたかった。僕が知っているのは、基本的な事柄だけ。彼女が、南部出身で、ニューヨークに行き、大きなコンサルタント会社に勤めていて、美人で、僕がずっと前から待ち望んでいた人。ただ、ひょっとすると、彼女は、僕が彼女のことをずっと前から待ち望んできた人と思ってるとは感じていないかもしれない。 ディアドラが、少しだけ身の上話をしている間、僕は両腕に彼女を抱きしめ続けていた。このままでいたい。いつまでも。まさにそう願う状態になっていた。 「私はサバンナの出身。正確には、サバンナの郊外の町の出身。父は医者で、母は専業主婦。妹がいて、名前はドナ。私たちはドニーと呼んでるの」 「ということは、君と血がつながった女性が他にもいるということだよね? わーお。彼女、君にそっくり?」 「ええ、とても似ているわ。私たちほど親密な姉妹はいないと思う。しょちゅう、妹とはおしゃべりしているのよ。二人とも、何でも話し合ってるの」 僕は、横目になって意地悪くニヤリと笑むというお約束の反応をした。「何でも?」 ディアドラはまた笑った。彼女はくすくす笑うということはしない。彼女は、僕がこれまでデートしてきた若い女たちがよく見せるような、神経質に気を使ったありきたりな反応は一切しなかった。彼女は、面白いと思ったら、おおらかに笑うし、気を使うべきか迷ったら、率直にそのことを言った。決して、神経質っぽくくすくす笑うことはない。 「ええ、何でも! ドニーなら、この話し、喜ぶと思うわ」
彼女の側から 私は、ショッピングのお出かけをして、その展開にとても満足していた。計画していたよりも、はるかに楽しい結果になった。家に車を走らせながら、私は携帯電話を取り出し、ゲイルの家に電話した。 「ゲイル? 私、ビクトリアとモールから家に向かっているところなの。彼女、新しいドレスと素敵な下着を着ているのよ。見てみたい?」 「もちろん。すぐに行くわ」 ゲイルは興奮した口調で言った。 「分かった。じゃあ、また」 電話を切った時、車はちょうど「シンディのランジェリーと小物店」の前の交差点に差し掛かっていた。あの美しいジェニーが働いている店だ。私は衝動的に、その店の前に車を止めた。そしてミス・ビッキーの方に目をやる。 「来て! ジェニーに見せてあげましょうよ」 そう言って車を降り、助手席側に回って、ビクトリアのためにドアを開けてあげた。彼女の手を握りながら、店へと入っていく。すぐにジェニーの姿を見つけた。彼女は、レジのところに立っていて、カウンターの後ろにいる従業員に話しかけているところだった。 ジェニーのところに歩いていくと、彼女も私に気づいて、にっこり微笑んだ。それからビクトリアの方へ目を向けた。途端に目を大きく見開いて、ハッと大きく息を呑んだ。 「ええ、これがあのミス・ビッキー? ありえない!」 「いいえ、まさしく彼女よ。今、ちょっとショッピングしてきたところなの。あなたのお店を見かけたら、どうしても彼女のことをあなたに見せびらかしたくなっちゃったの」 「なんという! ああ、ビクトリア、ほんと信じられないわ」 ジェニーはそれから少し落ち着きを取り戻し、間を置いてから、笑みを浮かべて彼女に訊いた。 「歩き方の方は、その後、どう?」 ビクトリアはくるりと向きを変え、13センチ高のヒールを履いているにもかかわらず、優雅に店内を歩いて見せた。スカートの裾は、太腿を撫でながら優しくなびき、歩むたびにヒップが左右に揺れる。店の向こう端まで行くと、片足を軸にして、くるりと反転して見せた。それに応じてスカートが捲れ広がり、その下の下着とガーターが顔を見せた。それから、笑みを見せながら誇らしげに私たちのところに歩き、戻ってくる。 「合格?」 ビクトリアが訊いた。 「ビクトリア? あなた、頭の先から足先まで、すべて美しいわ! この店内のショーウインドウだろうと、今すぐ、あなたを押し倒して、犯してしまいそうよ」 私は微笑みながら、ジェニーに訊いた。 「私たち、もう少ししたら、家で友達と会うことになっているの。あなたも来る? 彼女を犯すのだったら、ここよりもちょっとだけプライベートな場所をあなたに提供してあげられると思うわよ」 ジェニーは私に微笑みかけた。彼女はハンドバックをずっと抱えたままにしていたのだが、改めて、そのハンドバックをしっかり掴んだ。 「私、15分前にオフになっていて、これから何をしようかと考えながらブラブラしていたところだったの。もう決まったわ。車であなたの車の後をつけていくわね」 家に着き、裏ドアを開けたちょうどその時、ゲイルの車が来て、中から彼女が出てきた。彼女も素敵なドレスを着ていて、スポーツバッグを持ちながら私たちのところに近づいてきた。 ジェニーをゲイルに紹介する。二人はすぐに互いを誘惑するような振る舞いで、褒めあった。それからゲイルはジェニーからビクトリアへ視線を向けた。途端に満面に笑みが浮かぶ。 「ボス? 私が一緒に働いた中で、ボスが一番美しいわ」 それから私に顔を向けて話しを続けた。「これからプレーするのね?」 「ええ。あなたもビクトリアもお尻をスパンキングされた仲だから、楽しみが分かるはずよね」 私は、優しくそう言って、私の3人の美女たちを家の中に招き入れた。 つづく
ブリイはバスルームに戻り、ショートパンツとタンク・トップを手にした。ビリーも彼女の後をつけてバスルームに入り、彼女の腰に手を添え、後ろから抱き寄せた。お腹がぐうーぐうーと間抜けな音を出し始める前にブリイが示していた、あの艶っぽい欲情を再び燃え上がらせようと、彼女の首筋に甘くキスをする。 だが、ブリイは、頑として、それに反応しなかった。ビリーは、その理由を知っていた。たいていの南部女性が持っている、あの母性本能が働いているのだ。愛する男性が空腹でいることなど、絶対に許されないことと感じているのである。それに、ブリイは、愛らしく純朴な性格であると共に、非常に頑固な一面も持っていることを彼は知っていた。ブリイは、二人の初夜を祝う前に、まずは夕食を食べなければならないと、気持ちを固めたのである。これを曲げさせることはできないのだ。 二人はレストランへと向かった。ビリーは、ジーンズの中、痛いほど勃起を続けたまま。そして、ブリイは、自分の夫に食事をさせてあげなければと、それだけを思って。 レストランと言われていた店は、実際は、食事どころと言うよりバーと言ったほうが良いような店だった。新婚の若い二人は車を止め、まともな食事が取れるのだろうかと少し心配しながら入り口をくぐった。 その店は、外見は少し寂れた感じに見えたが、店内は、ビリーたちが地元で一緒に週末を過ごして楽しんだ店と、さほど変わらない印象だった。ジュークボックスからはカントリー音楽が流れ、常連客が何人か、まともと思われる料理を食べている。バーの向こうの方ではビリヤード台があって、プレーをしている。 ブリイは、ビリーに向かって、ビリヤードの方を指差し、にっこり微笑んだ。ビリーも微笑を返す。彼は、故郷でビリヤードをして楽しく遊んだことを思い出していた。彼は、なかなかのプレイヤーで、実際、大学時代は、賭けビリヤードをして学費をまかなったほどだった。ビリーは、注文はバーテンへと指示する張り紙を指差した。 バーテンダーは、かなり、いかつい風貌の男だった。ビリーとブリイが近づいてくるのを見ていた。特にブリイの方を中心に見ていたと言ってよい。タンクトップは、大きな胸をぴっちりと包み込み、その裾はおへその上までしか来ていない。デニムのショートパンツも、タンクトップと同じように、腰から尻をぴっちりと包み込み、むっちりとした太腿の付け根のところで止まっている。 ビリーは、メニューをくれと言って、ブリイを凝視したままのバーテンを我に返させた。バーテンは、ビリーにメニューを2枚渡し、バーカウンターの先にあるブースに行くよう指示した。 料理は、変わった飾りつけはなかったが、味自体は美味しかった。ビリーは、食事をしながら、バーテン兼ウェイターの男が、いつもブリイの胸を見ながら話しかけてくることを、少し楽しく感じていた。ブリイも彼の視線に気づいており、顔を赤らめていた。バーテンは、多少、振る舞いが無遠慮なところがあるが、その他の点では危険性がないようだった。食事を終えたビリーとブリイは、バーカウンターに戻り、支払いを済ませた。 出口へと歩きながらブリイが訊いた。 「ちょっとビリヤードで遊んでいく?」 ビリーは彼女の耳元に囁いた。「いや。すまないが、僕はモーテルで、最高の女とデートをすることになっているんだ」 ブリイはニヤリと笑い、からかい気味に言った。「お願い、私のために1ゲームだけやって見せて。そうしたら、それに見合ったことをしてあげるから」 ビリーは、嬉しそうに目を丸くした。「分かった。じゃあ、軽くやって済ませることにするよ」
マリアはキッチンに戻り、私は、毎朝の決まった仕事をしに浴室に入った。体の中も外もきれいにした後、お化粧をし、メイド服に着替え、今日一日の仕事に取りかかる支度を終えた。 キッチンに入ると、マリアが私に言った。 「朝食は後で食べて。マークは、仕事に行く準備がすっかりできているの。今、朝食が来るのを待っているところなのよ」 トレーシーの寝室に3人分の食事を運ぶため、カートを使った。マークの朝食と、トレーシーの朝食、そして残りの一食はヘレンの分だろうと思った。ローレルは、トレーシーとマークと一緒に夜を過ごした場合を除くと、いつもキッチンで朝食を食べていたから。 寝室に入ると、マークはトレーシーの化粧台に腰をかけて、まだベッドの中にいるトレーシーとヘレンとおしゃべりをしていた。トレーシーは、毎朝そうであるように、この日も裸のままだった。マークは着替えを済ませていた。ヘレンは多分、裸のままなのだと思ったけれど、シーツをかけたままなので、胸から下は分からなかった。 マークの朝食を彼の前にセットしたとき、彼が手を私の脚から上へと滑らせ、お尻を軽く揉むのを感じた。どういうわけか、私は、くすくす笑いたい気持ちになってしまった。けれど、何とか堪え、ただにっこりと彼に微笑みかけた。マークも笑みを返してくれた。 トレーシーの膝の上にトレーを置いた時、彼女は私の手を取った。 「あのね、今朝はヘレンが私と一緒にバスタブに入ることになるの。だから、あまり一杯にお湯を張らないようにね」 「かしこまりました」 そう答えて、今度はヘレンの膝の上にトレーをセットした。彼女が顔を赤らめるのを見て私は驚いた。なぜだか分からないけれど、どうやら、ヘレンは、今のこの状況にいることを恥ずかしがっている様子だった。それとも、彼女が身体を起こしたとき、シーツがずれて、滑り降り、胸が露わになってしまったからかもしれない。 3人が朝食を食べている間、私は浴室に入り、タブにお湯を入れ、トレーシーのエネマを準備した。ヘレンもエネマの用具を使うのか、迷ったけれども、もしヘレンが使うのなら、多分、ヘレンの分も用意するように命じられるはずだと考え、準備はしなかった。 バスの準備ができたことをトレーシーに伝えようと浴室を出ようとしたら、マークが浴室に入ってきた。すぐに私を両腕で抱きしめて、ねっとりとキスをしてくれた。 「昨夜の君は最高だったよ。また、できる時が待ち遠しいよ」 彼の褒め言葉に、私は顔が赤らむのを感じた。 「マーク様も、最高でしたわ。私も、また中に来てくれる時が待ち遠しいです。でも、昨日の夜、一緒だったことをトレーシーは知ってるんですか?」 「トレーシーは、俺が誰と夜を過ごしたか、いつでも知っているんだ。俺よりも詳しくね。だけど、君と過ごそうと決めたのは、彼女じゃなく、俺の気持ちからだからね。気になるかも知れないから、教えておくけど」 このマークの言葉に、なぜか、自分が特別な存在になったような気持ちになり、嬉しかった。マークは、もう一度、私にキスをし、その後、仕事に出かけた。
本当に自分はキムのあそこの中に分身を埋め込みたいと思っているのだろうか? はっきりしなかった。いや、もっと言えば、自分のあそこが彼女のそばに近づくことすら、避けたいと思っていた。だが、どうしてよいか分からない。 スティーブは気分が悪くなるのを感じていた。ビデオの中でキムとセックスをしている男たち、その4人全員、コンドームをしていないのだった。 「それに、他にももっとビデオがあるのよ」 キンバリーはうわの空で話している。 この日の朝にスティーブを襲った陰鬱とした気分が、最大級の力を持って再び彼に襲い掛かった。この時の欝とした感情の方が、もっと酷い。コーヒーテーブルにはさらに9本、ビデオカセットが置いてある。キムがそれを一緒に見たいと興奮している様子から察して、その9本とも、彼女が主人公になっているのは確かだった。この若い娘は、一体、何人の男たちに身体を与えてきたのだろう。彼女が様々な性感染病に冒されている可能性が数え切れない。スティーブはますます沈んだ気分になっていった。 ふと、彼は、自分が沈んだ気分になっていることにキムが気づかないのを不思議に思い彼女の方を見た。キムは、相変わらずテレビ画面に全注意を傾けていた。ハアハアと荒い呼吸をして見入っている。腰も太腿もスティーブの身体にぴったりくっつけたままだ。いや、さらにもっと興奮を高めているようだった。隣に座る彼女の体から、激しく興奮した女の体臭が匂ってくるのにも気づいたスティーブだった。 スティーブは、彼を取り巻く様々な悩みから抜け出られなくなっていた。バーバラには裏切られた。彼女は他の男を求めたのだ。夫婦は破綻したのだ。なのに彼女は離婚を許さない。夫婦であり続けるよう要求している。それは、つまり、スティーブにいつまでもこの心痛を抱き続けろと言っているようなものだ。そして、今度は、バーバラの妹も・・・愛らしく、穢れのない可愛いキンバリー・・・そのキムが、彼女の股の間に割り込みたがる男ならどんな男でも迎え入れる淫乱娘になっていたとは。 そして、いま自分は、そのキムと一緒にいる。 キムとやりたい。ペニスを後ろからキムの女陰に突っこみ、彼女に悲鳴を上げさせ、何度となく激しいオルガスムを味わわせてやりたい。自分は、このビデオに写ってる他の男たちと全然変わらぬ最低の男なのだ。そして、キムは自分に性病を移すだろう・・・そうなってしまうはずだ・・・ スティーブは、自分を打ちのめす様々な攻撃に対処できなくなっていた。何も考えられない。理性的に対処できない。 頭の中でスイッチが切れるのを感じた。事態をより良くするために自分にできることは何もないのだ。もう、頑張るのはやめた。自分の行動に関して、それがもたらす結果について考えるのもやめた。様々な結果があるだろうが、すべて考えないことにする・・・一つを除いて。その一つさえあれば、あらゆる問題から解放される。そうとしか考えられなくなっていた。 突然、キムが自分から状況を変える動きを取った。やにわに立ち上がり、スウェット・パンツを乱暴に降ろしたのである。足をけるようにして靴を脱ぎ捨て、足先からズボンを脱ぎ捨てる。彼女は下着を履いていなかった。キムはスティーブを自分の横に引き寄せ、彼のカーゴ・ショートパンツ( 参考)を引き摺り降ろした。チャックも降ろさずに。スティーブはすでに裸足だった。彼は一日中裸足で過ごしていた。 スティーブは抵抗しなかった。次にどういうことになるか分かっていたが、それは、対処しなければならないジレンマには、もはや、なっていなかった。むしろ、気持ちの上では楽になっていた。自分に対して、自分を取り巻く世界に対して、これほど気楽になったのは、何ヶ月ぶりのことだっただろう。 「早くして!」 キンバリーは、息を荒げながら、座りなおした。横寝になり、顔をテレビに向けている。後ろに手を伸ばし、スティーブを自分に引き寄せている。 「早く!・・・私の中に突っ込んで!」 キムは半狂乱になっていた。 スティーブはすでに挿入可能なほどに勃起していた。彼はずっと勃起し続けていた。テレビの画面の中の娘が実在性をなくした時から。今や、彼女は生身の女ではなく、ただのセックスのおもちゃにすぎない。 「早く突っ込んで!」 キムが急かした。
「誰とやったか知ってるぜ」 第3章 I Know Who You Did Last Summer Ch. 03 by qqnforyou6 ごろりと仰向けになって、背伸びをし、ベッド脇のデジタル目覚ましに目をやった。もう11時半だ。何とかベッドから這い出て、シャワーを浴びにいく。 バスルームに向かいながら、どうしても昨夜の出来事を頭の中で再現してしまう。グラフ先生を、再び犯したわけだが、そいつを思い出しただけで、ちんぽが完全勃起してしまう。 素早くシャワーを浴びた後、着替えをし、パソコンに向かった。 立ちあげた後、ネットに入りメールをチェックした。そして、その後、昨日見つけたサイトにログインした。いろんなエロ画像を見ながら、グラフ先生にも、これと同じようなことをしたらどうだろうと思いをめぐらす。そんなことを考えただけで、勃起がピクピクと反応を示した。 女を縛る方法、自分に服従させる方法が、山ほどあるのに驚いた。そして、グラフ先生ばかりでなく、ブラッドの母親も、こんな風に服従させたら、と、そんなイメージも頭に浮かんでくる。 このサイトのクラブを現すアイコンを見つけ、クリックしてみた。すると、各州それぞれに対応するアイコンの集まりが出てきた。そこで、俺の州のアイコンをクリックした。 クラブのリストが現れた。さらに、まさに俺が住んでる町にも、そんな秘密クラブがあるのを見つけ、ぶったまげて気絶しそうになってしまった。俺の家から、たった2ブロック先にあるのだ。速攻で、そこをクリックしたが、出てきたのは住所だけだった。素早く住所を書きとめ、早速、今日、チェックしに行こうと決心した。 それから、グラフ先生の名刺を手に取った。それを見ながら、先生をコントロールする新しい方法を思い、思わずニヤリとした。 もっとも、先生が警察に通報する可能性のことも忘れたわけではない。先生にメールを打つことにした。新しいメールアカウントを手に入れていた。入手する時の情報はデタラメばかり入れておいたから、そこから足がつくことはない。そのアカウントから先生にメールを書いた。 「グラフ先生へ たぶん今は、先生は結婚指輪がなくなっていることに気づいているんじゃねえのか? 心配する必要はないぜ。俺が持ってるから。旦那に、どこにやったんだと訊かれたら、修理とクリーニングのために宝石店に出してあると言えば良いだろう。安心しな、最後には返してやるから。ところで、昨日の夜はどうだったかな? いつも夢に見ていた本物の初夜を味わえたんじゃねえのか? 今頃、俺のことを思って、身体が寂しがってるんじゃないか? 図星だな。今すぐ、俺に来てもらって、ズブズブ嵌めてもらいたいって思ってるんじゃねえのか? このメールを読んだらすぐに返事をすることだ。さもないと、いろんなところに情報をばら撒かれることになるからな。 ご主人様より」 送信ボタンを押し、オフラインになった。まずは、自転車を飛ばして、例のクラブの住所に行ってみようと決めた。 自転車を走らせながら、いろんなことが頭に浮かんだ。あの画像のように、先生を裸にし、縛り上げること。できれば、ブラッドの母親も。このクラブではどんなことが行われているんだろう? どんな連中が出入りしているのか? そんなことを考えながら走っていたら、気がつくと、その住所のところに着いていた。 自転車から降り、それを電柱に立てかけた。建物の外見をざっと見回してみる。いくつかの店舗が一つのビルを共用しているところだった。古びたコンクリート面に、大きな窓が幾つもあって、アメリカ国旗やら何やら、やたら愛国的な飾り付けをされている。 何か変だった。この住所にあるのは24時間営業のレストランだからだ。違うところなのかも知れないと、近くをうろうろしてると、ベーコンが焼ける匂いがしてくる。こっちも腹が減ってきた。 どこも変わった様子はない場所だった。歩いている人もいろんな年齢のいろんな人たちだ。レストランに戻って、窓から中を覗いてみた。食事をしている人が何人か、それにユニフォームを着た従業員が見える。 俺は自転車に戻った。どうしてあのウェブ・サイトがここの住所を載せていたのか、さっぱり分からなかった。最近移転したわけではないのは確かだ。というのも、このレストランは、俺が生まれた時からこの場所にあったのだから。
「よろしいですか? サンフォードさん?」 看護婦はドアを閉めながら言った。そして、俺の姿を見る。 「あら、だめですよ。それも脱いでください」 看護婦は、壁に装着されている血圧計から、ゴムホースを解いていた。俺は、ただ、座ってそれを見ていた。看護婦は、血圧計のバンドを俺の腕に装着する準備をし、聴診器を耳に当てると、再び俺を見て言った。 「さあ、早く。脱いでください」 俺は立ち上がって、下着を脱ぎ、他の服と一緒に、椅子の上に置いた。看護婦は、ちょっと微笑み、俺に近寄るように身振りで示した。血圧を測るらしい。 指示されたとおりに近寄った。看護婦と30センチくらいしか離れていない。看護婦は、俺の腕を、脇の下に挟みこみ、血圧バンドを巻きつけ、ポンプで空気を送り始めた。 俺は素っ裸なのだ。この状況はどう見ても変だ。だが、看護婦の方は、まったく事務的に作業している。すぐに血圧の計測が終わった。 「じゃあ、今度はテーブルに仰向けになってください」 俺は、看護婦の顔を見た。・・・一体、何が始まろうとしてるのだ? 多分、俺の身体に電極をつけて、心臓の状態を調べようとしているのかもしれない。だから俺に横になれと。それは理解できるが、ただ、さっき目撃した、隣の診察室でのことが引っかかっていた。これまでは、そういうことを始める前に、まずは俺の胸に聴診器を当て、いろいろ問診するのが普通だったじゃないか。 「さあ、早く」 言われた通りにしたが、俺は恥ずかしかった。こんな、素っ裸の状態なのだ。仰向けで。実際、看護婦が俺のアレに目をやるのを見た。だが、ちょっと目をやるだけで、それ以上のことはなかった。 「よろしい、では、今度は、うつ伏せになってもらえますか?」 看護婦は手に目隠しを持っているではないか! 「早く!」 「一体何をしようと?」 と言って、俺は口をつぐんだ。 「心配なさらなくていいのですよ。言われた通りにしていれば」 看護婦の口調にどこか楽しんでいるような気配があった。ともかく、目隠しを手にしたまま、俺がうつぶせになるのを待っている。仕方がなく、俺はうつ伏せになった。カウンターを見たら、拘束具が置いてあった。あの男につけられていたのと同じような。 「さあ、行きますよ!」 俺がうつ伏せになるとすぐに、看護婦は俺に目隠しをつけにかかった。 「こりゃ、一体何なんだ?!」 俺はあわてて叫び、素早く身体を起こした。こんなの、真っ当な診察じゃない。 「お願いします、サンフォードさん。もう一度、横になってくださいよ」 俺は看護婦の顔をじっと見た。変だ。変すぎる。 「一日、サンフォードさんに付き合ってるわけにはいかないんですから」 少し困った顔をして、そう言う。 「気にしないでくれ」 俺はそう言って立ち上がり、下着を取り、着替え始めた。 「サンフォードさん!!」 「俺は帰る。何だか知らんが、俺は、こういうのは必要ないんだ」 服を着て、廊下に向かった。看護婦は、俺がしていることが信じられない面持ちで、呆然として俺を見ていた。
「デス・バイ・ファッキング」 第3章 Death By Fucking Ch. 03 by thebullet パート1:アンドリューの話 僕たちは、ディアドラのホテルの部屋で、ベッドに横たわったままだった。精神が吹っ飛ぶほど、激しく心を解放するセックス・・・いや、それは少なくとも僕の見方での話しだが、ともかくそういうセックスを終え、身体を休めているところだった。 僕は、突然、僕の人生の焦点となって現れたこの女性に、もっとゆっくりと、心を込めて、官能的に愛したいと思っていた。だが、実際は、僕はすっかり理性を失ってしまい、野蛮で乱暴な野ザルがする交尾のような行為をしてしまったのである。 大変な間違いをしてしまった。自分に何が起きたのか分からない。僕は、夢に見ていた女性に、良いところを見せて印象付けようと必死になっていたのに、次の瞬間、エデンの園でイブに対し、お前は俺の女だと言い張る原始的な男になっていたのだから。 こんなにも激しく誰かを求めることは正しいことなのだろうか? 健康的なことなのだろうか? 僕はいったいどうなってしまったんだろう? まったく! この女性は、2週間もすれば別の場所に移動してしまい、二度と会うことがなくなるというのに。 今日の午後のことを思い出した。彼女が、二人の間に現れてきた性的な緊張関係を解きほぐしてみましょうと誘ってくれて、それを僕が受け入れたとき、僕は、朝になったら、多分、自己嫌悪に陥ってるだろうと、そう僕は言ったのだ。そいつは、決して、冗談ではなかったのだ。 まだ朝になっていない。だが、もうすでに僕は自己嫌悪になり始めていた。理由は2つある。第一の理由は、一生に一度あるかないかの機会を、自制心を失って台無しにしてしまったかも知れないこと。初めての(そして多分、最初で最後の)愛の交換の時に、大失敗をしてしまったのだ。第二の理由は、僕は恋に落ちてしまったということ。ディアドラに対する気持ちは、自分でも何とかできると思っていたのだが、実際は、それ以上に深く僕の心の中に染み入っていることに気づいたのだった。この熱い気持ちは、ただただ心を消耗させるだけの救い難い、どうしようもない気持ちであることに気づいたのだった。最悪の麻薬中毒者が、コカインの虜となっているのと同じ。僕は彼女の虜になっているのだ。2週間以内に彼女はここを去ると知っていながら、こんな状態になっている。僕はまったくのバカ者なのか。 ディアドラはちょっとした言葉遊びをして笑っていた。二人が陥った、この感情的な苦境を乗り切るために、思いついた言葉なのだろう。いや、違う。正直にならなければ。多分、感情的な苦境に陥ってるのは僕だけで、ディアドラは違うのかもしれないのだ。 僕は、滅茶苦茶なセックス( 参考)をしてしまったことを謝っていたのだった。その上で、彼女にどう思っているか尋ねたのである。すると彼女はこう答えて笑い出したのだった。 「そんな、無理よ、アンドリュー。何も思っていないわ。だって、頭の中、空っぽになってるんだもの」 彼女のこの笑い方。温かくて、伝染性があって、つられて笑ってしまう、そんな笑い方。僕は彼女の笑い方が大好きになっていたのだった。この時も僕に伝染し、僕も笑っていた。おかげで不安感が少し薄らいだ。 突然、彼女は笑いをやめ、僕の腕の中に擦り寄ってきた。このとき初めて、僕たちの身体が触れ合った。いや実際はそうではないが、初めてのように感じたのは事実だ。さっきまでは、僕はとどまることを知らない性欲に取り憑かれた状態だったので、彼女の身体のことをほとんど意識していなかったようなものだったのだ。だが今は違う。ディアドラは僕の身体にしっとりと寄り添ってくれた。そして二人の唇が触れ合う。
* * * イサベラは不思議な夢を見ていた。 レオンに、全身にキスされ愛撫されている夢。この上なく繊細なタッチで身体の隅々を触られ、いまだ未開拓である女体が、否応なく興奮の高みに引き上げられていき、ほんの軽い愛撫ですら狂おしい快感をもたらすものと感じてしまう。 「う、ううぅぅん・・・」 夢の中、彼女は甘い喜悦の声を上げた。彼の肉茎の太った頭部が、濡れきった肉の裂け目に触れ、ぬるぬると表面を滑り、行き来する。竿状の肉塊がピンク色の突起を擦るのを感じる。彼女は、淫楽の海に飲み込まれ、溺れていくのを感じた。快楽の嵐に全身を襲われながら、この甘い夢がいつまでも続いて欲しいと思った。 「あ、ああぁぁん・・・」 再び、甘い溜息をもらした。レオンが優しく彼女の脚を肩に抱え上げ、ひくひくと脈動する肉棒を入り口にあてがうのを感じたのだ。熱い息を吹きかけられ、髪がさわさわと揺れる。 かすかに押し込んでくるのを感じ、イサベラはマットレスに爪を立ててしがみついた。肉棒の頭部が、じらすように動き、めいめりと内部を押し広げていく。 イサベラは、甘美な眠りから引きずり出された。だが、その時にはすでに、レオンは、極太の男根を、いまだ痛みが残る彼女の陰部の奥へ収めきっていた。意識を取り戻し、レオンの視線をとらえたイサベラの瞳は、みるみると恐怖を湛えた表情に変わった。これが夢ではないと彼女が悟った瞬間だった。 レオンは、イサベラの女陰がもたらす極上の締め付けに、うめき声を上げた。目を覚まし、自分に完全に所有されているのを悟るイサベラの瞳を、焼き尽くすような鋭い眼で睨みすえている。意図的にゆっくりストロークを繰り返し、深々と埋め込んでいく。その間、ずっと彼女の視線をとらえて離さない。 イサベラは、レオンに覆いかぶさられ、身動きできずにいた。か弱く泣き声をあげ痛みを訴えるが、彼女の女性自身の部分は、甘く溶け、レオンの分身を包んで離さない。レオンのゆっくりとした、優しい抽迭により、イサベラは下腹部に炎が焚きつけられていくのを感じていた。レオンの優しい腰の動きは、彼女の処女を強奪した時の獰猛な抜き差しとはまったく異なっていた。 レオンは、何時間とすら感じられるほど長く、そのままの状態で優しい出し入れを行い、その巨大な分身を使ってイサベラを甘く誘惑し続けた。やがて、イサベラは、下半身の奥で、何か切羽詰った緊張感が渦を巻いて高まってくるのを感じた。 「ああ、なんてこと・・・」 飽くなく抽迭を繰り返され、彼女は、あらゆる理性が消えてしまう状態にますます近づいていく。レオンに抵抗するべき、こんなことをやめさせるべきだとは知っていたが、身体の方は、ほんの少しの抵抗力も引き出せない。 「お願い、もうやめて・・・」 「しーっ!」 レオンは、彼女の耳元、それしか言わなかった。 「あああぁぁ」 やがてレオンの動きに切羽詰った気配が増し始めた。イサベラは、肩から首にかけての敏感な部分に唇を寄せられ、切なく喘いだ。 「ああッ・・・ いやっ」 レオンの肩を押しのけつつ、イサベラは喘いだ。何か周期的に発作を起こし、今にも爆発しそうな感覚が全身を覆い、徐々に自分のすべてを解体していくのを感じる。 「だ、だめぇ・・・」 レオンは、依然としてゆっくりとして滑らかな動きでイサベラを貫き続けた。それと同時に、片手を結合している部分に潜り込ませ、彼女の膨らんだ突起を探り出し、指で愛撫した。その巧みな愛撫に、イサベラは、さらに快感が高まるのを感じ、さらに多くの快感を求めて狂わされていく。 突然、幾つもの快楽の大波が打ち寄せ、煽りたてるのを受け、イサベラは全身を強張らせた。女陰の内壁が、ひとりでに、レオンの男根を締め付けてヒクヒクと痙攣しはじめ、意に反して、背中が反り、股間が相手に突き上がる。と同時に、口からは大きな叫び声が出ていた。 「いやあぁぁぁ!」 レオンも、もはや堪えることができなくなったのか、イサベラが達したのと同時に、彼女の体内で爆発し、深く、強く突き入れると共に精液を噴射し始めた。 どのくらい時間がたっただろうか。イサベラは、ぐったりと横たわったままになっていた。もはやレオンに抗う様子はなく、彼が強引に求める我が物顔な口づけを、ただ無抵抗に受け入れている。 キスを終え、レオンは顔を離した。 「たいそうお前の身体を楽しませてもらった。これから、わしの空き時間をすべて、その美しい緑の瞳に残る無垢のおもかげを一つ残らず破壊しつくすことに使うことにしよう。楽しみだ」 レオンは転がるようにベッドから降り、素早く服を集めた。彼が黙って服を着る間、イサベラは顔を背けていた。扉のかんぬき棒が横に滑り、施錠する音を聞いた時になって、ようやく、イサベラは自分が囚われの身であることを思い出した。そして、同時に、自分の肉体が、恥知らずにも、一度も抵抗せずに、レオンの残忍な侵入を迎え入れたことも思い出したのだった。 イサベラは、羽毛の枕を泣き濡れた顔に引き寄せつつ、この次にあの男が自分に指一本でも触れようとしようものなら、歯であれ爪であれ、自分が持つあらゆる武器を使って必死に戦おうと決意を固めたのであった。 つづく
デビーは僕たちをレジに連れて行き、代金を返却し、それから僕たちの名前と電話番号を訊いた。 「これからもお付き合い、お願いしますわね。今日のお写真は2週間ほどででき上がります。当店をお選びいただき、とても感謝しております。本当にセンセーショナルなお客様でしたわ」 彼女は僕の方をまっすぐに見ながら、最後の言葉を話していた。僕は顔が火照るのを感じた。 「あなたも、素敵な芸術的な仕事をしてくれてありがとう」 と僕は答えた。 「いいえ、いいえ、お客様こそ、芸術作品そのものですもの。私はちょっと彩りを添えただけ」 とデビーは微笑み、バイバイと手を振りながら、店を出て行く僕たちを見送った。 二人でモールの中を歩いた。ドナは僕の衣類が入った袋を持っている。スターバックスに立ち寄って、コーヒーを買い、小さなテーブルに座って飲むことにした。コーヒーをテーブルに置き、ドレスのしわを伸ばして、優雅に腰を降ろす。それから、ドナと向かいながらも、テーブルの横の方へ脚を伸ばし、脚を組み、ハイヒールを履いた足をぶらぶらさせた。スカートを整え、隠すべきところがはだけないようにする。 ドナは、通り過ぎる人々の様子を観察していた。みんな、洗練された服装の二人のブロンド美女がコーヒーをすすっているのをじろじろと見ていく。 「私、これまで何度も自分の誕生日の時にプレゼントをもらって喜んだことがあったけれど、今回、あなたの誕生日にプレゼントしてあげた時より楽しいことはなかったわ。あなたも私と同じくらい楽しんでくれていると望んでいるのよ」 「望むなんてすることないよ。今年の誕生日のことは一生忘れないから」 「ねえ、ちょっと想像してみて? もう、これからは、毎年、あなたの誕生日はダブルの誕生日になるのよ。ビクターの誕生日とビクトリアの誕生日」 「でも、ちょっと白けさせてしまうかもしれないけど、今は、まだ、ビクトリアの誕生日だけ。ビクターはここにはいないの」 そう言って僕は微笑み、この数日間という短い間に僕に起きた様々なことを思い起こした。 「いずれにせよ、私、今ほど楽しくて興奮していることがないの」 ドナはいきなり僕の両手を握り、いとしそうに擦った。そのため、近くの人たちにさらにじろじろ見られることになった。 僕はまた顔を赤らめた。どうやら、この先もこうやって何度も顔を赤らめることになるのだろうなと悟った。まあいいさ、その見返りとして、ドナと信じられないような素晴らしい性体験ができるのなら、それもまた構わない。
二人は続く1時間ほど、景色を楽しみながらドライブを続けた。ミシシッピーに入り、海岸沿いの道路を進む。そして二人は、とりわけ魅力的なビーチを見つけ、そこで車を止めた。ブリイは、こういうビーチがあるのを期待していて、準備を整えていた。トップと短パンツの下に、ツーピースの水着を着ていたのである。その点はビリーも同じだ。車を止めた後、二人とも身をよじるようにしてシャツや短パンを脱ぎ、水着になった。 ビリーは、水着姿になったブリイを見るのが好きである。二人が知り合って2年。ビリーはいつも彼女を水遊びやボート乗りに連れ出していた。ホットな水着姿のブリイを見ると、体の火を掻き立てられる。このハネムーンでも、ブリイはビリーの期待を裏切らなかった。服の下は、布地部分がほんのわずかのビキニで、89-60-89でDカップの肢体を誇らしげに飾っている。 二人はしばらく波と戯れながら、時折、キスをしたり互いの身体に触れ合って過ごした。ビリーは、このビーチで自分の美しい新妻の身体を奪おうかと思ったが、残念ながら、ビーチには他にも人がいたので、それは諦めざるを得なかった。 体の火照りを様した後、二人は再びドライブを続けた。日没が近づいたのを受け、ミシシッピーの小さな町に入り、モーテルに立ち寄った。今すぐにでもブリイを抱きたいと思っていたビリーだったが、夕食を食べ終わるまで、後もうちょっとだけ我慢しようと思った。彼は、モーテルの支配人に近くにレストランがないか尋ねた。支配人は、1マイルほど先にある店を紹介してくれた。 車から荷物を降ろし、部屋に入って落ち着く。ブリイは、ビリーからレストランの情報を伝えられた後、シャワーと着替えのためにバスルームに消えた。ビリーは、短パンをジーンズに変え、ボタンダウンのシャツを着て、ブリイが出てくるのを待った。 10分後、ブリイが姿を現し、それを見たビリーは驚いて口をあんぐりとあけた。赤いレースのブラジャーと、それにマッチしたソング・パンティ。それだけの姿で出てきたからである。濃い色の髪の毛が、豊かにふんわりとたなびき、茶色の瞳は、心の中の押さえ切れない欲望に曇り、今すぐ私をベッドに連れて行ってと、ねだっている。ビリーは、こんなに興奮したブリイを見るのは初めてだった。 堪らなくなって、すぐに彼女のそばに駆け寄り、両腕で抱きしめた。愛情のこもった情熱的なキスをし、赤い口紅の唇を味わう。抱きすくめられ、キスをされながら、ブリイは悩ましい声を上げた。喜びの声である。 結婚したこの日まで、ビリーのことをずっと拒み続けてきたことに、困難さを感じていたのは、他ならぬブリイだった。ブリイは、自分がいたって健康的な性欲を持っている女であることを、痛いほど身に染みて知っていた。これまでどんなに我慢してきたことか。彼女は、普通、少なくとも毎日二回は自分の手を借りて身体を慰めなければならなかったのである。 長い間、待ち続けたこの瞬間をさらに感動的に盛り上げていた事実として、ブリイがピルを止めていたという事実があった。二人にとっては、結婚前に妊娠することだけは避けたかったのである。でも、もう結婚式は挙げたのだから、他人の噂になる心配はなかった。もっと言えば、このハネムーンで妊娠して地元に帰る、それが二人の希望だったのである。 いま、ブリイも両腕でビリーを抱きしめ、下腹部の感触から、彼が自分の欲望を確実に癒してくれるのが分かった。キスを続けていると、ビリーが唸り声を上げるのが聞こえた。だが、残念なことに、その唸り声は熱情から発せられたものではなく、彼のお腹から出た音なのだった。ブリイはちょっと身体を離し、心配そうな顔でビリーを見た。 ブリイの顔を見てビリーが訊いた。 「どうしたの?」 「ごめんなさい。あなた、お腹がすいているのね?」 「大丈夫さ。確かにちょっとお腹がすいてるが、それだけだよ」
この体勢でしばらく愛し合った後、マークは一旦、私から抜け出て、私の体を再び反転し、うつぶせにした。 私は、命令されるまでもなく、四つんばいの姿勢になり、お尻をくねくねと振ってマークの男根を探りまわった。それを見つけた後、自分から、裏穴の入り口にマークの亀頭が来るようにする。そして、悲鳴にも似た唸り声を上げながら、お尻を突き出し、自分から、マークのシャフトで身体を貫いた。 マークは、再びゆっくりと深いストロークで動き始めた。私も彼のリズムに会わせ、挿入する動きにあわせて、自分からお尻を突き返した。 私の積極的な反応に、マークはとても満足しているようだった。 「いいぞ、ステフィ。そうやって、俺のちんぽを使って、好きなだけ快楽をむさぼるんだ」 私は、言われた通りに夢中になって動いた。だんだん良くなってきて、これまでマークがしてくれたどんな時よりも気持ちよくなっていった。ああん、ああんと声を上げながら、お尻を突き出し、自分から、マークのペニスを使って繰り返しアヌスを貫く。積極的に動く、そんな私を見て、マークはさらに言葉を加えた。 「いいぞ、ステフィ。気持ち良いんだな? おまんこが俺のちんぽをぎゅうぎゅう締め付けてくる。俺よりも激しく動いてるじゃないか、ステフィー! もっと激しく動くんだ。俺が動かなくても済むように」 私は、一度、根元までマークのペニスを入れた後、括約筋をぎゅっと絞り、咥えて離さないようにさせた。その締め付けに、マークが唸り声を上げるのが聞こえた。彼は、抽迭を繰り返しながらも、私のお尻をふざけ気味に平手打ちし始めた。 「ステフィ! すっかり淫乱女になってるな! こんなにきつく締め付けてきたり、自分から腰を振って咥えこんだり。すっかりエロ女になってるじゃないか!」 私は肩越しにマークの方に振り向いた。彼は笑顔で私を見ていた。その笑顔を見て、さらに勇気付けられ、私は一層激しく腰を突き上げ、一層きつく締め付けた。それを受けて、マークは一層大きなうめき声を漏らし、それを聞く私はなおも一層激しく動いた。 何秒か後、マークが苦しそうな声を上げた。 「うおおっ! そろそろいきそうだ! お前のおまんこに俺の男汁をたっぷり出してやる!」 その言葉に、何も考えていないのに、返事の言葉が勝手に口から出ていた。 「ああ、出して! マーク! おまんこ、いっぱいにして! 熱い種液で私を満たして!」 マークはもう一度、大きな唸り声を上げた。そして私はお尻の中に熱い液体がドクドクと注ぎ込まれるのを感じた。マークは射精と同時に、私のシュミーズの下、ブラジャーの中に手を滑り込ませ、左の乳首を痛いほどつねった。その刺激に、私は電撃を受けたように身体が震え始め、クリトリスが、触れてもいないのに、痙攣し、またもねっとりした体液を噴射して、ベッドに降りかかった。 強烈なオルガスムを感じ、射精が終わると共に、私はベッドへがっくりと崩れ落ちた。目を閉じ、ハアハアと喘ぐことしかできない。マークも私に続いて、喘ぎながら崩れ落ち、私の背中にどさりと覆いかぶさった。その時の動きで、マークのペニスは強い力で私のアヌスを突き刺し、それを受けて、私の肺に残っていたわずかな呼気がフウッっと吐き出された。 その後、多分、私は気を失ってしまったのだろう。次に耳にしたのは、マリアの声だった。 「ステフィー? 起きる時間よ! 目覚ましをセットし忘れたんじゃない?」 目を開け、あたりを見回したけれど、マークの姿はなく、私は一人で眠っていた。マリアが膝をついてベッド脇に座っていて、微笑みながら私を見ていた。彼女に助けられてベッドから出ながら、私も笑みを返した。
ビデオは、厳密に言って、素人作品と言えるものだった。導入部分は一切なく、いきなり本篇が始まった。突然、大音量の音楽が鳴り出し、スティーブもキンバリーもびっくりした。キムはリモコンを取り、ボタンを押して音量を下げた。 性的に興奮しているキムに対して、スティーブも仕方なく興奮して見せていたが、それでも、どこか後ろめたいところがあった。本当に自分は、義理の妹と深い間柄になりたいと思っているのだろうか。よく分からない。何か正しくないことのように感じていた。キムがポルノに夢中になっていることに、むしろ興ざめする思いだったし、状況がますます制御できなくなっているのを感じ、腹の奥底に不快感が湧いてくるのを感じていた。だが、この状態を正すにはどうしたらよいか、スティーブには分からなかった。 画面に映ったシーンは、パーティのシーンだった。大音響の音楽がリビングルームを満たしていたが、その速いテンポのテクノ音楽は、画面の中の行為にふさわしい。狭い部屋と隣接する小さなプールを舞台に、6組ほどの男女が、ペアで、あるいは3人組で行為をしているのが見える。全員が全裸だったが、一人だけ、背が高い赤毛の女の子だけは、ブラウスを着たままだった。とはいえ、ブラウスを除くと何も着ていない。 リズミカルに動く男たちの尻が次々と映し出され、それぞれの男根が、相手とする女たちの女陰に打ち込まれる様子が画面を満たす。男たちのピストン運動は、例外なく、速いピッチで、荒々しく激しいものだった。女たちは、乱暴に打ち込まれるたびに、痛々しいほどに体を揺さぶられていた。だが、それに抵抗する女は一人もいなかった。どの女も、このような荒々しいセックスを歓迎している様子だった。 カメラが右に動き、画面がプールサイドの空気マットで行われている3Pをとらえた。カメラマンは、そこにズームしていく。中心となっている女の子は、四つん這いになっているが、手は、片手だけマットにつけていて、もう一方の手は大きな男根を握り、それを夢中になってしゃぶっていた。彼女の背後には、痩せた、年若の男がいて、陰部に出し入れを続けている。 その女の子も、自分でも少し動いていて、後ろから突き立てる男に尻を打ち返していた。彼女は、咥えていた肉棒を口から離し、後ろを振り返って、男に何か指示を与えた。そして、カメラに撮られているのに気づき、嬉しそうににやりと笑い、淫らに舌舐めずりして見せた。 「何てことだ・・・」 スティーブはつぶやいた。その女の子はキンバリーだったのだ。男たちの方には、知ってる者はいない。彼の隣りに座り、一緒に画面を見ながら、キンバリーが、くすくす笑った。楽しそうに。 「なかなかのもんでしょ?」 息を弾ませている。 スティーブは画面に見入った。乱交を行っている女性は、彼が知っている、あの愛らしく、快活なチアリーダをしていた高校生ではなかった。画面の中の女は、激しいセックスに狂った獣だった。あの無邪気で可愛い女の子はどこに行ってしまったのだろう? こんなのは間違っている。だが・・・興奮をもたらすものでもあった。徐々に、画面の中で二人の男に弄ばれている女が、自分の義理の妹には見えなくなっていった。ただの、性欲処理のための道具としか見えなくなっていく。 ビデオの中、乱交は続いていた。プールサイドのキンバリーの身体を分かち合う男は、今や、さらにもう二人加わり、4人になっていた。新しく加わった男の一人が、プレートを差し出した。キムは、指で片方の鼻の穴を塞ぎ、もう一方を使って、プレートに線状に置かれた白い粉を一列分、吸入した。その後、四つんばいの姿勢から身体を起こし、ひざまずいたまま、少しじっとし、吸入直後の陶酔から回復するのを待っている。スティーブの隣に座るキンバリーは、嬉しそうにハミングしながら見ている。 「やりたくなったら、いつでも私にやっていいのよ。分かった?」 スティーブは唸り声をあげ、曖昧に返事することしかできなかった。
先生は、身体をぷるぷる震わせ、涙を流して泣きながらも艶っぽい声で喘ぎ始めた。抽迭のスピードを上げていくと、身体をキューッと強張らせてガクガク震えだす。 「ああぁぁぁぁ・・・もう、だめぇぇぇぇッ!!」 血が沸騰したような声で絶叫し、とうとうオルガスムに突入したようだ。俺は、先生の腹から股間へと手を伸ばし、オルガスムの効果を強めるため、クリトリスを擦り始めた。 俺の方も限界が近づいているのを感じ、ウェディングドレスのベールの中、先生の顔面に、もう一方の手をあてがい、口と鼻を塞いだ。呼吸をできなくさせる。呼吸ができなくなったグラフ先生は、一層激しく身体をよじり始めた。オルガスムが極値に達したのだろう、これまでにないほど激しくブルブル震えている。狂ったように身体をよじり、震えながら、俺の手に覆われた口からくぐもった喘ぎ声や叫び声が聞こえる。 なおも手で口鼻を塞ぎ、呼吸を制限しつつ、手に力を入れ、頭を最大限まで後ろに傾けさせた。タマが痛いほど収縮し始め、間もなく射精しそうになるのを感じた。クリトリスから手を離し、今度は、したたかに尻を平手打ちする。 先生はオルガスムが手のつけられないほど暴れまわっているのか、ほとんどパニック状態になっていた。何も入っていないのに、まんこの方からびちゃびちゃと汁が弾き飛び、俺のタマに降りかかる。 そして突然、何の前触れもなく、先生の身体から力が抜け、がっくりと動かなくなってしまった。酸素不足によるのか、強烈なオルガスムによるのか、いずれにせよ、先生は失神してしまった。俺は優しく先生の頭をベッドに横たえ、両手で丸肉の腰を掴んだ。そして、最大の力を使って激しく先生のアヌスに出し入れを始めた。 失神しぐったりとなった先生の身体を道具のように扱い、俺はしゃにむに突きまくった。全身の神経がピリピリし、睾丸が破裂しそうになる。最後の一突きとして、思いっきり突っ込んだあと、唸り声を上げながら、射精を始めた。 熱くねばっこいスペルマをグラフ先生の直腸にドクドクと注ぎ込む。ちんぽがピクンピクンいうたびに、濃密な蛋白が先生の腹の中に注入されていくのが分かる。信じられないほど多量に出た。 ようやく出し終り、ゆっくりとアヌスからちんぽを引き抜いた。気を失って、ベッドに突っ伏している先生。その尻肉を左右に広げ、肛門の状態を見てみた。抜いた後でも、まだ丸く口を開いたままになっている。そして中から俺が出した白い液がちろちろと溢れ、前の穴へと流れ出していた。俺は、先生にその格好のままで上から優しく毛布を掛けてやった。 討ち死にしたように伸ばした手を取り、その指に嵌められた結婚指輪を見た。それを見ながら、うまい事を思いつき、俺はゆっくりとその指輪を外した。人妻の指から結婚指輪を外すのが、こんなに麻薬的な興奮をもたらすものだとは、知らなかった。外した後の手を見ると、俺がこの女をものにしたという征服感がこみ上げてくる。 ふと、先生がいつ意識を取り戻すか分からないことを思い出し、俺は素早く服を着た。指輪をポケットに入れ、そそくさと寝室を出る。 ふと奥の部屋から光が漏れ出てるのが気になった。その部屋に行って覗いてみると、パソコンがつけっぱなしになっているのが見えた。ウェブ・メールのサイトにログオンし、先生のIDをクリックした。パスワードは分からない。だが、あてずっぽうでteacherと打ち込んでみた。 大当たりだった。これがパスワードか。素早くメールにざっと目を通したが、何も面白そうなことはなかった。もっとも、俺は別の計画を思いついていたのは言うまでもない。 ログオフし、階段を降り、ガレージから外に出た。誰もいないことを確かめ、先生の家の裏庭を挟んで隣り合っている家との隙間に倒しておいた自転車へと走った。 自転車を立てたとき、人の声が聞こえた。びくびく震えながら、その家のガレージの先を覗いた。俺のいる場所は暗かったし、ガレージの先は明るい照明がついていたので、俺の姿は陰になって見えない。 俺は、目に入ってきた光景にびっくりした。 男と女が車の脇で抱き合ってキスしている。それを見ながら俺は心臓がどくんどくんと音を立てるのが聞こえた。これを利用しないわけには行かないと思った。 知らない男が、女にキスをしながら、そのお尻を抱き、尻肉を揉み回している。その女は、ブラッドの母親なのだ。 なんだよ、マジかよ、ブラッドのママは浮気をしていたのかよ! 二人は40過ぎなのだが、まるで高校生のカップルのように振舞っていた。 ようやく二人は身体を離し、ブラッドのママは自分の車に乗って走って行った。男の方は自分の家に入って行った。そして俺は、ようやく自転車に飛び乗って、家に向かうことができたのだった。 つづく
「Exam 検診」 by deirdre 「3番の方、右へどうぞ」 クリップボードを抱えながら看護婦が言った。俺は、自分の装置を左に持ち、ドアの番号を見ながら廊下を進んだ。どういうわけか、俺はいつも病院に来るとおどおどしてしまう。今回は、ただのありきたりな検診なのだが、やっぱり同じだ。リーグが、俺が試合中に心臓発作を起こしたりしないことの保証を求め、検診を受けに来たのだ。 部屋の前に来たので、ドアのノブを回し、押し開けた。 中には人がいた。 「おっと、失礼」 俺はそう言って、引き下がった。そして、中を見つめたまま、唖然とした。 看護婦が俺の方を振り返って、俺の顔を見ていた。にっこり笑っている。まるで「あなたも私と同じく、これ、楽しいでしょう」と言いたげな笑い顔だった。だが、俺がたじろいだのは、患者の方だ。診察台に男が横になっていたのだが、素っ裸だったのだ。 俺はすぐにドアを閉め、自分が注意散漫だったことに気がついた。ドアの番号は2だったのである。 すっかりドキドキしながら俺はそのドアの前に立っていた。あの男、目隠しをされていた。しかも、うつぶせになって、手首と足首はカンバス布の拘束具が巻かれて、テーブルの四隅に縛り付けられていたのだ。 俺は廊下を進み、3番の部屋を見つけた。 それにあの看護婦! 彼女は両手にゴムの手袋をはめ、何かキラキラした金属製のものを持っていた。あれが何かは俺は知らない。ただ、長さ20センチ、太さ5センチくらいの小さな棒のようなもので、一方の先っちょが丸くなっていた。 俺は3番の部屋のドアをちょっと開けて、中を窺った。誰もいないのを確かめて、中に入り、ドアを閉めた。 椅子に腰を降ろす間もなく、ドアが開き、クリップボードを抱えた看護婦が入ってきた。彼女は、そのボードに眼を落とし、それから顔を上げて俺を見た。 「オーケー、服を脱いで、診察台に腰を降ろしてください。脱いだ服はその椅子に掛けて構いませんよ」 看護婦が説明している間に、後ろから男の医者が現れ、立ち止まって彼女に話しかけた。看護婦が医者に答えた。 「2番は準備が整いました」 「ジュリーはあっちに?」 「ええ」 医者は立ち止まって俺を見た。「こちらは?」 「次の人です」 「分かった。ちょっと一緒に来てくれ。2番の手伝いをして欲しいんだ」 看護婦は医者と一緒に部屋を出て、またドアが締まった。 俺は、何か変なことが起きてるなあと感じながら、1分ばかし突っ立っていた。まあとりあえず、俺は服を脱ぎ始めた。あの医者、俺を見たとき、視線がちょっと俺のズボンの方へ下りたような気がした。 そんなことを考えていたら、隣の診察室のドアが閉まる音が聞こえた。それから人の話し声も。何を話してるかまでは聞き取れなかったが、男と女が話してるのは確かだった。そして、その後に、笑い声が聞こえた。高笑いしたりくすくす笑ったり。 俺はパンツ1枚になっていたが、診察台に座らずに、壁の横に立って、聞き耳を立てた。またくすくす笑う声が聞こえる。その後、ピシャリと叩くような音がした。4回だ。そして、また話し声とくすくす笑う声。 それから歩く音とドアが開く音がした。俺は、盗み聞きしてたのがばれないように、診察台に戻った。俺の部屋のドアが開き、またクリップボードの看護婦が現れた。
一方、イサベラも、レオンが抽迭の速度を上げるにつれて、時折襲う苦痛に甘く彩られた鋭い快楽を味わっていた。レオンは、両手の指をイサベラの白い柔肌の尻肉に食い込ませて彼女の腰を抱え、渋る彼女の下腹を強引に自分の支配に従わせ、巨体で突きを送る荒々しいリズムに同調させた。イサベラの未熟な狭い肉筒に、容赦ない深々とした突きを繰り返し、内部をえぐり続け、イサベラの弱々しい泣き声が、レオンのかすれた唸り声とリズムを合わせて部屋を満たす。やがて、イサベラは、自分の下腹部に出入りを繰り返す剛棒が二倍ににも膨れ上がったように感じ、再び、新たに悲鳴を轟かせた。そして、温かく勢いのあるほとばしりが、体の奥底で噴出し、中を満たすのを感じた。 レオンの重たい体が、がっくりと崩れ、イサベラを押しつぶした。その姿勢のまま、次第にレオンの呼吸が落ち着いていく。レオンは、汗でうっすらと濡れた彼女の額についた巻き毛を払いのけ、優しくキスをして、涙を吸い取った。イサベラは、反抗的に顔を背けるが、レオンは指であごを押さえ、前を向かせ、彼の視線に眼を合わさせた。彼の陰茎は、今や、以前の懲らしめを受けるに等しい大きさからは縮小し、かろうじて耐えることができるほどになっていた。 「この次は、より多くの快楽を味わえるだろう。女にとっての初めての時は難しいのだ。それにわしはかなり大きいと言われているしな。それにしても、お前は、そのわしのすべてを受け止めておったな」 イサベラは、弱い声で否定の言葉を呟いていたが、レオンはそれを無視し、口づけをして封じた。そして、しーっと小声で囁く。 「じきに、お前は、わしがお前の身体に行うあらゆることを楽しめ、それを待ち望むようになるだろう」 イサベラは、レオン・ド・アンジェが縛りを解き、濡れ布で太腿についた血の跡を優しく拭い、彼女を恥ずかしさに真っ赤に熱くさせてから、どれだけ時間が経過したか分からなくなっていた。レオンは、彼女の体に毛布をかけながら、額にキスをし、素早く着替え、部屋を出て行った。 混乱した頭のまま、体の奥に男を迎え入れることの感覚と、あの男によって、自分の身体から引き出された快感について思いをめぐらした。レオンを憎んでいる一方で、自分の身体が裏切りを行い、あの男に自分の身体を用いて野蛮に快楽をむさぼられるのを感じつつも、喜びに震えた有りさまは否定できなかった。この身体は、痛みに悲鳴を上げていたときにすら、快楽を得ていたのだ。 イサベラが、消耗しきってようやく眠りへと落ちたのは、夜明け近くになっていた。その眠りの中ですら、イサベラは、レオンのあの焼き尽くすような黄金色の眼に射抜かれ、彼から逃れることができなかったのだった。
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