デビーは僕たちをレジに連れて行き、代金を返却し、それから僕たちの名前と電話番号を訊いた。
「これからもお付き合い、お願いしますわね。今日のお写真は2週間ほどででき上がります。当店をお選びいただき、とても感謝しております。本当にセンセーショナルなお客様でしたわ」
彼女は僕の方をまっすぐに見ながら、最後の言葉を話していた。僕は顔が火照るのを感じた。
「あなたも、素敵な芸術的な仕事をしてくれてありがとう」 と僕は答えた。
「いいえ、いいえ、お客様こそ、芸術作品そのものですもの。私はちょっと彩りを添えただけ」 とデビーは微笑み、バイバイと手を振りながら、店を出て行く僕たちを見送った。
二人でモールの中を歩いた。ドナは僕の衣類が入った袋を持っている。スターバックスに立ち寄って、コーヒーを買い、小さなテーブルに座って飲むことにした。コーヒーをテーブルに置き、ドレスのしわを伸ばして、優雅に腰を降ろす。それから、ドナと向かいながらも、テーブルの横の方へ脚を伸ばし、脚を組み、ハイヒールを履いた足をぶらぶらさせた。スカートを整え、隠すべきところがはだけないようにする。
ドナは、通り過ぎる人々の様子を観察していた。みんな、洗練された服装の二人のブロンド美女がコーヒーをすすっているのをじろじろと見ていく。
「私、これまで何度も自分の誕生日の時にプレゼントをもらって喜んだことがあったけれど、今回、あなたの誕生日にプレゼントしてあげた時より楽しいことはなかったわ。あなたも私と同じくらい楽しんでくれていると望んでいるのよ」
「望むなんてすることないよ。今年の誕生日のことは一生忘れないから」
「ねえ、ちょっと想像してみて? もう、これからは、毎年、あなたの誕生日はダブルの誕生日になるのよ。ビクターの誕生日とビクトリアの誕生日」
「でも、ちょっと白けさせてしまうかもしれないけど、今は、まだ、ビクトリアの誕生日だけ。ビクターはここにはいないの」
そう言って僕は微笑み、この数日間という短い間に僕に起きた様々なことを思い起こした。
「いずれにせよ、私、今ほど楽しくて興奮していることがないの」
ドナはいきなり僕の両手を握り、いとしそうに擦った。そのため、近くの人たちにさらにじろじろ見られることになった。
僕はまた顔を赤らめた。どうやら、この先もこうやって何度も顔を赤らめることになるのだろうなと悟った。まあいいさ、その見返りとして、ドナと信じられないような素晴らしい性体験ができるのなら、それもまた構わない。