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バースデイ・プレゼント 第12章 (5:終) 

彼女の側から

ゲイルとジェニーは、私たちに、さよならのハグとキスをした後、帰っていった。私は、ビックに、何かもっと居心地が良い服に着替えたい? と聞いた。

「つまり、僕の服に?」 と彼は聞き返した。

「いま着てる服は、確かにあなたの服だけど、男物の服のことを言ってるのなら、ええ、そうよ、それに着替えたいと思ってるのかしら、と聞いたの」

彼は私の手をとり、私を鏡の前に引っ張った。ビックは、鏡の中に映っている自分の姿を見ていた。自分の姿なのに、うっとりとして見ているのが分かる。

「ドナ。この体験は、これまで僕が経験した中で、多分、一番、うっとりするような体験だったのだと思う。君が僕にしてくれたことは楽しかったし、それを通して経験できた感情や、快感は最高のものだった。セックスも素晴らしく、どの瞬間も、痺れっぱなしだったよ。SMっぽいことも含めてね。SMでは苦痛よりは快感の方が勝っていた。でも、そろそろ、落ち着いて、元のこれまでの自分に戻る必要があるんじゃないかと思ってる。だから、そうだね、元の服に着替えて、少し、くつろぎたいと思っているよ」

「ええ、そうね。じゃ、シャワーを浴びて、お化粧を落としてくるといいわ。それから、着たい服を着て戻ってきて。それまでに、何か食べるものを作っているから」

しばらく経ち、彼はジーンズとTシャツの姿でキッチンに戻ってきた。手には、ドレスや下着の類を山のように抱えていた。

「これはどうしたらいいかな?」

「中を見て、デリケートなタイプの衣類をすべて選り分けてくれる? そうしたら、洗濯機で、どういう洗い方にセットするか教えてあげるわ」

彼は、下着やネグリジェや装飾具の類を抱えて戻ってきた。みな、私たちがこの数日の間に着たもの。私は、デリケートな生地用のセッティングの仕方や、使う洗剤や柔軟剤を教えた。彼は、それに従って、洗濯機を動かした。ふと、キッチンにやってくる彼を見ると、手や足の爪に、まだピンクのマニキュアがついていた。

「夕食の後、それを落とすのを手伝ってあげるわね。もし、落としたかったらの話だけど」

彼は、残念そうに指の爪を見ていた。

「そうだな。そうした方が良いだろうな。月曜には、何回か、クライアントとの面会があるし。落としておけば、爪のことについて、妙な言い訳をしなくても済むだろうから」

夕食ができ、それを食卓に並べた。そして、二人でテレビのニュースを見ながら食事をした。その後、ビックは食器を片付け、洗剤をつけ、食器洗い機にセットした。一方の私は、洗濯物を乾燥機に入れた。低温乾燥の弱回転にセットする。それから、マニキュア落しを持ってリビングの床に座り、テレビを見ながら、夫の爪からマニキュアを落とした。彼の爪は、この数日の間で、あまり伸びていなかったので、そんなに手間はかからなかった。仕上げに爪を守る透明の液でコーティングをしてあげた。手の爪が乾くまで、足の爪の方からも色を落とした。

それが終わった後、私たちは床に毛布を広げ、そこに横になりながら、テレビを見て過ごした。二人とも、そのまま眠ってしまったのだろう。ビックに起こされたときは、夜中の12時近くになっていた。テレビを消して、二人でベッドに入った。ビックが服を脱ぐところを見ていたら、彼が、私が買ってあげたピンクのパンティを履いているのに気がついた。

「そのパンティ、私、好きよ」 と微笑みながら言った。

彼は微笑みながらパンティを脱ぎ、ベッドに潜り込んできた。

「僕も好きなんだ」

その5分後、私たちはぐっすり眠っていた。

つづく


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窮地に落ちたブリイ (16:終) 


ブルーノの手下に連れられてブリイは建物の外に出た。手下は、客の車のドアを開け、ブリイは男の顔も見ず、中に乗り込んだ。

ドアが閉まり、車が動き出した。ブリイにとって、ようやく自分の家と思い始めた場所。その場所が後に過ぎていく。そのブリイに、運転をする男が声をかけた。

「もう一度、会えてよかった」

ブリイは、ちょっと、その男の声を前に聞いたことがあるように思った。そして、おもむろに顔を上げ、その声の主を見る。そして叫んだ。

「ビリー!!」

両腕を放り投げるようにして夫に抱きつくブリイ。ビリーは、危うく、車を道脇に乗り上げてしまいそうになった。ブリイは、嬉しそうに啜り泣きをしていた。

「どうやって見つけてくれたの?」

ビリーは、初めの頃は、いくら探しても、まったくうまく行かなかったことを説明した。そして、ようやく、この非合法の世界では、金なしでは何もできないことを悟った。まずは、ビリヤードをして、できるだけ金を稼ぎまくることに集中した。やっとのことで5万ドル稼ぎ出す。

腕っ節の強そうなチンピラを雇って、ジョーンズから、ブリイをどこに売り飛ばしたのか聞きだすのに1万ドルかかった。さらに、もう1万ドルを使って、ブルーノの所までたどり着いたと言う。ブリイを買い戻すのに2万ドルを使ったので、残りは1万ドルだった。ビリーは、ブリイが、彼が結婚したときと同じ、うぶで清楚な娘ではなくなっているのは悟っていた。

「ブリイ? どんな目にあったのか、話してくれる?」

ブリイは、自分の身に起きたことを包み隠さずビリーに話した。さらに、自分の体にもたらされた変化も彼に見せた。

左右の胸の乳首には、バーベル型のピアス(参考)がつけられ、おへそとクリトリスにはリング型のピアスがついていた。陰毛もすべて剃られ、つるつるにされていた。そして、恥丘の上には「ちんぽ好き」との刺青が彫られていた。ブリイ自身が、そこにその言葉を彫るよう要求したのだが、そのことは、彼女には説明しづらいようだった。「あの時は、そうするのが自分にふさわしいように思ったの」、と彼女は言った。

その日の夜遅く、この新婚夫婦は、とうとう自分たちの家に戻った。二人とも、大変な体験のあまり疲労困憊の状態になっていたので、互いに抱きあったまま、すぐに眠りに落ちてしまった。

翌朝、ビリーはブリイを促して、病院に行き、メディカル・チェックを受けさせた。ブリイは健康体であると知って、二人は安心した。もう一つ、ブリイが妊娠していることも知らされた。ブリイは子供を生みたいと言い、ビリーも、同意し、自分の子供として育てることに決めた。ビリーは、ブリイが帰ってきたことだけで、充分に安心していたのである。その日、日中は充分に休息を取り、ようやく、二人は新婚初夜を迎えられたのだった。

まずは、ブリイがビリーのペニスを愛撫することから始まった。夫の体の中で、一番好きな部分。そこを、最大の愛情で、愛しそうにもてなし、勃起させた。とうとう、その時が来た。ブリイは夫の上にまたがり、自分の体の入り口に向けて、ゆっくりと体を沈め、彼の分身を迎え入れた。

ブリイの悦びは、この上ないものだった。二人はこうなるべきであって、その形に、ようやく結ばれることになったのだ。愛する人と体がつながっている。ブリイは、このまま、永遠につながっていたいと思った。そのまま夫の胸に体を倒し、彼の頬に、愛しそうに頬刷りをした。

二人は、そのままの姿勢で、1時間以上、抱き合っていた。その間、ビリーは、花嫁に自分の分身をゆっくりと出し入れしていた。

しばらく経つと、二人の情熱は徐々に高まりを見せ始め、やがて、ブリイは体を起こし、夫の上で、腰を上げては打ち降ろす動きになっていた。ビリーが、「もう、いきそうだ」とかすれた声で言うと、ブリイは局部を彼のペニスに強く打ち降ろし、同時に唇を彼の唇に重ねた。どくん、どくんと脈を打って、ビリーの体からブリイの体へ注ぎ込まれる。二人は、ようやく、なるべき姿になることができた。

それからは、この夫婦は、すべて順調に進んだと言ってよい。彼らには、明らかにビリーには似ていない最初の子も含めて、子供が3人できた。その子の父親が誰かは、分からなかった。

ビリーも、ブリイ自身も、ブリイは、まさしく、クリトリスの上に彫られた文字の通りの女であることを知った。夫婦生活を始めて2ヶ月ほどで、ブリイは、ビリーだけでは満足できないことを悟ったのだった。ビリーは、彼女の、男遊びにはあまり気乗りがしなかったが、それでも、少なくとも、たいてい、夜には、ブリイが彼が待つ家に帰ってくるのだし、実際、体を売ってかなり裕福な生活ができているのも事実なのである。まあ、そういう二人なのである。

おわり


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ポルノ・クイーンの誕生 第6章 (10) 

11月の中旬なので、外はそれほど暑くはないだろうと思ったけれど、今年の秋は暑さが続いていて、この日も例外ではなかった。そこで、軽くお化粧をした後、上は、クロップ・トップ(参考)のTシャツにし、下着にはサテンのパンティを履き、その上にAラインのスカート(参考)を履いた。

着替えの後、飲みたくて堪らなくなっていたコーヒーを求めてキッチンへ入った。コーヒーを入れたポットがないところを見ると、最初に起きてきたのは私だと分かった。私は、大きなポットを使ってコーヒーを用意した。コーヒーの香りが家全体に広まればすぐに、みんなが集まってくるだろうと分かっていたから。

最初にキッチンに来たのはマリアだった。頼まれるまでもなく、私は彼女に大きなカップでコーヒーを注いであげた。マリアのすぐ後にヘレンも来て、入れたてのコーヒーを啜り、生き返った様子だった。

最初は、誰も口を利かず、ただコーヒーを啜るだけだったけれど、何分かして、私はマリアに話しかけた。

「マリア? お父さんが何時ごろ帰って行ったか、知ってる? 最後に父に声をかけたとき、あなたとお話しをしていたようだったけど」

マリアは、テーブルを見つめたまま、急に顔を明るいピンク色に染めた。そして、ちょっと意味ありげにクスクスと笑い出した。

「本当のところ、彼はまだ帰っていないの」

それを聞いて、私は、瞬間的に、父とマリアが一緒に寝たのだと分かった。最初は、嫉妬の気持ちに胸が苦しくなったけれど、その痛みもすぐに消え、むしろ、父の幸せを喜ぶ気持ちに変わった。マリアが、愛し合う相手としてこの上なく素晴らしい人だというのは、私自身、身をもって知っているから。

「よかった。お父さんがさよならも言わずに帰ってしまったのかと思っていたのよ」 そう言って私はコーヒーをひと啜りした。

私の言葉にマリアが驚いたのかは分からない。けれど、彼女は、父と一緒に寝たことについて、私が怒っていないことをすぐに理解してくれたようだった。それから後は、私たちの会話は、誰がパーティに来て、どんなことが起きたのかという話題に変わった。

20分ほどしたら、今度は父がコーヒーを求めてキッチンにやってきた。私は、父を私とマリアの間に座らせ、コーヒーを出してあげた。父は、愛しあった相手と自分の娘の間に座らされて、ちょっと気恥ずかしい気持ちになっている様子だった。

父の緊張感を和らげようと、私は声をかけた。「お父さん? 今、プレゼントを開けてもいいかしら?」

「ああ、それがいい。ここに持ってきて、お友達に見せてあげるといいよ」

そのように言う父の声の調子から、何かものを言ったおかげで、気持ちが落ち着いたらしい様子が感じ取れた。

プレゼントの箱は、長さ45センチ、幅25センチくらいの大きさだった。ダンボールの箱ではないのが分かる。とても重い、木製の箱だと思った。

箱を前に置いて、父の隣に座った。「開けてごらん」という父の声に促されて、包み紙を縛ってあるリボンを解き、そして包み紙を開けた。そして私は、すぐに、何をプレゼントされたのかが分かった。母が持っていた古い宝石入れのボックスだった。

子供の頃、私は、そのボックスを触ってはいけないし、その中にあるものを使って遊んでもいけないと言われていた。母が、何か装飾するものが欲しいとき、そのボックスの中を探していたところを何度も見たことがあった。母が死んだ後は、この時まで、私はこのボックスのことをすっかり忘れていた。

顔を上げ、父を見た。 「これを覚えているよね?」

「ええ・・・お母さんの・・・」

父は私の肩に手を置き、優しく抱き寄せた。

「ただの、お母さんのジュエリー・ボックス、ってわけじゃないんだよ。このボックスは、5世代に渡って、代々、母から娘へと譲り渡されてきたものなんだ。お母さんが死んだ後、お父さんは、お前が結婚した時、お前の奥さんになる人に渡せるように、これを保管庫にしまっておいたんだ。お母さんはお前のことをとても愛していたから、お母さんも、お前がこれを譲り受けるのを望んでいると思うよ」

私は胸が詰まって、どう返事してよいか分からなかった。ただ、目に涙を溢れさせながら、両腕で父を抱きしめることしかできなかった。

ようやく気持ちが落ち着いた後、私はボックスの中をいろいろと調べ始めた。そしてすぐに、この目の前の宝石箱の中に、ちょっとした財産が入っていることに気がついた。古いアンティークの宝飾品で、かなり貴重なものなのではないかと思った。後に、トレーシーに促されて、保険をかけるために査定してもらったけれど、そうする前に、直感的に貴重なものだと分かるものだった。適切なコレクターにとっては、ここにあるものは100万ドルをゆうに超える額になるだろう。

父は、ボックスにあるいろいろなものについて説明をしてくれた。誰が誰に買ってあげたものか、どんなことを記念して買われたものか、など。父が母のために買ったものも紹介してもらった。


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報復 第8章 (8) 

バーバラがラファエル・ポーターと公園で二人っきりでいるのをスティーブが見つけた8~9ヶ月前から、バーバラは、ずっと冷たく、よそよそしい態度を取っていた。あからさまに敵対的だったと言っても良い。スティーブは、彼女と別居していた間、バーバラに会わないことに慣れきっていた。そのような状態に慣れることは、たいした難しいことではなかった。怒りのおかげで、容易に、回りに彼女がいないことに慣れることができていた。

だが、自分の結婚生活に終止符を打つことになるだろうと予想した、まさに、その晩に、バーバラが姿を現したのだった。まるで、待ち伏せされたようなものだった。

スティーブは、やり残したことをすべてきれいに整え、後は、このことすべてから解放されるとばかり思っていたのである。キンバリーの薬物中毒を暴露し、さらに彼女とセックスをしたことで、鋭いナイフで引き裂くのと同じように、バーバラとの関係を、一撃で永遠に断ち切ることになるだろうと考えていたのだった。確かに、バーバラは怒りを見せた。だが、それは、ほんの一瞬だけで、その後は、何もなかったような態度を示したのだった。これにはスティーブはとまどった。もちろん、彼はすぐにカウンセリングの場から立ち去ったが、しかし・・・

しかし・・・バーバラは彼の後を追いかけてきて、コーヒーに誘い、自分が家に戻るのを認めるべきであると、論理的な説得を展開したのである。スティーブは、反論をまったく用意していなかった。彼は、どうして今のような状況に丸め込まれてしまったのだろうと、考え続けていた。

スティーブは、バーバラが戻ってきた以上、去年の今頃のような寒々とした夫婦関係が再現することになるだろうと思っていた。しかし実際は、バーバラは、一緒にいる時はいつも、心優しい気遣いを見せ、友好的に振舞っていた。いま何をしているか知りたかったからと、職場のスティーブに電話をかけてきたり、食事の用意もすべて自分が担当し、しばしば、スティーブが好物としている料理を作ってくれた。

スティーブは、バーバラが同じ家に住んでいても、ある種、別々の存在である雰囲気を保ち続けようとしたが、それは1週間も持たなかった。どうしても、彼女の親しげな話し掛けや、人懐っこい笑みに応じてしまうのだった。バーバラは、スティーブが保とうとする境界線を尊重し、彼が居心地が悪そうになれば、直ちに身を引いた。彼女は、時々、意図的に、しかし注意深く、スティーブが張っている境界線がどこにあるのかを試し続け、彼が拒絶する反応を示した時は、笑顔で身を引いた。スティーブは、次第に、彼が張り巡らしていた障壁を引っ込めるに任せるようになった。障壁が崩れ始めていることに彼自身、気づいていたが、それを防ごうともしなかった。

スティーブは、依然として、いくつかの場面では、バーバラが、腕を伸ばした距離より内側に来ることは避け続けていた。そこから先には寄せ付けたくないとする地点があった。特に、たとえ、彼が幸いにしてstdに感染していなかったとしても、彼女とセックスをしたいという気持ちにはならなかった。スティーブは、その気持ちが変わるかどうかも、変わるとしていつになるかも、バーバラに伝えることはなかった。


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