「お前のここに触れた男はおらぬのか?」
レオンは柔らかく問いかけながら、大柄の体を娘に傾け、覆いかぶさった。指で娘の秘密の場所を守る巻き毛を優しく撫でる。
無言のまま頭を左右に振る娘の瞳を、金色の瞳が射抜くように見つめた。娘の目は、この未知の苦しめを止めるようにと必死に懇願していた。
「お前のここに口を寄せた男はおらぬのか?」
レオンの冷酷な口が、娘の胸の震える肉肌に近づき、その先端を吸い、甘噛みした。その終わりなき責めに、娘の体は自然に反り返った。
「い、いいえ」
娘は、責めに耐え切れず、切羽詰った声で答えた。意思に反して体が勝手にレオンの口を押し返すように反り返るのに気づき、娘の目に涙が溢れた。
レオンは頭を引き、改めて、困惑した顔の娘を見下ろした。親指で、娘の足の間に潜む桃色の小塊を撫で回しながら。娘は、その禁じられた場所に、熱を持った感覚がちろちろと湧き上がってくるのを感じ、恥ずかしさのあまり溜息を漏らした。
「お前は自分でここに触れたことがないのか?」
「やめて!」
娘は息を喘ぎながら言った。レオンにあの敏感な部分をこね回されながら、両手で固く机の端を掴み、必死に耐える。
「どうなのだ?」 レオンは、なおも答えを求めた。固さを増した突起を指で弾き、いたぶる。
「いいえ! それは罪深きこと!」
娘は切羽詰って叫んだ。体が、心を裏切り、レオンの指がもたらす感覚に勝手に掻き乱されている。
「快楽に罪深きことなどないのだよ」
レオンは、そう囁きかけ、娘に覆いかぶさり、優しく娘の唇を唇で擦った。レオンの口が娘の口に被さり、優しくも力の篭ったキスを始めるとともに、娘の抵抗は途絶えてしまった。レオンの舌は、ゆっくりと、しかし容赦なく娘の口の中を動き回り、やがて娘は、レオンの舌がもたらす、未知の愛撫に親しみを感じるように変わっていた。
娘は、優しく教えるように動き回るレオンの温かな舌に圧倒され、意識がそれに集中していく。だが、突然、娘は身を凍てつかせた。繊細な愛撫を繰り返す指が、彼女の中を探り始めるのに気づいたからだった。指が、潤いを湛えた娘の入り口に円を描きつつ、ゆっくりとその中へ滑り込んでくるのを感じる。
私は夫の手を取り、ランジェリーショップに引っ張り込んだ。すぐに、可愛い顔の売り子さんが近づいてきた。
「何かお探し物でしょうか?」
「ええ。あのウィンドウにあるピーチ色のセットはどこにあるのかしら?」
彼女はにっこり微笑み、私も素敵なセットだと思っているんですよと言いながら、私たちを商品を展示してるところに連れて行った。ランジェリーセットのところに来ると、ビックは手を伸ばし、レースのブラを取り上げた。売り子の女の子が、ビックのピンクのマニキュアを塗った爪を見て驚くのが見えた。彼女は何を思っただろう?
「これ、素敵ね。ねえ、ビック? これを着けたところ見てみたいと思わない?」
そう言うと、愛らしい顔の店員さんが済まなそうに口を挟んだ。
「申し訳ございません。店の方針で、下着類に関しては試着できないのです」
「ああ、でも、私たち、絶対これを買うつもりだから。このタグを全部外して、レジに持って行ってもいいのよ」
「あ、承知しました。でしたら、お客様のサイズに合うものを探しますね。試着室は、あちらになります」 彼女は指差しながら答えた。
「サイズに合うものは自分でできるわ。ありがとう。・・・あちらのお客さんが何か困っている様子よ」 私はそう言って、向こうの方にいた女性客を指差した。
売り子の女の子がその女性客の方へ行った後、私は素早く、ビクトリアに合うと思われるサイズのアンサンブルを集めた。でも、彼には私がしていることについては知られないようにした。
「ビック、一緒に来て。似合うかどうか一緒に見ましょう」
「君に似合うのは分かっているよ。君一人で試着してもいいんじゃないかな。僕はモールをぶらついて待ってることにするよ」
「お願い、一緒に来て」 私は夫の手を取った。「あなたの意見が聞きたいから」
彼は、しぶしぶ私に同行して、狭い試着室に入った。ドアを閉め、掛け金式の鍵をかける。
私は振り返って彼と対面し、セクシーに体を摺り寄せた。
「ここ、居心地が良いと思わない?」 彼の股間に手を這わせる。
「ん、ああ・・・すごく」 そう言って、彼も股間を私の手に押し付けてきた。
私は手を上下に動かして、彼のペニスを擦りながら、セクシーにディープキスをした。彼が固くなってくるのを感じた。それから両手を彼の胸に這わせ、彼の乳首をきつくつねった。
「痛っ! そんなに強くしないでくれ」
彼は私を強く抱き寄せ、ねっとりとしたキスを返してきた。手を私の腰にあてがい、私の下腹部をぐっと引き付ける。
私は優しく彼の抱擁から逃れて言った。
「わあっ、すごい・・・興奮しすぎて自制が効かなくなってしまう前に、このランジェリーを試着してみましょう」
そう言って、私は彼のTシャツを掴み、裾から捲り上げ始めた。
「え、何をしてるんだい?」 私をやめさせようとしながら彼が言った。
「Tシャツを着たままじゃ、ブラジャーを試着できないわ。さあ、両腕を上げて」
彼は、私が意図してることを悟り、顔を赤らめた。いやいやながら、両腕を上げる。私は、Tシャツを引っ張って、彼の頭から脱がせ、ベンチの上に放り投げた。そして、可愛いピーチ色のレース・ブラを取り上げ、タグを外した。
「両腕を前に出したままにしててね」
私は彼の上に繊細な出来のブラジャーのストラップを掛け、するすると滑らせながら彼の胸に着けた。そして彼を後ろ向きにさせ、ホックを留めた。それから、もう一度、前向きにさせて、彼の胸肉を手繰り寄せてカップの中に押し込んだ。大きくはないが、ちゃんと乳房らしく見えるし、胸の谷間も出来上がった。私は、彼にも鏡に映る自分の姿が見えるように、すこし脇に避けた。彼が、可愛いブラジャーを着けた姿を目にし、目が少し輝くのが見えた。また、ビクトリアが戻ってきたと分かる。今日は最後までビクトリアでいてもらうつもり。このショッピング巡りも楽しいことになりそうに感じた。
つづく
「Everything すべて」 Everything by deirdre
私は、本当に長すぎると言える時間、トムとの結婚のことから立ち直れないでいた。長い間、私は、二人が結ばれる運命にあると信じ続けていた。トムが、ビッキーという23歳のブロンド小娘を選んだ後ですら、私は、まだ、そう信じていたのだった。
でも、トムはトムで、私から離れる理由はあったのだろうと思った。実際、私は、5年間、トムのことで悩み続けると共に、彼にチクチク文句を言うことしかしていなかったから。
妹のエイミィは、心の底ではいつも私のことを超人だと思っていたけれど、私の行動に腹を立て、ずいぶん取り乱していた。友達のニナとジムは、私が辛い期間ずっと私のそばに寄り添ってくれていて、正直、二人がいなかったら、私はあの状態から立ち直れなかったと思う。
でも、ともかく、私はようやくトムのことを最低の男だと思うようになった。そして、ニナは、私が、心を惹かれた職場の男性のことを彼女に話したとき、もうすっかり傷も癒えたわねと言ってくれた。
彼の名前はロバート。彼は一度も私をデートに誘ったりとかしていない。でも、私はすでに、彼にだけ意図的にちょっと多めに気を使うようにし始めていた。その私の気遣いから、どんな結果が出てくるか確かめているところ。彼のことを想い、どんなことが起きるか楽しみに待って、過ごしていた。
ニナとジムは、私の古くからの友達だ。実際、二人を結びつけたのは私だと感じている。ジムは、小学校のときからずっと、私の家の2軒先のところに住んでいて、私たちはいつも一緒にいて、互いに助け合ってきた間柄だ。もっとも、互いにロマンティックな興味を抱いたことはなかった。
ニナの方は、高校の時の親友。彼女は、こげ茶色の髪の毛をしてて、細身で小柄な美人で、それは昔も今も変わらない。いつも男性たちに振り返られている。ジムは、私に、ニナのことに惹かれていると告白し、ニナはどう思っていだろうるかと訊いたことがあった。私は、ニナがジムのことについて何か言うのを聞いたことがなかったけれども、ジムには、ぜひ彼女にアタックすべきよと返事した。その後、どうなったかと言うと、ご覧の通り、二人は結ばれた。それ以来、二人ともずっと私の真の友人でいてくれている。
ともかく、ニナは、私に、心の傷が癒えたわねと言った後、さらに付け加えて、こう言ったのだった。
「あなたが『完全に離婚』した状態になって、私、ものすごくワクワクしてるわ。これから、いろいろ冒険ができるわけだから」
その時、私は、ニナの使った言葉に興味を引かれたけど、何も返事をしなかった。
それから少し経ったある夜、私とニナは二人で映画を見に行って、その後、バーに寄って、お酒を飲みながら噂話をした。バーを出た後、気がつくと、ニナは車を私の家の方へは走らせていないことに気がついた。家に送ってくれているとばかり思っていたのに。それに、ニナの家の方角とも違う。
「ニナ、どこに向かっているの?」
ニナは少し笑って、すぐに分かるわと答えるだけで、その後は、それまでしていたおしゃべりの話題に戻ってしまった。私は少し気が散ってしまい、会話を上手く続けることができなかったけれど、ニナは全然気にしていないようだった。