ヘレンが私のバッグを持って戻ってきた。
「あなたが泊まる支度をしておこうと思いついたこと自体、信じられないわ。男の人で、そういうことを考える人、いないと思うし、私の知ってる女の子でも、多分、ほとんど思いつかないんじゃないかしら。でも、真面目に言って、そうするのが正解だわよね。日中着ている服のまま寝るなんてできないわけだし。そんなことしたら、次の日、絶対、人に変な目で見られちゃうもの」
「でも、私も、女の子の服を着始める前は、そういうこと考えもしなかったと思うの」 私はバッグを受け取りながら返事した。
日課のアヌス洗浄を終えた後、私はヘレンと一緒にシャワーを浴びた。ヘレンは、どうしてエネマをするのかと、私にしきりに質問した。私は、誰か私とセックスしたがる人が現れたときのために念のためにしていると答えた。思うに、その時の私の答えがヒントとなって、その夜、彼女は私のアヌスにディルドを使ったのだと思う。あそこを洗浄しておく必要性は彼女も理解したようだった。そしてヘレンは私のあそこをディルドで犯すのも楽しいと思ったようだった。
その日、夜明け近くまで、数回、私とヘレンは愛し合った。互いに抱き合いながら、午前10時ごろまで眠っていた。眠る前にもう一度二人でシャワーを浴び、起きてからも、シャワーを浴びた。
朝、私が荷物をバッグに詰めている間、ヘレンは朝食を用意してくれた。食事の席に着きながら、私は彼女に言った。
「トレーシーが、今日、あなたを家に招いてくるようにと言ってたわ」
ヘレンは怪訝そうな顔をした。「あまり、良いことと思えないわ、それ・・・」
「どうして、そう思うの?」
ヘレンは、少し考えてから答えた。「本当のところ、トレーシーは本気で言ったのではないんじゃないかと思ってるの。ただの儀礼で、そう言っただけじゃないかと」
「いや、そうじゃないと思う。事実として、トレーシーは決して嘘をつかない人なの。だから、本当にヘレンに来て欲しくなかったら、招待しなさいって私に言わないはず」 私はヘレンにトレーシーのことを誤解して欲しくなかった。
「本当に?」 私は、本当にそう、と答えようとしたけれど、その前に彼女は話しを続けた。「何と言うか、マークとトレーシーは私の世界とは違うように思うの。マークは本当に素敵な仕事仲間だし、トレーシーも、いつも私に優しくしてくれているわ。だけど、私は、あの二人のサークルには属していないと思うのよ」
「どうしてそう言えるのか分からないわ。マークたちのサークルに属していない人がいるとすれば、私が一番、そういう人物だもの。・・・ともかく、トレーシーは、本当にあなたに来て欲しくないなら、決して私に頼んだりしないのは確か。マークもトレーシーも本当に良い人よ。来ても絶対、後悔しないのは確かだから」
ヘレンはしばらく考え込んでいた。
「オーケー。分かったわ。行くわ。でも、何か嫌なことになったら、あなたのせいにするから良いわね。・・・だけど、私、どんな服を着ていくべきかしら?」
「日曜日は普通、私たちプールサイドでくつろいで、日光浴をしているの。多分、水着は必要ね。裸で日光浴をするのが良いなら別だけど」
ヘレンは、ふーんと鼻をならした。「私をかつごうとしているでしょ? 私は、あなたが着ているようなミニスカートを着ていくことにするわ。それにテニス・シューズで。万が一に備えてビキニも持っていくけど」
ヘレンが着替えている間、私はトレーシーに電話をし、ヘレンを連れて行くことを伝えた。トレーシーは、この知らせに、とても喜んでいるようで、待ち切れないので、急いで帰ってくるようにと言っていた。トレーシーは、何よりヘレンに会いたがっているという感触があった。
キンバリーはスティーブに微笑みかけ、落ち着いた声で訊いた。
「覚えている? あのバーベキューの時のこと? あなたに、バーバラよりも私の方を好きにさせるつもりよと言った時のこと?」
スティーブは覚えていた。彼とバーバラが結婚する直前の頃だった。キンバリーは、当時、まだ、おしゃべりな12歳の少女で、スティーブが到着するとすぐに、彼にぴったりくっついて離れなかったのだった。あの時、バーバラはキムのこの振る舞いに腹を立てていた。彼女の反応に驚いたスティーブは、フィアンセであるバーバラに、未来の義理の妹に対して優しく接すること以外何も考えていないと説明しなければならなかったのだった。バーバラを和らげるのにかなり時間が掛かったのを覚えている。
あの時のキムが、今は、魅力的で、快活な若い女性に変わっている。改めて彼女を見ながら、スティーブは、またも、先に感じたのと同じく、股間が反応し始めるのを感じた。バーバラは背が高いのに対して、妹のキムは155センチほどしかない。バーバラがほっそりと洗練され、しなやかな印象なのに対して、キムは野性的で、がっちりした体格の印象があった。バーバラはBカップだが、キムの胸はCカップでも窮屈そうなのは確かだった。
キムは、バーバラよりも、しっかりした体つきをしていた。大きな胸を支えるためにも、そういう体つきになるのが当然なのだろう。太もももふくらはぎも、バーバラの足よりも、肉付きがよかった。曲線美の優劣は変わらない。単にキムの体つきの方が、しっかりしているという印象だった。
キムが16歳になったときだった。太ももの太さを気にするキムに対して、スティーブは、なだめるつもりで、薄着になるほど、素敵に見えるよと言ったのだった。実際、ショートパンツやビキニの格好になると、キンバリーは、ハッと息を飲むような魅力的な若い娘に見えた。頭からつま先まで、すっぽり衣類に包まれていると、実際の姿よりも、ずっと太って見える印象があった。
あの、キムが16歳になった時のようなことは、繰り返さないようにしようとスティーブは思っていた。その日の午後、キムは体の内側から発せられる熱で輝き、火照っている様子で、その日が暮れるまでずっとスティーブのそばにくっついていた。その次にスティーブがバーバラの家を訪れた時も、キムは同じことをした。スティーブは、キムの気持ちに水をさそうと試みた。バーバラたちに間違った意味に取られたくなかったからだ。不安定な10代の若者を元気付かせ、安心させることしか思っていなかった。
「ああ、覚えているよ」 しばらく間を置いて、ようやくスティーブは返事した。緊張してきているのを隠すために、微笑を見せて話した。「君は、元気な幼い12歳の女の子で、辺りにいる大人には、あたり構わず生意気な口を叩いていたし、年頃の男の子には、あたり構わず色目を使っていたね」
キムは、顔をしかめ、スティーブに舌を突き出して見せ、スティーブは、それを見て嬉しそうに笑った。ふと、スティーブは、こんなに声に出して笑うことは、ずいぶんなかったなあと思った。キムが、カウチの上、自分の隣のところを軽く叩いてみせた時、スティーブは、自分がそれまでずっと立ったまま、キムのことを見ていたのに気が付いた。スティーブはゆっくりカウチに近づき、キムに引き寄せられるのに任せて、彼女の隣に腰を降ろした。