ある金曜日の午後だった。授業が終わった時、マイケルズ先生は教室の出口で私を呼び止めたのだった。
「ちょっとだけ研究室に来てくれない?」
何の用事だろうと思いながら、先生の後について、別の研究棟へ歩いた。そこには心理学の実験室がある。
照明を灯しながら、いくつか部屋を通り抜け、最後に、ある部屋に来て先生は立ち止まった。
「こっちに来て」
そう言われ、私は先生が立っているところに近寄った。すると先生は私の腕を取った。そして、気がついたときには、私は、手首に手錠を嵌められていたのだった!! 片手がパイプにつながれている。
「先生!」 私は、ショックのあまり、どう考えて良いか分からなかった。
「君に見せたいものがあるのよ」
先生は、そう言って、床の上に広げられていた毛布を取り上げた。
女の人が3人、転がっていた。全員、縛られて、猿轡をされている!
「先生、何をしてるんです?!」 私は、助けを求めて叫び声を上げようとしていた。
「ここの部屋は、防音になっているの。だから叫んでも無駄よ。これから私が言うことをおとなしく聞きなさい!」
「な、何をするんですか?」
私は、叫ぶの諦め、しぶしぶ、問いかけてみた。
「言ったでしょ! 黙って聞きなさいと!」
私は、口を閉ざした。マイケルズ先生は気が狂ったに違いない。どうやったら、ここから逃れられるだろう? これから何が始まるの?
「君にチアリーダをあげようと思っているの」
「何を?」
「君のチアリーダよ。君が熱をあげているチアリーダ。彼女、君のものになるわ」
「マイケルズ先生、お願いです、私をここから出して・・・」
「最後まで聞きなさい!! 君の好きなチアリーダをここに連れてきてるわ」
先生は床に転がる3人を指差した。
「ブルネットの髪の色をしてる娘を全員、連れてきたから、この中の一人が、君の好きな娘のはずね。これから、その娘に君のことが欲しくなるようにさせるつもり」
「先生、お願い!」
「まだ、話しを聞こうとしてないようね!」
先生は、少し、苛立ったような声になった。
「彼女が君のものになるのよ。君が望むことを何でもするようになる。その代わり、私は一つだけ望むことしてもらうけど」
「お願い! 私を離して!」
怖くなった私は叫び声を上げた。すると、先生が近づいてきて、私の頬を平手打ちした。私はびっくりして先生を見つめた。
パート2:ディアドラの話
とうとう、やったわ。ずいぶん久しぶりに、私は男性に対して自分を解放することができた。いや、ひょっとすると、生まれて初めてかもしれない。もちろん、頻繁にではないけど、これまでセックスをした経験はある。相手の数も数名。私は、うぶな娘ではない。
それでも、生まれて初めて、というのが正直な感想だった。舞踏会にデビューしたての生娘のような感覚。完全に男性に影響を受けやすい危険な状態。それと同時に、完全に受け入れて欲しいと待っている状態。でも、それは、そもそも、どういう意味だろう? そう、誘惑に負けやすい状態というのが合っているかもしれない。とても、とても、負けやすい状態。
これで、私は死んでしまうかもしれない。私は、この素敵な若者と、この種のリスクを犯しても大丈夫なの? でも、彼は信頼できる。とても良い人だから。心の奥から良い人だから。だけど、これは何? 強力すぎる肉欲を経験しているところなの? それとも、もっと何か大きなものが隠れているの? そもそも、肉体的な欲望というのは、現実的な価値に基づいてるものなの? 私は彼に本当に惹かれていると言えるの? そんなこと、分かりっこない。
どうしても、妹のドニーに相談しなくちゃいけない。彼女なら私の感情を明確にするのを助けてくれるはず。いま、ここにドニーがいてくれたら。彼女なら、何をすべきか、どう反応すべきか知っているはず。
私は、前から、大きな決断は妹の手助けなしでしたことがない。それが変なことだというのは分かっているけど、私と妹はそれだけ親密なのだ。私が知ってる、どの姉妹より、親密な関係。私たちは、一つの鞘に納まった2個の豆のようなもの。ドニーなら、アンドリューを見て、どこからどこまでが肉体的な欲望で、どこから精神的に惹かれている部分なのか、言い当てることができるのじゃないかしら。
アンドリューは私に愛の行為をした。私は、下品な言葉で叫んだりすることはほとんどない。ママやパパが、私がアンドリューに言った言葉を聞いたら、死んでしまうかもしれない。これまでの人生で、「ファック」といった言葉を使ったことは、10回もないのではないかと思う。なのに、今の私は、「ファック」と言う言葉のことばかり考えいているのだ。と言うのも、うまく言い表せる言葉がそれしかないから。確かに、アンドリューは私を愛してくれたけど、最初の時は、文字通り、彼は私にファックしたとしか言えない。あれは、決して愛の行為などとは呼べないものだった。純粋にファックそのもの。あんなに完膚なきまでファックされたことは、これまで一度もなかった。
私は、4年近く、セックス相手なしで生きてきた。多分、そのせいで、いくらか性欲が募っていて、それが解放されるのを待ち構えていたのかもしれない。アンドリューが、その積もりつもったものをすべて解放してくれた。アンドリューが私の中に引き起こした欲望の大きさと言ったらなかった。あれを超える欲望を持ったら、私はまったく手に負えなくなることだろう。
そして、あの、素敵な、ケダモノのようなファックが終わった(申し訳ないけど、他の言い方が思いつかない)。私は抱きとめられるのを待っていた。そして、アンドリューは私の腕の中に入ってきて、二人はキスをした。ロマンティックな、心のこもったキス。感謝と約束を表わすキスである。たった今、互いに相手に与え合ったものに対する感謝を表わすキスであり、そして、これから訪れるはずのものを約束するキスでもある。