「できないよ。理由は2つ。第一に、一日中、勃起させたままじゃ、仕事にならない。第二に、誰かに見つかってしまったら、厄介なことになってしまう」
「勃起の方は2、3分で収まるんじゃない? それに誰もパンティ・ラインには気づかないわ。ビキニのブリーフを履いている男性もたくさんいるし。それに・・・」 妻は、パンティに包まれた僕の勃起をセクシーに擦り始めた。 「それに、そのまま履いていってくれたら、あなたが家に帰ってきたとき、それに見合ったことをしてあげるから」
「本当に、僕に女の子の服装をさせることにハマッてるんだね? 違うかい?」
「うふふ。分からないわ。半分くらい、かな。・・・さあ、もう仕事に行ったほうがいいわね」
職場では一日中、勃起が続いていた。股間に擦れるシルク・パンティの肌触りのせいだった。それに、一度、ファイルを取り出すために屈みこんだとき、僕の秘書が小さく咳払いするのを聞いた。元に立ち上がって彼女を見たら、彼女は僕のお尻のところを見ていた。彼女はとても美人である。その時も、僕はペニスが固くなり始めるのを感じたし、彼女がかすかに笑みを浮かべたのを見て、顔に血が登ってくるのを感じた。僕はぶつぶつ何事か呟いて、ファイルの引き出しを蹴っ飛ばして閉め、自分のオフィスに戻った。彼女が僕のオフィスに入ってきたときには、僕は狼狽しながらただ座っているだけだった。
「そろそろ、退社しようと思うのですが、帰る前に、何か仕事がありますでしょうか?」 また彼女がかすかに微笑んだような気がした。
「いや。僕ももうすぐ帰ろうと思っていたところだ」できるだけ普通に振舞おうと必死だった。もっとも彼女がこのようなことを訊くこと自体、普通はなかったことだった。
「本当ですか?」 また、笑みをほのめかす。
「ああ。大丈夫だ。良い夕べを!」
「ええ、ビックさんも、面白い夕べを!」 彼女はそう言ってオフィスから出て行った。
彼女が出て行った後になって、初めて、彼女が「良い夕べ」と言わずに「面白い夕べ」と言ったことに気がついた。そのほのめかしにまたも顔が赤くなった。彼女は僕が着ている下着に気がついた可能性が高いのだ、そんな僕のことをダシにして少し面白がって見ていたに違いないと思った。まあいいさ。ただのジョークだと言えばいいのだから。それに、あれだけの美人の彼女だから、多少からかわれても僕には気にならなかった。彼女がああいった笑みを僕に見せるのは、今日が初めてだったわけでもないし、おそらく、これからも何回かあるだろう。家に向けて車を走らせながら、僕は胸騒ぎがやまなかった。妻は、一体どんなことを考えているんだろう。「見合ったことをしてあげるから」と言っていた妻の言葉を思い返していた。
彼女の側から
シャワーを浴びながら、私は、昨夜の私たちのプレーについて思い返していた。2人の性生活をもっと豊かなものに変えることができるかもしれない。その可能性に思いを馳せていた。これまで、私たち夫婦は、それぞれの役割に関してかなり伝統的な考え方に則って振舞ってきたし、それでいつも2人とも互いに楽しんできた。セックスは、とても素晴らしいときもあれば、かなりありきたりで習慣的なもので終わるときもあった。だが、昨夜のセックスは、これまでのとは違うものだったのは確かだった。私たち夫婦が、あのように、普通のことから外れたことを試してみたのは、昨夜が初めてだったのである。それに、私はとても刺激的だと感じたし、彼もそう感じたのは間違いないと思う。
シャワーから出て体の濡れを拭き取った。脚をタオルで拭きながら、あそこが疼くのを感じた。それからピンクのパンティを履いた。朝、夫に履かせたのとよく似たパンティ。夫には、あのパンティは、かなりきついと分かっている。だから、かなりの可能性で、日中、かなり頻繁に夫はパンティを履いていることを自覚せずにはいられないはず。日中、夫にパンティを履かせるという考えは、昨日の夜、私たちの愛の営みのことを熟考して思いついたことだった。良いアイデアだと思った。あの下着は、一日中、夫を性的に興奮させ続けるし、彼は私のことを思い続けることになるはずだから。
私がそれを言うとただちに、彼女は車を近く家の玄関前の通路に入れた。あまりにも突然のことで、私は驚いて呆気に取られていた。まだ私たちの家には遠い。彼女はちらっと私を見たが、私には彼女の表情が見えなかった。
「じゃあ、あなた、スパンキングに興味があるわけね?」
そう訊かれても私はどう答えてよいか分からず、じっとしているままだった。自分でも自分が何を期待しているか分からなかったが、ベスが、その類のことをすることは期待していなかったのは確かだ。彼女は車をバックさせ、玄関前の通路から出し、今まで来た道を戻り始めた。
もはや帰宅の道ではなった。
「どこに行くの?」
思い切って訊いてみた。彼女は返事をしなかった。ただ運転を続けている。
とうとう彼女はある家の前の通路に車を入れた。私にはそこがどこか分からなかった。その家には明かりがついていた。ベスは車から降り、私についてくるように言った。私は、依然として何が起きてるのか分からず、ただ彼女の後についていくだけだった。多少、呆然とした意識のままで。
彼女は玄関のベルを鳴らした。ドアが開き、女性が顔を出した・・・多分、40歳かそこら辺りだと思う。その女性は、「またか」とでも言いたげな顔をした。私たちを一瞥し、後ろを向いて、「ジェフリー!」 と名前を呼んだ。その後、彼女は玄関先に立ったまま。やがて男の人が出てきた。
彼は、ブロンドがかったもじゃもじゃの髪をしていて、若そうな人に見えた・・・大学1年生か2年生くらいに思ったと思う。とても顔立ちが良い。かなりラフな服装をしていた。そして私たちを見う。
「ああ、ハイ!」
ベスが家の中に入り、私もその後に続いた。先の女性はリビングに戻って行った。私たちは廊下を進んでいたが、リビングの前を通りかかったとき、私はちょっと中を覗いて見た。彼女は、高校生くらいの女の子と一緒にテレビを見ていた。
私たちはジェフリーの後に続いて廊下を進み、それから階段を降りて、地下室に入った。彼に導かれて広い地下室の中をさらに進んでいく。すると奥にドアがあって、その先に小さな部屋があった。ソファのように作られたベッドがあった・・・その部屋は小さな寝室のように見えた。誰かがそこで暮らすため、あるいは多分、客用の部屋として使われているのではないかと思った。ジェフリーは振り返って、椅子の端に腰を降ろし、私を見上げた。