ディナー・テーブルをセットした後、私はトレーシーを探した。彼女は、マークの書斎で何か書類を読んでいた。トレーシーは私を見ると、にっこり微笑み、手を差し伸べて、私もデスクのところに来るよう招いた。
トレーシーのそばに寄ると、彼女は私を引き寄せ、膝の上に座らせた。
「この服装、素敵よ。良いチョイスだわ。あなたには服があまりないのは分かってるの。少ないながらも、上手に選んできたじゃない?」
「ありがとうございます。喜んでもらえたらと期待していたんです」
「とても嬉しいわ」
トレーシーはそう言って私にキスをした。
キスが終わり、私は要件を伝えた。
「ミス・トレーシー? あなたがオーケーを出してくれたらの話なのですが、マリアが、金曜日に予定されている彼女のお医者様との面会に私も一緒に行って構わないと行ってくれたんですが」
「もちろんオーケーよ。でも、何か体の具合が悪いわけじゃないんでしょ?」
「いいえ、具合が悪いわけではないんです。そのお医者さんは、マリアが、整形で通っているお医者さんなんです。私も、それを始めたいと思って」
トレーシーは再び私にキスをした。
「それをしなくちゃいけないわけじゃないことは分かっているわね? マークや私が、あなたにそれを強制しているなんて思って欲しくないの」
「分かっています。私自身が、したいと思っているんです」
トレーシーは私を抱きしめた。
「あなたがちゃんと最初から最後まで考え抜いたかどうか、まだ不安だわ。金曜には、ぜひ、そのお医者様に面会すべきだと思う。でも、もう2ヶ月くらいは、大きな整形は控えるべきだと思うわ。そのお医者様がホルモンを処方なさったら、それを服用するのは構わないけど、まだしばらくは手術をすべきじゃないと思うわ。それに、支援グループに加わるべきだとも思うの。あなたと同じことをしようと思っている若い人たちのための支援グループ。これだけは覚えておいて。ある人には正しいと思えることでも、別の人には正しい判断ではないことがあるのよ」
トレーシーが言ってることは多分正しいことなのだろうとは思ったが、それでも私は、がっかりした気持ちを隠すことができなかった。
「それがベストだとお考えなら、そうします。でも、おへそのリングはどう思いますか? 私が、ひとつ、つけてみても大丈夫だと思いますか?」
トレーシーの返事の声には、私の質問を何か面白く感じているような調子があった。
「ええ、もちろん大丈夫よ。第一、気に入らなかったらいつでも外せるでしょう? それに、もうそろそろ、そのピアスピンの替わりに、普通のイアリングにしても良さそうに思うわ。もうすでに、穴のところは充分、癒えてるはずだから」
トレーシーは私を寝室に連れて行った。そこでダイヤのピアスピンを外し中サイズのイアリングをつけてくれた。それから練習用の金のピアスピンを外し、そこにダイアのピアスピンを替わりにつけてくれた。
鏡を見て、驚いた。新しいイアリングのおかげで、自分の顔が、ずっと年上に、ずっと女性的に変わっていたからだった。トレーシーも私の変化に気づいたようだった。
「この方が、ずっといいわね。さあ、そろそろ玄関に行きましょう。マークがそろそろ帰ってくる頃よ。玄関先で出迎えましょうよ」
私たちが玄関に行くのと、ほぼ同じくして、マークが入ってきた。マークは私の唇に軽くキスをし、次にトレーシーの方を向いた。2人は2分ほど熱っぽくキスをしていた。私は夕食の準備を確かめるため、その場を離れた。
キッチンに行くと、マリアは夕食の料理の最後の仕上げをしているところだった。私を見て訊く。
「それで? トレーシーは大丈夫だって?」
「ええ。でも、2ヶ月ほどは、大きな変身はしない方が良いと言われました」
私は、がっかりしている気持ちが伝わるような声の調子で答えた。
マリアはくすくす笑った。
「お医者さんもきっと同じことを言ったと思うわ。女の先生なんだけど、彼女はゆっくり進めるのが好きなの。さあ、それじゃあ、食事をテーブルに並べるのを手伝ってちょうだい。すぐにマークが帰ってくるはずだから」
「もう遅いですよ。マークはもう帰宅してます」
「ああ、良かった。だったら、彼が食卓につくときには、温かい状態で出せるわ」
マリアと一緒にダイニング・ルームに食事を運び始めたとちょうど同じく、トレーシーとマークが入ってきた。トレーシーとマークはテーブルの両サイドに、私とマリアはそれと直交する両サイドに、それぞれ向かい合って座った。
マークは自分の皿に料理が盛られたのを見計らって、マリアに訊いた。
「それで? マリア。どういうわけで、君と一緒に食事ができるという嬉しい事態になったのかな? 僕には、ブライアンと別れたと言ってくれていないよね?」
マリアは、マークがブライアンを嫌っていることを知っていたためか、微笑みながら答えた。
「実は、その通り、別れたんです。それで、もし、気に障らなかったらのことですが、どこか新しい住処が見つかるまで、ここに何週間か私を置いていただければと思ってるんです」
「君はいつでもこの家を自分の家と言ってよいのは分かってるはずだよ。好きなだけ、ここにいなさい。家賃もタダなのだから、当然、お金など気にせずに」
マリアは優しい笑みを浮かべた。
「ありがとうございます。私が落ちそうになると、いつもあなたとトレーシーが私を受け止めてくれると頼れて、いつも助かります」
マークは、そんなこと何でもないと言わんばかりに手を振って見せ、食事を始めた。
続く2日ほどは、大人たちの振り付け演出に従った行動。あれだよ、近所のお宅を訪問したり、町に車で出かけたりといった類のこと。アネットと一緒になることは、ほとんどなかった。車で出かける時、僕たちがバック・シートに座ったというのはあったけど。確かに、彼女と2人でバックシートに座るってのは、たまに楽しいことがあるのは事実だよ。でもね、前の席に、キビシイ両親が座っていたら、全然だめ。そういう楽しいことなんてありえない。
で、残り3日となったとき、とうとう僕とアネットは、親たちに頼み込んで、親たちと別行動を取ることにしたんだ。アネットは、採石場に僕を連れて行ってくれると約束してた。そこに泳げる場所があるらしい。でも、そのことは、親たちには内緒にするようにと。彼女は、そのことを僕に言った時、ウインクをして見せたが、それ以上は何も説明しなかった。何があるのか、僕には全然、分からなかった。
アネットと2人で、彼女の両親のプリムス(
参考)に乗り込み、スピードを上げて走り出した(彼女は仮免許を取得していたので大丈夫)。僕は水着をタオルに丸めて持ってきていた。それに日焼けクリームに、ジョー・クール・サングラス(
参考)も。20分ほど車を走らせた後、彼女はハイウェーから降り、舗装されていない道に入った。わだちがついた道をさらに5分か6分ほど走ると、急に開けた場所に出た。そこには窒息しそうなほど車がいっぱい停まっていた。いや、窒息しそうなほどと言うのは言いすぎかもしれないが、20から30台はあって、道脇とか、木々の陰とかに乱雑に停まっていて、ともかく、それぞれ都合が良い場所に勝手に乗り捨てられていたというのが一般的な印象だった。
車から降り、ドアをバタンと閉めながら僕はアネットに言った。
「ここで着替えたほうがいいのかな?」
「いや、上に着替えるところがあるから」
そう言って、小道を指差した。その小道はこんもり茂った木々の先に通じている。
「こんな採石場の廃墟にロッカー完備の更衣室とかあるの?」 馬鹿な質問とは分かっていたけど、僕はニュー・ジャージー育ちなわけで、田舎の事情は、何にも知らないのは当然なのだよ。
「まあ、厳密に言って、違うけど」
彼女はそれしか言わず、すでに小道を進んでいく。彼女自身の丸めたタオルを手に、僕についてくるよう手で合図していた。僕たちは、砕けた石がゴロゴロ転がっている道を数分ほど歩いた。足首をひねりそうになったことが、一度ならずあった。僕は都会っ子だから、こういう山歩きには慣れてないんだよ。
「もうすぐよ」
かなり巨大な岩の間を通り抜けるようにして角を曲がると、目の前に小さな浜辺が現れた。30人から40人くらいの人が、タオルの上に横になったり、腰掛けたりしていた。瞬間は分からなかったが、よく見ると、その誰もが、何も着ていなかった。
「水着なし! ここではみんなそうするの。さあ、さあ、急いで!」
「・・・はい・・・ここにいます」 囁くような小さい声で返事があった。「すみません、カーチスさん。私も、ここ何ヶ月か疑っていたんです・・・でも、辛いものですね・・・もはや無視できないこととはっきりしてしまうと」
その後、短い沈黙の時間が流れた。
スティーブは、何か言葉をかけるべきかどうか分からなかった。言葉をかけたいとは思ったが、どんな言葉をかけても、エレーン・ポーターの気持ちを鎮めるのに役に立たないように思えた。
「カーチスさん?」 ほんの少しだけ声に力が戻ってきているように聞えた。少しだけ、声に弾みがついている。
「はい、奥さん?」
「ビデオはどうなのかしら? ビデオがあるととおっしゃったでしょう?」
「ええ、えっと・・・大体10分くらいの、公園でのことを撮ったのがあります」
「それを見ることはできないかしら?」 落ち着いた声だった。
「もちろん、いいですよ。・・・その・・・今夜、ですか?」 スティーブは躊躇いがちに訊いた。
「いえ・・・何も、ぜひ今夜というわけではないんですが・・・厚かましく要求してると思われたくないので・・・」
「あ、いや・・・別に、そういうつもりで言ったんではないんです。ただ、私が奥さんの心情を理解しているということだけは伝えたくて・・・。私たちは・・・なんと言うか・・・真っ暗な部屋でお互いがどこにいるか手を出して探り合っているようなものだと思うんです。お互いのことをまだよく知らない。それに私は、今回のメールであなたの心を傷つけてしまっている。私は、もうこれ以上、悪い状態にしたくないんです。・・・どう言って良いか良く分からないのですが・・・こういうことを経験したことがなかったし・・・」
少し間があった後、エレーンが返事した。
「それは良いんです、カーチスさん。私も同じように感じているのです。主人が、カーチスさんのご夫婦にしてしまったこと、本当にお恥ずかしいですわ。私も何と言って良いか分からないんです・・・」
「でも、ひとつには、ご主人も私の妻も、すでに立派な大人だということがあると思います・・・お年寄りたちがよく言うように、一人ではタンゴは踊れないと言うじゃないですか。私たち夫婦に対して、関係を害することを行ったのは、私の妻なんです。だから、奥さんは、何も恥ずかしく感ずる必要はないんです。奥さんが悪いんではないんですから、ポーター夫人」
「・・・エレーンと呼んでください」 彼女の声は、前に比べ、より落ち着きが出てきていた。
「分かりました・・・エレーン・・・私もその方が気が楽です。私のこともスティーブで。いいですね?」
2人はその後も2分ほど会話を続けた。2人が知っている場所で、落ち着いて話しができるような場所がないだろうかと言う話題が主だった。結局、2人とも知っている小さなキャフェに話がまとまった。その場所なら、共に気兼ねなく話し合いができそうだった。
2人とも急いで夕食をとった後、実際に面会した。そのキャフェでは、翌日の早朝、深夜営業のクラブが終った後の時間帯までは、客が少ない。2人はたっぷり時間をかけて話し合えたし、スティーブもビデオを見せることができた。ビデオはまだカメラの中に入ったままだった。早くこの画像をDVDに変換できる人を探さなければと、スティーブは改めて感じた。
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その男が射精を終えると、ブレンダは、顔を引き、肉棒を口から出した。コンドームは口の中に留まったまま、急速に軟化しているペニスだけが外に飛び出した。ブレンダは、口の中からコンドームを取り出し、僕にはまったく理解できない事を行った。そのコンドームを逆さにして、中に溜まっているものを口の中に流し込んだのである。まるで貴重な栄養物を補給しているような振る舞いだった。
彼女の下半身の方を犯していた若者は、この妻の淫猥な行為を見て、もはや我慢しきれなくなったようだ。強力なとどめの一突きを送り込んだ後、射精を始める。その後も同じようなシーンが繰り返された。射精を終えた男がブレンダから体を離す。すると、彼女の膣肉にきつく締め付けられていたからか、男のペニスだけが外に出て、コンドームは中に納まったままになった。ブレンダは、股間に手を伸ばし、使い古しになったゴムを取り出し、先に行ったときと同じように、中に溜まっているものを飲み下した。
この男たちが若かったことは、幸いと言えた。妻の女陰を犯していた男がことを終える頃には、初めの男は、新たに勃起を示しており、すでに新しいコンドームを装着して、準備が整っていたのである。ブレンダは、その息を吹き返したペニスに、素早く飛びかかり、若者にのしかかった。彼女の飢えた女陰が、若者のペニスをむさぼっていくのが見えた。
ブレンダは、セックスにおいて、彼女がいかに高い運動能力を持っているかを僕とアンソニーに見せつけ始めた。若者の上にのしかかった妻は、早速、激しく動き始めたのだが、その姿はまさに狂った女そのものだった。腰が前後に激しく動く。しかも力強く。この強烈な動きと、彼女の元来きつ過ぎるほどの膣肉の締め付けにより、哀れな若者は、今にもペニスが引きちぎられそうに、いたぶられていた。激しい責めに、若者は弱々しいよがり声を上げていた。その声は、ブレンダの声より大きい。
この攻撃に若者は長く耐えることはできなかった。たった3分ほどで、彼は2発目を発射してしまったのだった。射精が終わったと感じたブレンダは、素早く若者から降りた。ただし戦利品としてコンドームは奪って、体を離す。若者は、あわててベッドから降り、這うようにして部屋の隅に行き、身を縮めた。ブレンダは、いつも通りにコンドームの中身を飲み下し、2番目の若者に目を向けた。彼はすでに再び勃起をしていたしコンドームを装着していたが、どこかしら、躊躇している様子だった。ブレンダは四つんばいになりながら彼の元に近づき、コンドームを引っ張り、ペニスから外した。
「ねぇ、お尻にしてくれる?」