あのクラブ、今夜はどんな様子なのだろう。それに、グラフ先生が俺の計画に乗ってくるだろうか。
そんなことを考えながら自転車をこぎ、シーサイド・ダイナーの裏手に来た。自転車をフェンスに立てかけ、クラブの入口になっている薄暗い灯りがついたドアに向かった。外からは内部の様子などまったく分からない。薄暗く、ただ車が何台も並んでいるだけ。誰もいない。
IDカードを差し込むとブザーが鳴った。ドアの冷たい金属性のドアノブに手をかけた。ノブは回り、ドアが開いた。
中も薄暗く、もうひとつドアがあった。そのドアに行き、ノックをした。すぐにドアが開き、中からとてつもなくデカイ男が出てきた。まるで牡牛だ。男は俺のIDカードを受け取り、俺の顔とカードをまじまじと見比べた。俺がごまかしをしようとしてると思ってるのか。だが、ようやく男はカードを戻し、手を差し伸べた。
「ようこそ。俺はテッドだ」
俺は男と握手をし、「ジャスティンだ」と名乗った。
「そこの階段を下りていくといい」とテッドはらせん階段を指差した。
らせん階段に通じてる廊下は寒々とし、何本かのろうそくで灯りがともされていた。床には柔らかなカーペットが敷いてあったが、灯りが乏しいので、それが清潔だったかどうかは分からない。らせん階段のところに着くと、下からズンズンと響く音が聞こえてきた。それに、何やらいかがわしい声も。俺は心臓をどきどきさせながら階段を降りて行った。間違いない、女が激しく犯されている声だ。ますます大きくなってくる。
階段を降りると小さな踊り場があり、その向こうに二重ドアがあった。そのドアを押し開けたら、あっという間にクラブ・カフスに入っていた。
エロティックな音楽、それに人々がセックスをしている音。俺は突っ立ったままクラブの中を見回した。
かなり多くの人がいて、ほとんどすべてのテーブルに人が集っていた。俺はゆっくりとテーブルへと歩いた。ほとんど全員が素っ裸か、素っ裸になる途中のようだった。バーのところにいるバーテンの女もトップレスだった。バーカウンタに座ってる客は全員、男で、あのバーテン女は男たちの人気者らしい。
俺はケイトのオフィスに通じる階段の方向へ歩いた。ステージの近くに開いてるテーブルがあったので、そこに向かうことにした。歩くにしても、なかなか難しい。というのも、どのテーブルにも鎖や手錠がぶら下がっていて歩くのの邪魔になるからだ。
途中、あるカップルの横を過ぎたのだが、その男女に俺は目を奪われた。その男は、相手の女の両手首を床に拘束し、さらに両足首をテーブルの上の拘束具につけていた。女が逆さにされ、局部をテーブルの上に乗せている格好だ。男は女の陰部を舐めながらショーを見ていた。
ステージに目を向け、ショーを見たが、これにもびっくりした。ステージには男二人と女が一人いた。赤毛の女は小さなスツールに座り、両手首に手錠をかけられ、万歳をする格好にされている。スツールに座ってると言っても、ほとんど仰向けになっているような姿勢だ。その女の口に一人の男がペニスを突っ込み、もう一人の男は狂人のように女の股間にピストンを繰り返していた。男のピストンを受けて、女の足はがくがく揺れ続け、やがて、履いてたスティレット・ヒール(
参考)が片方、脱げてしまった。
俺はこの雰囲気にすっかり興奮していた。勃起がズボンを中から破り出てきそうな勢いだった。
どういうわけか何か気になって、俺は右側を振り向いた。そこには若い女がいて、俺の方向へ歩いてくる。黒いミニスカートのドレスを着てハイヒールを履いていた。細いスパゲッティ・ストラップ(
参考)がかろうじてトップを支えている。胸は他の女たちより小さめだが、乳首が固くなっているのがドレスの上からも歴然としていた。
彼女は俺のテーブルの横を通り過ぎたが、通る時、俺をちらりと見て、にっこり微笑んでいた。髪の毛はショートで茶髪、後ろにひっつめにしてポニーテールを2つ揺らしてた。まるで女子高生のようなヘアスタイルだった。彼女はバーへと歩きカウンターについたが、俺はその女っぽい後姿を堪能した。