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ライジング・サン&モーニング・カーム 第1章 (4) 

実際、ジウンは、この見知らぬ男と寝床を共にするかどうか考えるとは我がことながら信じられない気持だった。だが、この男の振舞いには、どこか誠実なところがあり、ジウンは、男が彼女の名誉に危険をもたらすようなことは決してしないと言った時、その言葉を信ずることにしたのだった。

ジウンは、改めて警戒した一瞥をノボルに向け、その後、掛け布の上に身体を横たえ、壁を向いた。ノボルが隣に横になると、彼女はろうそくの灯りを吹き消した。

部屋は、入り口の戸の隙間から差し込む月光で満たされた。ノボルの隣に横たわることだけでも、いかに多くのたしなみに違反してしまうことか。ジウンは、それをあえて考えまいとした。だが、それでも、隣り合って横になっていることだけでも、ジウンは落ち着かない気持ちになってしまうのであった。

ノボルは彼女が居心地悪そうにしているのをはっきり察知していた。彼女がしきりともじもじと動き続けていたからだ。たまりかねたノボルはイライラした溜息を吐き、その動きを止めなさいと言うように、彼女の腕をぎゅっと握った。だが、彼女の腕に触れたとたん、ジウンが身を強張らせるのに気づき、素早く手をひっこめた。ジウンが肩越しに振り向いて怒った顔を見せた。

ノボルは両手の手のひらを宙に向けて広げて見せ、何の意図も持っていないことを示した。そして、彼女の顔の表情が和らぐのを見てほっとしたのだった。

その様子にはどこか面白いところがあったに違いなく、ジウンはクスクス笑い出し、それを見て、ノボルも意に反して微笑んでいた。そして、間もなく、二人とも声に出して笑いだしていた。ふたりとも笑いを止められなくなっているようだった。

ようやく二人とも落ち着いた後、ノボルはジウンの顔を見て言った。

「ジウン…」

ジウンも微笑みながら彼の名を呼んだ。「…ノボル」

「ジウン」

「ノボル」

ノボルにとって、まったく見知らぬ者であるのに、もっと言えば、言葉も分からぬ者であるのに、こんなに親密になるとは、実に奇妙なことだった。だが、二人で名前を呼び合うことで、状況の奇妙さが、若干、薄らいだような気がしていた。何よりノボルにとって不思議な気がしたのは、この女性といると、実に心が休まる思いがしていたことだった。このジウンという娘も似たような感情を味わっていたに違いない。というのも、額にかかった髪の毛を優しく払いのけた時も、彼女は嫌がる素振りを見せなかったのだから。

「ジウン…」

今回は、名前を呼ぶノボルの声は以前とは違っていた。それに彼女を見つめる顔の表情も。

ジウンはノボルに見つめられ、顔をほんのり赤らめた。そして恥ずかしそうに「ノボル…」と呼び返したのだった。

ノボル自身、自分が何をしたのか分からなかったが、気がつくと彼女の方に身体を寄せ、優しく唇を重ねていたのだった。自らの行為に驚いたノボルだったが、それはジウンにとってもほとんど同じだっただろう。ノボルはジウンが身を強張らせるのを感じたが、それでも彼女は避けようとはしなかった。ジウンは海のような香りがした。清らかで塩分を含んだ香り。

一度、唇を離した後、彼は再びキスを始めた。そして、ジウンが彼の求めに、ためらいつつも、返してくるのを感じた。それに勇気づけられ、ノボルは手を彼女の後ろ首にかかる髪に滑り込ませ、強く抱き寄せた。ジウンは小さな悲鳴を上げた。熱く固いものが身体に押し当てられるのを感じたからだった。

私は言葉すら分からぬ男と寝床を一緒にしている…。それに愚かしいほど淫らな気持ちにもなっている…。ジウンは不思議に第三者的に自分の状況を見ていた。すべてがとても現実離れしているのに、どういうわけか、この自分が助けた男に心を惹かれている。そして、キスをされ、手で身体を探られるのを許している…。

再び好奇心が勝ってきたジウンは、彼女自身の手がノボルの脚の間へと滑り入るのを止めなかった。そして、彼の一物に指を絡め、優しく握った。ノボルは小さなうめき声をあげ、彼女の行為に感謝の意を伝えた。

ノボルは夢中になりながら、ジウンの半丈の寝巻の帯を解き、彼女の胸を露わにさせた。ジウンは本能的に胸を隠そうとしたが、彼はそれを押しとどめ、引き続き彼女の寝巻を脱がし続け、とうとう彼女を素裸にした。

ノボルはジウンの意思を無視して身体を奪うことは決して望んでおらず、問いかけるような顔をして彼女の瞳を見つめ、無言ながらも、彼女の許しを求めた。そしてジウンも無言のまま、小さく頷いたのだった。

ノボルは自らの衣類を脱ぎ捨て、彼女に覆いかぶさり、キスを続けた。そして、ジウンが喜びの声を上げるのを聞き、あの部分がいっそう固さを増すのを感じた。

胸に唇を這わせ、さらに腹部を下へと舐め降りて行きながら、彼女の脚を広げ、その付け根に溜まっていた彼女の興奮の証を舐め取り始めた。

ジウンは、ノボルの舌があそこに来たのを感じたとたん、背中を反らせ、身体の下に敷いてある毛布を握りしめた。ノボルは両腕を蛇のようにジウンの腰の下へと滑り込ませ、彼女を顔に引き寄せ、その艶やかな肉壺を唇で覆った。その蜜のような味に頭の中が朦朧としてくるのを感じた。後頭部に彼女の両手の指があてられているのを感じた。自分の身体へ押さえつけている。それを受けつつ、ノボルは舌でジウンの身体を探り続けた。そして、やがて彼女が身体を震わせ、最後には絶頂に達し、身体全体を痙攣させるのを感じたのだった。


[2012/01/11] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)