「指でやって」とおねだりした次の瞬間、アンジーの指が第一関節までアヌスに滑り込んできた。彼女は何かローションを使っていたと思う。ぬるっとした感じだったし、簡単に中に入ってきたから。でも、ローションのことを考えている余裕などなかった。彼女は早速、指を出し入れし始めたので。 これまでもシャワーを浴びながら1度か2度ほど、アンジーに指を使ってもらったことはあったけれど、どういうわけか、この時ほど感じたことはなかった。 「ううっ…。ああん…」 指をのこぎり引きのように出し入れされながら、僕はすぐに喘ぎ声やうめき声を上げていた。もうすっかり色欲に我を忘れた状態になっていた。 「もっと…、もっとして……。お願い、もう一本、指を足して。アンジー。おまんこにもう一本入れて」 アンジーはすぐに求めに応じ、二本目の指が僕の肛門に入ってきた。あまりにも気持ちいいので、すぐに3本目も求めてしまった。 3本目も入ってきた時、これまでないほど中がいっぱいにされた感じになった。不思議な感覚だったけれど、本当に気持ち良かった。 アンジーはそのような感じで、たっぷり10分は僕に出し入れを続けた。その時間が過ぎ、彼女の指がすーっと抜かれた時には、僕はすでに至福の状態を漂っていたと思う。 しかし、指が抜かれると途端に、空虚感が下腹部を襲った。勝手にお尻がぐるぐると円を描くように動いているのを感じた。失われた指を探し求めているように動いている。 するとアンジーが両手を僕の腰に添えるのを感じた。 「もっと欲しいの? 私にもっと犯してほしいの?」 「ああ、欲しいの…。お願い、アンジー…。もっとちょうだい…。もっと犯して…」 まるで幼い女の子のような声になっていたのは自分でも分かっていた。 次の瞬間、彼女の指だと思っていたものが僕のお尻の入り口に当てられた。僕は何も考えずにお尻を突き返した。そうやって彼女の指を自分に押し入れようとしたのだった。その指より大きなものがアヌスにぐいっと入ってきた後になって初めて、僕は、それが指ではなく、何か他のものだと知ったのだった。何か丸いものが中に入っていた。しかも、その丸いものは棒のようなものにくっついている。 途端に身を強張らせ、訊いた。「アンジー、何なの?」 目隠しを外そうとしたがアンジーが押しとどめた。 「大丈夫よ。目隠しはつけたままにしておくの。いまあなたのおまんこに入ってるのは、私のおちんちんだから。もう中に入ってるわ。だから、無駄に身体を緊張させない限り、痛みはないはずよ」 「どうしておちんちんが? 理解できないよ」 この時点では僕はある種のことについて、まったく無知だったのである。 「いまは心配しないの。大丈夫だから…」 そう言って彼女が両手で僕の腰を左右から押さえるのを感じた。彼女が少し軽めに手の爪を腰の肉に食い込ませるのを感じた。多分、本当に彼女自身が入っているのだと僕に知らせるために、そうしたのだろうと思う。 「あなたが私と同じくらいこれを求めているのは分かってるの。だからリラックスして。なされるがままになっていて。そうすれば気持ちよくなって、大好きになると分かってるから」 僕は何が起きてるのか、分からぬままだった。アヌスにペニスを入れられているような感じはしていたが、本当にそうなのか分からなかった。それまで、そんな経験がなかったから。そもそも、そういうことを考えたこともなかったし、どんな感じになるかも考えたことがなかった。だが、どう考えても、そうされているように思われる。 アンジーは僕が無言でいるのを受けて、僕が受け入れることにしたと解釈したようだった。徐々に深く動かし始めた。僕は、深く入ってくるように感じると、身体を引いて逃れる反応をした。だがアンジーは僕の腰をしっかり押さえ、僕が動かないようにさせた。そうして、じわじわと僕の中に入ってきた。 10センチ以上入れられた後は、僕も、もはや止めることはできないのだと思い、諦めて身体を弛緩させた。言われたとおり、リラックスして、アンジーにしたいことをさせることにした。
アンドリューは私の手を握り、そしてふたりはキスをした。キスをするといつも最初の時のように感じる。いや、正確には最初の時ではない。アンドリューが私がドニーであるのを知った後の最初の時のように感じる。彼はキスをするとき、キスにとても愛情をこめてする。子供たちは私たちのエネルギーをものすごく吸い取ってしまうけれど、それでも愛し合うためのエネルギーについては、いつも残っているようだ。 子供たちはアンドリューを少しも困らせない。何と言うか、子供たちは彼にとってはストレスになっていないということ。彼は、自分のオフィスでプログラムを組みながら、そこで子供たちを遊ばせている。子供たちはほとんど彼が目覚める瞬間から、彼に付きまとって、彼女たちが眠るまでそれが続く。いつもアンドリューのそばにいたい様子なのだ。そしてアンドリューの方も子供たちがそばにいるのを楽しんでいる。 そのおかげで、ディ・ディも私もかなり生活が楽になっている。双子を抱えた母親の大半は、ぼろぼろに疲れ果ててしまうものだ。私たちは実質4つ子を抱えているようなものだが、それでもかなり落ち着いた生活だし、比較的、充分に休息を取ることができている。でも、思うに、これはアンドリューと子供たちの陰謀なのではないかしら。私たちを休ませておけば、アンドリューは、元気な私たちを相手にかなりたくさんセックスを楽しみ続けることができるわけだ。だから私たちに休息を与えているのではないかと。あの人、飽くことがないから。 だけど、それもこれも私たち、ディアドラと私が原因といえる。彼は私たちを魅力的すぎてどうしても抑えきれないと感じている。そう説明する彼のことを私も信じるようになっていた。私たちは本当に魅力的で抑えきれないのだ。少なくとも彼にとっては、私たちはそう見えている。他の男がどう思うかなど、私もディ・ディも関心がない。 私もディ・ディも身体を元の状態に戻すのに数カ月かかった。体重はふたりとも50キロに戻った。これは、ぴったり妊娠する前の体重。ふたりともお腹に妊娠線ができたが、アンドリューはむしろ妊娠線があった方が好きと言っている。経験を積んだ身体に見えるのがかえってそそられると。 それにしても妊娠線すら、私とディ・ディがほとんど同一だなんて。不思議すぎる。ふたり並ぶとふたりの線が一直線につながって見えるなんて。 アンドリューと私のふたりで寝室に入った。ふたりだけになると、アンドリューは愛の詩人のようになる。私への愛を雄弁に語り続ける。その言葉で、私はまるで王女様になったような気分になる。この人は本当に私たちのことを思ってくれている。私はこれまでずっと、まるで愛の繭の中で生活してるように感じている。 二人ともゆっくり服を脱いでいく。彼の胸板は美しい。ほとんど胸毛はないけど、しっかりした筋肉質の胸板。とても強い男の人だけど、私たちや子供たちと一緒にいる時は、とても優しい人。 彼が消耗しているところを見たことがあるし、欲求不満になっているところも見たことがある。でも、怒ったところは一度も見たことがない。私たちと一緒の時は決して腹を立てることがないのだ。ディアドラと私はもうちょっと移り気な性格。時々、大きな声で怒鳴ったりしてしまう。普通は彼の食生活に対して。だがアンドリューは決して怒鳴ったりしない。
***この部分から、「グラフ先生」でなく「ミセス・グラフ」と訳語を変えました(アッシュ)*** パソコンの前に座って、ログオンした。メールを開くと、ミセス・グラフとステファニの両方からメッセージが来ていた。嬉しい驚きだ。 まずはミセス・グラフの方から開いた。 「親愛なるご主人様。私とご主人様の間に育っている絆について、まさにご主人様が書かれていた通りです。私はご主人様の求めを満たすしご奉仕するために毎日を生きています。ご主人様が私のことをお世話してくださると知っているから。いつも気がつくと、ご主人様と面と向かってお会いし、ご主人様の腕の中に溶け込むようにして抱かれていることを夢見ています。ご主人様がお望みならどんな時でも私を愛してくだい。そうされることを夢見ているのです。ご主人様が私のことを、私の身体のことをどれだけ神聖なものと思ってくださっているか、理解しております。私の身体はご主人様にとっては寺院のようなもの、そして、ご主人様はその寺院の王であるのです。その事実を受け入れています。今朝もまた、夫が近寄ってきたので、猛烈に拒否いたしました。夫と愛し合うことを思うと、近頃、吐き気を感ずるようになっています。また会える日が早く来るよう祈っていますし、いつの日か、ご主人様がわたしをこの禁じられた生活から連れ出し、永遠にご主人様のものにしていただける日が来ることを祈っているのです。早く会わせてくださいませ。できるだけ早く。ご主人様の永遠の奴隷より」 俺はにんまりとしながら返信ボタンをクリックした。俺も今すぐ会いたい。だが、その前に少し眠っておく必要があった。明日はステファニに会わなければならないので、その日は問題外だ。俺はキーボードに手を添え、打ち込み始めた。 「ミセス・グラフ。お前がますます完璧な奴隷に進化しているのを読み、またも感動している。すぐに会えるだろう。明日になったら、いつ会えるか話せると思っている。俺の神聖なる霊廟にお前の旦那が入ることをずっと拒否しているのだな。よいことだ。お前がいかに心身を俺に捧げ、規律を守っているかが分かる。お前は、それに対して、やがてふんだんに褒美をもらえることになるだろう。俺の許可があるまでは、いかなる者にも俺の神聖なる霊廟に立ち入らせてはならない。なかんずく、俺の許可なしには、お前自身すら俺の霊廟に入ってはいけない。お前の心の中を激しく駆けめぐるよこしまな思いに負け、俺の許可を求めることなしに、自分の身体に触れたりしたら、厳しいお仕置きを受けることになるのを覚悟するように。一つ、お前に真剣に訊いておきたいことがある。お前は、俺が求めることをどんなことでも、あらゆることを喜んでする気があるかどうかだ。時間をかけて、真剣に考えるがよい。お前の返事を待っている。ご主人様より」 俺は送信ボタンを押し、メールを送った。それから受信ボックスに戻り、ステファニのメールをクリックした。 「あんたをご主人様と呼べって? はっ! ジャスティン、あんたは本当に最低な人間だわね。夫とのセックスを拒めって? あんた、いったい何様のつもり? いつか、このことに対して、きっちり代償を払ってもらうわ。地獄に落ちて、腐りきればいいのに。私のことなど、あんたに関係ないことなのよ。ステファニ」 苦笑いしながら返信ボタンを押した。打ち込みしながら思わず笑い出しそうになっていた。 「ステフ、ああそうだよ。お前は俺をご主人様と呼ぶようになるんだ。次のメールで俺のことをご主人様と呼んでいなかったら、お前にたっぷり仕置きをせざるを得ないことになると覚悟することだな。今朝、お前に言ったことをちゃんと理解していないかもしれないので、改めて伝えておこう。お前の旦那とは二度とセックスするな。理解できない部分はあるかな? 俺が何様かと訊いていたな。俺はお前のご主人様だ。ご主人様より」 メールを送り、すぐにパソコンを切った。ベッドへ行くと共に、ばったりと倒れ、横になった。今夜のメインイベントのことを思い始めた。どんなことがあるんだろう? エロいことを考えてるせいでちんぽが固くなり、なかなか寝付けない。様々な可能性が頭に浮かんできて、頭が冴えてしまう。しかし、意図的にエロティックじゃないことを考えることにしたら、ようやく眠くなってきた。 多分、熟睡していなかったのだろうと思う。何度も目が覚めた。目が覚めるたびに、今夜のことを考え始めていた。トリスタの家での夕食。クラブ・カフスでのメインイベント。目を閉じ、眠ろうと集中した。そしてやがて、気づかぬうちに、また眠っていた。
眉毛にどんなことをされたか、僕が最初に感じた印象は正しかった。僕の目の上にあった形が整えられていない濃い眉毛は、すっかりなくなっていて、今は剃刀のように細い、鉛筆で描いたアーチ状の眉があるだけだった。 まぶたは濃い目の色がつけられ、重たげにミステリアスな雰囲気が漂い、目の上下にシャドーが加えられ、眼尻に行くにつれて他の色と混じり合っていた。まぶたが重たげなのは、長くて濃い、過剰なほどのつけまつ毛の重さも関わっていた。そのまつ毛が今は僕のベビーブルーの瞳を縁取っている。 同じくらい濃い黒いライナーが、左右それぞれのまぶたの上下に引かれていた。その線は眼尻を超え、尖った点となってずっと先まで延びている。 唇は、その輪郭を濃い赤ワイン色で塗られていた。唇がふっくらしているように見せるためか、意図的に、本来の唇のラインの外側に引かれていた。その輪郭の内側を濃い赤の色が満たしていた(この色をチャンタルは「強奪の赤」と呼んでいた)。仕上げにグロスが塗られていて、唇は濃赤サクランボのように輝いていた。 頬骨は、骨の下側に暗い色、上側に明るい色を塗ることで、前より大きく高くなっているように見えた。同じような明暗がこめかみとあごの下にもつけられ、元々の顔の形を浮き彫りにさせていた。実際、顔はほとんどハート形になって見え、際立って魅惑的に変わっていた。 そして顔全体が、たくさんのゆったりとした大きなカールがついた髪の毛で縁取られていた。髪の毛の色はブロンドだが、非常に薄い色で、ほとんど白と言っても良く、それが滝のように背中に垂れ下がり、腰のあたりまで降りている。 手の爪は、ほとんど卑猥と言えるほど長く、先に伸びるに従って下方にゆったりと曲がっている。その先端はじゃっかん角に丸みもあるものの四角形に揃えられていた。色は唇と同じく「強奪の赤」の色で、ゴールドのネールアートが輝いていた。 足の爪も同じように完璧な赤とゴールドの色合いで、足先から少しだけ外側に伸びていた。これをチャンタルは「彫刻的足爪」と呼んでいて、今は大人気だと言っていた。確かに、僕が履いていたような、つま先部分が空いている靴にはぴったりの足爪だった。 首の周りのチョーカーは密着して8層に巻きつけたゴールドの鎖で、それと調和するように、左右の耳にも8つ新しいピアスがつけられていた。左右の耳の頂上のところにはゴールドの球状のスタッド( 参考)があり、耳の外側の縁には幅広のゴールドのクリップがついていた。小さめのゴールドのリングが4つ耳の縁の真中につけられ、滝のように垂れている。とどめとして、左右の耳たぶには2重にピアスが施されていた。上の方のピアスには2センチ半の輪が一つ、下の方のピアスには大きな10センチもの輪が垂れていた。 左右の手の、細く長いかぎ爪状の指には、ゴールドの指輪が光っていた。足の方も、それぞれ2本の指にゴールドの指輪がはまっていた。加えて左の細い足首には、細いゴールドのチェーンが2重に巻かれている。 過剰すぎる化粧と装飾。思わずイキそうになっていた。視覚的刺激だけでイキそうになったことはこれまでの人生でなかったことだった。 正直に認めてしまおうと思うが、ずいぶん以前、すでに子供のころから、僕はいつも思っていたことがあった。つまり、自分が男でなく女の子だったら、どうだったんだろうということである。実際、こっそりと、母親や姉のランジェリを少し試したこともあった。だが、それ以上のことはしたことがなかった。もっと言えば、それ以上のことをする勇気がなかったと言える。 それが今、自分は完全に女装しているのだ。まったく新しい存在の次元に足を踏み入れたような気持ちがした。自分のこの姿を見て、僕自身が興奮している。そうだとしたら、このクラブに来ている他の男たちに対しては、僕はどんな効果を与えるのだろう? ダイアナは僕の心を読んだようだ。 「男たち、競い合ってあなたを獲得しようとするわよ」と彼女は感嘆した。「私の方が負けちゃって困るほど大騒ぎになるかも」 そんなことはあり得ないと真面目に思った。ダイアナは、他の子たちが僕の化粧をしている間に、彼女自身の化粧直しを済ませていた。僕と彼女はふたりとも、同じ男好きする顔の鋳型を使って作られたようなもの。だけど、ダイアナの表情やボディ、それに大胆なセックスアピールをもってすれば、ちょっと投げキスするだけで男をイカせることができるだろう。
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