身体に石鹸を塗りながらトリスタのことを考えていた。俺はトリスタに恋している。この気持ち、いつまでも持っていたい。トリスタに会ったり、彼女のことを思うといつもそわそわしてしまう。自分が特別だと感じられるのだ。俺は石鹸を塗りながらニヤニヤしていた。
しかし、俺はいつまでもトリスタのことを考えていたわけではなかった。俺の頭は、勝手にミセス・グラフのことを考え始めていた。俺に屈服したミセス・グラフ。あの服従の態度。それを思うと想像できないくらい俺を興奮させる。ミセス・グラフとの数々の出来事を思い出し、頭の中で再現すると、たちまち、ペニスが天を向いてそそり立ってしまう。だが、今はこいつに触るわけにはいかない。今夜のメイン・イベントのためにエネルギーを温存しておきたいのだ。
あの暗い教室で最初にミセス・グラフを犯したときのこと。その後、彼女の自宅で犯したときのこと。寝室のドア先、階段の降り口の廊下で、パンティを脇にずらし、その格好のまま、女陰を舐めたあの出来事…。
だが俺の頭はすぐに切り替わり、ステファニのことを考え始めていた。まずいとは知りつつも、軽くペニスを擦り始めていた。
あのビデオ屋で穴から出てきた中年男の男根をしゃぶらせながら、後ろから犯した時のステファニの姿。あれを思い出すと、背筋に電流が走る。それに彼女の車のボンネットに仰向けにさせて犯したとき。ハイヒールを履いたまま俺の背中と尻に脚を巻きつけ、ヒールを俺に食い込ませながら、俺にしがみついていたっけ。
分身を握った俺の手が勝手に少し速く動き始めている。シャワーのお湯に打たれながら、息が荒くなっているのに気づいた。
再び目を閉じ、今度はクラブ・カフスでケイトと出会った時のことを思い出した。それにステージでケイトに身体を拘束された時のことも。あの時、顔を下げ、色っぽい唇で俺の分身を包み込んだケイト。俺は睾丸までじんじん疼いたものだった。
俺は、ステージの上、横に寝かされ、ケイトがもたらす快感を堪能していた。ケイトが俺にどんなことをしているのか見ようと、顔を上げようともがいたのを思い出す。俺はシャワーを浴びたまま、目をつぶり、あの時のことを再現し続けた。顔だけを上げ、ケイトのことを見た時のこと。
「ああ、気持ちいいぜ」
ペニスがますます膨れ上がり、頭が興奮で爆発しそうになる。ペニスの頭の方も爆発寸前で、痛いほどだ。俺はさらに手の動きを速めた。そして、その時、頭に浮かんでいたのは、ケイトの姿ではなくなっていた。俺の母親が無毛の女陰をそびえたつ俺の分身にゆっくり降ろしてくる姿だった。
「うおおぉぉ!」
母親が俺を根元まで取り込む光景が頭に浮かんだ。
俺と完全に連結した後、母親は妖しい目をして自分の左右の乳房を手で揉み始めた。あの表情を見たら、もう俺には耐えられない。睾丸がキューっと収縮し、全身がキリキリ言い始めた。
想像の中、俺はステージ上、両手足を拘束され仰向けにされている。その俺の上に乗って、上下に身体を揺さぶっているのは、ケイトではなく、自分の母親…。
「あうッ!」 強烈な快感の第一波が襲ってきて、俺はうめき声を上げた。
睾丸が発作を始め、肉棒の中、スペルマが駆け上がり、先端から噴射するのを感じる。実際にはシャワーの中に射精しているのだが、まるで本当に母親の体内に出しているような気がした。そのイメージが頭に浮かんだ瞬間、自分の意思を振りしぼって目を開けた。気がつくと、ハアハアと荒い息をしていた。
ハッと気がついてペニスから手を離した。シャワーが俺の身体に降り注いでいる。そのお湯に分身を洗われたまま、俺は突っ立っていた。シャワーのタイルの壁に付着したスペルマがとろりと流れるのが見えた。俺はシャワーヘッドを調節し、白濁を洗い流した。
そしてようやくシャワーを止めた。タオルで身体を拭いている間に、呼吸も正常に戻っていた。洗面台の前に行き、歯を磨き始めたが、ふとやめて、鏡の中の自分を見つめた。
「ちくしょう、いったい何が起きたんだ?」 と自問した。
これまで自分の母親をあんなふうに考えたことはなかった。それに、これまであれほど激しくイッたこともなかった。母親も裸の俺を見て同じことを思ったのだろうか。
俺は準備を終え、身体にタオルを巻きつけ、自分の部屋に戻った。