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いじめっ子 (2) 


その夜、レオは再び飲みに出た。そして、うまいことに女をひとり引っかけることに成功した。

彼のアパートにふたりで行き、キスしたまま部屋になだれ込んだ。女はゴージャスとは言えないものの、Dカップの胸をしてて、身体の線も良かったし、顔も可愛らしかった。身長はレオより大きかったが、それほど大きいとわけでもない。

部屋に入るとすぐに、ふたりは裸になり、レオは彼女の乳房にキスをし始めた。女はレオのズボンに手を伸ばし、その上から優しく彼のペニスを撫でた。だが、何分もしないうちに、女は手の動きを止めた。

「いったい何なのよ!」

レオは全然、勃起しなかったのである。

「何でもないよ。いいから続けてくれ」

女はさらに何分か続けたが、とうとう諦めた。そしてぎこちない様子でレオの部屋から出て行った。「ふにゃちんのオンナ男!」と独りごとを言いながら。その声はレオには聞こえなかったが、ジョージには聞こえた。

レオは、ちょっと飲み過ぎてしまったんだろうと思い、このことをさっさと忘れることにした。

*

翌朝も、レオは髭を剃る必要がなかった。変だな、と彼は思った。

その次の朝も、やはり髭が生えていなかった。顔を触っても、チクリともしない。そして彼は自分の身体に視線を落とした。体毛が薄くなっている。毛が柔らかく、細くなってるのだ。はっきり生えていると分かるのは、ペニスの上、幅2センチほどの小さな茂みだけ。遠くから見たら、全身ほとんど無毛に見えるだろう。

彼はおかしいなとは思ったが、不安にはならなかった(レオはそれほど賢くはないのである)。引き続き服を着始めると驚き、そして嬉しく思った。スラックスの腰回りが少し緩くなっているのである。体重が落ちて、引き締まってるに違いない。

仕事も変な感じがした。同じ部署の他の男たちとミーティングをしていた時、変な考えが頭に浮かび始めたからである。何となく、彼らがとても逞しそうに見えたのだった。ジムに通い始めたのかなと思った。彼らの逞しそうな腕が素敵に見えた。まあ、単に客観的に事実に気づいただけなんだろうな。レオはそう自分に言って、それで納得した。

その日の夜、彼は再び飲みに出た。だがほとんど飲まなかった。女の子といいことになるチャンスにはまったく恵まれなかった。どうやら、彼女たちは、ハナから彼のことを眼中に置いてないように見えた。

バーを出ながらレオは思った。この次は別の店に行くことにしようと。

*

二日後、レオ自身も、体毛がすっかりなくなってることを認めざるを得なくなっていた(残ってるのはペニスの上の滑走路(参考)状の陰毛だけ)。医者に行こうかと思いかけたけれど、思い直した。無毛の状態が気持ちいいと思ったから。

体重も減り続けた。体重計に乗ると、52キロしかなかった。中学生の頃を最後にこんなに体重が少ないことはなかった。不思議なことがあって、それは体重が落ちてるのは上半身だけのように思えることだった。どちらかと言うと、お尻や腰が前よりちょっと大きくなってる感じがした。レオはただ肩をすくめるだけだった。この男、もう少し想像力を働かせるべきなのである。

その日の職場。彼はデスクに座って、パソコンで動画を見ていた。その時、コロンの広告が画面に出た。シャツを脱いだ、筋肉隆々の男性が雨の中たっている広告。それを見た途端、レオの乳首が固くなった。実際、前から少し大きくなってるとは気づいていたが、大したことじゃないと思っていた。だが今はシャツの中からツンと立って、押し上げている。上着を着てなかったら、彼のことを見たら誰でも彼の乳首に気がついたかもしれない。

レオはただの一瞬の変調だろうと頭を振った。事実を否定できる能力は素晴らしいものだ。

*



[2014/01/06] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

生まれ変わり:シャーリーンの話し (6) 

シャーリーンは古いバッグを取って、必要となりそうなものを全部突っ込み、外のガレージへと向かった。このジャガーEタイプ(参考)に乗るのは何年ぶりだろう。彼女は車屋に半年に一度は整備しに来てもらっていたので、エンジンは一発でかかった。

バックで車をガレージから出しながら、シャーリーンは両肩から重荷が落ちた感じがしていた。新しい女性となって、これまでの自分で閉じこもっていた殻から抜け出すのだ。

車を飛ばしながら、彼女は携帯電話を出し、彼女の昔のエージェントに電話をし、会う約束をした。

そのエージェントとは、シャーリーンが世間から袋叩きにあっていた時、恋人同士だったのである。だが、彼女の人気が落ち始めるとすぐに、彼はシャーリーンを手りゅう弾を投げるように、捨てたのである。後に、彼女はそのエージェントがフェイスブックで彼女のことを貶しているのを見つけた。いかがわしそうな女と一緒の写真が乗っていたし、交際欄の情報が「独身」と変えたのも知った。電話1本、よこしたことがない。なのに、せっせとフェイスブックの更新か!

そのエージェントの名はスティーブ。シャーリーンはスティーブと愛し合っていたものと思っていたが、彼の方はその気がなかったのは明らかだった。それを知った傷心が動機で3冊目の本を書いたのだが、彼女の自信は2冊目の本の失敗と、公の場での侮辱によって、すでに粉々になっていた。当然、3冊目もうまくいくかどうか、自信がなかった。

だが今は違う。新しく自信を取り戻していた。この原稿はこれまで書いたうちで最高傑作だとの自信があった。スティーブとの件を片づけた後なら、出版にこぎつけるはず。

シャーリーンから電話を受け、スティーブは驚いたが、ディナーを一緒にすることに同意した。ひょっとしたら、もっとお金を巻き上げることができるかもしれないと期待してだった。

シャーリーンは電話をした後、とある高級デパートへと向かった。そして、そこで様々なセクシー・ランジェリーを買い、また普通の下着、スカート、ドレス、パンツやトップを買った。思いつく次第に全部、買い漁った。

彼女はこの3年間、食べ物以外ほとんどお金を使わなかった。その間にも印税が少しずつ溜まっており、経済的にはかなり裕福になっていたのである。

買い物をした後、ヘアドレッサで髪を整え、メイクもしてもらった。メイクとはいえ、彼女の肌はあまりに素晴らしかったので、必要なことはちょっと口紅を塗り、眼のあたりにちょっと化粧を施すだけで充分だった。たったそれだけで、彼女は「開いた口がふさがらないほどゴージャスな女」に分類される女性たちの仲間に加わったのである。

*****

エル・ファウノの店に颯爽と入るシャーリーンを見て、すべての男たちも、そして女性も何人か、振り向いた。身体の曲線を最大の効果をもたらすように強調しつつ、さりとてそれほど淫らな印象を与えない赤いタイトなドレス姿のシャーリーンを見て、誰もが振り向かざるを得なかった。その彼女を見る男たちの中に、スティーブもいた。うっとりとしてこちらを見た後、ようやくシャーリーンだと分かったのか、改めてこっちを見直している。

「わーお! シャーリーン! すごいよ! 何て言うか、変わったと言うか、いや、前よりずっと素敵になってる!」 とスティーブは彼女と握手し、席に着くよう促した。

シャーリーンはにっこり微笑んだ。「ありがとう。あなたも素敵よ」

実際、シャーリーンの言葉にウソはなかった。スティーブは体の管理をしっかり続けていたし、高級スーツを着てるせいか、実にハンサムに見えた。シャーリーンは、スティーブの姿を見て、昔の恋愛感情が再び湧きあがってくるのを感じたが、その気持ちを押し殺し、この男にどんなに傷つけられたかを改めて思い出し、彼女のちょっとした計画の推進に着手した。

明るくにっこり微笑んでいると、彼の視線が胸の谷間にふらふら落ちるのに気づいた。シャーリーンは咳払いをして、彼に顔を前に向けるよう促し、そして言った。「ちょっとビジネスのことでお話ししたいことがあって呼んだの。でも、その前にその後、お互いにどうだったかお話しをしながら食事をしましょう」

スティーブは同意し、その後10分ほど、ふたりは赤ワインを飲みながらおしゃべりをした。スティーブはしょっちゅう視線を彼女の胸に向けていたし、シャーリーンの方も、髪の毛をいじったり、彼のつまらないジョークににぎやかに笑ったりして、色気を振りまいた。

ふたりの会話は間もなくセックスの話題に変わっていった。

「あのね、スティーブ? あなたと関係でなくなってしまって、とても寂しかったことがひとつだけあるの。それはセックス。私、毎日、ずっとエッチな気持ちになっていたの。でも、そんな私の渇きを癒してくれる人が誰もいなくって…」

「本当? 何なら、僕にまたご奉仕させてもらえるかな? なんちゃって…」 とスティーブはウインクした。

シャーリーンは席から立ち上がって言った。

「もちろん!」

そして呆気にとられてるスティーブのネクタイを掴み、それを引っぱりながらトイレへと向かった。


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