最近、レオには変なことが起きていた。彼が来ると男たちはドアを押さえてくれて、前とは違った顔で微笑みかけるようになっていた。上司までも、ミーティングの後、歩いていくレオのお尻をトントンと軽く叩いたりする。嫌な感じとかはしなかったが、ただ変な感じなのは確かだ。
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ある朝、レオはおしっこをしたくなった。彼は何も考えずに、トイレの前、後ろを向いて、便座に腰掛けた。レオが、自分が何をしたか気がついたのは、それから2分ほど経ってからだったが、その方が正しいような気がすると、そう思ったレオだった。というわけで、その日以降、彼は小便をするとき便座に腰掛けるようになった。ちょっと股間が濡れる感じだし、終わった後、拭かなくちゃいけなかったが、これは仕方ないことなのだと思うことにした。
その同じ朝、シャワーを浴び身体を洗ってる時だった。股間を洗うとき、たまたま指がつるりと肛門に入ったのだった。驚いたのは、その時、自分の口から実に悩ましい声が漏れ出たことだった。レオは一度、指を抜き、もう一度入れてみた。すごく気持ちいい。さらに続けて出し入れした。乳首と小さなペニスが勃起してくるのを感じた。さらに出し入れを続け、やがてレオは絶頂に達した。一度もペニスに触っていないのに(というか、ペニスに触ることすら頭に浮かばなかった)。
その日、他にも出来事があった。
それは職場での出来事。電話をしていた時、突然、声が割れて、甲高い声になったのである。レオは声を直そうと咳払いをしたが、直らなかった。そこで彼はわざと低い声を出して、「後でかけ直しますがよろしいでしょうか」と返事した。
どこか調子が優れない。レオは上司のオフィスに行き、早退してもよいか訊いた。
上司は「オーケー、可愛いこちゃん。もう退社してもいいよ」と答えた。
レオはほとんど気づいていなかったが、しばらく前から会社の男たちはレオのことを皮肉まじりのあだ名で呼んでいたのである。レオは、そういう連中なんだと、あだ名のことを無視した。
帰宅中、レオは声についての不思議な問題のことばかり考えていて、他のことはあまり考えなかった。だが、すぐに彼の心は他のことに占領されることになった。注文していた新しい下着が新しい服と共に送られてきたのである。
包みを開き、レオは女の子のように歓声をあげた。そして新しい衣類を試着してみようと、文字通り、着ている服を破るようにして脱ぎ去った。
まずは黒いレースのパンティを手にした(レオは、これをランジェリではなく単なる下着と考えていた)。つるつるの脚にパンティを通す。とっても素敵に見えたし、このソング・パンティを履くとお尻がビックリするほど美しく見える。
その日の午後、早退したにもかかわらず、レオは新しい衣類を試着して過ごした。腰を抱き包むようなスタイルのジーンズに、スーツ類(今のスーツよりちょっと女性的になってる)、そして様々なパンティ。新しいトップ類にはTシャツ、タンクトップ、ドレス・シャツが含まれていた。
レオは、裾がかろうじてへそを隠す程度の黄色のタンクトップとピンク色のソング・パンティを身につけ、パソコンの前に座っていた。この姿、実に気持ちが良かったし、すごくセクシーになってる感じがした。他の新しい衣類も全部、今の自分に完璧にフィットしている。
だがレオは朝のシャワーの時に起きたことを考え続けていた。男があんなことをするのはちょっと変わってるというのは知っていたけど、すごい快感があったのも事実。そこでレオはネットでアダルト・グッズを見てみることにした。別に何か買おうとしたわけではなかったが、ネットで見ているうちに気分が乗ってきて、結局、非常にリアルな形状をしたディルドを注文していた。「自分は大人なのだから、プライバシーで人に迷惑をかけないなら好きなことをやっていいんだ。そもそも誰にも分からないはず」と自分に言い聞かせた。
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翌日は、レオにとって、こんなに時間が経つのが遅いのかと苦しいくらいだった。この日も会社に欠勤の電話を入れ、一日中、新しいお友達、つまりディルドが来るのを待っていた。レオは、高額費用は気にせず、即日配達の配送を選んでいた。
玄関のチャイムが鳴った時、レオは興奮して大喜びし、キュートで可愛いショートパンツに包まれたお尻を左右に振りながら玄関へと走った。配達人は、包みを渡しながら、意味ありげにレオを見て笑った。もちろんレオはそれに気づかなかったが。
包みを破り、中からディルドを取りだした。パソコンで見たより大きかった。でも、大きいことは良いことでしょ? それは、レオが聞いたこともないポルノ男優のペニスをモデルにしたものだった。
不思議だった。小さな手で大きなディルドを握ってるうちに、アヌスが少し濡れてきたように感じたのである。
レオは裸になった。そして、床に仰向けになり、両脚を大きく広げた。彼はディルドには潤滑を与える必要があると思い、早速、舐めはじめた。同時にもう一方の手を股間に降ろし、アヌスを触り始めた。最初は舐めていたけれど、やがて吸う行為に変わり、すぐに本格的なフェラチオをへと変わっていった。その間もアヌスに指を出し入れしている。
レオは調子に乗りすぎてしまい、それから2分ほどして、絶頂に達した。その間、彼の頭の中では、本物のペニスを舐めしゃぶってるイメージが踊っていた。
ようやく、充分、ディルドの準備ができたと満足し、レオはそれを肛門へとあてがった。最初、これは大きすぎたかもしれないと思った。頭部がなかなか入って行きそうにないからだ。だが、いったん身体の力を抜いてみたら、するりと入り始めた。
片手で勃起した乳首をいじりながら、ゆっくりと全部挿入した。中を満たされる感覚を味わいたいと思ったので、最初はゆっくりと行うつもりだった。だが、それは長くは持たなかった。いつの間にか、激しく出し入れをするように変わっていた。できるだけ早く入れたり抜いたりを繰り返し、その間、ずっと快感の叫び声を上げていた。何度も絶頂に達してる気がした。あまりにイキっぱなしになっていたので、もはや射精もせず、ただイッた瞬間、身体を強張らせ、ピクピクと痙攣するだけになっていた。オーガズムの回数も分からなくなっていたし、しかも、一度もペニスに触っていなかったのである。
2時間ほど続け、レオは疲れ切った状態になり、その影響で彼はうとうとし始めた。
興奮でぼんやりした意識の中、この1ヶ月半の出来事のすべてが彼の脳裏に浮かんだ。だが、不思議なことにレオはほとんど不安にならなかった。いま自分がしたいことは分かってるし、それをする方法も分かってると思った。
そして、再びディルドのことを頭に浮かべた。さらにそれから2時間ほど、レオは疑似ペニスで快楽をむさぼり、そしてその後、消耗したあげく眠りに落ちたのだった。
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「生まれ変わり2」 Reborn Ch. 02 by Mr_Owlow
これは私の生まれ変わりについての物語の第2章だ。これを書いている今、新しい人生になってから1年が経っている。良いことも悪いこともあったが、今は自分に与えられたこの新しい人生で、これほど幸せな人生はないと思っている。今ですらあの謎の生物がまた現れて、あの信じがたいレベルの快楽を味わわせてくれないかと期待する時がある。だが、あの生物が私のところに戻ってくることはなかった。それはともかく、第2章の話しをしよう。
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俺が生まれ変わった夜から1週間がすぎ、また金曜日になった。俺は、日課になった朝のオナニーでオーガズムを堪能した後、カウチに寝そべって、ティーボ(
参考)で古いクレイグ・ファーガソン(
参考)のショーを見ていた。映画「ブラック・スワン」のプロモーションでミラ・キュニス(
参考)がインタビューされていて、そのダブル・アンタンドレ(
参考)と悪意のない冗談を聞いて笑っていたところだった。そして、その時ふと思ったのである。ダンス教室に行くというのも面白そうだと。まあ、少なくともナタリー・ポートマン(
参考)の演じるキャラみたいになるのじゃなければ、楽しいのではないか。可愛い女の子がたくさんいるだろうし、ひょっとして彼女を見つけることができるかもしれない。それに加えて、ますます男に対してムラムラと衝動を覚えるようになっているのだが、今後この欲望が強くなるのだとしたら、女としてダンスができるというのも、悪いことじゃないだろう。
この1週間、俺は今後どうするか考えた。古い軍役時代の仲間に作ってもらったIDでは、俺は高校では優秀な成績を収めたが、大学の学位はもっていないとなっている。なので、俺が前に勤めていた仕事に類する職は問題外である。前の口座はそのままなので、それを使って株の取引を続け、得られた利益を新しい口座へ移動し始めた。大儲けを狙ってギャンブルするのでなければ、これを使って何年かは生活していけるはずだ。だが、その蓄えが尽きてしまうかもしれず、その時に備えて、仕事にありつけるよう、大学に入ることを考えた。
グーグルで検索したら、家から20分程度のところにダンス・スタジオがあるのを見つけた。他にすることもなかったので、俺は車でそこに行って、自分の目で確かめようと思った。
浴室に行き、簡単にシャワーを浴び、レースの青いブラジャーをつけ、下にはトランクスを履き、青いサンドレスを着た。靴も青のスニーカーを履いた。そうしてハンドバックと車のキーを取り、新しい車へと向かった。青のフォルクスワーゲン・ジェッタ(
参考)だ。この車の方が、前のピックアップ・トラックよりは今の人格と身体の大きさにずっとお似合いだ。
そのダンス教室のある場所に行き、近くに車を止めた。車を降りる前に、忘れずに両膝を閉じて、たまたま誰かが俺を見たときに余計なものを見せてしまわないようにした。実際、2日ほど前にそういうことが起きてしまったのである。その日、ガソリンを入れにピックアップから降りたら、ギャッと言う声を聞いたのだ。で、その方向に目をやると、隣の給油装置でガソリンを入れていた男が俺をじっと見つめていたのである。そいつの視線を追ってみて、今度は俺が悲鳴を上げてしまった。その時はソング・パンティを履いていたのだが、その中からペニスが飛び出て、丸見えになっていたからである。俺はガソリンを入れることもせず、すぐに車に飛び乗り、一目散に逃げ帰った。恥ずかしさのあまり、そうする他なかったのである。そのことがあって以来、俺は以前の通りトランクスを履くようになった。
「裏切り」 第10章 始まりあるものは… Betrayed Ch. 10 Everything That Has A Beginning... by AngelCherysse
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これまでのあらすじ
ランスは、妻のスーザンとジェフの浮気を知りショックを受ける。ジェフがシーメール・クラブの常連だったのを突き止めた彼はそこでダイアナと知り合い、性交渉をもつ。それは彼の隠れた本性に開眼させる経験でもあった。やがて彼はダイアナと付き合い始め、女装をしリサという名前をもらった。そんなある日、会社の美人秘書アンジーに正体を見透かされる。そしてリサの姿でレストランに行くと、そこには会社の上司であるジムとロブがいた。リサは自分が昇格したこと、およびランス=リサであることがバレていることを知らされる。その頃、ジェフを中心としてランスを陥れようとしてる陰謀が進行しているのを知る。陰謀の内通者がいる。それが誰なのかを探るため、有名人パーティに出たリサは、ジェフと会い、口唇奉仕をしたのだった。
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あの日曜の夜、ダイアナがロスアンジェルスからの飛行機から降り立った時、できることなら、オヘア国際空港のゲートで彼女を待ちたかった。でも、それはできず、代わりに手荷物受取所で待たなければならなかった。交通安全局のセキュリティ関係で働いてる人にはユーモアのセンスがない。まあ、自給8ドルの仕事なので、ユーモアを解する余裕がないのも仕方ないかも。
他の乗客たちは、手荷物を運ぶコンベアーベルトの真ん前で、かなり濃厚なショーを見せられ、もてなされた。悩殺ボディのブルネット美人とブロンド美人が、まるでアダルト・ビデオからそのまま出てきたように、抱き合い、キスし合うのを見せつけられたから。
その夜は、レイクビューにあるダイアナのマンションでなく、私のマンションに行くことにした。私は「ダメ」の返事は受けつけなかった。ダイアナはちょっとためらったものの、すぐに喜んで従ってくれた。
彼女は、その夜、私と過ごすことになるのを想像し、純粋に安心しているみたいだった。オヘア空港からシカゴ市内に通じるケネディ高速道路を走る間ずっと、彼女は私の腕に腕を絡ませ、私にすり寄っていた。ふたりとも言葉を交わすことなしに、ただ身体を寄せあっていることで多くのことを語り合った。ダイアナの私へのこの反応と、彼女がジェフ・スペンサーへの内通者として私に罠をかけていることを示す証拠がますます増えている事実。どうしたら、このふたつのつじつまを合わせることができるのだろう。私は内心、つらい気持ちだった。
ダイアナは緊張し、何かを恐れているようだった。原因が何であれ、彼女は、その件について話そうとはしなかった。オハイオ通りで高速を降りた時、携帯電話が鳴った。私の携帯ではなかったし、いつものダイアナの携帯でもなかった。着信音はヒップ・ポップの曲のようだった。私はダイアナのハンドバッグに目をやった。彼女は窓の外を見ていた。
「無視して」 とダイアナは何事もないような感じで言った。
「でも、これって…」
「いいから、無視して!」 とダイアナは私を睨みつけ、きつい声で言った。「今夜は、あなたとだけの時間にしたいの。他の誰とでも、あなたを分かち合うつもりはないわ。特に、アンジェリーナ・トーレスとだけは」
急襲!
いや、実際には急襲と言うほどでもない。ダイアナはアンジーが私の個人秘書になってるのをすでに知っている。それに、ロブのコンドミニアムでのあの最初の夜、私がアンジーとセックスしたこともダイアナは知っている。あの夜のことについてはすべてダイアナに話したから。それを話した後は、それにダニエルとの「デート」について言い合いをした後は、ダイアナは、ちょうど私が彼女のことに探りを入れなくなったのと同じく、私のその後の付き合いについても、しつこく聞くようなことはなくなっていた。ふたりだけの時は、お互いのことにだけ集中し、他の人のことは話さないというのが、彼女と私の間の暗黙の了解になっていた。ダイアナとアンジーのふたりに対する感情で、私は摩擦を感じていたので、この暗黙の了解はありがたかった。でも、今はその力学がダイアナの心の中で変化してしまったのかもしれない。
いったん部屋に入るとすぐに、このゴージャスなシーメールは、まるで1年もセックスしてなかったかのように私に襲いかかった。愛しあったというより、長時間にわたって狂ったように犯しあったと言った方が近い。互いの身体に爪を立て、甘噛みの跡を残しあい、ヒリヒリするほど乳首をつねりあい、そして痛いほどに互いの穴を広げあう…。
行為が終わり、ふたり、スプーンを重ねたように(
参考)なって横になった。私は彼女の腕に包まれていた。ふたりとも身体を震わせていた。肉体的にも感情的にも疲れ切って。