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グレート・チェンジ以降、春休みはケビンにとってちょっと違うことになっていた。ビキニは身体を露出する感じで変だったが、元彼女がそれを着たら男たちの目を引きつけるわよと言ったのである。彼はビーチの向こうを歩いている逞しい黒人男を見ながら、思った。思い切って、期待してみようかと。
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ハリーはネイトの大きな黒ペニスを吸いながら、彼の目を見つめた。とうとう、やったのだ。その夜、ハリーは生れて初めて男を引っかけようと積極的に動いた。いちばん淫乱っぽい装いでクラブに出かけ、大きく強そうな男を引っかけたのである。
こうなるまでは長かった。たいていのboiは、何カ月も前に自然の衝動に負けてしまっていたが、ハリーはしぶとかった。身体の衝動に抵抗しようと頑張ったのだ。だが、やはり当然の衝動は否定できなかったのである。それは物事の秩序というものだ。ネイトが巨大な一物をハリーのアヌスに挿入した瞬間、ハリーはようやく理解することになるだろう。彼のようなboiがネイトのような男たちのモノになる理由を。
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コルビーはできるだけ強くディルドにお尻を突き出し、そしてゆっくりと引いた。彼のガールフレンドのアンナも同じことをした。ふたりにとって、グレート・チェンジの後、ふたりのセックスにコルビーのペニスがまったく関係しなくなったことは、考えてみれば不思議なことだった(そもそも、彼のペニスを使うこと自体、難しいことではあるが)。ふたりが愛しあう時は、アンナがストラップオンを装着してか、ふたりが反対向きになって双頭ディルドで遊ぶかのどちらかになっていた。
コルビーは認めたくないのだが、最近、彼は、本物のペニスはどんな感じなんだろうと思うことが多くなっている。
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ベティは、夫のロンが彼女のスリッパを履いてるのを見て、溜息をついた。いま彼は、たいてい彼女の衣類を着ている。元の彼の衣類ではサイズが合わないのだ。
ロンは前は大変なマッチョ男だった。とてもセクシーで、とても逞しかった。
だが、それはグレート・チェンジの前のこと。今も彼はセクシーだが、男性的な点でのセクシーさではないのは確か。
そして最悪なことはというと? 今は彼のお尻の方が彼女のお尻よりもずっといい形をしているということ。
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ジャネットはアンディがベビーオイルのボトルを舐めるのを見て、大笑いした。セクシーに見えるようにとしているらしい。ふたりは、アンディがずいぶん変わったことを冗談のネタにしてきていて、アンディはどうやったら男たちに色気を振りまけるか知りたいと言っていた。と言うわけで、彼はアパートの中を探し回り、ペニスに何となく似たものを舐めたり、吸ったりするフリをしたのである。これにはふたりとも大笑いした。
だが、ジャネットは彼に本当のことを言う勇気がなかった。つまり、彼がしていることは実際にはそんな笑いのネタではないということである。もっと言えば、かなりセクシーなことなのだ。それほどアンディの性的魅力は大きい。だから、単にふざけてしてることでも、ジャネットはどうしても彼が大きな黒いペニスを唇で包んでいる光景を想像してしまうのである。
だが、ジャネットは笑っていた。アンディのジョークに笑っていたのではない。ジャネットはアンディのパンティの中の小さな勃起を見ていて、とてもキュートなので笑いを止めることができなかったのだ。
いずれにせよ、この可愛いboiは、決まり切っているけれど、みっちり、しっかりしたセックスをされたいと切望することになるだろう。
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その夜、メアリはビリーにビックリ・プレゼントを用意していた。
夕食を食べながらメアリは言った。
「ちょっとあることをずっと考えてきたの。気づいてると思うけど、最近、私たちふたり……何と言うか……ベッドで女の子っぽくなっているでしょ?」
ビリーは頷いた。
「私、あなたが経験している変化について調べてきたの。そして、私…あるモノが頭に浮かんだのよ。……ちょっと、それ、持ってくるわね。その後であなたがどう思うか、教えて?」
メアリは立ち上がり、廊下を歩いて行った。2分くらいして、彼女は戻ってきた。素っ裸の姿で。
ビリーはひと目見てすべてを理解した。メアリはツンと尖ったBカップの乳房をしているし、とても女性的な身体をしている(もっとも、ビリーは、正直に言って、自分の方がメアリよりちょっとセクシーかなと思っていたが)。だが、彼の眼が引きつけられたのは彼女の裸体ではなかった。メアリの脚の間にあるモノ。ストラップオンのディルドにである。メアリが欲してることを理解するのに時間はかからなかった。
「どうかなあ……分からないよ」 とビリーは言った。
メアリは彼に近づき、言った。「ちょっと触ってみて。一度だけでいいから。私のためだと思って」
ビリーは手を伸ばし、そのゴムっぽい先端に触れた。
「手で握るのよ、バカね」
メアリはビリーの手を取った。今は彼の手より自分の手の方が大きいのに気づき、ちょっと気まずい感じがしたが、それに構わず、彼の手を引っぱってディルドを握らせた。
「今度は舐めなさい」
メアリは命令口調になった。ビリーは問いかけることなく、その通りにした。ゴムっぽい味がした。
「今度は口に入れなさい」
ビリーはこれにはためらった。
「ほら、ほら。私はあなたのために何百回もしてきたことなのよ」
その論理には反論することができなかったし、確かにちょっと好奇心もそそられたので、ビリーは言われた通りにした。そして、気づいた時には妻のゴム製のペニスに対して頭を前後に振っていた。それを吸いながら、ビリーはどうしても思わざるをえなかった。このゴム製のペニスを吸うより、本物の方を吸う方がずっと楽しいのだろうか、と。味はいいのは確かだろうけど。
「オーケー。今度は服を脱ぎなさい。あなたをこのテーブルの上で犯してやるから」 とメアリはかすれ声で言った。
ビリーは床にひざまずいたままで、シャツのボタンを外し始めた。乳首がすでに小石のように固くなっていた。1センチ近くになって立っている。メアリはそこに手を伸ばし、片方の乳首を指ではじいた。
「興奮している人がいるようね」
ビリーはちょっと恥ずかしそうに微笑み、そしてシャツを脱ぎ棄てた。
それからズボンに手をかけた。ベルトのバックルを外すと、ほぼ自動的にするりと落ちた。次にブリーフも。つるつるの滑らかな脚に沿って、脱ぎ降ろされた。
メアリはKYゼリーを取りだし、それをディルドに擦りつけた。ビリーは不安そうな顔でその様子を見た。
「心配しないで。優しくしてあげるから」
そう言ってビリーをなだめながら、メアリは彼を後ろ向きにさせた。彼の片脚を持ち上げ、テーブルの上に膝を乗せる姿勢にさせた。ビリーはもう片方の足をつま先立ちにして、その姿勢になった。そのままテーブルに覆いかぶさる。お尻を大きく広げ、突きだす姿勢になっていた。
メアリはふざけまじりにビリーの丸いお尻を平手打ちした。ビリーはお尻の頬がぶるっと揺れるのを感じた。
冷たいディルドがアヌスに触れるのを感じ、ビリーはビクッと身体を震わせた。メアリは片手を彼の背中において、安心させながら言った。
「大丈夫。傷つけたりしないから」
メアリは押してみた。先端がビリーのアヌスにのめり込む。
「力を抜いて」
ビリーは言われた通りにした。先端が入ってきたのを感じた。痛みにちょっとだけ声をあげた。
メアリはさらに強く押し込んだ。さらに中に入ってくる。メアリは決して急がなかった。だが、しばらくしてるうちに、ビリーはいつの間にかメアリの恥丘が自分のお尻に触れているのに気づいた。不思議な感じだったが、彼はこの時、達成感を感じていた。自分は全部入れられたんだ!
そして、メアリは引き抜き始めた。そしてまた押し入れてきた。入れては抜いて、入れては抜いて。メアリはリズミカルに動き続けた。
3回目の挿入の時、ビリーは最初の快感の声をあげた。甲高い女性的な悶え声。
5回目の挿入の時までには、ビリーは押し入ってくるメアリに合わせて、お尻を突き返していた。その一瞬、一瞬をビリーは堪能した。しかもビリーは声をあげるタイプだったのである。
「もっと強く! もっと、もっと!」
背後でハアハア息を切らすメアリに、ビリーは叫んだ。おおよそ10分に渡る激しい出し入れの後、ビリーは絶頂に達した。全身がぶるぶる震えていたし、小さなペニスがピンと立って、その先端から白濁を撃ち出していた。それでもメアリは出し入れを続けた。ビリーの大きなお尻を鷲づかみにし、ぐいぐいえぐり続ける。メアリが終えるまでに、ビリーはさらにもう2回、オーガズムに達したのだった。
疲れ切ったメアリはビリーの上に覆いかぶさった。ビリーはテーブルに覆いかぶさったままだった。ディルドはまだ彼のアヌスの中に入ったままである。ふたりとも荒い息づかいをしていた。ビリーは時々、お尻を軽く揺すった。まだ嵌まったままのディルドからちょっとでも刺激を得るために。
「どうだった?」
メアリは笑いながら訊いた。ビリーもつられて笑ってしまった。
「大丈夫だよ」
その日の夕方、遅く。夕食の準備をしていたエレンは、ガレージのドアが開く音を聞いた。子供たちが楽しかった一日についてしゃべっている声が聞こえる。エレンは、シンクで野菜を洗いながら、「お帰り!」と声をかけた。
夫も入ってきて、ドアを閉め、シンクの前に立つ彼女の後ろから腰に腕を回して抱き寄せた。エレンは顔を後ろに向け、夫の唇に軽くキスをした。
子供たちがキッチンから出て行くと、彼女の夫は手を腰から上へ滑らせ、乳房へと近づけた。エレンは思わず身体を震わせた。
「あ、あなた……いま……いま、サラダを作ってるところなのよ!」
そう言って夫を制しようとしたけれど、胸を触られ、声を漏らしてしまう。
「ああっ………ううんんん…………!」
快感からの声ではない。オーティスにいじられ、敏感になっている乳房の痛みからだった。さらに悪いことに、彼女の夫はその声を快感の声と勘違いし、さらに乳房を強く揉み、極度に敏感になっている乳首をつねった。
「今日はどうだった?」
そう尋ねられ、エレンはいつものように教会に行ったこと、そして家の中を片付け、ベッドのシーツを交換したと話した。それは嘘ではない。オーティスに脱がされたドレスやハイヒールが家の中、散乱していて、それを片付けたからである。もっともブラジャーとパンティはオーティスはお土産だと言って持ち帰っていたが。それに、シーツは絶対に交換しなければならなかった。その日の午後、数え切れないほどセックスを繰り返したため、すっかりびちゃびちゃになっていたからである。
夕食の後、夫とテレビを見ながらエレンは言った。
「あなた? お仕事、忙しそうだし、暇な時間もなさそうよね。だから、家の周りの雑務をしてくれる人をバイトで雇うのはどうかしら? 教会で、水道管の修理をしてた用務員さんと話したの。パートタイムならいつでもいいと言ってたわ。まずは主人に訊いてみると答えておいたわ。教会で雇ってる人だから、正直だし信頼がおける人に違いないと思うの。私もその人に庭に何か植え付けてもらおうと思ってるのよ」
夫がその考えに同意するのを聞きながら、エレンの頭の中、たったひとつのことだけが浮かんでいた。 オーティスに植え付けてもらうモノ…………あの大きな黒ペニスをしっかりと植え付けてもらうこと、それだけだった。
水曜日、仕事帰り、エレンは教会に立ち寄った。ちょうど教会の秘書が事務所を閉めようとしていたところだった。神父がいて、懺悔を聞いてもらおうと期待していたエレンは、神父が病院に見舞いに言ってると聞いてがっかりした。教会の扉は礼拝に来る信者たちにはいつも開け放されている。エレンは信者席の前にひざまずき、心の中で罪の許しを願った。
オーティスは教会の2階席で、椅子を修理しているところだったが、コツコツとハイヒールの音を鳴らして誰かが教会に入ってくるのを聞いた。窓から外を見たら、秘書の車が駐車場から出て行くのが見えた。他の信者たちも帰り始めている。それを見てオーティスは素早く行動しなければならないと思った。
まだ6人ほど、下の信者席に教会のメンバーや知り合いたちがいる。エレンは見つかってしまう恐れから、決して声をあげられないと悟り、小さく喘いだ。声をあげて誰かの注意を引きつけてしまったら、その人は何事だろうかと2階に上がってくるだろう。そうなったら、どうして自分が2階席で床にひざまずいているのか説明できなくなるのは明らか。お祈りをしていたと言っても通らないだろう。衣類をすべて脱がされ、素っ裸になって、片手で太い黒棒を握り、頭を前後に振っている状態なのだから。
その日、いつもよりちょっと遅れて帰宅したエレンは、遅れたことを謝った。
「ちょっと教会に立ち寄って、聖餐式に参加してきたので時間がかかったの」
夕食を作る前に、彼女は寝室に行って着替えをした。唇を舐めると、ついさっきしてきた聖餐式の味が残っていた。バスルームに行き、服と濡れたパンティを脱ぎ、戸棚を開けた。まだ残っていると思っていた洗浄液を全部使い切っていたことに気づき、エレンはハッと小さく声をあげた。
「大変! 夕食の後、ひと瓶、買いに出かけなくちゃいけないわ。それまで待って遅すぎにならなければいいんだけど」
おわり