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Training of a mistress 「女王様になるトレーニング」 

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Training of a mistress 「女王様になるトレーニング」

ミシェルはモニターを見て溜息をついた。「彼、またやってる」

ミシェルの母は、読んでいた本から顔を上げた。「また? 今度のはどこで手に入れたのかしら?」

ミシェルは肩をすくめた。「知らないわよ。あたしのじゃないわよ。多分、ネットとかで買ったんじゃない? それとも、街のお店に買いに行ったのかも」

「お前、何をしなくちゃいけないか、分かってるだろ?」 と彼女の母は、あごで奥の部屋を指した。

「でも、ママ! 彼、アレをやってるだけよ。どうして、あたしたち、そんな彼を止めようとしてるのかも分からないわ。彼は別に自慰をしてるわけじゃない感じだし」

「もう一度、お前に説明しなくちゃいけないのかねえ?」と彼女の母親は立ち上がった。ミシェルの隣に歩みより、モニターに映ってる光景を指さした。「これはお前の責任なんだよ。お前が私に助けを求めてきた時、お前に言っただろう? 忘れたのかい?」

ミシェルは頭を振った。「でも、あたし、こんなに大変なことだと思っていなかったの。ママは、パパの時にはすごく簡単にやっていたように見えてたんだもん」

「乱暴な男を女性化するのは、大変な犠牲が必要なのよ。常時、厳格でなくてはいけないの。男どもが一歩でも一線を踏み越えたら……それが、あそこにいるシーンがしてるように、お前が望んだ方向だとしてもだよ?……その時は、容赦なく、踏みつぶさなきゃいけないの。ちゃんとルールをしっかり決めて、決してそのルールを破らせないこと。どうしてそうしなくちゃいけないか、お前も分かっているだろ?」

「知らないわ」 ミシェルは頭を左右に振った。

「そうしないと、男どもは勝手に考え始めるからよ」と彼女の母親は言った。「彼らは、他のルールについても疑いを持ち始める。あのディルドで遊ぶこと。それについて、今、疑いを持ったら、明日は、どうして自分はこんなことまでするようになったかと考え始めるかもしれない。自分の決定を後悔し始めるかもしれない。そして、今のように、お前が自由にできるシシーになってるより、元のように、お前のボーイフレンドでいた時に戻りたいと思うようになるかもしれない。ミシェル、先のことを考えなくちゃダメ」

ミシェルは溜息をついた。「分かったわ」

「それでいいの」と彼女の母親は笑顔になった。「でも、お前なら、ちゃんとした女王様になれるわよ。さあ、あっちに行って、誰がボスなのか彼にしっかり教えてやりなさい」

[2019/02/15] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

Too much to ask 「要求しすぎ」 

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Too much to ask 「要求しすぎ」
ある人々にとっては、受容されることとは単なる概念にすぎない。そういう人たちは、自分たちが普通であるがゆえに、受容されることを当然のこととして一生を過ごしていく。そういう人々は、世の中でじろじろ見られることを気にする必要がない。自分がどういう人間であるかが理由となって、昇進をパスされてしまうことにならないかを気にする必要がない。将来ロマンティックな関係になる可能性がある人に、いつ、「びっくりさせる事実を明かす」のが適切だろうと思い悩む必要がない。そういう人たちは、政治家や宗教界の指導者や科学者が、まさに自分たちが存在することが合法的か否かを議論するのを耳にすることなど、ほとんど想像すらできないだろう。

これまで私は、数えきれないほど聞かされてきた。「あなたは自分自身になればいい」と。「それさえすれば、すべてがうまくいくから大丈夫」と何度も言われてきた。そうすれば、私の人生は意味のあるものに変わり、社会も突然、私のことを受容するようになる、と。耳には気持ちよい言葉。

時々、人々は本当に理解してるんだろうかと思うことがある。友人や家族の前に立ち、自分はみんなが思っているような人間ではないと言うのがどんなことか、本当にみんな理解しているのだろうか。本当の自分を世の中に明らかにするのが、どれだけ難しいことか、みんなは本当に分かっているのだろうか。ドレスを着たら、誰もが、ドレスを着た男性としか見ないのを知りつつ、カミングアウトをするという第1歩を踏み出すことが、どれだけ難しいことか、みんなは本当に分かっているのだろうか。もちろん、誰も分かっていない。なぜなら、あの人たちにとっては、そんなことは現実的なことではないから。そんなことは、単なる想像上の考えにすぎない。彼らは、共感はするかもしれないが、共感の範囲は、せいぜい、その程度までにしか及ばない。

答えが分かったらどんなに良いだろう。本当に、そう思う。でも、どれだけ私たち人類が進歩しようとも、私たちをありのままに見ようとしない人々がいる。自分たちが私たちはこうあるべきだと思っている姿で私たちを見る人々。多分、その人々は口に出して何かを言うことはないだろう。でも、その人たちは、心の中ではそう思っている。彼らの仲間内だけで、そのことを話し合う。仲間内で、私たちを罵倒しあい、私たちが抱えている問題をあざ笑う。彼らは、私たちを非人間化し、モノ化する。それは人間のサガだから仕方ないと弁解する。私たちは自分たちとは違う存在である。だからこそ、彼らはそれが気に食わないのだ。

また別の人々は、非常に熱心に私たちを受容することを望み、その結果、彼らの反応をあまりにひどく歪めてしまい、その結果として、私たちをヒーローとして祭り上げてしまうほどになってしまう。だが、これは、私たちを罵倒する人々と、ほとんど変わりがない。この手の人々にとっては、私たちは人間ではないのだ。私たちは口実なのである。背広の襟に着ける「進歩的」を表すピンにすぎない。彼らは、自分たちがどれだけ私たちに寛大かを人々に見せたがっている。いや、見せる必要を感じているのだ。なんだかんだ言っても、彼らは私たちのラベルにひれ伏してるのだよね? この人たちにはトランスジェンダーの友人たちがいる、だから、彼らは進歩的に違いない、としたいのだろう。これは、怒るまでもないことだとしたら、それは悲しいことじゃないのかと思う。

結局のところ、私は、ただ、他の人と同じように扱ってほしいだけなのだ。それは本当に要求しすぎのとこなのだろうか?


[2019/02/12] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

The pageant 「ページェント」 

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The Pageant 「ページェント」
「ハハハ!」とジョーイは、彼女の前に立ちながら笑った。「すごく面白いね。で? ボクが本当に着る服を教えてよ」

リジーナは顔をしかめた。「これはジョークじゃないわ」 きっぱりと言い切る言い方だった。彼女はもう少し高くドレスを掲げた。「これ、可愛いと思う」

「か、可愛い?」ジョーイの顔から笑みが消え、彼は前に進んだ。ドレスに触れ、親指と人差し指でシークイン(参考)の生地を擦った。「マジで言ってるの?」

リジーナは頷いた。「あたしたちふたりで、このために時間も労力もずいぶんかけてきたわ。あなたには負けてほしくないの」

「で、でも、これは丈が短すぎるよ。変な動きをしたら、みんなに、丸見えになってしまう」

「まあ、それも一種、重要な点ね。……それに加えて、あなたはプライバシーを保てるかというと、そういうふうにはならないみたいよ。まさか、ビキニ・コンテストのことを忘れたの?」

ジョーイは忘れてはいなかった。もっとも、そのことを頭の奥へ押しやってはいたのは事実だった。とは言え、肌を10センチ平方も覆うことができない小さな水着のことは忘れたくても、忘れられないものだった。

「もっとワクワクした感じにならなくちゃダメ。あなたは審査員たちをアッと言わせることになるの。コンテストに出る他の男たちで、あなたほど素敵な人はいないって。賭けてもいいわ」

ジョーイは後ろを向き、壁の鏡と対面した。この半年間の、体を変える集中トレーニングの結果は、決して否定できない。食事を変え、数えきれないほどの時間をウエスト・トレーナー(参考)をつけてエアロビクスに費やした。そのおかげで、彼は自分にはありえないと思っていた砂時計を思わせるカラダを得たのだった。すべて、バカげているとしか思えない女性が参加しない美人コンテストで勝利するため。彼は、本当にこんなことをする価値があるのだろうかと思わずにはいられなかった。

ジョーイは少し内省した後、口に出した。「これ、ボクは出られないよ」

「そんなことないでしょ。あなたは出るわ」とリジーナは彼の背中に体を寄せた。

「ボクに出させる気? みんなにこんな格好のボクを見られたくないよ」

「誰もあなたに何かを強いたりしないわ。でも、ひとつひとつの選択には、それなりの結果が伴うもの。今ここで、間違った選択をしたら、あたし……あたし、いつまであなたのそばにいられるか分からない……」

「こんなバカげたコンテストのせいで、ボクを捨てるつもり?」

「そんなことないわよ」 と彼女は言い、彼は安堵と言えそうな気持を感じた。だけど、その気持ちは、その後の彼女の言葉を聞いて、急速に消えていった。「でも、あなたがそんな気まぐれな態度で、あたしが費やした時間を無駄にしてしまうなら、あなたを捨てるかもね。どれだけあなたにあたしが労力をつぎ込んだか、それを気にしないようなら、あなたを捨てるわ。心を決めるときにあたしのことを考えないなんて、そんなことが分かったら、あなたを捨てると思う」

「で、でも……」

「でもって言うの止めて、ジョーイ。コンテストに出ないというなら、それが意味してることは、あなたがあたしのことを考えていないと、そういうことよ。あなたは、さっきから、そういうことを言ってるの。そんなにあたしのことを軽んじてる人と一緒に暮らすなんて、あたしにはできない」

ジョーイは当惑してしきりに瞬きした。そして、瞬きを続けながらリジーナの瞳を見つめた。彼女と別れたくない。その気持ちは確かだった。

「分かったよ。でも、これが終わったら、ボクは普通に戻るからね。いい? その後は、パンティはナシ。お化粧もナシ。ウエスト・トレーナーもナシ」

「その時になったら考えましょう? 今は、このドレスを着ること。あたし、シークインの服に包まれたあなたのキュートなお尻が見たいの」


[2019/02/08] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

The other road 「別の道」 

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The other road 「もう一つの別の道」

「こう言って、何か変わるならの話だけど……」 あたしは彼女に目を合わすことができず、床に目を落とした。「ごめんなさい」

顔を上げると、マーガレットは、怒りに燃えた目であたしをにらんでいた。愛する人が怒っている。しかもその怒りは完全に正当な怒り。それよりも少し悪いかもしれない。あたしは、できる限り彼女の怒りに耐えていたけど、彼女に悲しいほど酷いことをしたのは自分だと知っている。それは事実で、あたしはそれから逃れることはできない。

「ごめんなさいって、それがあなたの説明? それとも言い訳かしら?」 と彼女は鼻で笑った。「あなたを見つけたと思ったら、ダリルのペニスを根元までアナルに入れられてたけど、ごめんなさいと言ったから、それでいいと? 最低ね、レズリー。謝るにしても、最低」

「こんなことをするつもりはなかった」とあたしはつぶやいた。

「本当に? あなたはあたしを弄んだのよ。みんなを弄んだ。まあ、今、あなたは欲しかったモノをもらってるところじゃないの? こうなる計画だったんじゃないの? あなたのフェチを賄ってくれるバカな女を見つけて、手術やらホルモンやらのおカネを全部、あたしが払いきったところを見計らって、本性を露わにする。そういうことだったんでしょ? 最低!」

「そんなふうに進んだわけじゃない」 自分が全裸でいることが気になって仕方なかった。ダリルは、すでに部屋の隅に退散していて、勃起を隠すのに必死になっていた。「こういうことになるなんて、全然、思っていなかったの。今日までまったく。あなたが思っていた通りだったの、今日までは」

始まりは、夫婦のベッドの中、軽く女装することだった。ふたりの関係にちょっと味付けをしてみようと思って始めたことだった。でも、あのパンティに脚を通した瞬間、単に「フェチ」というラベルをはるかに超える何かがあることに気がついた。その瞬間から、あたしはどんどん女性化の道を進み始めた。そして、その間、ずっとあたしのそばにいてくれたのがマーガレットだった。まさに、パートナーを献身的に支えるガールフレンドを絵に描いたような存在だった。すべての費用を払ってくれたし、彼女自身、あたしの女性化の過程に熱心に参加してくれた。何より、後になって、ずっと前からあたしの中に隠れていたと分かった、あたしの中の女性の部分。あたしがそういう女性になるのを彼女は手助けしてくれたのだった。でも、彼女に隠れて浮気をすること。それだけは、元々の計画にはなかったことだった。少なくとも意識的には、そんなことは考えていなかった。自分でも、そういうことをしたい気持ちがあるとは思ってもいなかった。長年の友人の前にひざまずき、その太い肉棒を見つめた時。その時まで、まったくそういう気持ちはなかった。

「その時のあなたの顔を見たわ。ずっと見ていた。あなたが、あういうことをするつもりがあったかなかったかなんて、あたしはどうでもいいの。実際に起きたことなんだから。実際にあなたはダリルとやっていたんだから。それに、あなたは、もう前には戻れないでしょ? あなたがこういう方向に進むはずはないって思っていたけど、今は、そんなことを思っていたあたしは何てバカだったんだろうって思ってるわ」

「ほ、本当に、ごめんなさい」 他に言うべき言葉が見つからず、あたしは繰り返した。彼女は正しい。隅から隅まで正しいことを言っている。彼女を傷つけてしまったことを悔やんでいたけれど、彼女に別れないでくれと言い争うつもりもなかった。

「危うく、あなたのことを信じるところだったわ」と彼女は立ち上がった。ドアへと向かいつつ、彼女は振り返った。「あなたがいないときに、あたしの荷物を取りに来るわね。

そして、彼女は出て行った。あたしは彼女が出て行ったドアを見つめていた。

「それじゃあ……」 とダリルが部屋の隅から呼びかけた。「またやりたいんだろ?」


[2019/02/06] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

The Contest 「コンテスト」 

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The Contest 「コンテスト」

コリンはカウンタにもたれかかり、ティーを啜った。妻のフェリシアがキッチンに入ってくるのに気づき、顔を上げた。「ボクは準備ができてないよ」

フェリシアは夫の姿に頭からつま先まで視線を走らせた。そのカラダのひとつひとつの曲線を視線で愛撫するかのように。「いいえ、準備ができてるはずよ。あなたはとても素敵。他の人たちで、あなたほど素敵に見える人はいないって保証するわ。コリン、あなたはそのカラダを手に入れた。すごいわ。あたしは、あなたが勝つって信じているわよ」

コリンは頭を左右に振り、うつむいて、ティーが半分ほどに減ったカップに目を落とした。そして「したくないだ」と呟いた。

「え? なんて言ったの?」 フェリシアは、片手をカウンタに、もう片手を彼の腰に当てた。

「自分でも、これをやりたいか分からないんだよ。本当に。ぼ、ボクは、ただ前のような暮らしに戻りたかっただけ。そもそも、どうして、こういうことをすると同意したのかすら、分からないんだ」

フェリシアは引きつった笑いをした。「あなたが同意した理由なら、2千万個くらいは挙げられるわね」 そして、溜息をつき、いらだたし気に髪を掻いた。「あなたのことが信じられないわ、コリン。本当に。あたしたちが、貧困から抜け出るチャンスなのよ、これは。それとも、あの、ワンルームのアパート生活に戻りたいってこと? 不定期のバイト生活に戻りたいの? それともお金持ちになりたいの?」

「ぼ、ボクは……ボクは……」

「それが、まさに、あなたの問題だわ。優柔不断。そんなわけで、あなたは全然、男らしいところを示すことができなかったのよ。あなたを愛してるわ。本当に。でも、今の姿になってから、あなたはとても裕福な暮らしができてるようになっているの。コンテストに出なくても、そうなっているの」

「え、何? ふざけているんだよね?」

フェリシアは肩をすくめた。「マジかもね」と彼女はコリンの肩に手を添えた。「でも、そんなの関係ないわ。あなたはここまで頑張ってきた。自分の姿を見てみて。他の人たちで、あなたほど素敵に見える人なんか誰もいない。だから、あなたは出るべきなのよ。たくさんのカメラに笑顔を振りまいて、こんな素晴らしい体験はなかったと言わんばかりに胸をはって歩くの。そして、審判員の人たちが審判を下した途端に、あたしたちは、気楽な人生の道を歩き出すことができるようになるのよ」

「単純化しすぎてるよ」

「だって、単純なコトだもの。難しかったのは、今のあなたの姿になるまでだった。それなりの女性のように歩いたり、話したりするのを会得するまでが難しかった。でも、あなたは、その難しいところはちゃんと乗り越えたのよ。これから後は簡単な部分。今は、コンテストに出て優勝し、賞金をもらって、ぜいたくな暮らしを始めることだけ。それが、コンテストに出ると決めた時の計画だったじゃないの。あれから何も変わってない」

コリンはうつむいて、自分の胸を見た。「ずいぶん変わってしまったよ」

「まあね」と彼女はクスリと笑った。「でも、計画は変わってないわ。さあ、グダグダ言うのはやめて、パンティを履いて。コンテストに出て勝つの!」


[2019/02/05] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

The big city 「大都会」 

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The big city 「大都会」

「こ、こんな感じ?」 とアレックスは四つん這いになって不安げに振り返った。「こういう格好になって欲しいの?」

ミシェルは、腕を組みながらベッドから離れた。興奮で叫びだしたくなる。この子、すごく素敵! あたしが求めていたすべてを備えてる。しかも、この子ったら、自分に何が起きてるか知らないでいる。金髪で碧眼で、とても男のものとは思えないようなボディ。まさに、あたしにとって完璧と思えるパートナーを絵に描いたような存在。

それに、この子が信じられないほどウブなのも嬉しい。中西部の田舎町からここに引っ越してきたばかりからか、彼は、必死に、この大都会に馴染んでいるように見られたがってる。だけど、彼に会った人なら誰でも分かるけど、この子は、大都会でどう振る舞ったらいいかも、何を期待すべきかもほとんど知らない。それが痛々しいほどバレバレ。

そして、ミシェルは、そんな彼に大都会での交際の仕方を教えたがっている。

彼女は股間に装着したディルドを握った。「ちょっと痛いかもしれないけど、でも、一度、その痛いところを超えたら、気持ちよくなってくるから。本当よ」

「こ、これ、本当に都会の人たちがセックスするやり方なの? これってちょっと……」

「あたしを信じて」とミシェルはアレックスの言葉をさえぎって、彼に近づいた。ぷっくりした彼のお尻に両手を当て、荒々しく揉みだす。彼はびっくりして、小さな悲鳴をあげた。

「あなたのような子がセックスするときは、こういうふうにするものなの。リラックスして、あたしにされるがままになるのよ。後であたしに感謝することになるはず」



[2019/02/04] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

That defining moment 「あの決定的な瞬間」 

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That defining moment 「あの決定的な瞬間」

その日は、完璧な一日だったはず。あの日のデートは、何か複雑な、充分に計画を練ったデートではなかった。特に取り立てるべきことをしたわけでもなかった。いつものように、サムとあたしは一緒に過ごし、ふたり一緒にいることを楽しんでいた。それが、あたしが望めることのすべて。少なくとも表面的には。でも、本当は違う。彼が言うジョークに大笑いしたり、彼にキスを盗まれ、喜んでいた時ですら、あたしは、ほとんど、自分の秘密のことにしか意識を集中できていなかった。そして、その秘密が明るみに出たら、あたしは死んでしまうかもしれない。

「ちょっと打ち明けたいことがあるの」 あたしのアパートに着いたとき、彼から手を離して、思い切って言った。

「君が連続殺人魔だということ?」 と彼は笑った。「それとも、逃走中のギャングの一員だとか? それとも……」

「真面目な話なの」 あたしは彼の言葉をさえぎった。泣きたい衝動を感じ、あたしは後ろ向きになった。「あたしは、あなたが思ってるような人間じゃないの」

彼はあたしの腕を取り、優しく、向きを直させた。「いや、君は僕が思ってる通りの人だよ……君は賢い。君は綺麗だ。そして、僕はそんな君に恋をしてる」

あたしは彼と目を合わせることができなかった。「あなたは、そもそも、あたしのことを知らないわ」

「充分知ってるよ」 彼はあたしに近づき、あたしはそれに押されて、後ろのブロック塀の壁へと押しやられた。「僕が知りたいことは、ちゃんと知っているから」

顔を上げたら、彼の真剣な瞳が目に入った。それを見て涙が溢れてくるのを感じ、あたしは瞬きをして、涙が流れるのを防いだ。「本当のことを知ったら、多分、今のようには言わないと思う。そう言わないと分かってるの」

彼は溜息をついた。そして引き下がりながら言った。「じゃあ、話してくれ。僕はただ……」

「あたしは女じゃないの」 と囁いた。

「え? 何? 冗談を言ってるんだよね。僕は君が……」

「あたしは女として生まれなかったの」 とあたしはうつむき、コンクリートの床を見つめた。16歳の時に女性化を始めたわ。あたしはトランスジェンダーなの、サム。本当に……本当に、ごめんなさい」

彼は長い間、黙っていた。あたしは彼の顔を見る勇気がなかった。これまでも何回も見てきた、恐怖と嫌悪感で歪んだ顔。それを観たくなかった。嘘つきと呼ばれたいわけじゃないし、変人と呼ばれたいわけでもない。ただ、普通の関係を得たいだけ。

「じゃあ、証明して」と彼は言った。

「え、何んて?」 あたしは顔を上げた。彼は好奇心に満ちた顔をしていた。あたしは、彼がそのような顔をするとは予想していなかった。

「完全に女性化したところまではいっていないんだよね?」 あたしは左右に首を振って、まだ、手術を受けていないと伝えた。「じゃあ、アレを見せてみて」

「あたしをからかっているのね」

「いや、そんなつもりじゃないよ。見てみたいだけ」

あたしはどうしたらよいか分からなかった。これまでいろんな反応を経験してきたけど、好奇心というのは予想した反応にはなかったから。でも、その意味を頭の中で整理するより前に、あたしの両手は、無意識的に、ショーツの腰バンドへと這っていた。両手の指がタイトな青い生地へ掛かり、引き下げていく。そして、あたしの体の中、唯一残ってる男らしらを露わにした。あたしは息を止め、彼の反応を待った。

そして、彼は、声に出して笑い出したのだった。

あたしは彼を睨み付け、素早くショーツを元に戻した。「ひどいわ、サム。あなただけは違うと思っていたのに! あなただけは……」

「僕は君のことを笑ったんじゃないよ」と彼はあたしの言葉をさえぎった。「取るに足らない問題だから、笑ったんだ。2年くらい前に、この問題は困るかって訊かれたら、自分の彼女がおちんちんをもってるかどうかは、確かに気にしたことだと思う。だけど、今だよ? これだけ君と付き合ってきた今は、それって何の問題もないように思うけど。君の脚の間に何があるかは、どうでもいいよ。君のことを愛しているんだから」

「ど、どういうこと?」

「君を愛している」と彼は近寄ってきて、あたしを壁に押しつけてキスをした。そして、キスを解いた後、彼は言った。「そして、これからも、君を愛すると思う。君が以前、どんな人だったかは気にしない。君の脚の間にあるモノも気にしない。今の君がどんな人なのかは気にする。僕が愛してる女性がどんな人なのかは気にする。それだけだよ。付則事項はなし。但し書きもなし。ただ、愛してるかどうかだけ」

あたしは唖然としていた。長い間、唖然として彼を見つめることしかできなかった。そして、長い沈黙の後、あたしはようやく口にすることができた。「あたしもあなたを愛している」


[2019/02/04] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

Soon 「もうすぐ」 

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Soon 「もうすぐ」

「ふたりとも、その調子! いいわよ!」 あたしは、双頭ディルドをベッド面に平行に掲げながら言った。「あなたたちのどっちが、可愛いおしゃぶり娘なのか、あたしに見せてちょうだい!」

女性化したふたりとも、一切、ためらいを見せなかった。ふたりとも即座に四つん這いになった。肩に垂れる長いブロンドの髪の毛。ウブっぽい愛らしい顔のお化粧も完璧。ふたりとも、紅を塗った唇を開き、前に顔を突き出し、シリコンのおもちゃを唇で包み込んだ。早速、顔を前後に動かし始める。唾液たっぷりの湿った、吸うような音が部屋を満たす。あたしは、ふたりを見ながら、思わず笑顔になっていた。まるで、宝くじでも引き当てたような気持ち。

ふたりはあたしのためならどんなことでもする。でも、それ自体は、そんなにびっくりするようなことじゃない。男というものは……女の子の気を引くために競い合ってる場合は、特に……すごく簡単に操れるものなのだ。ちょっとだけ性的にイイことをしてあげると約束してあげるだけでいい。そうすれば、男はあたしが何を頼んでも喜んでするようになる。

「いいこと? 一番上手におしゃぶりできた方が、今夜、あたしを舐められるの」

猫なで声で言ったら、ふたりはさらに頑張り始めた。このライバル同士のふたりが、あたしを口唇愛撫する権利を競い合っている。あたしは、いっそう大きな笑顔になった。

今はこの程度だけど、もうすぐ、ふたりは今とは反対向きの姿勢になるときが来るはず。逆向きになって、このディルドをお尻に入れあうようになるはず。あたしのおもちゃで貫かれたふたりが、互いにお尻を突き上げあって、ぶつかり合うお尻がピタピタ音を立てる。そんなことを思い浮かべただけで、あたしはあそこが濡れてくる。

さらにある時点になると、ふたりは互いに愛し合うようにもなるだろう。レズビアンのシシー。完全にあたしに身を捧げたレズのシシー。でも、それはまだ先の話。もうすぐだろうけど、まだ、ふたりはそこに至る準備はできていない。だけど、そうなるのは、もうすぐ。本当に、もうすぐ。


[2019/02/04] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

Scholarship 「奨学金」 

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Scholarship 「奨学金」

「あなたがこれをしたいと言ったのよ。忘れてないと思うけど、あたしはやめるように言ったわ」 とケイリーが言った。

「覚えているよ」とケーシーは答えた。「でも、だからって、何も楽にならないよ。それに『だから言ったでしょ』って言われても、何の助けにもならない」

「あたしがやめるように言ったのは覚えてるってわけね。宿命かなんかなら別だろうけど、これって、じきに手に負えなくなるって知ってるべきだったのよ。あなたは、本物のトランスジェンダーの女性から奨学金をもらってるの。それ、気にならないの?」

「ボクを見てよ」とケーシーは髪を掻き上げた。「今はボクも立派なトランスジェンダーの女だよ。おっぱいもある。ボクのヒップは君のよりも大きいよ」

「あなたが女の子のように見えるからといって、あなたがトランスジェンダーだということにならないわ。そのカラダになることがあなたにどんな影響を与えてるのか、あたしにははっきりしないけれど、でも、トランスジェンダーになるっていうのは、身体的なことと同じくらい精神的なことでもあるんじゃない?」

「ああ、まるでヒル先生みたいなこと言ってるよ。ボクは、ただ、これを早く済ませてしまいたいだけなんだよ。できるだけ早く学位を取って、元のボクに戻りたいだけなんだよ」

「じゃあ、それって、そんなに簡単にできると思ってるわけ? これを始めて1年しか経っていないのに、あなたはあたしが想像してたよりずっと先に進んでしまってるわよ。ベストなシナリオだと、2年で終了できる。でもそれは、夏を2回、フル稼働状態で女性化を経験するならば、ってころなの。正直に言って? それだけの時間を経た後でも男に戻れると、本当に思っているの?」

「あのバカな医者のところに行く必要がなければ、そんなに悪いことにならないんじゃない? あのホルモンを摂取する必要がなければ、多分、元に戻れるんじゃ……」

「ドレスを着たり、ウィッグを被ったりするだけ。そうすれば学費を払ってもらえると?あたし、あのホルモン云々って、まさにそれを阻止するためにあるんだと確信しているわ。それに、あなたも分かってると思うけど、あれは、性変換途上のトランスジェンダー女を助けるためにあるモノなのよ」

「ああ、でも……ボクはやめないよ。今はやめない。全部が終わるまでやめるつもりはないよ」

「大学の学費を払うにも、もっと簡単な方法があるわ」

「ああ、だけど、それはボクには向いてないよ。この方法だけなんだよ、ケイリー。これがボクにとって最善策なんだし、これを台無しにするつもりはないんだよ、ボクは」


[2019/02/04] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

Say it 「口に出して言いなさい」 

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Say it 「口に出して言いなさい」

「お願い、マリー。頼むから、やめて……」

「あなた、あたしがするのは知ってるでしょ。あたしにはどうしようもできないわよ。そんな見え透いた演技は、もう、たくさん」

「そういうの、古臭くなってきてるわ」

「いいから、してほしいって言いなさい。それを言うだけでいいの。ちゃんと言ったら、してほしいことをしてもらえるのよ」

「本当に言わなきゃダメ?」

「オーケー、分かったわ。あなたは今日はしてほしくないようね。それはそれでいいわ。別にあたしは……」

「イヤ! お願い、マリー。あたし……ええ……あなたにしてほしい。これでいい? お願い。あなたの大きなおちんちんがないとダメなの」

「まるで本気で言ってるような言い方ね」

「本気で言ってるわよ! お願い、あたしを犯して!」

「あらまあ、嬉しいこと言ってくれるわね。あなたがライリーのことをからかっていた頃のことを思い出したわ。何でからかってたんだっけ?……そうそう、女の子みたいな服を着たり振る舞ったりすることについてだったわよね? 本物の男たるもの、自分自身にそういうことが起きるようなことは決して許さないものだって、あなた、延々、語っていたわ。でも、今の自分の姿を見てみなさいよ。脚を広げて。あなたのちっちゃなモノを見てみてよ。ふにゃふにゃで役立たず。それに引き換え、おっぱいの方はいい形に育ってきてるじゃない?」

「お願い、マリー。あたしはただ……」

「それに、そのキツそうな可愛いアナル。あたしのストラップオンが欲しくて、ヒクヒクしてるじゃないの。それって、結局、あなたはもはや本物の男じゃないということを示してるんじゃない? あたし、知りたいのよねえ……あなたは今は何者になってるの、って」

「そんなこと、あたしに言わせないで……」

「別にあたしはあなたに何かしてって強制してるわけじゃないわ。思い出してね。これってすべてあなた自身が選択してきたことだってことを」

「あの薬がなかったら、あたしだって何もしなかったわ。あたしは、ただ……あそこに何か入れてもらってないとダメな体になってしまっただけ」

「あら、知らないの? あの薬はプラセボよ。あなたには元々、内面にシシーがいて、そのシシーが顔を出してきただけなの。さあ、あなたは何者なのか、声に出して言いなさい。そうすれば、欲しいモノをもらえるわよ」

「あたしは……あたしはシシーです」

「そう。まさにその通り。さあ、あんまり大きな声でよがったりしないよう注意してね。ご近所さんにご迷惑をかけたくないもの」


[2019/01/27] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

Reunion 「再会」 

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Reunion 「再会」

「いつになったら、あなたがあのフェンスから顔を出すんだろうって思っていたのよ」 彼女はそう言い、僕はすごく驚いて、危うく倒れそうになってしまった。「見たかったら、見せてくれって頼むだけでいいのに」

「ぼ、僕は……あの……ただ、僕は……」 僕は新しく引っ越してきた隣人をじろじろ見ていたことの言い訳を探して、言葉に詰まっていた。本当の理由は決して言えない。彼女はすごい美人で、しかも裸だったし、一方の僕はやりたい盛りの10代の若者だったのだから。

「リラックスして」 彼女はそう言って、うつ伏せの格好のまま、僕の方に顔を向けた。彼女の顔は、不思議にどことなく見覚えがあった。「あたしは気にしないから。それに、あたしたち古くから友だちだったんだから、なおさら」

「え? だって、君は先週、引っ越してきたばかりじゃ?」

彼女は笑った。歌うような笑い声。その声にも僕は記憶をくすぐられた。僕は首を突き出し、改めて彼女の顔をよく見た。こんな可愛い子にどこで会っただろうかと思い出そうとした。同級生だった子か? 友人の友だちだった人? でも、確かに言えることとして、彼女がウチの隣に引っ越してくる前に、僕が彼女に会っていたとしたら、絶対、忘れるはずがないということ。

「まるで、今にもポンと弾けそうな顔をしてるわよ。あたしは誰だろうって、頭の中、記憶を検索しまくってる。可愛いわ。あなたにひとつだけ、ヒントをあげる。あたしは、最後にあなたと会った時とは、ずいぶん変わったの」

それなら完全に納得できる。たったひと夏で、信じられないくらい変身してしまう女の子たちを何人も見たことがある。高校2年から3年になるとき、ベッキー・キングは夏休みの間に30キロ近く痩せて、全然、見違える人になった。多分、ここにいる隣人も同じような変身を遂げたのだろう。でも、それでも僕は彼女が誰か相変わらずさっぱり分からなかった。

「あん、もう。まだ分からないの? ちょっと視覚的な助けが必要?」

僕が返事をする間もなく、彼女は仰向けになって、裸の全身を露わにした。最初に目が行ったのは、彼女のツンと張りのある胸。そして、その頂点の半勃起した乳首。僕が見たことのある乳首の中でも最高に完璧と言える形だった。僕はあまりに気がそぞろになっていたのか、彼女の脚の間に見えていたモノが、ほとんど、頭の中に登録できない状態だった。だけど、突然、その存在に気づき、僕は1トンものレンガを落とされたような衝撃を受けた。

彼女は再び明るく笑った。「ちょっと、びっくりした?」 と彼女は小さな柔らかいペニスを握って言った。もしペニスにも女性的なペニスというのがあるとしたら、彼女のそれがその形容に値するのは確かだった。

「き、君は……女の子じゃないのか……」

「あたしは女よ。ちょっと余分なのがついてるだけ」

「でも……」

「まだあたしが誰か分からないのね、ジミー?」 僕は頭を左右に振った。目は相変わらず彼女の股間のモノに釘付けのままだった。「あなたは前からかなり鈍かったものね。あたしよ、ケーシー。あたしのこと覚えてくれてると期待してたんだけど」

ケーシー? 僕は彼女の顔を見た。確かに旧友の面影が見えた。彼に最後に会ってから4年になるけれど、いったんケーシーの面影を探し始めると、確かに、彼としか見えない。いや、彼女というべきか。

「あたしがここを離れたのは、これのためだったの。昔のあたしを知ってる人たちに囲まれた環境で転換をしたくなかったの。でも今は、もうそれを心配する必要はないわ。あなたでもあたしだと分からなかったなら、誰も分からないから」

「ぼ、僕は……なんて言っていいか分からない。だけど、君は綺麗だよ」

「相変わらず、優しい人。あなたがその点を変わらずにいてくれて嬉しいわ。それでね……あたしはこの出会いを4年も待ってきたの。多分、それ以上待ってきた。でも、今、両親は家にいないのよ。それに、あなたがあたしを欲しがってるのも知っている。だから……そのフェンスを飛び越えて、あなたがどんな男になったのか、あたしに見せてくれない?」


[2019/01/26] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

Return 「帰郷」 

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Return 「帰郷」

「いや、あの人、彼じゃないわ。あたし信じない」

「信じなさい。絶対にトロイだから」

「な、何が起きたの? それに、そもそも、どうして彼がここにいるの? 彼、去年、卒業して……」

「彼のママが、あの事件の後、彼は逆の立場から卒業パーティのプロムを再体験しなきゃダメと思ったのよ。あなたも知ってるでしょ? ルーフィー(参考)が絡んだジェイラの事件」

「でも、それって彼にはあんまりよ! それに、いったいどうやったら、たった1年であんな姿に変われるって言うの?」

「あたしが知ってるみたいな言い方だけど、そんなの知らないわよ。それに、彼、ジェイラが薬物を使われたとき、その場にいたのよ。彼のママは、それを聞いただけで十分たったのよ」

「でも、彼、胸があるわよ。それにあの体つき……彼、まだ、ついてるの? ……分かるでしょ、アレのことだけど」

「ベッキーは、まだついてるって言ってたわ。それに、彼は、これは全部、元に戻せると思ってるとも言っていた。バカよね。あれが元に戻せるなんて。彼、もう二度と男にはなれないのに、それすら知らずにいる」

「可哀想に。信じられる? あたしたちみんな、彼のことすごくセクシーって思ってたのよね。すごく逞しい筋肉の体。 それが今は」

「彼は今もセクシーだわ。ただ、分かるでしょ? 前と同じ意味じゃないけど」

「ひとつだけ、確かなことがあるわ。ここにいる男たちみんな、味見をしてみたがってるようだってこと。フットボールのチームメイトだった友だちですら、そう思ってるみたい。男たちみんな、彼が以前はちゃんとした男だったことなんか、全然気にしていないみたいよ」

「ま、あたしに言えることと言ったら、彼、ブラッドからは飲み物を受け取らないようにすべきってことね。さもないと、彼も、ジェイラが経験したことを身をもって体験することになるって」


[2019/01/26] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

Recipe 「レシピ」 

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Recipe 「レシピ」

「ジュリアン、このふたり、完璧だわ。どこで見つけたの?」

「ああ、あなたが気にしてたのは、それだったのね? いい? 良い奴隷っていうのは、作るものなの。見つけるものじゃないの。このふたりも同じよ」

「でも、このふたり、夫婦だったんでしょ? その条件にフィットする候補者を見つけるのって難しかったんじゃない? そもそも、女体化してそれなりに通用する姿にできそうな男性を見つけること自体、簡単じゃないわ。それに見合うような奥さんも加わるわけでしょ? はるかにずっと難しくなるんじゃない? だから、ものすごく苦労したわけじゃないなんて言わないで。あたしだって分かるわよ、ジュリアン」

「アメリカ人のあなたなら、そう思うかもね。でも、あなたは、ある1点で間違ってるの。問題は努力じゃないの。手入れを怠らないことが重要なの。適切な候補者はいたるところに転がってるわよ。ちゃんと目を見張るだけでいいの」

「ていうか、あたしの質問に答えてるつもり? どこでふたりを見つけたのって訊いてるの。ふたりの経歴は? どうしてふたりはここに来たの?」

「よくある話よ。あなたも100回は聞いたことがあるんじゃないかしら? 若い新婚夫婦が偶然、幸運に恵まれる。大金持ちの有力者のビジネスマンと出会い、ぜいたくな生活を送らせてくれると約束される。もちろん、ふたりは最初は拒否する。だけど、ふたりは、すぐに約束された富という罠に取り込まれてしまう。いったん、そうやって捕獲したら、後のプロセスは簡単だわ」

「そういうの、今まで、とても信じる気になれなかったわ」

「まあ、そうでしょうね。でも、本当の話よ。誘惑するときが難しいところね。心を崩壊させるのは、ふたりがあたしの慰み物になると同意したら必然的に導かれること。それでも、それにも技術が必要だわ。それは否定できない。ゆっくりと導いていくことが必要。一回のステップにつき、すごく小さなことで、徐々に壊していくの。ひとつでも、間違ったステップを踏んでしまうと、失敗につながってしまうことがあるわ」

「ということは、それが、あなたのアドバイスってこと? ゆっくりしなさい、と?」

「巧みに接触すること。ふたりの側に立つこと。支配的な立場を確立すること。反対者からの接触は断ち、ふたりを孤立させること。そうすれば後は設計した通りに流れていくわ。人間の心は従順なものだということを信じること」

「ジュリアン。謎や、曖昧なことばっかり。あなたからは、そういうことしか教えてもらってないわ。ある日は本当のことを教えてくれたかと思うと、別の日には、普通に見えるカップルを、まるで魔法みたいに献身的な性奴隷に変えるやり方を言う。」

「ああ、でもね、マジシャンは秘密をばらさないものでしょ? あたしの成功のためのレシピも、ビジネスを続けていくには、秘密にしておかなくちゃいけないんじゃない?」

「それもそうね。それで、いくらかかるの?」

「いつも通りよ。あなたが払えるだけ」


[2019/01/23] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

Progress 「進歩」 

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Progress 「進歩」

ハピーエンドなんて、そもそも、あたしのような人間に起こるとは考えられていない。成長過程の時期、あたしは一度も周りになじまなかった。あたしは、気持ち悪い、太った子供で、サッカーをするより、蝶々を追っかけていたいと思っていた。もちろん、あたしは馴染もうと頑張ったわ。本当に頑張った。他の男の子たちのようになりたいと、心から思っていた。でも、そうはならなかった。あの頃ですら、あたしには決して周りの男子のようになれないと分かっていたと思う。

その頃、学校でみんなが、トランスジェンダーのことについて話してるのを聞いた。彼らが知ってる範囲だろうけど。彼らはまだ未成年だったにもかかわらず、女の子と経験を積んでいた。トランスジェンダーの男は、お人形で遊んだり、姉さんの服を盗んだりすると。みんな、失恋したこととか、友だちに変な気持ちを抱いたこととかを話してた。あたしにも、この女優はどうとか、あの歌手はどうとか言っていた。あたしは、何もよく分かっていなかったので、別にどうでもいいと思っていた。

確かに、あたしにも好みはあった。女性の服を着るのが好きだったのは覚えている。学校の人気者の女の子になれたらどうだろうと思ったこともあった。みんなが憧れるチアリーダーの女の子とか。でも、あたしがうらやましいと思ったのは、彼女たちの女らしさだけじゃなかった。もっと奥深い理由があった。女の子みたいになりたいというのもあったけれど、それよりもむしろ、みんなの人気者にもなりたいと思っていた。もっと可愛くなりたい。正直言えば、「可愛くなる」の方が、「女の子になる」よりもずっと重要なことに思っていた。

大きくなるにつれて、事態はひどくなっていた。周りの太った男の子たちは、たいてい、その脂肪分の体を筋肉に変えていた。ボディ・ビルダーとは思えない人ですら、しっかりした体格の男性になってるように見えた。だけど、あたしは違った。あたしが変わったのは、体毛が増えたとか、ちょっとだけ声が太くなったとか、望んでいないのに勃起することが多くなったとか、それだけ。誰も気づかない。あたしの男性自身は、その言葉にふさわしいサイズになることはなくて、あたしのみっともなさを強調することにしかならなかった。自分は、他の男子に比べてはるかに小さいのだと思ったし、他の皆もそれを知ってると納得していた。

ようやく、女性化しようと決めてから、こういう感情は薄れていったと言えたら、どんなに良いだろう。でも現実は、相変わらず、周りにビクビクしてるデブの男の子があたしの中に残ったままだった。

とは言え、少しずつ良くなってきている。実際、今は、あたしのことを魅力的だと思う人がいるだろうと想像できる。それは新しいことだった。いまだに、そういう状態に正確にどういうふうに対処すべきか、自分でも分かっていない。女としては、おちんちんのサイズは大きな問題ではない。むしろ、小さい方が良い、可愛いと思う人もいる。それでも、まだ自信が持てない。あたしにとっては、小さいアレは、以前と変わらず、自分が人並みでないことを示す象徴のままであり続けている。

でも、さっきも言ったように、あたしは進歩を続けている。いつの日か、鏡で自分の姿を見て、過去の自分とは違う何かが、こっちを見てると思える日が来ると思う。人に愛されるに値する美しい女性の姿を見ることができる日が来るかもしれない。

今できることは、いつかそういう日が来ると希望を持って生きることだけ。


[2019/01/23] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

とうとう本物の泥棒が (6) 


今や彼女は男の言うがままになっていた。もし、男が一晩中やろうと言ったなら、喜んで同意していただろう。

「ええ、そうして。ゆっくりやって」と彼女は囁いた。彼女は、一瞬だけ夫のことを思ったが、意識して、彼のことを忘れることにした。

男はにやりと笑った。

「じゃあ、ちゃんとやることにしようぜ」

そう言って男は体を起こし、いったんペニスを引き抜き、彼女の頭の下から枕を取った。「奥さんが俺を受け入れられるのが分かったからな、今度はじっくり楽しもうな」

彼女は素早く腰を浮かせ、男はその下に枕を置いた。そして再び挿入する。今度は一気に根元まで突き刺した。

それから5分が過ぎ、そして10分が経過した。その間ずっと、休むことなく男は抜き差しを続けていた。単純にピストン運動をつづけたかと思うと、時々、角度を変えてストロークを送り込む。

彼女の方も、今や両脚を高々と上げ、男の腰に絡め、その胴体に両腕・両脚を使ってしがみついていた。ふたりの体からは汗がほとばしり、シーツを濡らしていた。

やがて彼女はオーガズムに近づいてきた。もともと、セックスの時に声を出すタイプの彼女だったが、今は、前よりもさらに大きな声を出していた。すでに夫のことは頭から消えており、彼女の声は、囁き声といったレベルをはるかに超えている。

「ああ、すごく大きいわ。もっとヤッテ。その大きくて黒いので突いて。ヤッテ、ヤッテ! ああ、イキそう。ああっ、ああっ、いく、いく、いくぅぅぅぅ……! 信じられない!」

そんな彼女の反応に、男は声に出して笑った。彼女は、絶頂に達すると、全身を強張らせ、片手は男の背中に、もう片手は尻頬に当て、指を肌に食い込ませた。爪が肌に食い込み、血が出てるかもしれないと思ったが、男は気にしなかった。

……こんなに大きな声を上げて。今さっき、キッチンにいる旦那も、自分の妻がイク声を聞いたんじゃねえのか。……哀れなヤツだぜ。さぞかし、向こうで歯ぎしりしてるだろうな。

男は彼女の呼吸が落ち着くのを待って、再びストロークを開始した。

「さてと。……もう1発、奥さんのマンコに撃ち込んでやろうな」 その声はキッチンにいる夫にも聞こえるほどの大きさだった。「それが終わったら、ここから出て行ってやる。奥さんも、もう一回、イケそうなら、俺と奥さんとで、どっちが早くイケるか競争しようじゃねえか」

率直に言って、それは競争と言えるものではない。というのも、彼女は、事実上、連続オーガズムになっていて、イキっぱなしと言ってよかったからである。ともあれ、男は、射精に向けて本格的な抽迭運動に入った。激しい抜き差しで、男の睾丸が彼女の尻頬を叩く、規則的な音が部屋中に響き渡った。ピストン運動の速さばかりでない。30センチはあるペニスの先端から根元までを使ってのストロークでもあった。上下に動く男の尻の振動幅からもそれが分かる。

男は無駄な動きはしなかった。彼女のことなどまったく気にせず、ただひたすら、自分自身の快楽を求めるためだけの動きを続けた。彼女のことを、自分に快楽をもたらす単なる肉穴道具としか思っていない動きだった。だがむしろ、そんな男の動きこそ、彼女が求めていた動きだった。彼女は、再び、意識的に夫のことを頭の中から追い払い、感じたままに、大きな声で、長々とうめき、喘ぎ、そして叫び続けた。彼女がオーガズム競争で男に勝ったことは言うまでもない。そればかりか、やや遅れて男が唸り声をあげ、最後の1発を彼女の子宮に噴射した時にも、彼女は、再び絶頂に達し、粘着液を盛大に分泌したのだった。

射精後、1分ほど体を重ねていた後、男は体を起こそうとした。それを察知し、彼女は顔を曇らせた。男の体にしがみつき、起き上がろうとするのを止める動きをした。男は驚いて、「もっとやりたいのか?」と訊いた。

「いいえ」と彼女は弱々しく答えた。「でも……もう1度だけ、あたしにキスしてくれる?」 夫に聞こえないよう、囁き声で言った。セックスの間、ふたりは事実上、ほとんどキスをしていなかった。彼女はこの男とキスしたいと思ったのだった。

「ああ、いいよ」 と男は苦笑いし、顔を近づけた。そのキスは、かなり長い、心のこもったキスで、ふたりが唇を重ねてすぐに、ふたりの舌は互いに絡み合っていた。あたかも、まだセックスまではしていない恋人同士のように、ふたりは互いの舌を切なそうにむさぼりあった。

別の状況なら、このキスはロマンティックな、非常にロマンティックなキスと形容できただろう。男が唇を離した後も、何秒か、彼女は男の体にしがみついたままでいたが、ようやく、諦めて、男を離したのだった。

「ありがとう」 彼女はそれだけを言い、はにかんだ笑みを見せた。

男がベッドから降りた。今だ半立ち状態のペニスで、若干、下方を向いていたが、歩き回るのに合わせて右へ左へと揺れ続けた。彼女は仰向けのまま横たわっていた。素っ裸であり、脚を広げたままのため、最も大切な部分が露わになっていたが、今はまったく恥ずかしそうではなかった。

彼女は、男がズボンを履き、シャツを着て、ズボンの中にシャツをたくし込むのを見ていた。男はズボンのチャックからペニスを出したままでいた。そして、一度、彼女の方に目をやり、ウインクをした後、部屋から出て行こうとした。夫が男のソレを見るかもしれないと恐怖に駆られ、彼女はアッと声を出した。男はその声に彼女の方を振り返った。

「お願い、それをしまって」

「旦那に、奥さんが入れてもらって喜んだ代物を見られたくないのかな?」

「ええ。主人には知られたくないの。いい? あなたにセックスされたことは、いずれ知ると思うし、隠しようがないわ。でも、主人には、あたしは嫌々犯されたと思ってほしいの。あなたがどれだけ大きいかは知られたくないの」

「分かったよ、奥さん。でも、あんたの旦那は、奥さんが思ってる以上に、いろんな声を聞いたと思うぜ。旦那は警察に通報すると思うか?」

彼女は声を小さくした。「しばらくは通報しないように、あたしが何とかするから。主人は、妻が黒人に犯されたと警察に知られたくないと思うはず。それに、世間にバレたらいろいろ怖いし」

「ああ、そうだな。あんたの旦那なら、この件は、この家の中にしまっておきたいと思うだろうな」 と男は声に出して笑い、彼女も笑みを浮かべた。

「じゃあ、またな」と男は向きを変え、部屋から出た。出る前に、半立ちのペニスをズボンの中にしまうところを彼女に見せた。

だが、彼は邪悪な気持ちを感じていた。部屋を出て廊下に出るとすぐに、股間をさすり始め、やがてズボンの中からペニスを引っ張り出したのである。


[2019/01/21] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)