「あら、まあ! 私、あなたをそんなに興奮させてた?」
「ああ、そうだよ… なあ、俺たちも…」 とブルースはリンダに腕を回し、抱き寄せようとした。
「あ、あなた、ごめんなさい。今日はだめだわ。すごく疲れちゃってて… それに、あそこもすごくヒリヒリしているの。私のあそこが、あんな凄いものを受け入れられたのが不思議でならないわ。でも…」
「でも?…」
「今日のことを思い返してたら、私もちょっと興奮してしまったみたいなの。できればでいいんだけど、あなたのお口を使って優しく鎮めてもらえたら嬉しいわ。ねえ、だめ?」
「まあ… うーむ…」
「ねえ、お願い! ジェイムズは喜んで私を気持ちよくさせてくれたわよ。あなた、私の夫でしょ? 義務を果たしてよ! そうしたら、してくれてる間、もう少しお話ししてあげるから」
ブルースにはこの言葉だけで十分だった。掛け布の中に潜りこみ、妻の脚の間に這い寄った。布団の中ということもあり、女の匂いがかなり濃厚に立ち込めていたが、それゆえに一層ブルースは興奮を募らせた。これをすることで、限られた形とはいえ、ジェイムズとリンダの行為に自分も参加しているような気持ちになったからだった。
ブルースは、舌を平らにして濡れた妻の陰部を舐めはじめた。
リンダとしては、ブルースがこんなに容易く従ったことに驚いていた。さらに、黒人男とセックスした後で夫が口で自分に奉仕しているのを思うと、確かに興奮が高められるのも事実だった。…パーティの会場で服を着る前にすっかり洗い流してしまったけど、あんなことするんじゃなかったわ… ほんとにジェイムズが言ってた通りかもしれないわね。寝取られた夫というのは前より従順になるって…
「…それでね、しばらく休んだ後だけど… 私、もっと欲しくなったの。これは信じ難かったわ。だって、それまですでに5回以上はイッてたんだもの。なのにまた欲しくなるなんて… しかも、それまでイッたのも、毎回、頭の中がすっかり吹っ飛んでしまうような、すごい絶頂だったのよ。あんなすごい絶頂は初めてだったのに…」
ブルースは、舌でリンダの濡れた陰部を舐めるのに忙しく、彼女との会話に加わることができないので、小さなうめき声をあげるだけだった。
「…それで、それとなく仄めかしたの… もう一回、私をやってほしいって。そうしたら、ジェイムズは私がサカリのついたメス犬みたいだって言ったのよ。うふふ… その後、彼、何て言ったか分かる?」
「むんん…」 ブルースは、自分の意思に反し、それまで以上に興奮して答えた。
「彼、もし私がサカリのついたメス犬なら、メス犬みたいに犯してやるから、四つん這いになれって言ったの…。うふふ… 侮辱とかそんなの全然、気にすらしなかったわ。だって、あれが欲しかったんだもの。彼のあれが…」
「…だから、すぐに四つん這いになって、お尻を彼に向けたの。膝を大きく広げて、あそこをジェイムズに差し出したの… お願いします、やってください、って感じに…」
ブルースは耳を疑った。ほとんど知り合ったばかりと言ってよい黒人男の前で、そんな格好になっている妻を想像した。知らぬうちに舌の動きを速めていた。リンダは腰を波立たせ始めた。
「…ジェイムズは、先のところを使ってしばらく私を焦らした後、とうとう貫いてきたわ。でも、ものすごく強く、ずぶりと一気に入ってきたの。たったひと突きで根元まで突っ込まれたの。私、大きな声をあげて、その瞬間、またイッちゃったのよ。彼は入れただけなのに… まだ動いていないのに… でも、ほんとに気持ち良かったの。ひと突きで天国に送り込まれたわ…」
「…その後は、彼、私におねだりさせたわ。あの時の私が何て言ってたか、あなたも聞くべきだったかも。でも、あなたがあそこにいなくて良かったと思うの… 話しを続ける?」
「むんん…」
「あなたって、本当に上手ね。そこを舐めるの。まさに、今夜、私が夢の国に旅立のにうってつけだわ、その舌使い… とにかく、ジェイムズは私の乳首を手荒につねりながら、強く深々と私をえぐり続けたわ。今まさに、あなたの舌が入ってるところ…そこを激しく犯してくれたの。ああ、もっとやって… 舌で中を擦って!…」
ブルースはうめき声をあげ、舌を深く挿しこんだ。この場所にジェイムズの巨大なペニスが入っていた時から、まだ一時間も経っていないのは、十分に認識していた。こういうことをしていると自分がどこか取るに足らない存在になったような感覚だったが、それでも、少なくとも今夜は、自分もいくらか妻を喜ばせなければいけないと思うのだった。
「オーケーだ、みんな! 称賛ものだと思うよ。今日の仕事はこれで終わりにしよう。明日は、朝イチでホールに集まってくれ」 とマークが言った。
あたりを見回すと、みんな後片づけをしてドアから出て行った。スタッフの何人かは、出ていく前に私に親指を立ててグッド・ジョブの合図を見せてくれた。クルー・メンバーの女の子には、私もあんなふうにセックスしてくれる人がいたらいいのにと他の女の子に話してる人もいた。その相手の女の子も同じことを言っていた。二人はきゃっきゃと笑いながら部屋を出て行った。
みんなが出ていくと、マークは、ベッドに横たわったままの私の太ももを撫でた。
「君たち二人とも最高だったよ。全部のシーンが今のように簡単に済むんだったら、2日もあれば撮影終了にできるんだが」
私がありがとうと言うと、トリキシーが返事を受け持った。「ありがとうを言いたいのは私も同じ。ここにいるステファニーとのシーンを担当させてもらって、本当に良かったわ。カメラの前でセックスするのも楽しめるってこと、私自身、忘れていたところだったのよ。でも、ステファニーと共演してそれを思い出せたの」
マークは笑いだした。「アハハ… 君たち二人なら素晴らしい共演ができると分かっていたよ。さあ、二人とも身体を洗って、今日はリラックスできるような服に着替えた方がいいね。トリキシー? 君には明日の午後、ひとつシーンがあるので出てほしい。ステファニー? 君には申し訳ないんだが、明日の朝イチからセットに出てほしんだ。アマンダ、ブリジット、それに男優が二人で行う4人シーンがあるんだが、そこを乗り切るために、君の持っているもう一つの才能の助けが必要なんだよ」
マークが寝室から出て行ったあと、私とトリキシーは一緒にシャワーに入った。二人とも身体を清め、服を着た後、衣装室に戻って、コスチュームから元の自分の服に着替えた。そこから先はトリキシーとは別行動になった。
衣装室を出ると、その外でマリアが私のところを待っていてくれた。マリアは私の手を握って言った。
「トレーシーがあなたにすぐ会いたいって言ってるの」
マリアがあんまり慌てた口調で言うので、私は何か間違ったことをしてしまったんじゃないかと思った。でも、マリアにトレーシーの用事は何なのかを訊いても、彼女は答えてくれなかった。
5階に上がってトレーシーの部屋に行くまで、私は、何か困ったことになってるんだろうと不安だった。
でも、トレーシーの部屋に入ったとたん、すぐに何も問題になっていないと分かった。マークとビルもいたし、ヘレンもいた。4人ともシャンパンのグラスを持っていた。
トレーシーはマリアと私にグラスを渡した後、乾杯のあいさつをした。
「あなたの初めてのファック・シーンを祝って! マークの話しによれば、これからもそういうシーンをいっぱい撮ってもらうことになりそうよ!」
シャンパンを飲んだ後、みんなが私を祝福してくれた。マリアがビルの手を握って言った。
「ビル? ヘレンと私で、別の部屋にあなたに見せたいものを用意しているの。来て!」
ビルが何も返事をしていないうちに、マリアはヘレンと一緒にビルを部屋の外へ引っ張って行った。二人ともセクシーなハイヒールを履いていた。
3人が出ていくとトレーシーが私のところに寄ってきた。
「それで? プロのポルノスターになるのはどうだった? 気に入った?」
「うふふ… もっと撮影が長くかかってくれたらなあって思ったけど、ええ、もちろん、とても気に入ったわ。この次するのが待ちきれないほど」
マークも来た。
「それなら心配いらないよ。この映画では君をかなり使う予定だ。君には天性のものがあるし、喜んでしている気持ちがスクリーンにはっきり表れているよ。…それに君のための芸名を考えたんだ。キンキー・アムールというのはどうだろう? 風変りな愛って意味なんだが」
ほんの少しだけ考えたふりをしてすぐ返事をした。「それにするわ。とっても嬉しいわ」
「良かった、明日の朝、ベッキーに伝えるよ。これで彼女も君を写真雑誌に載せることができる。それで、今夜についてだが、別のことを考えているんだが…」 とマークは私を抱き寄せ、ディープキスをした。
トレーシーと愛し合う前にマークが私を愛してくれたのは、この時が初めてだった。トレーシーは少しもやきもちを焼いてる様子はなかった。マークが私の演技でとても興奮していたのを知っていたからだと思う。
マークが私の中にいっぱい放ってくれた後、彼がバッテリーの充電をする間、私とトレーシーで愛し合った。そしてその後、マークがトレーシーと愛し合って、その後始末として私は二人をきちんと舐め清めた。
その夜、マークはもう一度私にセックスしてくれて、それからトレーシーと私で口を使ってお互いを愛し合い、ようやく3人とも眠りについた。この夜のことはいつまでも忘れないと思う。
その映画の撮影では、マークは私を頻繁に使ってくれた。いろんな人を相手に、総計30シーンに出演していたと思う。男優二人と私で行う3Pシーンもあれば、男優一人と別のTガールを交えた3Pシーンもあったし、トリキシー、クリス、それにブラッドという名前の男優との4Pシーンもあった。野外撮影もあって、プールサイドや茂みの中でフェラチオをするシーンも二、三回あった。最後のシーンは宴会場を使っての集団乱交のシーンで、映画の出演者全員が参加した。このシーンの撮影には二日かかった。
出演料とフラッファーの仕事で得た小切手の額をみてびっくりした。私が1年間働いて稼ぐのとほとんど同じくらいの額だった。でも、トレーシーは私がそれを浪費してしまわないようアドバイスをくれた。いくらかを銀行に預け、残りは投資に回した。すでに銀行に預けているお金に加えて、今度の映画で受け取ったお金のおかげで、かなりのお金ができ、不測の事態にも安心できるようになった。ただ一つだけ無駄遣いをしたものがあって、それは小さな赤いスポーツカー。私はいつもそれを乗り回して遊んでいる。
依然として、トレーシーとマークの家のメイドも続け、できる限り二人の家をきれいに保っているけれども、その間に私は別の興味も育んできた。ビルの元で映画や写真の編集を教わっている。とても上手だと褒められている。
この二年間で、30作以上の映画に出た。出演するたびに、マークは私のビデオがリリースするとすぐに売り切れてしまうと言っていた。また、演技と編集で、NVA賞という賞を二回受賞している。編集での受賞はビルと一緒の受賞だった。
ビルと私は今も愛し合っている。けれども、私にも彼にも他に愛し合う人が何人かいる。私には、トレーシーとマークが、これまでと変わらず、一番好きなセックス相手。ヘレンとマリアと私の3人は、一緒に遊びまわる相手だし、愛し合う相手でもあるのは、変わらない。トリキシーがこちらに来ると、彼女も私たちに混ざってくる。
ビルは成長し、もはや、恥ずかしがり屋ではない。愛を得られるときには、積極的に自分から進んでそれを受け入れる人になっている。ビルはベッキーととても親しくなり、二人はよくベッドを共にしている。私も加わって三人プレーをしたこともある。それはとても素晴らしくて、週末の土日、ずっと続けっぱなしになるのが普通だ。
もはやお金のことは問題にはならないと思う。すでにたくさん溜まっているし、トレーシーの助言に従って賢く投資しているから。それに父が用意してくれた、私が29歳になったら戻ってくるはずの信託投資もある。それを渡されたら、やはりそのお金も投資に回すつもりでいる。さしあたり必要のないお金になると思うから。
すでに想像なさっているかもしれないけれど、このストーリーでは私や私が愛する人たちの実名は使っていません。だから、もしTガールのビデオを見ることがあったら、その女優は私かもしれませんよ。その時は、私のために、あなたのアレをちょっと余分にしごいてくれると嬉しいわ。皆様に愛をこめて。
おわり