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デス・バイ・ファッキング 第7章 (2) 


ドニーとアンドリューは、土曜日の午前10時に私のホテルに戻ってきた。ドニーは晴れ晴れとした顔をしていた。まさに「存分にやられまくった」顔と言い表せない顔をしていた。あの表情は、私も知ってる。これまでの人生で二度しか見たことがないけれど。木曜の朝に見たし、金曜の朝にも見た。どちらも鏡に映っていた表情だ。「やられた」顔と「存分にやられまくった」顔には大きな違いがある。私もドニーも「存分にやられまくって」いた。

ああ、なんてこと! 今週になるまで、私は「やる」という言葉すらめったに考えたことがなかったのに、今の私は、何度もその言葉を使っているし、その言葉で考えごとをしている。アンドリューのせいで、いつもセックスのことを考えるようになってしまってる。

二人が帰ってきたとき、私は、険しい表情をしてるように努めた。

「ドニー! どこに行ってたの? 夜中すぎにはベッドに入るべきじゃないの!」

ドニーは澄まし顔で答えた。「心配しないで、ディ・ディ。私、11時過ぎにはベッドに入っていたから」

アンドリューはちょっと困った顔をしていた。なので、彼を落ち着かせようとした。

「アンドリュー? 昨夜は楽しかったら良いけど…」 と言って、両手で彼の顔を優しく挟んでキスをした。

いいのよ、分かってる… そのキスに、言いたいことをすべて込めて伝えた。これでちゃんと隅々まで私の意図が分からなければ、彼はとんでもない間抜けだわ。…なるほど、この姉妹間のライバル心というのは、とてもポジティブな結果をもたらせるみたい。

アンドリューは呼吸が元通りに戻ると、ぎこちない感じで答えた。

「あ、ああ… うん… 良かったよ」

私はにっこり笑って彼の居心地の悪さを和らげようとした。

「アンドリュー? こういったことがあなたにとって初めてなのは分かるわ。私たちにとっても初めてのことなんだもの。でも、私たちのことを気にしないで。私たち二人とも、あなたが素敵な男性だって分かってるから。このかなり珍奇な関係については、ドニーと私でどうにかできるし、あなたもどうにかできると思うわ。そうでしょ? ドニー?」

私はアンドリューの右側に立っていた。ドニーは彼の左側で同じように立ってる。二人とも彼の腰に腕を回していた。彼の背中の真ん中で、ドニーと私の手が触れ合っていた。

「ディ・ディも私も、私たちの一方と愛し合った後だからって、もう一方の前で困ったような顔をしてほしくないのよ。私たち、あなたに出会うずっと前から、まさにこういう可能性については話し合ってきているの。私たちが愛せる男性を見つけたら、二人で一人の男性を分かち合うことに決めていたのよ。あなたのような男性を、二人、見つけたいって思っても、絶対、不可能だから。その役割を果たせるのが、あなたなの。あなたがその仕事を望むなら、の話しだけど… だから、困ったり恥ずかしがったりしないで。私たちの間に嫉妬が生じるんじゃないかなんて心配したりしないで。ライバル心かもしれないけど、嫉妬心では決してないから」

ドニーはこういうのが得意だ。論理的に話しをし、その後、ちょっとしたお色気で話しを締める。顔にはアンドリューに対する憧れの表情が浮かんでいて、右手は彼のお尻をさすってるので、なおさら説得力がある。

それでもアンドリューはちょっと居心地が悪そうな顔をしていた。

「ライバル心って?」

これに対する応答は私が受け持った。

「だってそうでしょ、アンドリュー? 今まで二人の女性から愛情を向けられたらどうなるだろうって考えたことないの? ドニーは、私がすぐにあなたと一緒になっても気にしないと言ってるの。でも、絶対ドニーは、昨夜、もうちょっといろんなことしたはずよ。だから、彼女と一緒になるというのがどういうことか忘れてはいないと思うけど?」

ドニーはまたも澄まし顔になった。「もうちょっといろんなことをしたのは、昨夜ばかりでなくて今朝もだけど」

私は思わず笑ってしまった。

「もう、ドニーって淫乱なのね! 道理でアンドリューが好きになるはず。アンドリュー? 私たち3人とも、もう少し、この状況に慣れる必要がありそうよ。でも、お願いだから、嫉妬心のことは気にしないで。他の女となら、あなたを共有したりは決してできない。でもドニーは『他の女』じゃないの。そしてドニーも同じように感じているの」



[2010/03/02] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

無垢の人質 第7章 (6) 


その日、イサベラは、常に警戒し注意深く距離を置きつつも、城の女たちと一緒に過ごした。女たちのお喋りを聞き流しつつ、一緒に美しい布地に繊細な花模様を刺繍して過ごした。イサベラは、長い間、練習していなかったこともあり、指がもつれてうまくいかない。夕暮れになり、頭痛がするとの口実で、ようやく女たちから抜け出られ、イサベラはほっとするのであった。

部屋に戻り、イサベラはベッドに横になりうつ伏せになった。服を着たままなのは不快だったが、メイドを呼んで脱ぐのを手伝ってもらう気にはならなかった。これから先、レオンに会えない日々のことを思い、頬に涙が伝った。レオンは自分のことなど気にしていないだろう。自分は復讐を達成するための人質に過ぎないのだ。だが、それを知りつつも、彼女の心と体の中の疼きを鎮めるには、何の役にも立たなかった。

どれくらい横になっていたか分からない。ぼんやりとしているうちに、やがて眠気が彼女の疲れた体を覆った。イサベラは、父親が強引に自分のベッドに入ってくるのではないかと心配し、この数日、ほとんど眠っていなかったのである。

眠りつつも、温かな唇を首の付け根に押しあてられるのを感じ、イサベラは甘い溜息をついた。指が背中を滑り、小さなガラスのボタンをもどかしそうに外している。

その男の匂いに包まれ、イサベラは眠ったまま、うっとりと吐息をついた。ビャクダンの香りと男性の匂いが混じった陶酔的な匂い。その匂いは、何日もの間、イサベラにまとわりついていた匂いだった。

男が、悪態を呟き、繊細なボタンを外すのをあきらめ、苛立ちつつ、幾重にも重なるレースのスカートを捲りあげた。イサベラは無意識に唇を歪ませた。

あらわになった生肌の尻の曲線に男の唇が押しあてられ、指で太ももと尻頬の滑らかな肌を触られるのを感じ、イサベラは小さく喘ぎ声をあげ、そして、かすれた声で呟いた。

「レオン…」

「しーっ」 と男は囁いた。

いまや男の指は彼女の太ももの間を探っていた。男は、優しく肉襞を広げながら、顔を上げ、イサベラの顔を見つめた。「お前を味わわせてくれ」

彼の舌が、太ももの間の湿って熱を帯びた部分に忍び込み、舐め、甘く噛むのを感じ、イサベラは身体をくねらせた。甘い吐息をつきながら、舌が割れ目を下り、入口をめぐり、そして中へと突き入ってくるのを受けとめる。

「あっ、ああんっ…」

イサベラはくねくねと身体を捩じらせ、男の愛撫を受け止め続けた。男は両手を伸ばし、彼女の尻頬をつかみ、しっかりと押さえながら、愛撫と焦らしを続けた。

突然、遠くで大きな音がするのを聞き、イサベラはハッと息を飲んだ。男が引き下がって行き、素早く彼女のスカートを元に戻すのを感じ、切なさに泣き声をあげた。

「行かなければならない…」 と男は彼女の耳元で呟き、イサベラの小ぶりの乳房を優しく揉んだ。「…だが、きっと帰ってくる。すべきことを済ませていないから…」

「レオン…」

イサベラは呟き、ゆっくりと頭を上げた。だが、暗い小部屋には誰の姿もなかった。

* * *


[2010/03/02] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)