「寝取られの輪」 3 http://www.darkwanderer.net/stories/2427/The-Cuckolds-Circle-part-3.html
これまでのあらすじ
閑静な郊外に住む夫婦ブルースとリンダ。それまで知り合いと内輪でスワッピングをして楽しんでいたが、徐々にメンバーが「輪のパーティ」と呼ばれる集まりに活動を移していく。そのパーティの噂を聞いたリンダは乗り気になり、ブルースを連れて試験的に参加した。そこでは、黒人が人妻と寝る間、夫はパティオにある輪の中で「黒人に寝取られ中」の首輪をつけて待機しなければならない。ブルースが他の夫たちから情報を得ている間、リンダはジェイムズという男と圧倒的な性体験をする。リンダはブルースにジェイムズとの体験を語りながら、徐々にブルースに支配的になって行く。その後、二人は再びパーティに出席した。この時のリンダの相手はマイクという男。二人が寝室に入っている間、ブルースはシーツと呼ばれる部屋掃除の仕事を担当し、妻の乱れた声を耳にするのだった。
その日の夜、ブルースとリンダはベッドに入っていた。ブルースは仰向けに横になっていて、リンダの手を握っていた。今すぐにでも、リンダと愛し合いたいとブルースは切に願っていた。だが、それは多分、ないだろうなとも知っていた。黒人としてきた夜なのだから、なおさらありえない、と。
それでも、ブルースは、このような形でリンダに近づいていられるだけでも、何かしら幸運だと感じていた。ある意味、自分も参加しているような気になれたからだった。もっとも、自分はどちらかと言えば、外から覗いているようなものというのは充分に自覚していた。
「あなた? 今夜は、あなた、とても行儀よかったわね。私、あなたのことをとっても自慢に思ってるのよ」
「ありがとう、奥様… ちっ! 奥様じゃなくって、お前って言うつもりだったんだが」 ブルースは、これまでになく恥ずかしさを感じた。
「いいのよ、それで… クラブでは、旦那たちは、あそこの男性に敬意を払って丁寧な態度を取らなければならないから…。でも、あなたが、他の人がいない家の中でもそういう丁寧な態度を取ってくれると、私、もっと嬉しく感じるわ」
「良かった…」 ブルースは他に適切な返答の仕方が思いつかず、曖昧に返事した。
「あなたがベッドの中でも私のことを『奥様』って呼んだと知ったら、マイクは、ものすごく満足すると思うわよ。ある意味、私をそう呼ぶことで、彼に対する敬意も示しているということになるもの。そうでしょ?」
「多分な…」
「正直に言うと、あそこでマイクと一緒に立ちながら、あなたが私たちに視線を向けないように必死に頑張ってるところを見て、私、ものすごく興奮したの。あれ、辛かったんじゃない?」
「ああ…」
「でも、あなた、ちゃんとしていたわ。あなたが辛そうにしているところを、余計につついて、傷口を広げるようなことをしてしまったとしたら、ごめんなさいね。ああいうふうに立場上、上位に立つ経験がなかったからなの。それだけよ。何だか、とても高揚してて… それに、あなたがマイクの前で、何と言うか、ひれ伏すのを見てたら、すごく興奮してしまったの」
「俺は… ただ…」
「いいのよ、何も言わなくて。分かってるから。何も恥ずかしがることなんかないわ。それに、あの部屋でマイクが私にどんなふうにしたかを見てたら、あなた、絶対に、完全に畏敬の念でいっぱいになっていたと思うの。言葉では何も表現できなくなって、彼にただただ深い敬意を払うしかないと感じていたと思うの」
「まあ……」
「まあ、何?」 リンダはきつい声で反射的に訊き直した。その声に、ブルースはまたもやおどおどとなった。
「いや、つまり… ああ… いや、すまない。多分、お前の言う通りだろうな」
「私に向かって、言い淀むようなこと言わないように!」
「はい、奥様…」 今回は、ブルースは自分の言った言葉にたじろぐことすらなかった。
「今日のご褒美をもらえるべきだと考えているんでしょう?」
「それって、つまり、させてもらえると…?」
「私が言ってるのは、あなたにその素晴らしい舌を使わせてあげるということ。でも、優しくするのよ。それなら、その舌を使わせてあげる。さあ、始めて!」