レオンの手下たちは、地面にうつぶせになって主君を待っていたのである。イサベラはレオンの計算高さに感心した。
手下の一人が、大きな黒い雄馬の手綱をレオンに渡した。黒馬は主人の姿を見て、首を振り、いななき喜んだ。
レオンは、優雅に片足を振り上げ、黒馬にまたがった。そして、前かがみになりイサベラを引き上げ、自分の前に乗せた。
イサベラは、鞍の上に座り落ち着いたところで、シュミーズが太ももの上までめくり上がっているのを見て、自分が裸同然であることに初めて気がついた。あわてて両手で胸を隠し、頬を真っ赤に染めた。素早く周りの男たちを見たが、彼らはイサベラと視線を合わさぬようにしていた。
レオンはゆっくりと馬を進めた。遅ればせながら、ようやくイサベラの困った状態に気づいたレオンは、彼女に手綱を預け、自分の白いリネンのシャツのボタンを外し、さっと脱ぎ、冷たい夜風に素肌をさらした。そのシャツでイサベラの両肩を包み、袖に手を通させ、左右の脇の下から手を差し込み、前のボタンを留めた。
ボタンを留めるとき、一度ならず、レオンの指が乳房を軽くこするのを感じ、イサベラはハッと息をのんだ。かすかに触れられ、バラ色の頂きがツンと硬くなる。先端が硬い突起となるために、いっそう彼の手に擦られることが多くなり、イサベラは思わず声をあげてしまいそうになるのだったが、頬を赤く染めつつも、馬の操縦に集中しようと堪えるのだった。
ようやくレオンが手綱を握り戻したのを受け、イサベラは、ホッと安堵のため息をついた。それを聞いてレオンは彼女の耳元でくすくす笑った。イサベラは怒ってレオンの太ももをぴしゃりと叩いたが、レオンは彼女の腰を抱き寄せる腕に力を込めるだけだった。
彼の温かい体温にしっかりと包まれ、イサベラは、その居心地の良さに安堵した。そして、より多くの居心地の良さを求めて、体をくねらせ、彼により密着しようとする。レオンは、イサベラが焦らすように体を擦りつけてくるのを感じ、苦しそうな呻き声をあげ、「魔女め」とつぶやいた。
ショボノー城への道のりは長く、馬の足も速かった。だが、乗り心地の悪さにも関わらず、イサベラはいつしかレオンの両腕に守られつつ、頭を彼の肩に預け、眠っていた。
夜明けすぎ、城門をくぐったとき、レオンをイサベラを優しく起こした。イサベラは眠たげにまばたきし、鞍の上、くねくねと体を動かした。それで刺激されたのだろう、後ろにいるレオンはうめき声をあげた。イサベラは、尻のあたりに硬く熱いものが脈動しているのを感じ、下唇を噛んだ。そして自分の体もそれに反応して緊張するのを感じた。
イサベラは、馬から降ろされたものの、足に力が入らず、自分の体を支えるのがやっとだった。レオンは、彼女をしっかりと抱き、支えながら、大声で手下たちにいくつか命令をした。その命令のひとつは、イサベラを助けて小部屋へ連れ添うメイドを呼び出せというものだった。すぐに若い娘がイサベラのところに駆け寄った。イサベラは、その娘の嬉しそうな顔を見て、かすかに思い出した。
「ミナ…」 とイサベラは呟いた。娘はにっこり笑い、お辞儀した。
「はい、ミナです。お嬢様!」 とメイドは言い、片腕でイサベラの腰を支え、寄り添いながら小部屋へと向かった。
イサベラは、小部屋に向かいながら、あえて、レオンを振り返ることはしなかった。長い間、人質として囚われていたところに戻ることが良いことなのか自覚ができていなかった。その不確かさを彼に見られたくなかったからである。自分は再び人質になるのだろうか? そうなったらと思うと、身体は興奮に震えるのであるが、心は抵抗するのであった。
小部屋に通じる石階段の最後の二段のところで、イサベラはバランスを崩し、危うく転びそうになった。ミナはキャっと悲鳴をあげ、かろうじてイサベラを支えた。
「大丈夫でございますか?」
「ええ、大丈夫… ちょっと疲れているの」 とイサベラは呟いた。
「ママ? ちょっとお話があるの… いま、いい?」
「もちろんよ、どうしたの?」 落ち着いた声で言ったけど、心の中ではハラハラしていた。
「ちょっとね… 学校でのことなんだけど…… 学校の男子に言われたことがあって、気になってるの…」
娘はキッチンテーブルにお尻をのせる形でわたしの隣に座った。ゆるめのショートパンツを履いて、上はTシャツの格好。娘は家ではいつもこういう格好でいる。でも、今日はショートパンツが普段より短めのような気がした。長い脚があらわになっていて、わたしも思わず見てしまう… ちょっと、雰囲気が違うわよ、クリスティ…
「男子がわたしのお尻についてからかうの… その… お尻が大きいって…」 小さな声で恥ずかしそうに言った。
なんですって? クリスティの? 全然…… 全然、お尻は大きくはないわよ… 完璧な大きさじゃないの!…
わたしは、隣に座ってる娘のお尻を見ようとした。だけど、もちろん、この位置からだと何も見えない。
「クリスティ、大丈夫。あなたのお尻は完璧よ。そんな嫌な男子が言うことなんか気にしなくていいのよ」
そうは言ったけど、娘はまだ納得していないみたい。
「ママ? 本当に大きくないと思ってる? わたし本当に気になってるの… ねえ、正直に言って?」
娘はテーブルからぴょんと飛び降り、わたしにお尻を向けて立った。肩越しに振り返ってわたしを見た。
あらまあ! ほんとに素敵なお尻をしてるわ! 何も言わずに娘のショートパンツのお尻を見ていた。そうしたら、急に、ちょっとイヤラシイ気持が湧いてきた。…もっと見たいわ…
クリスティは、そんなわたしの気持を察したのか、パンツの左右の裾のところを握って、腰までめくり上げた。伸縮する生地なので、お尻の割れ目に食い込んで、若々しいお尻の頬肉と腰の丸みがあらわになった。
え? 何? 娘は何をしているの? 急に口の中によだれがでてきて、思わず、生唾を飲んだ。目は娘のお尻に釘づけになっていたけど、なにか娘が笑ったように見えた。
ああ…、どうして? どうしてクリスティは笑ってるの? …わたしが、ほとんど裸同然のお尻を見ているから? でも、どうしてわたしはこんなふうにまじまじと見ているの?
「ねえ、ママ? どう思う? わたしのお尻、やっぱり大きいのかしら?」 娘は無邪気に訊いてる。
また生唾を飲み込んで、答えた。
「いえ、全然…… ほ、ほんとに完璧よ、クリスティ」 と機械的に応答していた。
顔をあげて娘の顔を見たら、ちょっとニヤリと笑ってる顔をしていた。でも、何か他の表情も浮かんでた… 何か目の表情が違う… 興奮? すべきじゃないことをしているときのワクワクした気持ち? 確かに、そういう表情をしている。
唇を舌で濡らしてから、また娘のお尻に目を落とした。娘ったら、さらにパンツを引き上げているじゃないの。脚の間のあそこの形が見えてる。パンツの生地が薄地だし、きつく引き上げてるのではっきり浮き出て見えてるわ。
…左右にぷっくりとお肉が盛り上がっていて、その真ん中にスジになって割れ目が見える… とても均整がとれてて、素敵だわ…
そんなにじろじろ見続けるのは良くないと分かっていたけど、どうしても目が離せない。…それにあそこも濡れてきてる…。自分の娘を見て濡れちゃうなんて… 変な感じ…
もう充分と思ったのか、クリスティはパンツを元に戻して、向き直り、わたしにちかづいてきた。体をかがめ、不自然なほど顔をわたしに近づけた。
「ありがと、ママ」 と言って、軽くわたしの唇にキスをした。何気ないキス。
ああ、さっき息子のおちんちんをおしゃぶりした味が残ってるかもしれない! わたしはキスされながら、目をまんまるに開けて、娘の瞳を覗きこんでいた。娘に気づかれた? …でも、よく分からない。
娘はキスを終えると、体を起こし、そのまま自分の部屋に戻ろうと階段の方へ歩いていった。後ろ姿の娘… わたしは、左右に揺れる娘のお尻を目で追っていた。
娘が階段を上がっていくのと入れ違いに、息子が降りてきた。
「ママ… 行こうよ… 僕、もう我慢できないんだ… どこか外に行こう?」 切実そうに頼んでくる。
ああ、もう頭が変になりそう… 自分の息子と娘に、振り回されてる… わたしは一体どうなってしまったの?
息子が何を求めてるのか、はっきり分かってた。息子はわたしを抱きたがってる。わたしにおちんちんをおしゃぶりして欲しがってる。…でも、クリスティがいるので、それはここでは無理… だから…
朝からの出来事で、わたしはすっかりエッチな気持ちになっていた。普通だったら、そんな息子の求めは絶対にきけないのだけど…
自分でも知らないうちに、息子にうんと頭を縦に振っていた。「…あと1時間くらいしたら」 と答えてた。
二階に上がり、クリスティの部屋の前に行って、声をかけた。
「ママは、トミーと映画でも見に行こうと思ってるの。よかったらクリスティも来る?」
「いや、よすわ。わたしもビデオで見たい映画があるの。だから、家にいるわ」とクリスティは返事した。