リンダは身体を起こし、マイクの胴体にまたがった。片手で黒棒を握り、マッシュルーム状の頭部が濡れた陰部に触れるまで、身体を降ろしていった。それから恐る恐る身体を押し下げ、頭部を中に入れた。
「ああ、すごい! うぅっ! 私、もう、いきそうになってる!」
亀頭を入れただけで、リンダはすでに軽いオーガズムに達していた。
そのオーガズムから落ち着くと、彼女はゆっくりと身体を上げては沈める動きを始めた。動くたびに、マイクの勃起を少しずつ奥へと取りこんでいった。
間もなく、リンダは陰唇が限界まで広げられ、張りつめているのを感じた。だが股間を覗くと、まだ半分しか入っていない。信じられない思いだった。苦痛を感じていたが、これではまだ十分ではない。辛いけど、今度はぜんぶ私の中に入れるの。小さく上下の動きを繰り返して奥へ奥へと取り込みながら、リンダは、どういうわけか、ひとりでに涙があふれてくるのを感じた。苦痛からなのか、それとも喜びからなのか… リンダは啜り泣きながら、全体重をかけてマイクの身体に股間を思い切り沈めた。
「ああ…! やって! 深くやって! 愛してるわ! 愛してる! もっと強くして。うっ! うっ…! うっ…ああっ!」
ブルースが隣の部屋に作業に戻ってきたのは、まさにこの時だった。彼は、妻が男に愛していると叫ぶ声を聞き、屈辱と羞恥に顔を赤らめた。リンダは俺とのときには、一度もこんなふうになったことはない。ブルースは、愛し合うリンダと男の姿を見てるわけでもないのだが、この男が完全に別のクラスに属する男だと分かった。悔しさと畏敬の念が混じった感情に襲われた。そして、リンダのことを羨ましいとすら感じた。妻は、自分には想像しかできない何かを、いま体験しているのだ。
やがてブルースは仕事を終え、廊下にあるシーツ係の椅子に戻ったが、それから間もなくして、妻の声が聞こえ、妻たちがいた部屋のドアが開くのを見た。ブルースは素早く目を落とした。リンダの足すら見えないように、ましてや顔など見ないように、床を見つめた。
カップルを見ることでプライバシーを侵害することは避けなければならない。ブルースはこのクラブには新入りかもしれないが、すでにクラブの規則を破らないようにと神経質になっていたのである。
できれば、リンダとその連れに、陰に潜む自分のことを気づかれないようにとブルースは願った。それが彼の最大の望みだった。呼吸すら止めて、まったく見えない存在になってると願った。だが、そうはならなかったのである。
「ブルース? あなたなの?」 とリンダの声。
「あ… はい、奥様」 とブルースは呟いた。
妻の足音が近づいてくるのが聞こえた。頭をいっそう低くし、視線を横に向け、自分は決して二人を見ていないと示そうとした。
「これがお前の?」 と太い男の声がした。
「ええ。信じられるかどうか分からないけど、そう、私の夫。そうよね? ブルース?」
「はい、奥様」
「すべては順調?」
「はい、奥様。すべて順調です」
「良かった、良かった」 とリンダは微笑んだ。
ブルースにとって、リンダが笑みを浮かべたのを見なかったことは、幸いだったと言える。それに、ブルースが自分の役割をこれほど完璧に受け入れているのを見て、リンダが非常に感心しているのを見なかったことも幸いだった。
リンダは、夫が、自ら進んでかどうかは別として、これほど急速に変化を見せたことを知って、全身に何か暖かいものが満ちるのを感じた。そして、隣に立つ逞しいマイクにしなだれかかり、手で彼の盛り上がった臀部をさすった。
リンダは、どうしてなのか彼女自身はっきりとは分からなかったが、こういう状況で、夫をもっとあおってやりたいという気持ちになっていた。
「私たちがいた部屋を片付けるの? 今すぐ?」
「あっ、はい、奥様。お片づけいたします」 ブルースは、自分の意に反して、元気な声で答えた。彼はそんな自分を変に思った。
「じゃあ、しっかり仕事をしてね。分かった?」
「はい、奥様。お約束します」
「それがいいわね。あら、マナーはどこに行ってしまったのかしら? マイクにこんにちはと言いなさい」
「こんにちは、ご主人様」
「それだけ?」 とリンダはからかった。
「いいえ、奥様。ご主人様、私は、ご主人様がお使いになったお部屋の担当ができて嬉しく思っていると伝えたかっただけです」
「ほう、いい子だ。お前はこのクラブでうまくやっていけると思うぜ」
「ありがとうございます、ご主人様」
その後、リンダとマイクは何も言わず、侮辱された夫を残して、歩き去った。ブルースにとっては、失態を演じたりせず、与えられた役割を適切に演じることができてよかったと、大きな安心感を感じていた。もし、適切にふるまわなかったら一体どうなっていたことやら。ブルースは、そんなことを考えるのもおぞましいと思った。
つづく
ドニーの話ああ、なんて! アンドリューがディ・ディを犯している(そう、「犯す」という表現)。こんなエロティックな光景を私は見たことがなかった。ディ・ディは、昨日の夜、アンドリューが私に同じことをするのを見ながら、あんなに落ち着き払っていたけど、いったいどうして、あんなに落ち着いていられたの?
今夜、ディ・ディは文字通り「犯されていた」。アンドリューはあんなに深々と… 私とディ・ディの月経周期はほとんどいつも同じだ。自分の場合、今月はまさに今頃が一番妊娠しやすい時期だと知っている。さらに、これまで、普通の男が相手では妊娠しにくいことを考えると、今までにないほど、私は妊娠しやすい状態になってるともいえる。だとすると、ディ・ディも同じはず。ディ・ディが仮にまだ妊娠していないとしたら、いま行ったセックスで妊娠するかもしれない。
アンドリューは、こんな激しいセックスの後、再びできるようになるなんてありえるの? どのくらい時間がかかるの? ああ、欲しいの。彼が欲しい! 私を妊娠させてほしい。そのために私は生まれてきたのだから。そのために私たちは生まれてきたのだから。私たちは、子孫を生むための存在なのだ。いとこたち、つまり私たちが見つけた他の双子の家族たちも、みんな子孫を生み育てるための存在。そして今こそ私たちにとって子孫を作る時が来た。
私はとても興奮していた。
アンドリューは休むことすらしなかった。ディ・ディは、まるでボクシングでノックダウンした人みたいになっていた。ああ、でも違う。まだ、頭が働いているようだ。お尻の下に枕を入れている。アンドリューの精子がお腹の中に留まり、奥の子宮へ入っていくようにしている。卵子を見つけられるチャンスができる大きくなるようにしてる。ディ・ディはやっぱり賢い。
アンドリューはバスルームに入った。水が流れる音がした。そして彼はタオルを持って体を拭きながら出てきた。まだ半立ちになってる。でも、あれではあまり大きな攻撃はできないと思う。私は、もう少し我慢しなければ。でも、私、ほんとにすごくエッチな気分なのよ!
アンドリューはまっすぐ私のいるベッドに入ってきた。すぐに私たちはキスを始めた。あの情熱的なキス。彼が私にすべてをくれると約束しているようなキス。
彼の手がいたるところをまさぐっている。わたしの胸を触ってる。乳首をつねってる。そしてあそこに近づいてくる。指が一本入ってきた。はっと息をのんだ。これを一日じゅう待っていた。何かに私の中に入って欲しいと思っていた。今はさしあたり、彼の指でいいけど、でも、欲しいのは指じゃないものなの!
アンドリューの顔が、私の体の前面をゆっくり下方へと移動していた。胸を舐めたり吸ったりして、それからさらに下へ動いて行く。お腹の肌を舐めながら、あそこへとじわじわ動いて行く。
また、あそこにキスしようとしている。ああ、ありがとう! 昨夜、彼がそれをしてくれた時からずっと、これを待っていた。水曜日の夜に、彼がそれをしたとディ・ディが言ってからずっと、これを待っていた。
アンドリューの舌が太ももに沿って這ってるのを感じた。私はすごく濡れていて、彼が溺れてしまうのではと心配になるほど。彼がクリトリスに触れたとたんに、いってしまうなんて、いや。ああ、お願い。まだ、いってしまわないで。もっと長続きして欲しいの。もっと長続きしてくれないとだめなの。
クリトリスをくるくると舌がねぶっている。それから、すりすりと擦りあげるような動きに。そして、私はいっていた! たぶん、叫び声をあげていたと思う。頭の中でチカチカと光が点滅した。爆発的なオーガズムで、他の感覚がすべてかき消されている。何も聞こえない。何も見えない。ただ、圧倒的な苦痛にも似た快感。こんなに早くいきたくなかったのに!
でもアンドリューは気づかなかった。あるいは、気づいていても、無視した。彼の舌がクリトリスを離れ、あそこに侵入してきた。
ああ、すごく気持ちいい! さっきのクライマックスから落ち着いていないのに、また、次の興奮が高まってきている。アンドリューは、私を一度いかせるだけでは満足しないようだ。彼は、私にとって、まさに快楽の神。どうして彼は私のことをこんなによく知ってるの? どうして私をこんなに喜びで満たすことができるの?