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Not a sissy 「シシーじゃない」 

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56_Not a sissy 「シシーじゃない」

ちょっと、いい? あたしは断じてシシーじゃないわ。女の子でもないし、トラップ(参考)でもないし、あなたたちが思いつく他のどんなバカな名前でもないわ。

あたしは可愛く見えたがってるって? だから何なの? 外見にずいぶん気を遣う男ってたくさんいるでしょ? 女物の方が良い服があるってことだけよ。服装を良く見せたいと思ってどこが変なのよ。訴えたかったら訴えなさいよ。

それにあたしがホルモンを摂ってるかなんて誰が気にするって言うの? あたし、この小ぶりのおっぱいが気に入ってるわ。他の人も同じよ。

ええ、確かにあたしはおちんちんが好き。しゃぶるのが好き。それを入れられて抱かれるのが好き。まあ、何でもいいけど。だからと言ってあたしがゲイということにはならないわよ。それは単にセックスなの。セックスが好きだからって男が好きだということにはならないのよ。感情的なものでも何でもないんだから。

だから、好きにしなさい。好きなレッテルをあたしに投げつけるがいいわ。呼びたいように呼べばいい。でもあたしには真実が見えている。あたしは普通の男。他の人たちと同じなの。


[2018/01/19] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

Misdirection 「見当違い」 

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56_Misdirection 「見当違い」

チェルシーが彼の後ろに立って、親指と人差し指を2センチほど離して見せながら笑った。彼女が何を意味しているかは分かる。その証拠があたしの目の前にあるから。もちろん、チェルシーは、こういうやり方であたしの彼氏をからかっているだけ。彼氏の男性自身は、彼女がとっさに推定した大きさとほとんど変わらない。

「ねえ、あたしたち、いま君のことを話していたんだよ」と彼が言った。その声は、彼の体と同じくすっかり女性的な声だった。

「どんなこと?」 とあたしはそばのロッカーに手を伸ばしながら訊いた。あたしはロッカーを開け、服を脱ぎ始めた。

「今度の週末、プロムのためのドレスを買いに行こうって話してたの。そしたら、チェルシーったら、あたしは一番エッチっぽいドレスを買ったらいいんじゃないって言ったのよ。あたし、彼女に忘れてるんじゃない?って言ったの……」

あたしは続きを聞くのをやめた。彼を見るたび、自分が彼の女性化に加わってしまったことを思い知らされるからというのが一番の理由。あたしが始めたことではなかったけれど、あたしが共犯者であることは否定できない。そして、それを思うたび心が引き裂かれる気持ちになる。

あの賭けの前は、彼はほぼ普通の男だった。ええ、確かに彼は前から「可愛い」男子ではあったけれど、女の子っぽいということでは決してなかった。すべてはチェルシーが言いだしたこと。

でも、あたしのせいではないと思う。チェルシーが煽って自慢したことをやってしまうなんて、どうしてあたしに推測できただろう? 彼女が言ったことは、ほとんど魔法同然のことだったでしょ? 彼女が言ったことを本当にやれるなんて、あたしに知りようがなかったんじゃない? 今でも、まだ信じられずにいるくらいなんだから。

賭けそれ自体はとても単純なものだった。チェルシーは、どんな男でもゲイに変えられると主張した。あたしはタイラーがあたしのことを愛してることを確信していたので、決してあたしを裏切って他の人と付き合ったりなんかしないと思っていた。ましてや、他の男となんて。だからあたしはその賭けに乗った。そしてチェルシーは仕事を始めたのだった。

それから3年にわたって、彼女はゆっくりと彼の男らしさを侵食していき、とうとう、彼にトランスジェンダーとカミング・アウトさせるまでにしたのだった。あたしは、それは茶番だと思ったので、チェルシーにそんなことやめてって頼んだ。でも彼女は「賭けは賭けよ」と言って、あたしの頼みを聞いてくれなかった。その他にもいろいろしたけれど、彼女を説得することはできず、結果としてタイラーは完全に女性化してしまったのだった。

そして今、卒業のプロム・パーティーが迫ってくるのに伴って、もともとの賭けの話しが前面に出てこようとしている。チェルシーが何を考えているかあたしには分かる。そのパーティの後、タイラーはデート相手と寝ることになる。この2週間ほど、彼はずっと「処女を捨てる」ことばっかり話している。それに、チェルシーが、この賭けの決着がついたら、彼に施した催眠効果を解き始めることも予想できる。彼女は、彼が元の精神状態に戻った後、どんなふうに状況に反応するかを見るのが面白いと思っている。

「タイラー? そろそろいいんじゃない?」とチェルシーが言った。「もう充分長すぎるくらいやってきたから」

「ほんと? 卒業の後まで待っているのかって思ってたわ」

「いいえ。マリーには真実を教えてあげなくっちゃ」

「真実って? 何のことを言ってるの?」 とあたしは訊いた。

「事の真相って言うか……」タイラーが返事した。「催眠術みたいなのはやってないよ。こんなこと言うと、君がどう思うか分かるけど、これが本当のあたしなの。ずっと前からあたしはこうだったのよ。チェルシーはあたしがそれを悟るのを手伝ってくれただけ。彼女は全部セットしてくれたの。あなたが徐々にゆっくりとこの新しいあたしに馴染むように、事実に馴染むようにセットしてくれたのよ」

「何ですって? あたし……これって……ウソを言ってるんでしょ? チェルシーのまた別のたくらみなんでしょ? タイラー、あなた自分で何を言ってるのか分かってないのよ」

「いいえ分かってるわ。うちのお母さんに訊いてみるといいよ。あたしは、思い出せる限りずっと前から女の子の服を着てきたの。あなたをだまして悪いとは思ってるわ。でも、あなたはとても性差別的なところがあるから。普通の方法では受け入れなかっただろうから……」

「冗談を言ってるの? じゃあ、あなたはゲイということ? 本当にあなたは……もう無理……こんなことワケが分からないわ」 あたしはジムの服を急いで着て、憤然としてロッカールームを出た。彼が言ったことで理屈が通るのは分かっていた。だけど、その現実があたしにはとても恐ろしかった。


[2018/01/19] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

Meathead 「筋肉バカ」 

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56_Meathead 「筋肉バカ」

「ドゥード? アンドリューのこと聞いたか?」

「ああ、あいつ、トレーナーとエッチしてたって誰からか聞いたよ。あのエロっぽいブロンド女が相手かな? いつもヨガパンツ(参考)を履いている女」

「おい、聞いてないのか? あいつを最後に見たのは、いつだった?」

「1年位前かな? 忘れたよ」

「そうか。今のアンドリューは、お前が覚えている男とは言えないかもな」

「あいつ、また大きくなったのか? 何を使ったんだ? ステロイドか? HGH(参考)じゃないかと思うが」

「いや、そうじゃないの。確かに彼はトレーナーとヤッテるが、お前が思ってるようなことじゃないんだ。あいつは、ある逞しい男をトレーナーとして雇ったんだ。そして、そのトレーナーになった男は、彼をまったく以前とは違う男に変えると約束したんだよ。そして……」

「ちょっと待って。ということは、アンドリューはそのムキムキの男とヤッテるということか? 彼は今はゲイだと? なんてこった。俺はあいつの隣でシャワーを浴びたりしてたんだぜ」

「いや、ちょっと聞けよ。ゲイとかの話しじゃないんだ。いやゲイの話しかも。よく分からないな。でも、アンドリューは今はアンドリューという名前では通っていないんだ。彼は……アンドレアって呼ばれたがってるらしい」

「何だって? それって、つまり……」

「ああ、完全に女になってるんだ。すごい美人に。まだ、ちんぽはついているかもしれないが、おっぱいとか何から何まですっかり女だ。胸はニセ乳なのは確かだが、体の他の部分は完璧だ。俺の好みとしては少しやせ過ぎだけどな」

「あのアンドリューについて言ってるんだよな? 同じ人間について話してるんだろ? アンドリュー・テイラー? 完璧な筋肉バカの? ウェイトを持ち上げるたびに、獣みたいに吠えていたあいつが? そんなのありえないだろ?」

「いや、同じやつなんだよ。あいつなんだ。俺の友達でジムで働いているヤツがいるんだが、そいつが言うには、ジムのオーナーが、営業時間の後、ふたりがウェイトリフティングのベンチの上でヤッテたのを見つけたらしいんだ」

「それでどうなったんだ? 俺が知ってる男は……」

「俺は知らない。ただ、俺はあのトレーナーには近づかねえつもりだ。3メートル以内には近づかねえ。お前にも言ったからな」



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