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報復(3) 

スティーブは怒りを堪えようと努力した。簡単なことではなかった。彼はあえて間を置くことにし、背もたれがまっすぐな椅子で、わざと腰を前に出しぐったりとした姿勢になり、リラックスしようとした。両手を前に出しワイングラスの脚の部分をいじった。ジミーの首に両手を巻きつけてしまう替わりに、そうやって両手を遊ばせておいたのである。

「バーバラ? 彼が言おうとしていたことはね、僕のことを間抜けと言ったことに加えて、こういうことなんだよ。つまり、大きな家を買ったり、街の『正しい人が住む地区』にある高価で贅沢なアパートを借りたりするのに充分なお金を持っていない人々がいるということだ。ジミーのお坊ちゃんは、そういう人々はバカで、だらしない酔っ払いで、笑いものになって当然と思っているんだよ」

スティーブは怒りを堪えるための内なる戦いに負けてしまった。

「ちなみに、皆さんご存知のとおり、私は改造した移動式住居で仕事をしている」

スティーブは、だるそうな口調ではあるものの明瞭な言葉遣いで話しを続けた。彼のことを知る者には、これは警戒信号である。スティーブが非常に堅苦しい口調になり、声を囁きより少しだけ大きな程度まで和らげて話し始めたら・・・その時はみんな退避しなければならない時なのだ。彼が、子供の頃、校庭で初めて喧嘩したときからずっと、この点は変わっていない。

「建設計画の現場では私たちはそうやっているのです。トレーラーごと現場に移動する。そうすることで、すぐに現場に行けて、しかもコストの安いオフィス・スペースが確保できるのです。そこから、監督業務を行うことができる」

スティーブは顔を上げた。バーバラが彼を睨みつけているのが見えた。

「さて・・・私が現在、監督している建築現場で作業している作業員とその家族も、その多くは移動式住居で生活している。というのも、経済的にそれしかできないから。もちろん、彼らは求めているのです・・・何と呼んでいるのか? アメリカン・ドリーム? そう、それだ! それを求めている。彼らは、自分の家を持つというアメリカン・ドリームを求めている。だが今の時代は彼らには厳しい・・・いや、これまでもずっと厳しかったわけだ・・・何も新しいことではない。現実はというと・・・そのような人々は、郊外の大きな家を手にし、その頭金を支払うための準備金を用意できるほど給与をもらえていないということだ」

「しかも、金持ちの叔父がいるわけでもない」 誰もがスティーブの口調に叱咤するトーンがこもっていたことに気づいた。

「ジミー坊ちゃん」は口をあんぐりと開けてスティーブを見ていた。ジミーの叔父は会社の持ち主であり、これまで誰も、このようにあからさまな敵意を込めてジミーに話しかけようとする者などいなかった。ジミーは怒り始めていた。

スティーブは続けた。「私について言えば、私はこれまで一度も、自分に与えられた能力で、できる限りのことをしながら正直に、一生懸命働いている男女をバカにするような、冷酷な態度を取ったことはない。そんなことは、そもそも私にはできないことだが、それでも、自分のことは立派な男だと思っているがね」

スティーブは、最後の言葉を言うのに合わせて、ワイングラスから目を上げ、強い視線でジミーの目を見据えた。いまやスティーブは怒りを隠そうとはしていなかった。もっと言えば、彼はジミーには侮辱されたという感情を抱いて欲しいものだと思っていた。同じテーブルにいた他の3組の夫婦のうち2組の夫婦の夫は、密かに来たる身体的接触を伴った口論に備えて、自分の妻を守る動きに入る準備をした。

医者 Doctor(3) 

用紙に記入を終え、受付の人に戻し、腰を降ろした。一瞬、夫はこことどんな関係があるのだろうと不思議に思った。だが、すぐに看護婦が来て、私に一緒に来るように言ったのだった。看護婦は私を小さな着替え部屋に案内し、病院用のガウンを渡し、それに着替えるように言った。気味が悪いほど、すべてがリアルだった。それでも私は言われた通りに従い、ガウンに着替え、自分の服を部屋のハンガーに掛けた。2分ほどして看護婦が戻ってきた。廊下に連れ出され、待合室と受付の前を通り過ぎ、診察室へ連れて行かれた。

そこに行く途中、廊下で別の看護婦が病院用のガウンを着た他の女性を反対側の方向へ連れて行くところとすれ違った。でも、妙なことに気がついた。その連れられていた女性は、両手を前に出し、その手首には一種の手錠がかけられていたのだ! 想像できると思うが、私はひどく驚いていたのだが、それでもできるだけ冷静に振舞っていた。

診察室に入ると、看護婦は私の体重と血圧を測り、それからガウンを脱ぐように言った。これも確かにリアルだったので、私もためらったりはしなかった。看護婦は私の胸の検査を始めた。ごく当たり前のことをするように私の乳房を扱っていた。だが、私はすぐに、彼女が意図的に私の乳首を擦っていることに気がついた。乳首を固く立たせるのを目的としているように擦っているのだ! 私は裸のままここに立っていて、看護婦の衣装を着た見知らぬ女性が私の乳首をいじっている。それを改めて認識し、一瞬パニックになりそうになった。だが、ほぼそれと同時に別の看護婦が部屋に入ってきて、それに気づいた最初の看護婦は、私の乳首をいじるのをやめたのである。ほんの少しだけやましいことをしていたような表情を浮かべていた。

2人目の看護婦は、明らかにこの場の担当者らしく、最初の看護婦にここにいるように命じ、私にはもう一度ガウンを着るように命じた。そして、なんと私の手首を拘束したのだった! その拘束具はマジックテープでできていたが、それでも両手はしっかりと拘束されてしまったのは事実だった。そして彼女にエスコートされて、再び廊下に連れ出され、受付の前を通りかかった。だがこの時は、彼女は受付の人の前で立ち止まり、彼女と話しを始めたのである。彼女が話しをしている間、私は受付の人と待合室にいる人の前でずっと立たされていたのだった! 待合にいた雑誌を読んでいた女性はまだそこに座っていた。彼女は一度、顔を上げ私のことをちらりと見た。その時の彼女の表情。何か面白いものを見たわとでも言いたげな表情には、私はこのまま溶けて床に流れて消え去ってしまいたいと思わざるを得なかった。私は、何も普通と違ったことは起きていないと言わんばかりに、精一杯、頑張って平然と立っていた。

ようやく看護婦は私を連れて廊下の突き当たりに行った。そこにある別の診察室に入ったのである。彼女は私の拘束具を外し、ガウンを脱ぐように命じた。だがガウンを脱ぐと、今度は後ろ手に再び手首を拘束したのだった! さらに目には目隠しをされ、診察台に横側から覆い被さるようにさせたのだった。 彼女が私のお尻に触るのを感じた! 私はすぐに反射的に体を起こしたが、彼女は力が強いのか、あるいは、この仕事に手馴れているのか、素早く私に元の姿勢を取るように強いたのだった。

「不安にならなくていいのよ」

そう言う声が聞こえたが、その後、彼女が私のお尻の中に潤滑液を塗りこめているのを感じたのである。指を使って、まさにあそこの中に! 

「すぐにお医者さんが来て診てくださるわ」

そう言い残して看護婦は出て行ったように思う。だが、実際は、彼女は出て行ったフリをしただけで、実際には部屋の中に留まっていたのかもしれない。そんな感覚があった。

ビッキーの出会い(3) 


ビッキーは躊躇ったものの、結局、誘いを受けた。2人がダンスを始めた時、曲はアップビートのものだった。それから3曲踊った後、2人は休憩を取ることにした。デビッドは飲み物のおかわりを注文したまま、席に座ったままだった。ジョンとビッキーは腰を降ろし、飲み物のお礼を言った。2人とも息が切れていたし、とても喉が乾いていたのである。2人がグラスを飲み干すのを見て、デビッドはもう一杯、注文した。ビッキーは心から楽しんでいた。顔に浮かべる表情は明るく、夫がどこにいるかなどまったく心配していないようだった。実際は、彼女の夫のマイクは、デビッドが彼女に話し掛けた直後に店についていたのである。ビッキーがあの男と話しをしているのを見て、彼は身を隠して、様子を伺うことに決めたのだった。

次は自分の番だと思っていたデビッドは、ビッキーをダンスに誘った。今度は彼女は少しも躊躇しなかった。ビッキーは跳ねるようにして席から立ち上がったが、その時、彼女のシルクのブラウスの中、ブラジャーをしていない胸が上下にたわわに揺れた。ジョンもデビッドも、それを見逃さなかったし、ビッキー自身も見られたことに気づいていた。この2人が私の体のことを見て喜んでいる。それを思い、乳首が固くなるのを感じていた。フロアに歩いていくとき、意図的に誘うようにヒップを振って見せた。男たち2人とも、ビッキーのお尻がくねるのをしげしげと見つめていた。それを見ていた男はデビッドとジョンだけではない。近くにいた男たち数人も、セクシーなブロンドが、その持ち物を見せびらかしながら歩く様子を見ていたし、陰に隠れていた男、つまり彼女の夫も、見ていたのである。

デビッドとビッキーはゆっくりとした曲にあわせてダンスを始めた。デビッドはしばらくの間は彼女から距離を置いてダンスしていたが、徐々に彼女を自分に引き寄せ始めた。両手を、彼女の細く引き締まったウエストにあて、彼女も両腕を彼の首に回す。ダンスが進むにつれ、いつしか2人の体は密着していた。デビッドは張りのある2つの肉丘が自分の胸板に押し付けられる感触を堪能していた。一方のビッキーは、自分の腹部にかなり大きな盛り上がりが当たっているのを感じ取れていた。デビッドは元々、あそこが大きいのか、それとも彼は私と踊って興奮しているのか。どっちの可能性にもビッキーはわくわくする思いだった。その曲が終わり、次の速いナンバーも踊り終えた後、2人はテーブルに戻った。ジョンは飲み物を用意して待っていた。

ビッキーはもう1杯飲み干し、軽く酔って火照っているのを感じ始めていた。再びジョンがダンスに誘う。もっと踊るのを待ち望んでいたビッキーは、再び嬉しそうに立ち上がった。最初はアップビートの曲で、次がスローなダンスだった。ジョンとビッキーはフロアに上がるなりすぐに両腕を相手に回して抱きついた。間もなく彼の両手はビッキーのお尻に当てられ、彼女は彼の体に胸と股間の肉丘を押しつけていた。ビッキーは、ジョンの分身がズボンの中、外に出たそうにいきり立っているのを感じ取れた。このいきり立っているものが興味を持っているのは私のことだと分かったし、それに私自身も、これにとても興味があるみたい。このようなことを考えるのは、人妻である女性にとってはいけないことだとは自覚していたが、いずれにせよ、ただダンスをしているだけなのだから、とも思っていた。ちょっと体を擦らせあうだけなら何も害はないはず。

輪姦:主人公はエリカ・レインズ(3) 


2時間後、女の子っぽい声を出したり、歩き方をしたり練習した後、私はバリーと彼の部屋でダンスを踊っていた。アレックスとケンが私たちを見ている。女っぽくダンスをする練習をしていたのだが、ようやく上手くできるようになったところである。

バリーは私に密着してダンスをしていた。私のお尻やニセの乳房を触っていた。このように触られると、本当に淫らな気持ちになってくる。それにみんなにちやほやされることが、信じがたいほど中毒的になることも感じていた。バリーは私にさらに近寄り、耳元に囁きかけてきた。

「エリカ・・・すごく魅力的だよ」

私は彼を見つめた。バリーがそう言うことを言うのに少し驚いていた。

「ええ、あなたもよ・・・バリー」

そう言ってジーンズの上からバリーの固くなったペニスを触った。

「おしゃぶりして私の中に発射してもらうのに、ちょうど良さそうになってるわ」

笑いながらそう言った。バリーも微笑んでいたが、その顔はこれまでの友達同士の笑顔ではなくなっていた。むしろ、ペニスを深々と突き刺し、激しく打ち付けたいと思っている相手に向けて見せる笑顔に近かった。

突然、アレックスが私の背後に来て、私のお尻にリズミカルに腰を打ちつけ始めた。私はバリーとアレックスにサンドイッチにされた状態だった。自分が、男を求めてダンスフロアに上がった淫乱女になったような気がした。2人の逞しい男に挟まれ、体を触られ、踊りながら下半身を打ち付けられている。毎日顔をあわしている友人たちではあるのだが、ここではダンスをしながら、みんな違った人物になって振舞っていた。アレックスが、ズボンの中で固く勃起したペニスを、スカートに覆われた私のお尻に強く打ち付けてくるのを感じていた。音楽にあわせて強引とも言えるほど激しく当ててくる。ほとんど乱暴にピストン運動しているのと同じようだった。

音楽がスローなものに変わると、アレックスとバリーは私から離れ、今度はケンが立ち上がって私とダンスを始めた。

ケンは、前からある意味で私が惹かれていた人だった。

私は彼の首に両腕を回して抱きつき、彼は私の体に両腕を回した。手をお尻にあてている。

「エリカ、とても可愛いぜ。・・・本物のパーティになったら、お前、モテモテの可愛いパーティ娘として完璧に通じると思う」

「ありがとう・・・そういう風になればいいなと思ってたのよ」 そう言って下唇を軽く噛んで見せた。彼の私のお尻を握る手に力が入った。

私は彼を見上げた。

「ケン、知ってる? もし、私じゃなかったら・・・もしあなたがどこか他のところで私に出会ったとしたら・・・あなた私に・・・その・・・上手く言えないわ」

「君に惹かれたかって?」

「そうね、でも惹かれるってわけじゃなくって・・・もっと、強い欲望を感じるかというか・・・その・・・私とやりたいって・・・そう思う・・・?」 そう言って軽く苦笑いして見せた。

「ああ・・・お前とやりたい。めちゃくちゃにやりたい」 ケンは私を見つめていた。

「じゃあ・・・今はどう? この場で私にやりたい?・・・・今すぐに?」 好奇の目をしながら訊いてみた。

「ああ・・・」

私は目を輝かせ、今すぐ彼に中に入ってもらいたくなり、下唇を噛んだ。

「でも、あなたは、他の2人の男と私の体を分かち合わなくちゃいけないのよ? そうなっても大丈夫?」

私は、ケンに、アレックスとバリーと一緒に私を輪姦したいかと、それを遠まわしに訊いていたのだった。

「・・・ああ、そうなったら最高だ」 ケンは、この後どうなるか完全に理解したうえでそう返事した。曲が速いテンポのものに戻った。

心が望むものをすべて3(2) 

ダニーは、道沿いの小さなキャフェを目に留め、そこの駐車場に車を入れるよう私に促した。そのキャフェは以前、2人でよく立ち寄った店だった。座った席は、店のパティオと人通りの多い歩道とを仕切っている低い錬鉄製のフェンスのすぐそばのテーブルだった。ダニーは、席に座り、脚を組んだが、その身のこなしはまさに熟練した者のする身のこなしだった。ストッキング擦れあう、柔らかく、官能的にザラザラした摩擦音に私の感覚が痺れていく。まあ、彼女ったらすごいスピードで仕草を会得してきている! 私はブラッシュワイン(参考)のカラフ(参考)を注文した。2人で互いに見つめあいながら、腰を降ろし、雑談をしていた。ダニーは右手を私の左手の上に置いていた。私の手の甲の敏感な皮膚を紫色に彩色した爪で優しく引っ掻いている。テーブルの下では、何気なさを装って、ハイヒールのパンプスで私の脚を擦っていた。私はどうしようもなく腰をくねらせてしまっていたが、びちゃびちゃとした湿った音がしていないことにむしろ驚いていた。それほどパンティがびしょ濡れになっていたから。

ワインを飲みながらそこに座っていた1時間あまり。その間に私とダニーは、控え目なものではあれ、ちょっとした暴動を引き起こしていたと言える。視界に入るどの男性も、最初、ダニエルを目にした後、必ず、2回か3回は振り返って彼女を見ていたのだ。だが私にはそれは気にならなかった。もっと言えば、昔ダニーが私を外に連れ出したときにいつも、彼が感じていたと思われるスリル感を、ようやく理解し始めていたのだと思う。この事態にあえて直面することにしよう。男たちは犬なのだ・・・全員とは言わずとも、大半がそうなのだ。あっという間に終わる、狂ったようなセックスには男たちは適している。だが、それより真剣な係わり合いについては、お茶を飲む時間程度しか付き合うことができない生き物なのだろう。だから、男たちがあからさまに性的欲望を見せつけてきても、私はまったく怖いと思わない。それに、彼らが私の「ガールフレンド」に色目を使い、逆に私の彼女が彼らに色目を送り返すのを見るのも楽しかった。私は先週、自分が言ったことを思い返していた。つまり、家に逞しい男を2人連れてきて、並んで横になっているダニーと私の両方にセックスしてもらうこと。ひょっとしたら・・・

彼女の隣に座りながら、自分が、そのようなことに、生まれて初めて肯定的に感じている。自分のその心境の変化に、かろうじてだが警戒した、ダニエルは私の心境を見抜いたようだった。

レイプされた美しき体操選手(2) 

美しきジョディには分からないことだったが、デリックは受話器にひそひそ声でチームメートにこのアパートの部屋に来るように話していたのである。この部屋でこそ、じきに本当のパーティが始まるだろうと。デリックは電話を終えた。そしてジョディはパニックに陥った。デリックが椅子に座ったまま、彼女をいやらしいにやけた顔で見ていたからである。

「ジョディ、ビールはねえのか?」

「ごめんなさい。ビールはないわ。だけど、もう私は今夜は終わりにして、休みたいと思ってるの」 ジョディはデリックに部屋から出ていってもらおうと、できるだけ丁寧に伝えようとしていた。「お願い、もう、私は眠る時間なの!」

デリックは、その分厚い唇を舐めた。

「そうだな、その通り。お前はもうベッドに入る時間だ!」

「お願い。もう帰ってちょうだい!」 怖がるジョディ。

「いや、そうはいかねえな。俺はどうしてもここにいたいんだ」

その返事にジョディは震え始めた。すぐに寮の管理人に電話をしなければと、気があせる。管理人は通りの向こう、1ブロック先の自宅に住んでいる。だが、ジョディがデリックの横をすり抜けようとするのと同時に、彼は素早く行動に移った。さっと彼女の口を手で押さえ、容易く彼女をベッドへと引きずり倒したのだった。ジョディは両腕を振り回してあらがったが、この巨体の黒いけだものに敵うはずはなかった。デリックはジョディをベッドに仰向けにさせ、その上から覆い被さり、体重をかけて身動きできなくさせた。恐怖におののきながら自分の下に横たわるジョディの美しい顔を見下ろす。叫び声を出させないように大きな手で彼女の口を覆っている。緑の瞳は恐怖で大きく見開いている。

胸元がVラインになっているサマードレス。その首もとに大きな黒い手が伸びた。そこを一気に強く引っ張り、ドレス前のボタンがすべてちぎれ飛んだ。ジョディの体を守るものはレースの白ブラジャーとそれにマッチしたパンティ、そしてヒールの低い靴だけになってしまった。デリックは、引き続きブラにも手をかけ、それもあっという間に引き剥がされた。デリックは覆い被さりつつも、顔を下げ、彼女の敏感なピンク色の乳首を舐めた。ジョディは左右に頭を振って、どうにかして逃れようともがいていた。だが、デリックに執拗に乳首を吸われ、乳首は次第に固さを増していた。次にパンティにも手を掛けられ、丸められ、細く白い脚に沿って引き降ろされていく。そしてとうとう、パンティは彼女のヒールから離されてしまったのだった。

デリックは、顔をジョディの胸から徐々に下方へ移動し、清楚な股間へと移った。いまだ男に触れられていない花園である。デリックの長い舌が縮れ毛の中を這い回り、やがて未踏の割れ目の中へと入って行った。探りまわる舌から逃れようと、ジョディは狂ったように体をくねらせた。だが、探り這い回る舌の動きに反応して、彼女の女陰は体液を分泌し始める。デリックは、一時、そこを離れ、細い脚に沿って舐め降り、足先へと向かった。そして、彼女の足からヒールを脱がす。とうとう、彼女の神々しい白い足を崇める時が来たのだ。デリックは彼女の足を愛撫し、柔らかい足裏を舐めまくり、可愛らしいピンク色にマニキュアした足指を口に含んだ。ジョディは必死にもがいてはいたが、逃れられるような隙はまったくなかった。その間、ひたすら懇願し続ける。

「お願い・・・ああ、やめて・・・・やめてください・・・だめ・・・こんなこと、しないで・・・ああ、お願い・・・私、バージンなの!」

ポルノ・クイーンの誕生1(2) 

して触れてみたくなる。鼻はボタンのように可愛らしく、濃い青の瞳と厚い唇が魅力的だ。身長は180センチはあるが、体重は45キロに満たないのは確かだ。脚は細いがとても長く、ウエストは驚くほど細い。それでも胸は巨大と言ってよく、とても小さめに見積もってもDカップであると思う。

トレーシーは、いつも誰かとの出会いを求めているように見えていたが、僕には、よく、夫とランチを食べることになっていると言っていた。でも、彼女は、わざわざそのようなことを言って、僕に結婚していることを伝える必要はなかった。というのも、彼女の指にある大きな氷の固まりのようなものが見えていたから。それは僕が知っている中でも一番大きなダイヤモンド・リングだった。あれだけでも一財産になるのは確かだと思う。

彼女の笑顔は温かく人を惹きつけた。彼女が微笑むたびに僕の唇にも笑みがもたらされたと思う。彼女はいつも僕に 「調子はどう?」と尋ねてくれたが、僕は僕の事情を何一つ彼女に話すことはできず、「万事順調だよ」としか答えなかった。彼女と一緒にいるだけで、どんなことも気にならない気持ちになれそうだった。

いや、勘違いしてもらっては困る。どうやっても、トレーシーが僕と何らかの性的な関係になるなどあり得ないのは、僕も自覚していた。つまり、彼女は僕の住む世界とはあまりにもかけ離れていて、まるで僕と彼女は別の惑星の住民であるようだったということである。それでも僕は、もし彼女とベッドを共にしたらどんな風だろうと思い浮かべざるを得なかったのも事実だ。

7月の末になると、トレーシーの天使のような笑顔ですら、憂鬱な状態から僕を介抱することができなくなっていた。2ドルのコーヒーに対して彼女が置いて行ってくれる8ドルのチップですら、僕の塞ぎ込んだ気分を直すことはできなかった。トレーシーは僕に何か困ったことが起きていることは察していたが、その時は彼女は何も言わなかった。

仕事の勤務交替の時間が近づいたとき、トレーシーは再び店に来て、僕の担当する席に座った。僕がコーヒーを持っていっても、勤務終了の時間が来てしまうので、彼女が置いていくチップを手にするのは、次のウェイターの人になる。

トレーシーの前にコーヒーを置くと、彼女は突然、僕の手を握った。

「スティーブン? 仕事の時間が終わったら、この私が座っている席に来て一緒に座ってくれる?」

うん分かった、そうするよと返事するまで彼女は手を離してくれなかった。

勤務時間が終わり、僕はソーダを手にトレーシーの席に腰を降ろした。彼女は優しい笑みを浮かべていた。

「最近、あなた、何か心がここにないみたいよ。何か悩みでもあるの? 私に助けられるようなこと、何かない?」

悩みなんか何もないと答えつつも、僕は彼女の目を見ることができなかった。向かいに座るトレーシーはテーブルの向こうから手を伸ばし、綺麗にマニキュアをした指で僕の横顔に触れた。

「私に嘘はつかないで。困ってることがあるのは分かるわ。さあ、私に話してみて」

なぜかと訊かれても困るが、僕は抱えている問題をすべてトレーシーに話し始めていた。彼女は注意深く話しを聞き、僕の父の態度に嫌悪感を示していた。僕は、父との気まずい関係については、父よりも僕に多くの責任があると説明した。