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報復 第10章 (6) 


「もしもし、私」 バーバラが言った。

「やあ」

スティーブは、返事しながら、携帯電話を耳に強く押し付けた。外の工事現場からの騒音に会話を邪魔されないようにするためである。

「どうした?」

「あなた、いま、独り?」

「あ、ああ・・・ロイスとジェフは、ランチに出ていて、ついでに街のオフィスから報告書を取ってくることになっているけど・・・」

「そう、良かった・・・ドアは鍵をかけてある?」

「ええ?!」

スティーブは、妙な電話だなあと思っていたのだが、さらにドアの鍵のことを言われ、かなり当惑した。

「い、いや・・・鍵はかけてないよ。どうして?・・・どうして、急に?」

電話の向こう、少し沈黙が続いた。バーバラはスティーブの質問には答えなかった。

「いえ、ただ、他の人にドアからあなたのラップトップの画面を見られたくないから・・・窓からでも・・・大丈夫かしら?」

スティーブは、何がどうだか分からなくなっていた。

「ああ、まあ、すぐ横のブラインドを降ろせば、外から見えないけど・・・」

「じゃあ、降ろしてくれる?」

スティーブは、どうして? と訊こうと思った。だが、とりあえずは、言うとおりにしようと考え直した。溜息をつきながら、彼は立ち上がりブラインドを降ろした。

「オーケー、いいよ。降ろしたよ。で、いったい、これはどういうことなんだい?」

「すぐに分かるわ」

スティーブは、バーバラの声にちょっとそわそわした雰囲気があるのに気づいた。いったい、これから何が始まるんだ?

「スティーブ?・・・ジューンのこと覚えてるわよね? それに彼女のいとこのことも。あのコンピュータ男?」

「もちろん」

確かに彼らのことを覚えていた。ジューンは、バーバラの職場での一番の親友だった。ジューンは、スティーブがバーバラの浮気を職場じゅうにばらした後は、かなり長い間、バーバラのたった一人の友だちとなっていた。ジューンのいとこはウェンデルと言い、どこをとっても、まさにコンピュータ・オタクの典型のような男だった。

「二人が今朝、家に来たの・・・」

バーバラがちょっとそわそわしているのは、今やはっきりしていた。スティーブには、はっきりと察知できた。

「そう・・・それで?」

バーバラがなかなか続きを言わないので、痺れを切らしてスティーブが言った。電話の向こうで、バーバラが深く息を吸い、一気に吐き出すのが聞こえた。

「で・・・ウェンデルがウェブ・カメラを設置するのを手伝ってくれたの」

バーバラには、もちろん見えていなかったが、スティーブは顔をしかめていた。いったいなぜ、バーバラはウェブカムを家につけたいなどと思ったんだ? わけが分からない。

「あなた? まだ、そこにいるの?」 バーバラが心配そうに尋ねた。

「ああ、ごめん・・・ちょっと、頭の中を整理しようとしてたんだ」

「そう・・・それで、家のIPアドレスをあなたのネットスケープに入れてくれる・・・それから・・・ポートは11547を使って・・・いい?」

「あ・・・ああ・・・ちょっと待ってくれ」

スティーブは、今は、興味津々の気持に変わっていた。バーバラは新しい趣味でも始めたのだろうか?

「オーケー。作動してるところだ・・・ファイアーウォールが停止した・・・接続を許可してと・・・おっと!」 

スティーブは素早く後ろを振り返った。大丈夫、ブラインドはちゃんと降りていた。

今、画面にはストリーム動画が映っていた。バーバラは、リビングから出てきて、書斎にいた。彼女の姿がはっきりと見える。

スティレットのハイヒールと薄地の黒のストッキング・・・他は何も着ていない! 左耳に携帯電話をあてがっている。

スティーブは窒息しそうな声で言った。

「バ、バーバラ! 何をしているんだ?」

「気に入った?」

バーバラは嬉しそうな声で言った。画面の中、彼女が満面に笑みを浮かべているのが見えた。カメラに向かって手を振っている。

「ああ、なんと・・・もちろんだって分かってるじゃないか。・・・でも、ジューンとウェンデルは、もう、家にいないんだよね? それとも・・・」

バーバラが笑い出した。

「バカね、もう帰ったわよ。うふふ」

「ああ・・・」 

スティーブはうわの空で返事しながら、もっと詳細が見えるように動画画面を拡大し、その後、最上の画像になるまで徐々に縮小した。心臓がドキドキと鼓動するのを感じていた。肺も過剰に活動している感じだった。

「スティーブ・・・まだ、そこにいるでしょう?」

「ああ、うん・・・ちょっと待ってくれ・・・ドアに鍵をかけてこなきゃ」

電話の向こう、バーバラがくすくす笑う声が聞こえた。スティーブは電話を置いて、ドアに駆け寄り、しっかりと鍵をかけた。

「今戻ったよ」 再び携帯を取り、伝えた。

「ああ、良かった・・・」 甘い声で言う。「・・・ねえ、あなた? もっと良いものを見てみたい?」 

「すでに、いま見てるよ」 

バーバラがまたくすくす笑った。

「もっとワクワクするものよ」

「ああ、もちろん・・・バーバラ? ・・・何かセックス・ウェブサイトみたいなものを始めたのかい?」

画面の中、バーバラがカメラを振り向いた。

「あなた専用・・・あなたのためだけ・・・」

「ちょっと確認しただけだよ」

バーバラはカメラレンズに向かって微笑みかけた。どうやら、しようとしていたことを思い出したようだった。


[2009/10/21] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

ネットにおけるセックス小説 (6) 

読者

セックス小説の人気に関しては、作家や作品の数ばかりでなく、当然、読者の数も問題になる。読者数は確認が難しいのだが、サイトの中には、個々の作品がアクセスされた回数を記録しているところがある。恐らく、ダウンロードの数については、ASSTRが最多であると思われるが、現時点では、このサイトではダウンロードについての総合的な情報は手に入らない。ただし、このサイトに載せた作家は、個々の小説が何回ダウンロードされたかについて週毎の情報を得ることができる。多数の作品を書いている活発な作家の場合、1年あたりトータルで万単位のダウンロードがあると思われる。一例として、私自身は、ASSTRで最もダウンロード数が多い作家たちには含まれないものの、あのサイトに掲載されている私の作品や各章を合わせると、1週間あたり、1000回程度のダウンロードは軽く越すし、1年あたりでは5万回くらいになる。私はひょっとして有名作家なのかもしれない。

他のウェブサイトでは、現在、記録として確認できるものが多くある。Literoticaは、すべての作品にダウンロードの総数を表示している。単一作で最も多くダウンロードされている小説は、「A:私の名前はアリス (A -- My name is Alice)」である。これは、中年の主婦が、自分の10代の息子に誘惑される話であるが、2001年8月から470万回もダウンロードされてきた。Literoticaのアーカイブにある上位173作は、そのいずれも、50万回以上ダウンロードされている。普通の作品では、数百から数千回ダウンロードされるのが典型である。

StoriesOnLineの読者数は、Literoticaの読者数には決して敵わないが、それでも上位70作は、どれも10万回以上ダウンロードされている。第一位の作品、「ジャックとジル(Jack and Jill)」は、高校生のセックスと恋愛についての118章もある作品だが、すでに33万4千回ダウンロードされている。ここでも普通の場合、数百から数千回ダウンロードされるのが典型である。

作家数や読者数についての概略は、すでに明白であろう。性的にあらわな小説を、ある程度、匿名性を保持しつつ投稿することが可能になるとすぐに、かなり多数の個人が小説の投稿を開始し、その数がますます増えていること、そして、それに合わせて、投稿者より遥かに多数の人々がそのような小説をダウンロードし、読むようになったということである。


小説の国での諸問題

セックス小説の投稿が広まっており、膨大な読者がいるということから、こういった行いが世間一般に受け入れられるようになるかもしれないと考えるかもしれない。ある程度、それは真実かもしれない。だが、この分野には、その特有の性質として、社会学者のアービング・ゴフマン(Erving Goffman)の言う「人格を汚される」可能性があるという問題がある。つまり、セックス小説を書く人々の人格が疑われてしまうかもしれないという問題である。

そのような事態を招きかねない主な要因には2つある。1つは、書き手は絶え間なくセックスに焦点を合わせざるをえないということである。私たちが書く小説は、恋愛小説、SF、怪奇物、探偵物、二次小説、歴史小説、純文学、はては詩に至るまで、様々なジャンルにかかわることがあるが、どんなジャンルになるにせよ、焦点の中心はセックスに当てられるのである。しかも、ほとんどすべて、露骨に性行為を描写することになる。

[2009/10/21] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

誰とやったか知ってるぜ 第4章 (13) 

その後、ケイトは俺の横に来て、ひざまずき、俺の腰にナイロン製のストラップを巻きつけた。そいつは左右に紐が伸びている。ケイトは床にある左右のフックにストラップを接続し、ぎゅっと引っ張った。これで俺は腰も動かせなくなってしまった。

さらに、太ももの方にも別のナイロン・ストラップを巻きつけ、同じようにフックに装着した。俺は、素っ裸で床に大の字にされ、まったく身動きできない状態になっていた。

ちょっと、もがいて動こうとしたが、すぐに、それは無駄な努力だと分かった。こんなふうに拘束されるのは我慢がならない。

音楽の低音ビートが床を振動させ、体全体にびんびんと響いている。スポットライトは相変わらずステージに円を描くように回り続け、照らしている。

立ち上がったケイトは、俺を見下ろした後、ゆっくり片足を上げ、俺にまたがった。下から見ると、彼女が俺の上にそびえ立った巨大な女のように見える。

ケイトは、そのまま、音楽に合わせてゆっくりと踊り始めた。エロティックな音楽に合わせて腰を誘惑的にうねらせている。その体に触りたいと思うが、もちろん体は動かせない。

ケイトは踊りながら、両手を体全体になまめかしく這わせていた。さらに、両腕を上げ、頭の後ろにもって行き、その髪の毛を上に持ち上げ、さらりと振り降ろした。長い髪が量感豊かに肩にふんわりとかかる。

今度は後ろ向きになり、俺に尻を向けた。わざと前かがみになって、スカートを徐々に持ち上げ、太ももを見せ付ける。俺を焦らしているようだ。すると、再び、俺の方に向き直り、俺の顔を見下ろした。

悩ましく腰を揺らしながら、徐々に俺の顔の方へと上がってきた。両脚を広げて俺にまたがっているので、本当に彼女が巨大に見える。俺のちんぽは、ひくひく言いっぱなしで、プレカムも滴っていた。

腰や肩を揺らしながら、片手で軽くおっぱいを揉み、もう片手はゆっくりと太ももを擦り、上へと這わせていく。チラリとひくひくしてる俺のちんぽに目をやった後、誘惑的な笑みを浮かべて俺の瞳を見つめた。次に何をされるのか、たまらない。

ケイトは片手を胸の間に上げた。そこにはドレスの結び目があり、それによってトップを押さえるデザインになっている。ケイトは、その結び目に手を当てると、親指と人差し指で布を引っ張り、ゆるく結んである結び目を解き始めた。

相変わらず、潤んだセクシーな目で俺を見つめている。さらに、好色そうに舌なめずりをした。その瞬間、ドレスの結び目が解ける。

俺はすぐに彼女の胸に目をやった。だが、ドレスの結び目は解けたものの、生地はまだ体に引っかかったままだった。豊満な乳房に引っかかったままで、まだ美味しそうな乳房は姿が見えない。

またケイトの目に視線を戻すと、彼女は、妖艶な顔つきで俺にウインクし、俺にキスを飛ばす仕草をした。そして結び目になっていたドレスの布地を左右の手に持った。音楽にあわせて腰や肩を揺らしながら、実にゆっくりと、その布地を広げていく。

とうとう、死ぬほど見たいと思っていたものが姿を現した。俺が知ってるうちでも最高クラスの美乳が目の前に現れた。左右の乳首にピアスがあるのを見て、興奮が一層高まる。金色の小さなバーベルような形をしたピアスだ。

ケイトは、じわじわと焦らすようにドレスのトップを脱ぎ去り、俺の服の上に放り投げた。


[2009/10/21] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)