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Lesbian 「レズビアン」 

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68_Lesbian 「レズビアン」

あんなに驚くべきじゃなかったかも。息子がどういう人間か分かっていたはず。なんだかんだ言っても、あたしこそ、息子になるべきひとになるよう強いようとしてきた人間だから。でも、どんなに頑張っても、息子はあたしの考えに馴染んでくれなかった。男たるべきもの、どうあるべきかってあたしの思いに従ってくれなかった。だから、スマホで写真を開いたときのこと、同僚から送られた写真だけど、そのときはあんなにビックリしてはいけなかったのかもしれない。あの写真の中、息子が10代のレズビアンにしか見えなかったにしても。

写真では、息子は、長くて紫色の両頭ディルドの片方をアソコに入れていた。もう片方には彼女。彼女がいれば息子もまともになってくれるんじゃないかと思っていた、その彼女。明らかに、あたしの目論見は失敗していた。

息子が、大学に行って地元から離れてから、彼女ができたと聞いたとき、あたしはすごく喜んだ。息子があたしが望み続けてきた「本物の男性」になるかも。そうなる日をずっと夢見てきた。そして、その、息子の彼女の写真を見た時? あたしは顎が外れるほどびっくりした。すごい美人。息子がこんな美女を得ることができるなんて、自慢したい気持ちが湧き上がってきたのを覚えている。

でも、スマホに送られてきた写真を見ながら、私は、息子がどうなっているのかを知った。長い髪の毛、柔らかい顔かたち、女性的な曲線豊かな体つき。それらを無視することはできない。それに息子の胸の膨らみと縮んだ男性器にも、どうしても、目が行った。息子は、もはや息子ではないらしい。彼は、私の娘になったのだし、しかも、レズビアンの娘なのだ。


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Kink 「変なコト」 

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68_Kink 「変なコト」

他の人がこうなるのは見たことがあったけれど、自分がなるとは夢にも思っていなかった。ただのフェチだとずっと思ってた。変なコトだと。外部から見てる時は楽しかった。その手のストーリーを読むのが好きだった。その手の動画を見るのが好きだった。見てるのは好きだった。外部の傍観者、それ以上でも何でもなかった。

でも、あたしの彼女があたしの真実を見つけてしまった。どうやって見つけたのかは分からない。ある日、彼女はあたしの前に彼女のパンティを投げつけてきて、こう言ったのだった。「あなた、そういうのを履くストーリーが好きなんでしょ? ほら、それを現実にできるチャンスが出てきたわよ!」

あたしはあまりに驚いてしまい、何も反論できなかった。そして、言われたことに従ったのだった。彼女のパンティを履いて立つと、そのあたしの周りを彼女はじろじろ見ながら回った。この時、自分の人生で、こんなに自分がバカで、男らしさを否定された気持ちになったことはなかったと思った。だけど、同時に興奮もしていた。まさに、あたしが読みふけってきたストーリーの1シーンじゃないかと。

その夜、彼女はストラップオンを使って、あたしを犯した。そして、その夜以来、彼女はあたしを男性としは二度と思わなくなってしまった。決して彼女は高らかに宣言したわけではない。彼女は「お前は今後、女として生きるのだ」みたいなことは決して言わなかった。これは、ふたりとも予期していなかった、ふたりで克服していく課題を与えられたようなものだった。こういう事態を、彼女もあたしも予期していたかといわれると、実際、何とも言えない。

いつでもやめることはできたと思う。正直、あたしは女になりたいとは思っていなかったわけだし。でも、これはただのフェチにすぎないと何度も自分に言い聞かせつつも、当た脚は一度も文句を口に出さなかった。言われるがまま、ドレスを着た。体毛をすべて剃った。ホルモンを摂取し始めた。彼女が他の男たちとセックスするのを見続けた。そして、やがては、あたし自身も彼らの行為に参加するようになった。それから間もなく、自分自身で本物の男性を探し、肉体的な交渉をするようになった。そして、それからすぐに、あたしと彼女との性交渉は皆無になり、ふたりは別れた。その間あたしは、これはただの「変なコト」にすぎないと思っていた。

実際はそうではなかった。今となればはっきり分かる。あたしは、自分が望むことがあまりに恐ろしく、そういうレッテルを貼って侮蔑していたということだったのだ。自分がどうされたいか、それがあまりに恐ろしかったのだ。レッテルを貼って、その陰に隠れていたということだったのだ。

では、今は? もう、隠す必要はない。完全に変身した。カラダも心も精神も。そして、今、こんなに幸せな気持ちはないと思っている。

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It's gone too far 「いきすぎ」 

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68_It's gone too far 「いきすぎ」

ロビーが言った。「そろそろカムアウトすべき時だと思う。少なくとも親には。兄弟にも。友達にも言うべきかもしれない」

「カムアウト? 何言ってるの?」 アレックスは裸でベッドに座りながら言った。曲線美豊かな豊満なカラダを隠そうともしない。「あたしのこと、ゲイとか言うわけ?」

「マジで言ってるのか? アレックス、お前はゲイじゃない。それはありえない」

「でしょ? どこにあたしのような人間をゲイって言う人がいるのって」

「ああ、分かっていないよ」とロビーは目をこすりながら言った。「そのうち薄れてきてくれればって願ってた。何か言い訳をしてるだけかなとかだったらいいと願ってた。分かってるんだ。誰かに相談すべきだったって。助けを求めるべきだったって。分からないけど。でも、何かすべきだったんだ」

「何言ってるの?」 とアレックスはひどく戸惑った様子で訊いた。

「あの催眠術師のことだよ!」 ロビーはアレックスの無知さに苛立ち、叫んだ。「アレを忘れたのか? もう1年も前だけど、僕はまだ……」

「彼がイカサマなのは覚えているわ」とアレックスは答えた。「まるであたしが催眠術にかかるみたいに言っていた。頼むわ、ロビー。目を覚まして。あれは本物じゃなかったんだから」

「いや、本物だったんだよ! お前は催眠術にかけられたんだ、アレックス。あいつのせいで、キミは女の子になってしまったんだ!」

「女の子? あたしが? アハハ!」 アレックスは笑い出した。「あたしが女の子に見えるって?」

「そうだよ!」とロビーは叫んだ。「この胸、僕が知ってるどんな女の子のよりも大きいんだ。あのショーの後、お前はずっとホルモンを受け続けてきたんだよ。それにお前が普段着ている服装も……」

「バカ言わないで、ロビー。あたしが何か病気になってるのは確か。それはいいわね? そのせいで胸がちょっと膨らんでる。でも……」

「ちょっと膨らんでるどころじゃないよ! お前には、大きな、オッパイが、ある!」

「その言葉、婦人科関係の言葉じゃない? あたしは男よ? 婦人科関係の言葉を使わないでよ。これは本当に医学的な意味での病状なの。そういうことであたしをからかうなんて、信じられない!」

「からかってなんかいないよ。アレックス、俺はお前のことが……」

「さっきから『お前、お前』って。あたし、そう呼ばれる筋合いじゃないわ。あたしがそう呼ばれるの嫌がってるのを知ってるでしょ? 周りの人が、まるであたしたちがカップルだって思い始めちゃうじゃないの! あたしたちがゲイだって思ってしまうんじゃない? そんなの、やめてよ!」

「でも、お、俺たちセックスしたし。それは分かってるよね?」

「もちろん分かってるわよ。それに、あなたがしつこく求めたせいで、その後もセックスしたわよ? でも、あなたにセックスを許したからって言って、あたしたちがゲイってことにはならないでしょ。それは単に……」

「そこが重要な点なんだよ!」とロビーは叫んだ。「つか、普通の人がお前のことをゲイだと思ったら、重要なことになるんだ!」

「こういう会話、もうヤメにできない? もう週に一回みたいになってる。もう、うんざりしてきてるの。こういう言い方するとおかしいと思うかもしれないけど、こういう話し合い、くたくたになってしまうのよ。その代わり、元々、計画していたように、一日中、ベッドでイチャイチャしてることにしない? ねえ、あたしとあなただけなんだから。もちろん、あなたの大きなおちんちんも仲間に入れてあげるけど。その方が楽しいと思うのよ?」

「お、俺は……」とロビーはつぶやいた。「いいよ。分かったよ。降参だ。お前って言わないよ。キミでいいかな? キミはキミのままで、それを変えることは俺にはできない。こういう状態になるまで放っておくべきじゃなかったのかもしれない。でも、もう……もう、こうなってしまったわけだし。たとえキミが望んでも、キミは元に戻れないかもしれないし。……だったら、この状況を楽しんでも何も悪いことはないかもしれない」

「あなたが何をぶつぶつ言ってるのか分からないわ。でも、もし、それであなたのおちんちんがあたしの中に入ってくれることになるなら、いつでもいいわよ」



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Introduction 「入所」 

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68_Introduction 「入所」

「あんた、新入りね?」 とジェイドが言った。疑問文ではなかった。

若者は頷いた。「ぼ、ボクは……よく分からない……ここがどこかも」 彼はジェイドの丸見えになっている股間を見下ろし、目を真ん丸にした。「えっ? あ、あんたにはアレが……」

「あんた、何歳?」

「18です」

「どっから来たの?」

「ルイジアナ」 若者は気持ちを落ち着かせようと、一度、深く息を吸った。上手く落ち着けたと思ったけれども、言葉を発すると、やはり恐怖で声が震えていた。「ど、どうなってるんですか? ぼ、ボク、最後に覚えてるのは学生寮に帰るところだったんだけど……」

「女の人に会った?」とジェイドは訊いた。若者は頷いた。彼はパーティで、ハッとするようなブロンドの女性と出会ったのだった。「彼女、ここのリクルーターのひとりよ。ここの女王様のハーレムに加わるあたしたちのような若い男の子を引っかけてくるの」

「は、ハーレム?」

「ええ、ハーレム。いい、話しを聞いて。これから2日ほど、あんたには、いろんなことをたくさん投げつけられるはず。でも、忘れないで。絶対、ここの女たちが命令することをちゃんと行うこと。抵抗したら、罰を受けるから。それでも服従しなかったら、さらにひどい罰を受けることになるから。さらにそれでも間違った行動をするようだったら、連中は、あんたの家族に刃を向けるから。家族とか友人とかに。連中は、あなたを従順な奴隷に変えるためならどんなことでもする人たちだから」

「ぼ、ボクは、でも……」

「脱走する?」とジェイドは訊いた。「それは不可能。あたしも試みたわ。そして、その代償を払わされた。この状況をできるだけ利用する、その方がいいの。こう言って気に障らなければだけど、あんた、従順にしてたら、連中はあんたに良くしてくれるわよ」

「あ、あの人たちはボクに何をするつもりなの?」

「あんたを変える。ホルモンとか、いろいろ使って。1年もしたら、あんたも、あたしと同じになるわね」

「で、でも、どうして?」

「女王様は女っぽい男の子が大好きだからよ。でも、いずれあんたも分かるでしょう。実感することになると思う。しばらくすると、それが好きになるかもしれない。そうなった男の子は何人かいるし」

突然、近くのドアが開き、筋肉隆々の女性が出てきた。ジェイドは彼女の方に向き直り、深々とお辞儀した。そうしながら、彼は囁いた。「忘れないで。連中の言うことをきくこと。何を言ってきても、言うことをきく」


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If you've got it 「魅力があるなら使わなければ」 

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68_If you've got it 「魅力があるなら使わなければ」

「ほら、この通り。着てないわよ」

「怒らないで。あなた、綺麗よ」

「服の生地が透けて見えてしまうのよ! ちょっとでも変な動きしたら、あたしの……こぼれ出てしまうわ」

「そうなったらそうなったで、すごい見物になるかも。私の同僚たちが大喜びするのは間違いないわね」

「そんなふうな言い方よして。このドレス、バカげてるわ。ほら、あたしの……アレ、見えてしまうかも。少なくともパンティか何か履くべきだわ」

「下着を履いたら、ドレスのラインが台無しになってしまうじゃない。それに……他の男性はみんな同じような服装で来るわよ。もっと言えば、かなり確かだと思ってるんだけど、シャーロットのご主人はもっと派手に露出したのを着てくるはず。彼、この前のクリスマス・パーティの時、どんな服装できたか、覚えているでしょ?」

「パスティーズ(参考)とソング・パンティだけだった。覚えてるわ」

「だから、全然おかしくないでしょ? あなたと彼ふたりでああいう格好したらどうかしら? すごく可愛いと思うわ!」

「サマンサ、あなたの会社のパーティに半裸で行くつもりなんかないわ。あたしはそういう男じゃないもの」

「どうかしら? あなたが自分は豊胸手術をするタイプの男じゃないって言い張ってたのは、そんなに昔のことじゃなかったんじゃない? それにヒップへのインプラントとかドレスを着るとか。そんなタイプの男じゃないって言ってたのついこの前までだったじゃない? と言うか、その割合でいったら、今あなたがする気がないということは、どんなことでも、いずれ、その正反対のことをすることになるって、正確に予測できると思うわ。私が賭け事をする女だったら、あなたがうちの会社の次のクリスマス・パーティでは、素っ裸になってテーブルに上がって踊り狂うってことに、多額の掛け金を賭けるでしょうね」

「そんなのフェアじゃないわ。あたしは仕事をクビにならないために、こういうことをしなくちゃいけないって分かってるでしょ? うちの上司はとても厳しいの……」

「人生はフェアなことばっかりじゃないのよ。でも、これ、全部、ベストになるためのことなのよ? あなたはすごくゴージャスなの。あなたに会う女はみんな、心の中で、あなたの完璧な形のお尻にストラップオンでズブズブやれたらなあって思ってるはずよ」

「そんな下品な言い方、ヤメテ」

「じゃあ何て言ったらいいの? あなたの魅力のせいで、私はこういう女になったんだから。さあ、もう行きましょう? 遅刻したくないもの」

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Focus 「集中して」 

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68_Focus 「集中して」

「あら、いつ来てくれるのかって思っていたところよ」

「こんなことは続けられない。私は、これを続けることはできないよ」

「いいえ、できるわ。あたしはそれを求めてる。あなたも本当は求めてる。重要なことは、それだけじゃない?」

「でも、私には妻がいるんだ。子供たちもいる。それに、ああ、キミは私の歳の半分にもなっていないんだ、コーリー」

「それに、あたしはあなたのお嬢さんの彼氏だったしね? おちんちんもあるし、あなたはゲイではないし、本当は男の子なんか好きなわけじゃないって、そう言うんでしょ? そういう言い訳はもう全部聞いてきたわ、トム。でも、そんな理由、この前は問題にならなかったでしょ? 今もそれは同じだわ。それに、あたしたちふたりとも、これからもそれは問題にならないって分かってるんじゃない?」

「すまないって気持ちにならないかな? ローラは、いまだに君が戻ってきて一緒になれると思ってる。娘はキミがこの街から出ていないことすら知らないんだ」

「彼女には、ふたりの関係は終わったって言ったわ。いま彼女が信じてるのは、ビジネスのことだけ」

「でも、娘はどうしてそうなったのか知らないんだよ。キミのことについて知らないんだ……」

「あたしのどんなことについて? あたしたちが別れる2年近くも前から、あなたがあたしとセックスし続けていたということ? それとも、あたしが以前のあたしとは姿がちょっと変わってしまったということ?」

「キミはちょっと変わったどころじゃない」

「そして、あなたはあたしの今の姿を好きでいてくれている。あなたは、あたしがローラのパンティを履いているのを見つけた瞬間から、あなたはあたしに夢中になった。それを認めて。そして、それを喜んで。受け入れて。人生は、あなた自身が望むことを自分で否定したりしなければ、もっと楽しくなるものよ」

「キミは、すべてについて答えを得ているんだね?」

「あたしは自分が欲しいものを知っているだけ。あなたも同じでしょ? それを手に入れない理由はないわ。さあ、あたしのところに来て、あたしにセックスする? それとも、いつまでもジクジクしているつもり?」

「それについても、キミは答えを知っているようだね」

「じゃあ、もう黙って、あたしを抱いて」


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Finishing the deal 「約束の完了」 

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68_Finishing the deal 「約束の完了」

「見て? できるって言ったでしょ?」

「見事だわ。感動してるって認めるわよ、アレックス。ここまでになるなんて思っていなかった」

「じゃあ、清算する時が来たってことよね? まずは、ボクとキミのふたりでお食事に行くことを考えてたんだけど。それから、ボクの親が持ってる湖のほとりの別荘に行く。今は誰もあそこに行かないから。ボクたちふたりっきりでいるときに他の人に邪魔されるの嫌だし」

「いや、ちょっと、そんなに急かさないで。感動したとは言ったわ。でも、完了したとは言ってないわよ」

「どういうこと? キミ自身が言ったことだよ。ボクは指示されたことをミスなくこなしてきたよ。この夏ずっと、キミがボクに命令したことをすべてやって過ごしてきたんだよ。こんなバカっぽいレオタードを着てきたし、一生懸命に練習してきた。髪の毛も伸ばしたし、ダイエットまで始めてる。ゲインズコーチは、ボクがこんなに体重を減らしてしまってカンカンになると思う。でも、これは約束の一部だから、してきたんだよ。ボクがバレーを習ったら、キミはボクと寝てくれるって。それが約束だよね。なのに今になって、尻込みするわけ?」

「まず、あたし、あなたとデートするとは言ったけど、それを、あたしたちが一緒に寝ると思い込んだのはあなたの方よ。でも、それは構わないわ。してもいいわよ。あなたと一緒に寝てあげる」

「ありがとう。こんなこと言うの嫌だったんだ」

「もし、あなたが約束を最後まで成し遂げたら、ね」

「え? どういうこと? ボクは完了したよ。キミもそう言ったじゃないか!」

「あたしが言ったのは、あなたがあたしの指示を完璧にやってきたということだけ。完了したとは言ってないわ。バレーのことは、演技することを言ってたの、アレックス。演技するには観客の前で踊ることが必要だわ。それが、リサイタル」

「り、リサイタル? 何を言ってるの?」

「あなたをダンス・スタジオのリサイタルに登録しておいたわ。ステキじゃない? みんなに、あなたがこの2ヶ月間にどれだけ努力してきたか、見せてあげることができるのよ?」

「で、でも、ボクにはできないよ……みんなの前でなんて……いや、できない。できないよ、サンディ。この夏ずっと、ボクは必死になって、このことを親から隠してきたんだよ。パパはボクが病気になったと思ってるんだよ。こんなに体重が減ったから。それにママも、しょっちゅう、髪を切りなさいってうるさいんだよ。それに、キミがボクに履かせ続けているパンティのこと、姉に見つかってしまったんだよ。それも加えたら、どんなことになるか……」

「別に、あたし、あなたに何か強制したことないわよ。レオタードの下にトランクスを履いてもよかったのに。まあ、バカっぽく見えるでしょうけど」

「でも……」

「これは約束よ、アレックス。あなたはリサイタルに参加する。そうすれば、あなたは望んでることをできる。もし、参加しないなら……まあ、あたし、ステージに上がるのを怖がるような男の子とデートするなんて、あんまり考えられないわねぇ」

「何人くらい観に来るの? ボクを知ってる人も来るの?」

「大丈夫。ステージからは客席は暗すぎて見えないから。それに、誰もあなただって分からないと思うわ。みんなにとっては、あなたは、可愛いバレリーナがいるなあとしか見えないから」

「本当?」

「絶対よ。だから、参加してね」

「わ、分かった。でも、何かマズいことになったら……」

「そんなことないから! 大丈夫。素晴らしい結果になるはずよ。ねえ、リサイタルであなたが着る可愛いコスチュームを持ってきてるの。見てみて。それを着たら、あなた、すごく綺麗に見えると思うわ!」


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Escape 「脱走」 

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68_Escape 「脱走」

「あたしたち脱走したなんて信じられない」とアレックスは道とは言えない山道を探りながら言った。

「そうね」と彼の後ろについているガールフレンドのエリンが答えた。「まるで、あの人たち、あたしたちが逃げるままにしていたみたい」

アレックスは返事をしなかった。でも、彼女の想像も事実とかけ離れているわけではないことは知っていた。もっと言えば、見張りのひとりは、ふたりが脱走するとき、別の方向を向いていたのだ。もっとも、その見張りの動機は善意からというわけではない。アレックスは、その男に協力してもらうために充分な報酬を払っていたのである。その時の交渉で、彼は、いまだにお尻に痛みを感じている。

エリンが森の中を見渡した。「これからどうする? 文明と言えるところから何マイルも離れているところにいるのよ。そもそも、どの国にいるのかすら分からないわ」

アレックスも同じ心配をしていたが、口には出さなかった。彼は頼りになる存在である必要があった。男らしくある必要があった。

でも、それを思い、思わずアレックスは笑い出しそうになってしまった。男だって? アレックスは、自分がその描写にもはやふさわしいとは言えないことを知るのに、何も、下半身に目を向けることすら必要なかった。脚の間にぶら下がっている、小さくて萎んだ証拠を別とすれば、つい1年前までは男であったことを示すものは何も残っていなかったと言える。

エリンとアレックスはメキシコにバケーションで来てる時に拉致され、その後、知らない場所に移され、今の姿に変えられてしまったのである。どう見ても、今はふたりとも、頭が軽くてカラダだけが自慢の尻軽女にしか見えない。以前のエリンは、ちょっと太り気味の茶髪の女の子で、フェミニストだったし、アレックスはちょっとマジメすぎるとは言え普通の男の子だった。何十回もの手術をされ、様々な薬物を無数に注射され、1年にわたって条件付けをされて、この結果になったのである。

「ともかく前に進まなきゃ。そして助けてくれる人を見つけて、家に帰るのよ。そうしたら、元の生活に戻れるかもしれない」

そう思うのも分からないわけではないけれど、ふたりとも、元の自分たちには戻れないと分かっていた。この1年間、経験してきたことの後では、決して元には戻れないと。


[2018/10/01] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

Crossed 「人を怒らせてはいけない」 

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68_Crossed 「人を怒らせてはいけない」

「こいつは、あたしを怒らせちゃいけなかったのよ。そういうこと。単純なコトでしょ? こいつ、普通に姿を消して、ふさわしい生活をするとかしてれば、今もまだ、男だったかもしれないのに。だけど、このバカ、何を勘違いしたか、執念深い方がいいとでも思ったらしい。ねちねち、ねちねち、あたしの生活にいちいち文句をつけてきた。あの写真を全部ネットにあげようとしたし。写真が出る前になんとか抑えられて助かったわ」

「彼が変態なのははっきりしてたと思う。あなたが彼に出会った時から私には分かっていた感じ」

「場末って言葉を使ったわよね、あなた。彼のこと、中古車販売員みたいだって」

「私の言った通りだったと」

「ええ。あなたの話しを聞くべきだったわ。この次は、そうするから、いいわよね?」

「まあ、それはどうでもいいけど。さて、どうやったのか教えてくれる? 彼のような男を、こんな姿に変えるなんて、どうやったのか? 彼の脚の間にぶら下がってる小さなモノに気づかなかったら、彼が男だなんて信じなかったと思う」

「どう強制したかって訊いてるの? それとも、どう変えたかってこと?」

「両方」

「信じてもらえるかどうか分からないけど、強制自体は簡単だったわ。こいつの脳に小さなマイクロチップを埋め込んだだけ。こいつを行儀良くさせるためにね。あたしの言うことを聞かなかったら、バチンとやるわけ。こいつ、床にひれ伏して、もがき狂ってたわ。信じられないような痛みがあったんでしょうね。最初に使った時、こいつ、おもらししてたもの。二回目に使った時は、舌を噛み切りそうになってたわ。でも、その後は、ちょっと不服従の態度を示すくらいに落ち着いたわね。それも簡単に解決したけど」

「面白い。それ、職場から取って来たんじゃないのかな?」

「まあね。アレ、政府が使うものとして作られたモノ。政府がアレを使って何をするかなんて、想像できるでしょ? でも議会にバレて、この計画は非人道的だって頓挫させられた。で、あたしは、最後のプロトタイプをいただいてきたってわけ」

「そして彼の変身と」

「大半はホルモンを使ってよ。何度か手術も。エイミのこと、覚えてるわよね?」

「整形外科医の? 君の大学時代のルームメイトだった?」

「ええ。この件では、最初から最後まで彼女が重要な役割を果たしてくれたわ。もちろん、彼女は形態変化を担当。でも、手術以外の点でも、彼の体を変える計画の立案を手伝ってくれたの。ダイエットとか、エクササイズとか。2年近くかかったけど、ようやく完成したってわけ」

「でも、これからは? これから彼をどうするつもりかな?」

「あら、彼への懲罰はまだ終わってないわ。まだまだ。この2週間ほど、彼はストリップ・クラブで働いている。驚くかもしれないけど、みんな彼にチップをやるんだけど、ほとんど誰も、彼があそこに余分なものをつけてるって知らないのよ。彼がGストリングを履いてるのに、それでも、分からないの」

「確かに、本当に小さいね。前から、ああだったの?」

「まあ、大きいってわけじゃなかったわね。でも、ホルモンが役立ってくれたわ。それと、エイミからもらった、このクリーム。信じてくれるかどうかわからないけど、彼のアレが小さくなってほとんど分からなくなるのに合わせて、彼は抵抗しなくなっていったの。まあ、ちんぽが小さくなるのを見て、彼も現実を認識したってことじゃないかって思うわ」

「確かに」

「この前さ、クラブに彼の昔の友だちが来たのよ。そん時の彼の顔、あなたに見せてあげたかったわ。もちろん、昔の友だちは彼のことなんて気づかなかった。だって、誰が気づける? あんなに変わったんだもの。ともかく、最初はビックリしてた彼だけど、数秒経ったら、後は自動操縦みたいな感じでダンスを始めていたわ。でも、彼がビックリしてた数秒? あれは最高だった。プライスレス。彼、本当に恐怖パニックになっていて。だから、最後に、みんなに彼が元はどんなで、今はどうなったかを話すつもり。でも、まだ、それはしない。それはもっと引き延ばしてから。彼が、いつもの通り、お客様に下品なことをするでしょ? アレをやった後にすべてをバラすの。いまからその時が待ちきれないわ」



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Coming due 「もうすぐ」 

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68_Coming due 「もうすぐ」
「あなた、あたしを解放するつもりがないんでしょ?」

「解放する? 君は囚人じゃないんだよ、ジェシー。ここを離れたかったら、いつでも離れて構わないんだよ?」

「あたしが払いきれない対価と引き換えに、でしょ?」

「ハムレットじゃないが、それが問題だね。借金を払えば、自由になれる。それができるまでは、キミは、私がキミにできると思うことを何でも、それをして、私のために働く。キミも同意したことじゃないか」

「同意なんかしてないわ。こんなこと、決して望んでなかった」

「お願いだよ。キミは自分で決断したんだ。実際、一度だけじゃなかったよ。そして、キミは自ら進んでどんどん深みにハマってきた。判断すべき時に、悪い判断ばかり選んでね。何かを選択したら、必ず結果が伴うものだよ、ジェシー。借金は払わなくちゃいけない」

「あなたのせいであたしは奇人になってしまった」

「私のおかげで君は利益になったのだよ。利益が出れば、キミは借金を払える。私に感謝すべきじゃないのかねえ? 私はキミにスキルを与えた。今のキミのカラダそのものが大変なスキルだろ? 今は、チカラもつけてきてるんじゃないのか?」

「娼婦としてのチカラをね」

「売春が最古の職業と言われるのにも理由があるのだよ。男はいつもムラムラしていて、一発ヤッテ気持ちよくなりたくなるキミのようなセクシーな女の子を求めてるものなんだ。キミはみんなに求められているんだよ」

「死ね、バカ!」

「いや、今日はまだ死なないよ。でも、近いうちに。そう近いうちに、キミも服を着て、街角に立てるようになるさ。それまでは裸のままで我慢。まあ、街に立てるようになっても借金が減るわけじゃないけどね」


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Cold reality 「冷たい現実」 

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68_Cold reality 「冷たい現実」

アビーは顔を毛布で覆いながら言った。「もう、レインったら。正直に言って。本当にただ写真を撮っただけよね?」

「まあな」と、レインは、たった今ヤッタばかりのガールフレンドの裸体を見下ろした。「俺は、お前の写真を撮るのが好きなんだ」

「削除して。今すぐに!」

「誰にも見せないよ」

「あなた、分かってないわ。もし、親たちに見つかったら……だから、削除して。いい? あなたが思ってるより、ずっと大事なことなんだから」

「なんで? 説明してくれたら、消してやるよ」

「いいわ。ママもパパも、あたしのことを知らないの。いい? ふたりともアビーのことを知らないのよ」

「親にカムアウトしてなかったのか? マジで? いったいどうやってバレずに今までこれたんだ?」

「高校出るまでの2年間、ずっと隠し続けてきたの。全部、隠し続けてきたわ。だぶだぶの服を着たり、嘘を言ったりして、ここまでやってきたのよ」

「でも、なんで? お前の親って、バイブル・サンパー(参考)か何かなのか?」

「いいえ。そうじゃないわ。でも、パパが……パパは難しいところなの。ジョー・カートライトって名前、聞いたことある?」

「政治家の?」

「ええ。あたしが彼の娘だってバレたら、パパのこれまでが台無しになってしまうわ」

「ちょっと、話しを劇的にし過ぎていないか?」とレインは言った。「別に、トランスジェンダーの娘がいたからって……」

「パパはこの20年間、ずっとゲイの権利を阻止して過ごしてきたのよ? そのパパにトランスジェンダーの娘がいたってバレたら、パパの基盤の人たちがどんな反応すると思う? もちろん、パパ自身がどう反応するかも分からない。ベストのシナリオだったら、パパがあたしを離縁するってだけで済むと思う。最悪のケースだと……どうなるかなあ……つか、パパが何をするかなんて、考えたくないわ。だから、お願い、レイン。写真、削除して」

「分かった」と彼はスマホの写真を削除した。「でも、これだけは言いたいんだけど、お前、自分のことを隠すべきじゃないんじゃねえ?」

「そうなの。だけど、そうあるべきというのと現実っていつもマッチするとは限らないのよ」


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