トリスタの瞳を覗きこんだ、その美しさにうっとりとなる。綺麗な緑色の瞳に催眠術にかけられたようになっていると、彼女はふらつきながらもつま先立ちになり、唇を重ねてきた。
一言も言葉を交わさず、キスを続けた。互いに顔を傾けながら、重ねた唇をくっつけたまま、互いに舌を相手に出し入れした。ふたりとも呼吸が荒くなる。彼女の熱が僕の顔にも移ってくるのを感じた。
数分して、ようやくキスを解いた。その後も抱き合ったままだった。トリスタは頭を俺の胸に預けるように横に倒した。
「あなたに会えて、本当に良かった」と、トリスタは優しく言いながら俺の首元を撫でた。
「僕も」 と俺も彼女の背中を優しく撫でた。
背中を撫でつつ、時々、何気なさを装って、手を下に滑らせ、彼女のお尻を触った。トリスタの口から甘い溜息が漏れた。
彼女はゆっくりと顔を上げ、俺の瞳を覗きこみ、にっこり微笑んだ。そのまま優しく尻頬を揉んでいると、彼女は再びつま先立ちになって俺の唇にキスをしてきた。
トリスタが片手を俺の尻に降ろして、強く引き寄せるのを感じた。その時、俺は激しく勃起していたから、それが彼女にも押し付けられているのを感じていたのは間違いない。俺もトリスタの尻頬を強く揉み、さらに自分に引き寄せた。
「ううぅぅぅ…」 唇を重ねたまま、トリスタが俺の口の中に喘ぎ声を出すのが聞こえた。
彼女の胸も俺の胸につぶれんばかりに押し付けられているし、ふたりともどんどん息遣いが荒くなっていた。トリスタの髪の香り。その温かい身体。俺はゾクゾクする興奮を味わっていた。
しかし、しばらくそうしてると、またもトリスタは身体を離した。俺の手は握ったままだったが。
「本当に家にいるのはイヤなの…」 うつむきながら小さな声で言った。「…お母さんは死ぬほど好きよ。でも、お父さんは本当に大嫌い」
「前にも聞いたよ」 と俺は手を握った。
「いいえ、ジャスティン。あなたはまだ分かっていないわ」 と再び俺にすり寄ってきて、俺の胸に顔を当てた。
「お父さんは、本当に、人を操るのが好きなの。そのマニアみたいなもの…」 と目に涙を溢れさせて言った。「…あんな人間には、絶対になりたくないわ」 ぐすぐすと鼻をすすっている。
「僕なら君が望むような人間になってあげるよ」 と背中を撫でながら優しく言った。
「神様に誓ってもいいわ。絶対、お父さんみたいな人間にはならないって」
トリスタはそう言い、また俺に強くしがみついた。
そういうふうにしながら、しばらくふたりで抱き合ったまま立っていた。トリスタの温かい身体を抱きながら、涼しいそよ風が気持ちよかった。俺も、トリスタが、あんなダメ親父のもとで育ってこなければならなかったことを思い、可哀想に感じた。
トリスタはゆっくりと顔を上げ、俺の目を覗きこんだ。
「とても優しくしてくれて、ありがとう」 と言い、また背伸びして、俺の唇にキスをした。
「俺ならいいんだよ」 と彼女の頬に頬を擦りつけながら、抱きしめた。
俺とトリスタは、抱擁を解いた後、辺りを見回し、いろんな果樹があるのを見た。俺の真後ろにある樹には小さなリンゴがなっていた。トリスタとは向かい合っているので、互いに違った風景を見ていることになる。
「もうそろそろ戻った方がいいわね」 とトリスタは俺の手を引いた。
彼女の後について、大きな茂みの周りを迂回するようにして歩いた。家が視界に入ってくるとすぐに、トリスタは俺の手を離した。俺は彼女の真後ろを歩いた。彼女のセクシーな尻が左右に揺れるのを見ながら。