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誰とやったか知ってるぜ 第7章 (14) 

俺は、ワインの瓶を倒さないように注意しながらテーブルの上に座った。トリスタはドアの方をちらりと見てから、俺のそばに来た。片脚を上げて、俺の脚の上にまたがろうとする。俺は両膝を閉じで、トリスタが俺の膝の上にゆっくりと腰を降ろすのを見た。

トリスタは両腕を広げて、俺の身体を包むようにして抱きついた。ふたりとも互いの瞳を見つめながら、ゆっくりと顔を近づけた。ロマンチックに互いに目を閉じ、ゆっくりと唇を重ねた。

まるで全身に電流が走りスイッチが入ったかのように、ふたりの口が同時に動き出した。互いの舌が相手の唇を愛撫し、互いの手が相手の背中を擦り、愛撫し合う。

ふたりの情熱が激しさを増し、トリスタの口から小さな喘ぎ声が漏れた。彼女の胸が俺の胸板に押し付けられ、彼女が漏らす熱い吐息が俺の顔に吹きかけられる。俺の膝の上に座るトリスタが、ちょっと身体を動かし、その位置を直しただけで、俺の股間は勃起を始めた。

「ああ、ジャスティン? 私、今の良い子のイメージを破り捨てたいわ」 トリスタは、俺のズボンの中の盛り上がりに股間を押しつけながら言った。「でも、とても怖いの」

ふたりとも舌を固くさせ、相手の口の中に入れたり出したりを続けていた。

「怖がることはないよ」 と俺は囁き、片手を下にずらし、彼女の腰の方へ這わせた。

手の先が彼女のジーンズの履き口に触れた。それを感じ、俺は指先をその中へ滑り込ませた。腰の上の素肌に触れる。トリスタの肌は火がついたように熱くなっていた。そしてトリスタの方も、俺の前進に気づいてすぐに舌で俺の唇を舐めはじめた。ふたりとも全面的に口を開けて、互いの口唇愛撫を受け入れていた。

俺はさらに大胆になり、少し奥まで指を刺し入れた。指先に彼女のお尻の割れ目が感じられた。俺は中指をその割れ目の奥へと滑り込ませた。

「ああん…、ジャスティン…」 そう喘ぐと、さらに俺の喉奥へと舌先を突き入れてくる。

俺は両手を彼女のジーンズの中に入れ、優しく尻肉を揉み始めた。肌触りが素晴らしい。俺が揉む動きに合わせてか、トリスタが腰を動かし始めた。俺の勃起に股間を擦りつけてくる。心臓が爆発してしまいそうな興奮だ。

いったんキスを解き、顔を離した。ふたりとも目を開けた。彼女の瞳の中、ろうそくの光が映って見えた。顔を離し見つめあっていても、トリスタは腰の動きを続けたままだ。一言も言葉は交わさず、黙って見つめあったまま、ふたりとも股間を擦り合わせ続けた。

「ああん、ジャスティン…」

急にトリスタはそう呟き、目を閉じて、頭を後ろに倒した。

俺はすぐに顔を彼女の首に近づけ、その肌にキスをした。熱い肌に唇を這わせ、首の付け根から耳へとキスをしていく。

トリスタの呼吸が荒くなってきた。腰もずっと動かし続けている。そのことから彼女がいま起きていることを気に入ってるのが分かる。耳への口唇愛撫を続けていると、彼女は頭を左右へ振り始めた。舌を軽く耳の輪郭にそって這わせると、小さな泣き声のような声を上げ始めた。さらに舌を耳穴に差し込んだり、耳たぶを甘噛みしてみた。すると突然、トリスタに火がついた。

自分の両足を使って、彼女は上下に身体を動かし始めたのだった。俺の勃起に対して、股間を打ちおろしては、持ち上げる動きになっている。ジーンズの上からであっても、彼女の女の部分がはっきり感じ取れた。


[2012/02/20] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

ライジング・サン&モーニング・カーム 第3章 (3:終) 

彼は少しだけゆったりと座る姿勢になり、アンジェラの顔をまじまじと見た。

「韓国人ですね」 疑問文と言うより断定文に近かい言い方だった。

「ええ、そうです。どうして分かったんですか?」

この人は変わった人だけど、どこか魅力的なところがある。それにとても観察力があるようだ。そのことがかえってアンジェラの好奇心を駆り立てた。

「あなたは、ずっと前に私が知っていた人に似ているのです。その女性は…韓国の人でした」

韓国の人という言葉の前で少し間をおいたことが、奇妙に感じられた。

「そのお方のお名前は? …ひょっとして私と関係がある人かも」と彼女は微笑んだ。

「いえ、その人の苗字は知りません」

この人はその女性のことをそれほどは知らなかったのね。

「それにしても、ここの席で食事をさせてくれてありがとう。とてもきれいね。こんな素敵な水槽を見るのは初めて」 と、アンジェラは、水槽の中を泳ぐ棘のついた斑点の魚を眺めた。「この魚は?」

「ホウボウと呼ばれてます。非常に危険ですよ。恐怖を感じたら、人の指を食いちぎってしまうこともあります。…それに、こちらこそ、店に来ていただいてありがとうございます」

「アンジェラと言います」 と彼女は手を差し出した。

「アンニョン[Ahn-young こんにちは]、アンジェラ。私はノブと言います」 と彼は彼女の手を握ったが、手を振ることはしなかった。

「韓国語を話すの?」 アンジェラは驚いた。彼の手はとても温かかった。

「ええ」

「どうして? あなたは日本人じゃないの?」 彼は依然として彼女の手を握ったままだった。

「私の訛りはそんなにひどいでしょうか?」 ノブは目を輝かせ、楽しそうに訊き返した?

アンジェラは、時々、会話の流れを追うのが難しくなっているのに気づいた。彼の顔を見たまま、うわの空になってしまうからである。

「い、いいえ。あなたの訛りは大丈夫。もっと言えば、私の好みだわ。どこか、黒澤映画を見ているような感じになるから」

「侍の映画が好きなのですね」

「ええ、そうなの」

ノブがその先を訊こうとしたとき、彼女の料理が届いた。それは、アンジェラに握られていた手を離す口実を与えることにもなった。

「まあ、美味しそうな匂い!」 そう言って、食べ始めようとしかかって、彼女はノブを睨みつけた。「あなたは食べないの?」

「私はもう食事は済ませたもので。ありがとう」 と彼はくすくす笑った。温かく、楽しい感じの笑い方だった。「でも、どうぞ、食事を続けてください。お気にせず」

アンジェラはむしゃむしゃ食べるところを見られないようにと気にして、半分ほどで食べるのをやめた。

「ここの料理のお値段、ずいぶん控え目すぎると思うわ。こんなに美味しいのに!」

青い瞳が興味深そうに彼女を見つめた。

「では、どうして食べるのをやめてしまったのかな?」

アンジェラは笑いだした。「だって、お腹がいっぱいになったんですもの。これ、持ち帰ることにするわ。後で夕食のときに食べられるように」

「わざわざそうしなくても」

「というと?」

「残り物を食べなくてもよいということです」

「どうして? 私、ドギーバッグ(参考)が大好きなのよ」 とアンジェラは笑顔で答えた。

「あなたが冷たくなったものを食べると思うと私が嫌だから」とノブも笑顔で答えた。「夕方、夕食時にまた来てください。そうすれば何か温かいものを食べられますよ」

「今夜はお店を開けるの?」

「…あなたのためなら」 と彼は小さな声で言った。

「まあ、そんなことすることないのに。とても、面倒なことのようだわ」 

この人はとても親切だし誠実な人だとアンジェラは思い、彼の申し出を断ったものの、悪い気はしなかった。

「では、私の家に夕食に来ませんか?」 と、ノブは手を伸ばし、再び彼女の手に触れた。

びっくりすることが次から次へと起きる。

「ノブ? 私をデートに誘ってるということ?」 アンジェラは自分の手に乗せられている彼の手を見ながら、冗談っぽく尋ねた。

「私と夕食をご一緒していただけるなら、デートと呼ぼうが何と呼ぼうが、私は構いません、アンジェラさん」 とノブは手を離しながら、温かく答えた。

「どこに住んでるの?」

「ここです」

「このレストランに?」

ノブは楽しそうに笑いだした。

「アハハ、いいえ違いますよ、アンジェラ。私はこのビルに住んでいるんです。50階以上はすべて住居になっていますから。それで、今のはイエスという返事ですか?」

アンジェラは、彼のチャーミングな物腰にノーとは返事しづらいと感じ、自分も笑いながら、頭を縦に振った。

「何時頃行けばいいかしら?」

「もしよろしかったら7時に来てください。ドアマンが階上へ入れてくれるはずです」

「ドアマンには何号室と言えばいいのかしら?」

「ペントハウス」 とノブは立ちあがりながら言った。「あなたもこのビルで働いているのですよね?」

アンジェラは彼の言葉に思わず上ずった声を出しそうになっていた。「え、ええ」

「それじゃあ、今夜、楽しみに待っています」 とノブは元いた自分の席へと歩き始めた。

「あ、ちょっと待って! どうして私にお食事を?」

ノブは何でもないと言わんばかりに手を振りながら腰を降ろした。

「そんなことは気になさらずに。7時に待っていますね」

アンジェラは職場に戻る時間になっていたのに気づき、感謝の気持ちで笑顔を見せ、店を出た。

アンジェラが店を出るのを待ち構えていたかのように、ウェイトレスが出てきて、にこにこ笑いながら店主をからかった。

「ヘイ、ボス! ずいぶん順調そうだったじゃない」

「フザケンナ[Fuzaken-na]、メイ」

メイは唇を尖らせ、両手を腰の両脇に添えて胸を張った。

「ボス、運が良かったんだから。私が給料をもらいにここに立ち寄らなかったら、ボスが自分で料理しなくちゃいけなかったんだからね。そうなったら、あんなにあの人と話していられなかったんだから」

ノブはまた笑い出した。「アハハ、アリガトウ[Arigato]、メイ。もう帰っていいよ」

「じゃあ、また月曜日に」とメイは手を振り、出る間際に一言、「デートうまくいくといいね!」と言った。

「バカ[Baga]!」

ノブは唸り声を上げたが、メイはくすくす笑い、ドアから軽い足取りで出て行った。そして、彼も店を閉め、最上階にある自分の住まいに戻った。

部屋に入ると、ノボルはベッドに座り、顔面を両手で覆った。自分を抑えこもうとしてだった。彼女と話している間、落ち着いた外面を維持していたが、これがいかに大変だったか。まるで時間をさかのぼったような感覚だった。あれから経過した400年以上の時間。それが消えてしまったようで、彼女に初めて会ったのがまるで昨日のことのように思えた。彼女が帰った後も、まだ彼女の匂いが嗅ぎとれた。テーブルを飛び越え、彼女に襲いかかることを堪えるのが精いっぱいだった。

…気をしっかり持つんだ、とノボルは自分に言い聞かせた。はたして俺は7時まで持つんだろうか? 不安になった彼は、多少、運動をすれば神経のエネルギーをいくらか弱められるかもしれないと思った。不適切に振舞って彼女を怯えさせてしまうこと。それだけは望まぬ彼だった。

つづく



[2012/02/20] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)