持っていた携帯用のKYゼリーを急いで全部すぼまった穴にすりこんだ。ダニエルの求めで、私はベッドの端に覆いかぶさり、両手で身体を支えた。彼は私の唾液で濡れたペニスを私の入り口に押し当てた。するりと中に滑り込んでくる。
私は、それが入ってくるのを感じながら目を大きく見開いた。ダイアナのが大きいと言うなら、ダニエルのは巨大と言えた。彼は私をプロの娼婦のように扱った。獣のような情熱で、私のあそこを激しくえぐり続けた。
あまり時間はかからなかった―彼にとっても、私にとっても。
ダニエルが身体をこわばらせるのを感じた。ペニスもいっそう固くなるのを感じた。
彼は私の腰を両手で押さえ、ぐいっぐいっと繰り返し私の身体を彼の鋼鉄の棒へと引き寄せた。遠くの方から、女の子が叫んでいるのがかすかに聞こえた。
「ヤッテ、もっと! 淫乱女なの、私! この身体、好きに使って! 中に出してね! 安っぽい商売女なんだから、好き放題に使っていいのよ! ただのスペルマの捨て場所と思っていいの。あなたの熱いのを中に! 今夜、ずっとこれをしてほしかったの。だから、いっぱいやって! もっと強く! めちゃくちゃにして!」
薄い被膜を通してだけど、彼の肉棒がホースのように噴射するのを感じた。そして、それが引き金となって、私にもオーガズムが襲いかかってきた。私の周りの世界ががくがくと揺れ、何100万個もの小さな破片となって粉々に砕けていく。雷のような轟音が耳にこだました。頭からつま先まで、身体全体がヒクヒクと痙攣した。
ばらばらになった精神の破片をひとつひとつ集め、元通りにするのに、長い、長い時間がかかった。破片の一部は、決して、元通りにならないだろうと思った。
ダニエルが起き上がり、ズボンのチャックを上げる音が聞こえた。その間、私はハアハアと喘ぎながら、ベッドに突っ伏したままだった。時々、発作的に身体がぶるぶると震える。彼が、ありがとうと言い、部屋を出ていく音も聞こえたが、その時になっても、動けずにいた。
やがて次第に身体と心が元に戻り始めたが、その時になって、さっきの女の子の声―ダニエルに、やって、身体を使ってと叫んでいた声―が自分の声だと分かった。あの女の子の言葉、あの淫らな叫び、あれは私の声だったのだ。いったい何が私に?
いつものことだけど、ダイアナの教えは正しかった。コンドームは欠かせなかったのだ。私が出した量は、ダニエルが放出した量には及ばなかったが、それでも、つけておいていて正解だった。コンドームの利点は、まわりを汚さずに済むことも当然だけど、事後の処理の容易さもある。ダニエルのをペーパータオルでつかんでゴミ箱に捨て、自分のも同じように捨てた。それから自分の身体をチェックし、ベッドに染みがついてないか確かめた。
それから乱れ切った服装を直し、お化粧を整え、後で使う人のことを考え、シーツや枕を元通りに直した。
最後に部屋をもう一度眺め、ここが私が本物の男にバージンを奪われた場所ねと最後のお別れをしてから、元気よくドアを出た。
トリスタが俺の肩から顔を上げ、俺は彼女の頬に優しくキスをした。見つめあい、再び唇を重ね、長い官能的なキスをした。
「もう、君は『良い子』じゃなくなったね」 と俺は微笑み、彼女の胸と尻から手を離した。
トリスタも微笑み、俺の頬へ再び顔を寄せた。
「とても気持ちよかったわ」 と俺の背中を撫でながら言う。
「ああ」 俺も彼女の背中を優しく撫でた。
「ちょっと秘密にしていたことがあるのよ」 とトリスタは顔を戻し、俺の目を覗きこんで言った。
「え、何?」 と俺はまた両手を彼女のお尻に添えた。
「ちょっと恥ずかしいんだけど…」 とシャツの中に手を入れ、乳房をブラジャーの中に戻しながら言った。
「話して」 俺は彼女の美しい緑色の瞳を覗きこんだ。
「誰にも言わないって、約束して」 と小さな声で言う。
「心臓を引き裂いて殺しても、目に針を刺してもいいよ」 と俺は小さく笑った。
「私ね、まだバージンなの」 と俺の胸板に顔を埋め、小さな声で彼女は言った。
「ああ、そんなこと、全然恥ずかしいことじゃないよ」 と俺は彼女の背中を撫でながら優しく言った。 「素敵なことじゃないか」
トリスタは顔を上げ、俺の目を覗きこんだ。「でも、自分で慰めることはしているの」
それを聞いた瞬間、息が詰まりそうになった。
彼女は再び俺の目を覗きこんで、続けた。
「こんなこと話したのは、ジャスティン、あなただけ。だって、あなたのことが本当に、本当に好きだから…」
そして彼女は再び俺の胸に顔を埋めた。
「…私ね、ときどきポルノ映画をレンタルしてきて、どういうふうにするのか勉強しているの」
「本当?」 驚きすぎて、ほとんど言葉が出せない。
「そんなことするなんて、私はダメな人間だわ」 と彼女は小さな声で言った。
「違うよ、そんなことはないよ。僕だって同じことをするさ」
それから俺とトリスタは、抱き合ったまま、何も話さず座っていた。そうしているのが、本当に自然なことのように感じられた。この感じ、いつまでも続いていてほしい。
「そろそろ行かなくちゃ。お父さんとお母さんが探しに来る前に」 とトリスタは身体を起こし、俺の膝の上から降りた。
彼女に助けられて俺も立ち上がった後、もう一度、抱き合い、最後のキスをした。そしてワイン室のドアを出た。
トリスタはドアを閉め、俺を案内しながら、暗い廊下を進み、メインの地下室に戻った。さらにそこのドアをすぎ、1階に上がる階段へと進んだ。