その日、夜になり、ノボルは山奥へと連れられた。そして一行が目的地に着くと、衛兵たちは無遠慮にノボルの背を押し、地面にひざまずかせた。月の光の元、ノボルはそこが、ある種、切り開かれた場所であり、犬の石像が点在しているのが分かった。
いや、違う。犬ではない。……狐だ。
枯れ枝ががさがさと鳴り、折れる音がし、ノボルはその方へ目を向けた。
女がひとり近づいてくる。その身体は引き締まり、肌は、青白い月光の中、大理石のような光沢で輝いていた。ゆったりと着物を羽織っており、腰のところで帯締めしているものの、その豊かで張りのある胸が歩く動きに合わせて彼を招くように魅惑的に揺れるのが見えた。見事な形の腰を振りながら、のらりくらりと歩き近づいてくる。
女が近づいてくるのにしたがって、ノボルは女が動物の面をつけているのを知った。そして、その時、女の正体を知ったのだった。その女は狐使いだった。
女は、膝立ちしたままのノボルの前に立った。彼の顔は女の腰の少し下にあった。面のうつろな目の奥から、淫らな色がついた声がし、ノボルを迎えた。
「ようこそ? ナガモリ・ノボル・タケオ・ツネオ」
ノボルは女を無視し、代わりに夜空に浮かぶ月の真珠の母貝のような表面を見ようとした。女もノボルの視線を追って空を見上げ、そして笑った。……低い、くぐもった笑いだった。
「なんとふさわしいこと。お前の名の意味を考えれば、吉兆よの。永遠の森の、常に登りつづける武者とは」
女はノボルの前にひざまずいた。ノボルの目は、屈みこむ女の胸の乳白色の肌に引き寄せられた。左右の完璧な肉丘の頂上にツンと立つ固い乳首を目にしても、なおノボルは勃起を抑え込んだ。
女は、ノボルがなかなか興奮しないのを察知してか、さらに前のめりになり、さらに自分の身体を彼に見せつけた。
「殿に対する忠誠心の欠如の罰として、お殿様は、お前が永遠に健康であり続け、死の安らぎを剥奪されるようお決めになられたのだ。さあ、始めようか?」
「俺に何をするつもりだ?」 ノボルは不安げに訊いた。
「ナガモリさま? 私は、あなた様が望まぬことなどするつもりはないのですよ」 と女は彼の耳元に囁きかけた。
そう言うなり、女は驚くべき早さでノボルの着物の中に手を滑り込ませ、巧みな手つきで彼の半立ちの分身を擦り、完全に勃起させた。
そして手を抜き、指に光る液体を見て、声高に笑った。そしてもう一方の手で、面を外し、ノボルを見た。
女は目も眩むほど美しかった。その見事な外見にこの美しい顔とは、ほとんど度が過ぎた完璧さと言っても良かった。長いまつげの下から彼を見る瞳は、苔のような深い緑色。ふっくらとした唇は朱に染まり、ノボルの勃起を見て、妖しく微笑んでいる。
女はその指をゆっくりと舐めながら、肩から絹の着物を滑らせ、脱いだ。その姿に、ノボルも含めて周りにいるすべての男たちが溜息を漏らした。裸体になってもこの女は、不気味で恐ろしいほどに完璧だった。見事な形の太ももは肉感的官能に満ちた臀部へつながり、平らな腹部は女性的な曲線を描いて、無毛で滑らかな恥丘へと通じている。
邪悪に微笑みながら、女は立ちあがった。ノボルの顔の前につるつるの女の部分の肌がきていた。
女は淫らな溜息を漏らし、言った。
「ああん、ナガモリさま? ……一度だけ、あなた様に逃れる機会を差し上げますわ」
と、女はノボルの手首の拘束を解いた。
「…でも、あなた様は逃れることはないと思いますけど? うふふ…」
女は立ったまま指を自分の陰部に滑り込ませ、そして引き抜いた。女自身が出した白い真珠のような滴の糸を引いていた。女は前屈みになり、その手をノボルの口で拭った。ノボルの唇に女の体液がとろりとついた。ノボルは、何も考えず、舌舐めずりし、それを味わった。
この世のいかなるものとも違った味がした。すでに手首を結えていた紐は解け、地面に落ちていたが、ノボルはなぜか逃げる気にはなれなかった。
女はノボルの前、仰向けに横たわり、自分の指で陰部の唇を開き、ぬめった体液をそこに塗りつけていた。
「来てください、ナガモリさま。私が欲しければ、奪ってくださっていいのですよ」
身体を起こして、受け入れる姿勢を取りました。夫と見つめあったまま、手を私の滑らかな白肌の太ももの間に差し入れ、あの使いこまれた醜いおちんちんを握って自分の中に引き入れました。今は完全に守られていない子宮へと入れていったのです。すごく濡れていたので、お尻を突き出すと簡単に中に飲み込むことができました。それから両側にある取っ手を握り、これから始まるセックスに備えました。一生忘れられないだろう激しいセックス。
そして、実際、そのセックスは本当に激しいものでした。あのおちんちんの持ち主は、女の犯し方をよく知ってる人に違いありません。夫とはずっと見つめあったまま、私たちの魂はひとつに溶け合っていました。その間、あのおちんちんは私を絶頂の高みに導き、そのオーガズムは数分間も続いたのでした。次から次へとオーガズムが私の身体を襲いました。私のお尻の後ろの壁は、私が分泌したものでびちゃびちゃに濡れていました。
肉体的には完全に満たされ、幾度となく絶頂に達していたものの、精神的には何か他のことを必要としているように思いました。それが何であるか、私の心はそれをはっきり分からぬほどは惚けていませんでした。赤ちゃんの父親になる黒人男性のことは知りたくないと言いましたが、それが間違いだったと思い始めていたのです。私を妊娠させようとしている男性と完全に合体したい。何よりそう思うようになっていました。ジョンは私の目を見て、私が何か思うところがあるのを察したのでした。そして、驚いたことに、「そいつのところに行け」と言ったのでした。
「分かってくれてありがとう」
そう言って、離れがたい気持を我慢して、あの巨大なおちんちんから離れました。そして、壁穴を通して言ったのです。
「今からそっちに行くわ」
服は乱れきっていましたが、気にしませんでした。乳房がドレスからはみ出ていたし、スカートも丸まって、お尻がほとんど露出してました。そんなのはどうでもよくなっていました。部屋のロックを外し、隣のブースに行きました。
その男性はすでにブースのロックを外していたようで、ドアを開けて中に入ることができました。私たちのブースから隣のブースに移る時、数人、男性が廊下にいて、私の姿を見られましたが、気にしませんでした。
その黒人男性はだいたい55歳くらいの人でした。私を見上げ、言いました。
「お前、ずいぶん色っぽい女だったんだな」 その人から聞いた言葉はこれが最後でした。
私はかすれ声で言いました。「今日はあなたにとって運のいい日よ。これから私とあなたで赤ちゃんを作るの」
私は這うようにして彼のところに行き、膝の上にまたがり、そしてねっとりとしたキスをしました。鼻を鳴らしながら、ずいぶんキスを続けたと思います。ようやくキスを解いた後、私は腰を上げ、それから、勃起したままの大きなおちんちんへとゆっくり身体を沈めました。両手で乳房を抱え、彼の顔に近づけ、授乳をしました。彼の表情から、私のおっぱいがミルクでいっぱいだったのを知り、驚いていることが分かりました。
彼に突き上げられながら、その人の顔を見続けていました。彼の方も私の瞳を見てほしいと思っていたからです。でも、その人は私を見ないようにしているようでした。関係ないところに目を向けたり、目を閉じてしまったり、それで十分満足な様子でした。彼にとって、私は単なる性欲処理のためのオンナにすぎないのは、明白でした。私が言ったことを彼が信じたかどうか。たとえ信じたとしても、私が彼の子を身ごもろうと全然気にしていないようでした。
間もなく、その人は切羽詰まった感じに変わりました。私の身体を抱き上げ、ベンチに横たえ、本格的な打ちこみを始めたのです。受精を待つ私の子宮へと、激しく腰を打ちこみ続けました。本当にすごいスピードで繰り返し身体を打ちすえられ、やがて、彼も限界に近付いているのが分かりました。
その人の目を見つめたいと願い、視線を合わそうとしましたが、彼はそっぽを向いたままでした。その不満から、私は喘ぎながら、夫の名を呼びました。すると視界の隅で、あの至福の穴の先、何かが光るのが見えました。顔を向けると、その穴の先、ジョンの目が見え、私を見ているのが見えたのです。その瞳には愛が宿っているのが見えました。その黒人の男性に精を放たれ、子を授けられながら、私は精いっぱいの愛情をこめて夫を見つめ返していたのです。
それから2ヶ月ほどの間、アダルト書店の経験をもう2回繰り返しました。3か月前、ジェフとジェニーに可愛い妹リサが生まれました。ジェフは、その子の肌の色を見て驚いていました。ですが、ジェフは、私が神様は不思議なやり方で奇跡を起こすものなのよと説明すると、満足した顔をしていました。ジョンはこの新しい娘を愛してくれています。ジョンのリサへの接し方を見たら、リサが彼の本当の娘ではないなんて信じられないでしょう。
今は、再び私の体型は元に戻っていて、同時に性欲も戻ってきています。夫は私がまた淫乱になるときを待ちどうしそうにしています。それは私も同じ。赤ちゃんをもう一人作る? さて、どうなるか。でも皆さんご存知の通り、私は身体の中をいっぱいにされるのがとても大好きなのです。
おわり