私たちはおしゃべりをした。私はこの男のことを知りたくなっていた。たったひと夜で私という女の存在の中心を占めてしまった、この素敵な男について。 彼はオハイオ出身だった。ヤングスタウン州立大学の出。彼はコンピュータ・サイエンスを専攻していたとばかり思っていたが、それは間違いだった。なんと、歴史学の専攻だったのだ。アンドリューは、まさしく、驚きが際限なく湧き出る井戸のようなもの。すべて、嬉しい驚き。彼が何かを話すと、私は何か新しいことを知る。彼は何でも知っている。 当然、私は質問をした。 「学位が歴史学なのに、どうして、コンピュータをしているの?」 アンドリューは、まるで他人事のように肩をすくめて見せた。彼にとっては、たいしたことではないのだろう。 「僕が最初にコンピュータを組み立てたのは、8歳の時だったんだ。ただ部品を集めてつなぐだけ。その手のコミュニティーに入っていけば、いろいろ知識を分けてもらえる。高校を卒業する前に、僕は、やろうと思えば、僕が知っている大半のIT関係の部局を運営できる技術を身につけてしまっていた。自分で習得できることを求めて、わざわざ学校に行くというのも馬鹿ばかしいし」 もう一つ、当然と思われる質問をした。 「どうして歴史学なの? 一体、歴史を学んで何をしようと?」 「ああ・・・僕は、どの専攻にするかは、あんまり関係なかったよ。僕が興味があったのは、主に、自分の知識で、空いている部分を埋めることだった。世界に対する僕の理解で欠けている部分だ。そこで、僕は人文学を取った。考える能力というのは、死に掛かっている技になっているからね。特にアメリカでは。アメリカは、権威筋が、我々が考えるべきことをすべて決めてしまおうとする国だから」 「アンドリュー? 私はベッドでは政治のことは話さないことに決めているの」 彼は済まなそうに微笑んだ。 「ごめんなさい、ディアドラ。ちょっと調子に乗りすぎてしまったみたいだ」 アンドリューに、他の興味のことを訊いた。彼はすべてに興味を持っている。彼は、概略的ではあれ、無限とも言えることに知識を持っていて、自在に操っているように思える。ベティ・フリードマン( 参考)の言葉までも引用していた。そんなことができる男性はどれだけいるだろう? どうやって、これだけの情報を一つの脳の中に収めていられるのだろう? どうやって、こんなに容易く、情報を引き出せるのだろう? 彼は、返事に詰まるということが決してなかったと思う。 そこで彼に訊いてみた。 「こんなにたくさん、どうして知っているの? 知っていると、どんな良いことがあるの?」 アンドリューは笑い出した。 「アハハ。多分、僕の脳みそが、完全に役立たずな情報の倉庫になってるからだね。読んだものは、ほとんどすべて覚えているんだ。どうしても覚えてしまう。それは、才能なんかじゃなくって、むしろ呪いみたいなものだよ。役に立つとすれば、ジョパディ( 参考)をするときくらいなもの。プロリーグがあれば、プロのジョパディ参加者になれて、金儲けができるかもしれないんだけどなあ。NBLのようにNJLってナショナル・ジョパディ・リーグが発足するのを、心待ちにしているんだ。そうしたら、僕は、ドラフトの初回から指名されるはず。アンドリュー・アドキンズのNJLカード付きの風船ガムが売り出されるはず」 彼は、こんな他愛ない想像を語っていた。話自体は分かるけど、ほんとに馬鹿げた想像。彼はどうしてこんなことを思いつくのだろう。可笑しくて仕方ない。
だが、イサベラは、レオンがもたらす肉体の刺激に、あまりにも無力だった。自分の意思に反して、身体が勝手に動く。繰り返し、繰り返し、腰を上下に揺らし続け、レオンの太棹へと腰を落としては、また次の打ち降ろしをするために腰を浮かせる。 「い、いやぁぁ・・・」 レオンに、非規則に揺れ歪む乳房をいじられ、彼女は弱々しい泣き声をあげた。彼の両手は執拗で、困惑するイサベラをよそに、柔らかな肉丘を自在に揉み続け、こねくり続けた。 身体を上下させるイサベラを見ながら、レオンが呟いた。片手を彼女の乳房から腹部へと降ろし、へそのまわりを撫でる。 「じきに、お前の腹は、わしの一物のおかげで、ぷっくり膨らむことになるだろう。そして、それにより、わしの計画がすべて順調に進むことになるのだ」 その言葉に、イサベラは恐れおののき、レオンのペニスを根元まで咥え込んだまま、凍りついたように動きを止めた。 「計画って?」 恐怖が彼女の全身を襲う。 レオンは、我が物を愛でるように手のひらでイサベラの腹部を触れながら、射抜くような鋭い目で彼女を見上げた。 「わしの赤子でお前の腹を膨らませ、その知らせをお前の父親の耳に知らせるつもりなのだよ。お前の父親に、名誉を重んずる心がどれだけあるかは知らぬが、名前を汚されたくないと思うなら、あいつはお前を探し出そうとするだろう。そして、お前の父親が、この半年間、隠れ続けてきた岩穴から這い出たとき、わしは、あいつを殺すのだ。じっくり、時間をかけてな」 イサベラは、レオンがからかって言っているのか判断がつかなかった。レオンは、自分の下、悠然と構えながら、口元を邪悪そうな笑みで歪めながら、ゆったりと腰を動かし、結合を楽しんでいる。その目は、イサベラの瞳を見据えていた。イサベラが、彼の言葉に集中しようとしつつも、脳内を淫欲に支配され、瞳が妖しく輝きだすのを観察しているようだった。イサベラ自身は動きを止めていたが、レオンは巧みに腰を使い、彼女の内部をかき回し続けた。 「一体、父が何をしたと?!・・・こんな・・・こんな邪悪なことを私にする気になるとは! 私のことすら、よく知らぬくせに!」 イサベラは声を荒げて、叫び、レオンから逃れようとした。だが、深ぶかとくさびを打ち込まれたまま、その上でもがき、脱がれようと、身をくねらせることで、皮肉にも、結合の快感が強度を増してしまい、イサベラの状況を悪くすることにしかならなかった。 やがて、イサベラの声音に色がつき始め、理性を失いそうになっていく・・・ 「きゃッ!」 突然、くさびを引き抜かれ、身体をひっくり返され、イサベラは鋭い悲鳴をあげた。レオンの身体も素早く反転する。そして、巨体の身体を丸ごと彼女の体の上に落とすようにして、レオンはイサベラに覆いかぶさった。大きな圧迫感に、イサベラの肺から空気が押し出される。何が起きたのか、イサベラが理解した時には、すでにレオンは彼女の脚を大きく割り広げ、強烈な力で剛棒を突き刺していた。 「いや・・・ッ!」 レオンは、早速、激しく、力がこもった抜き差しを行った。ズシリ、ズシリと重量感のある打ち込みを行う。毎回、イサベラの最深部までえぐり、反動で睾丸が彼女の尻肉をビタビタと叩いた。一突きごとに、イサベラの身体は後ろへと押されていく。 イサベラの両手は後ろに拘束されたままで、レオンと彼女自身の体重で押しつぶされていたが、レオンがその痛みを思いやることはなかった。イサベラは、苦痛とも快楽ともつかぬうめき声を上げ、顔を歪ませ、身をよじるほかできない。 レオンがイサベラの耳に顔を寄せ、低い声で唸った。 「お前の父親は、わしの父を殺したのだ・・・それに、お前は間違っている。わしは、お前自身より、お前のことを分かっているのだよ。・・・お前が、わしに、その幼いが敏感な乳房を触られ快感を感じていたことを。それに、お前の小さな身体は、なかなか、わしの剛棒を受け入れられなかったものの、一旦、わしが、お前に出し入れを始めたら、お前は身を捩り、悶え、快楽に打ち震えていたではないか。処女の女陰であったにもかかわらず・・・お前は男を喜ばす情婦になるようにできているのだよ。生まれつきの淫婦なのだ」 レオンは、重なり合う二人の体の間に手を割りいれ、結合部分へと滑らせた。そして、濡れきった陰唇の中、女に悦びをもたらす小さな突起を見つけた。レオンは抜き差しを続けながら、その突起を指で擦りたてた。 「いや! 違うわ!」 打ち込まれながらも、必死でレオンの言葉を否定する。だが、イサベラの肉体は、もはや、彼女の精神の手助けをすることを拒んでいた。絶頂に差し掛かり、ぷるぷると震え始めている。レオンに説明しなければと、頭では思っているのに・・・ 「いや、違わない。お前にはわしを拒めないのだ。拒みたくても、できないのだ、身体がな。さあ、お前のご主人様のために、絶頂に達した姿を見せるがよい」 「・・・んーッ! う、うっ、うっ・・・・」 声にならない絶頂の声をあげ、イサベラは達した。その強烈な快感の荒波に、彼女の思考は洗い流されてしまっていた。 それでもレオンは、彼女の身体をがっちりと押さえたまま、依然として、ズンズンと高圧的な打ち込みを続けていた。イサベラの快感をさらに強烈なレベルへと、ほとんど耐えられないほどのレベルへと、強引に引き上げていく。
私が絶頂を迎えた後も、ゲイルも、ジェニーも、ビクトリアも、すぐに行為をやめることはなく、胸に、唇に、あそこにと、優しくキスをし続けてくれた。そうやって、優しく滝を落ちていくように私の興奮をやんわりと静めていってくれた。身体には炎が燃えていたが、それが次第に暖かく、居心地の良い、ぬくぬくとした火照りに変わっていく。男性が行為を終えて、ペニスを引き抜き、ごろりと仰向けになってしまう時のような、空虚な感覚はまったくなかった。 セックスを終えた後の充実した気持ちを感じつつ、バギナが、まるで猫が喜んで喉を鳴らすように、満足げにひくひくと動き、乳房が火照りに疼くのを感じていた。 ゲイルは、ゆっくりと舌を引っ込め、私の唇を舐め、そしてまぶたにキスをしてくれた。私の頬についていた涙の滴を舐め取りながら、拘束していた両手首を解き、それから両腕で私を包み、優しく抱き寄せた。 ジェニーは、赤ちゃんのように私の乳房に頬ずりをしていたし、ビクトリアも同じように私の恥丘に頬ずりしていた。私の、小さな三角形をしたアンダーヘアが彼女の頬を撫でているのを感じる。ジェニーは両腕で私の体を抱き寄せ、乳房に顔を埋めていたし、ビクトリアも、両腕で私の腰を抱きしめ、顔をスリスリしていた。 3人の素敵な女性に、こんなにも愛情豊かに抱かれている、なんとも言えない安心感は、生まれてからこの方、まったく味わったことがない感覚だった。何も考えることなどできず、ただ、ただ、このひと時に浸っていることしかできなかった。 しばらく経ち、私は、ゲイルにキスをし、彼女の美しい唇を優しく味わった。それからジェニーの頭を胸から引き寄せ、彼女にもキスをした。ジェニーは、口を開いて私のキスを受け入れた。その彼女の口の中を舌で探る。ジェニーの吐息にはかすかにミントの香りが混じっていて、まさに天国にいるようにうっとりとした気持ちになれた。 しばらくジェニーとキスを続けた後、別れを惜しむように、唇を離し、次に、ビクトリアを抱き寄せた。セクシーで、美しい、私の夫。彼女にディープキスをする。口紅を塗った唇を重ねあい、甘い舌を絡ませあう。ゲイルとジェニーは、抱き合う私たちを、さらに包み込むように、前後から私たちを抱きしめていた。キスを続ける私たちの頬や耳にキスをして、愛情を示してくれている。 やがて、4人はゆっくりと身体を離した。みんな、息を荒げているし、誰もが瞳に妖しい輝きを浮かべていた。 このときになってようやく、私は、たったいま起きたことについて考え、ビクトリアのペニスという嬉しいおまけも伴った、4人で行ったレスビアンの愛の行為が如何に素晴らしかったかを改めて実感したのだった。 この数日間と言う短い期間に、私とビクトリアが、どれだけ長い性的な道のりを進んできたかに、改めて驚く。また、元のような、ノーマルな夫婦に戻れるかどうか、分からなかったし、そもそも、元に戻ることを自分が求めているかも分からなかった。ビクターが元のビクターに戻れるかも分からないし、ビクトリアを知り、彼女と愛し合った後で、私自身、元のビクターに戻られても、同じように接することができるかも分からない。 ふと、ゲイルとジェニーに目をやった。1週間前には、ゲイルは、うわべしか知らない人だったし、ジェニーはまったくの他人だったのだ。それが今は、二人とも私にも、ビクトリアにも大切な愛人になっている。私たちの世界は、すっかり様変わりし、どこを取っても、同じなところはなくなっている。生活での安心感とか、家庭という感覚は、まったく変わってしまった。男性的な男に代わって、美しく女性化した男性が私の夫となっている。彼は、私が、彼の内面を表に出すのを許してくれた。一夫一婦制の夫婦生活に置き換わって、今は、二人のゴージャスな女性が私たちの間に入ってきていて、私も夫も、彼女たちとのセックスを分かち合っている。夫は女性用の下着の虜になっていて、私も、興奮した夫のペニスを握って先導するような形で、そんな夫とのプレーを心から楽しんでいる。 私は、以前、売り子の女性が私に、夫をパンティ・スレイブ( 参考)にすることについて話したことを思い出した。そして、自分は、意図的ではないにしても、事実上、夫をパンティ・スレイブにしているようなものだと悟ったのだった。私たちが行っていることについて、そして、この行いの影響としてどんなことが考えられるかを、もうちょっと時間をかけて考えなければと思った。私たち夫婦が、ある種、性的に堕落していくかもしれない。そういう転落の坂道を転げ落ちるきっかけを作った本人に私自身がなることは、決して望んでいない。これまで彼と楽しんできた様々な経験は楽しかったけれど、いろいろ読んで知った情報からすると、このような経験は性的に堕落し、性的な拘束へとつながっていく可能性が高く、その結果、夫婦関係ばかりでなく、精神的にも肉体的にも、二人の人生を破壊してしまう可能性が大きいのだ。 今朝、ビックが男性であることにこだわり葛藤していたことを思い出した。そして、私自身が彼を騙すような形で、彼にいろいろなことをさせたことを思い出した。それを思い出し、私は恥ずかしくなってしまった。だけど、それでも、夫が変身した姿に興奮したし、たったいま経験した素晴らしい性体験にも興奮している。 私の中の一人が、様々な出来事を楽しみたいだけと言っている一方で、もう一人の自分が、でも、注意するのよと警告を発している。私は、もう少し進展の速度を落とし、後で後悔するようなことにはのめり込まないことにしようと、自分に誓った。 そんなことを考えていたら、ようやく、ビックが立ち上がった。ハイヒールを履いているのでバランスを取るのに苦労しながら立っている。彼は、ソファの上にある鏡を覗き、自分の姿を見たようだった。 「ああっ! ・・・お化粧がめちゃくちゃ!」 慌てた声で言う。 ゲイルとジェニーは互いに顔を見合って、笑い出した。 「私たちで直してあげるわ、ボス」 とゲイルが言い、ジェニーと一緒にビクトリアの手を取った。二人で、着替え部屋の化粧台の前に連れて行く。先にビクトリアにお化粧をしてあげたところと同じ場所だ。 着替え部屋に入っていく3人を見送りながら、私は、夫の女性化の速度を落とそうとする前に、もうちょっとだけ待つべきかもと思った。ともかく、今の彼は、お化粧を直す必要があるのは事実なのだから、まだ、女性化をやめるわけにはいかない、と。 つづく
ジョーンズは、ぷっくり開花しかかってるブリイの陰唇を、ペニスの先端でヌルヌルなぞりながら、そのピンク色の肉ひだの具合を見ていた。ふと、ブリイが腰をくいっくいっと持ち上げてくるのに気づく。同時に、ビリーも、自分の花嫁のその様子に気づいた。 この女、自分から俺のちんぽを咥えたがっているのか? 頭の中では嫌がっていても、身体が、俺に突っ込まれるのを求めているのか? やっぱり根は淫乱なんだな、この女は! 分かったよ。そろそろ、ハメてやることにしよう。 ジョーンズはそう思いながら、何の言葉も言わずいきなり挿入を始めた。強い締め付けがあったが、充分に濡れていて、ヌルリと入っていく。だが、7センチほど入ったところで、ジョーンズは何か様子が違うことに気がついた。何かが奥への侵入を拒んでいるのに気がついたのだった。 ・・・この女、バージンだったのか! ジョーンズは、その瞬間、このセクシーな女に最初のセックスをする男が、彼女の夫でも、他のどの男でもなく、自分こそがその男になることを悟り、思わず顔をにやけさせた。 ・・・皮肉なこったな。だが俺にとっちゃラッキーだぜ。 ジョーンズは、さらに、さっきブリイがコンドームのことを言ったのを思い出した。 ・・・バージンで、しかも避妊もしてないってことか。淫乱なお前に俺のザーメンをたっぷり注入してやるぜ。待ってろよ。 ジョーンズは、グッと腰を突き出し、ブリイの体内にあった障壁を破った。そして、そのまま、奥まで貫き、セックスされるということがどういうことか、このアバズレ女にみっちり教え込み始めたのだった。 処女を相手にしていることなどお構いなく、ズンズンと抜き差しを始める。ジョーンズは、顔を上げ、ブリイの顔を見た。彼女が、きつい眼差しで、自分の目を睨みつけているのに気づく。ジョーンズは、その視線からブリイが自分を憎んでいるのを感じたが、それにより彼は、逆に、より燃え上がるのだった。 ・・・俺は、確かに、お前の人生を滅茶苦茶にしているところだ。だがな、そいつはお前が欲張りだったせいなんだぜ。自分自身の過ちだったのだよ。あの時、欲張った気持ちさえ起こさなければ、このバーから出て行って、今頃、あそこにいるお前の旦那と乳繰り合っていられたのによ。だが、今は、初体験のセックスを勝者である俺を相手にやってるわけだ。 ピストン運動を続けながら、ジョーンズは、あることに気づいた。この女は、俺のことをそんなに憎んでいるなら、死んだ魚のように、ただゴロリとなって動かないでいることもできるはずだ。だが、どうだ。実際は、腰を使って打ち返してきてるじゃないか。 実際、ブリイはジョーンズの打ち込みを迎え撃つように、リズムを合わせて恥丘をせり上げていた。しかも、目は彼の目を見つめたまま。だが、その目の表情は、いまや、淫蕩に燃えた表情に変わっていた。憎しみの色は消えていた。 ・・・この女、本当に俺のものになってるじゃねえか!
その週の残りは何事もなく過ぎた。火曜日には、お昼まで家の仕事をし、お昼からトレーシーに連れられて新しいドレスを買いに出かけた。最終的に私が選んだドレスは、私が持っているどの服よりも、ちょっと、地味な感じのものだった。 黒のシルク・ドレスで、ほぼ1週間分の給料全額に当たるほどかかった。首回りが閉じる感じになっていて、喉仏がうまい具合に隠れる。スカート部分もついていて、裾が膝頭に触れるほどの丈だった。それから、新しい靴と、ドレスにマッチしたハンドバッグも買った。 この頃までは、かなりお金が貯まっていたので、衣服に使ったお金のことは気にならなかった。豊胸手術は、1万5千ドルほどかかるのは知っていたし、その分のお金はもう少しで貯まる予定だった。トレーシーからもらう給与に加えて、マークの仕事のためにフラッファーとして働いているおかげで、ほとんど不自由なく暮らせている。 この3ヶ月ほど、私はヘレンと一緒に、20本以上の映画の撮影に参加していた。ヘレンは、バイ・セクシュアルが関わらない映画でも働いていた。その種類のポルノ映画では、私は参加が許されなかった。多分、ストレートな役者だと、私のような女の子が回りにいると、ゲイのように見えてしまうので、好まないのだろうと思う。実際は、ストレートな俳優の大半はバイセクシュアルなのだけど、他の人にそのことを知られたくないのだろうと思う。 マークがゲイ映画を作るときには、私も参加した。ゲイの俳優は、他の俳優とはまったく異なった人種だった。私がシーメールなためだろうけれど、私と社交的に仲良くなる気がまったくないようだったが、次のシーンのために勃起をしておこうと、私のフェラを歓迎してくれるのが普通だった。もっとも、結局のところ、あの人たちが私のことを、他とあまりに違っているために嫌悪しているのは、うすうす感じ取れた。 そのことは全然気にならなかった。というのも、私の方もゲイの男の人には関心がなかったから。私が好きなのは、バイの気がある男の人。ともあれ、実際は、この仕事をする理由は、やはりお金のためであることは変わらない。 3ヶ月ほどの内に、ほぼ1万5千ドル貯まっていた。でも、一度、豊胸手術をしたら、その貯まったお金は一気になくなってしまう。だから、また蓄えを作るためにも、男優へのフラッファーは続けなければならないのは分かっていた。
「え? 車、何かあったのか?」 と訊いたスティーブだったが、バーバラが現れたことによるショックで声が上ずっていた。そもそも質問するつもりはなかった。まるで、無理に引っ張り出されたかのように、問いかけてしまったのだった。 「いや、別に。今夜はタクシーを使うのがベストだろうと思っただけ」 スティーブはうろたえながら頭を振った。バーバラはここに来るはずじゃないのだ。彼女の妹に自分がしたことに怒りまくって、もう2度と自分と同じ部屋にいることすら考えたくないと思うはずだったのだ。口をきくことすら嫌悪するはずだったのだ。こんなはずがない。 「どうしてここに? 何で、君は・・・」 「家にいて、ママやパパと一緒にいないのか、って? それに妹とも一緒にいないのかって?」 その時になって初めてバーバラはスティーブに顔を向けた。怒りに満ちた顔をしていると思ったのに、平然とした表情をしている。 「ああ・・・どうして、ここに?」 「他にどこに行くって言うの?」 バーバラは楽しそうに返事した。「私は夫のもとにいるべきなんじゃない? そうでしょう。良かれ悪しかれ、一緒になった男のもとにいるべき・・・そうじゃない?」 スティーブは顔を背けて、椅子のクッションの中に身を沈めた。そして呟いた。 「あの日、君が言った他のことは何も気になっていないようだな」 だが、その言葉には、心がこもっていなかった。このような展開は、計画したのとは異なっていた。彼は、バーバラが頭を振るのを見て、さらに驚いた。 「私が滅茶苦茶なことをやったのは確かだわ・・・でも、それについては私に仕返しをしたでしょう? そうじゃない?」 バーバラは落ち着いた言葉で付け加えた。「これで、この件を全部片付けて、元の夫と妻の関係に戻れるんじゃないかしら?」 スティーブは唖然とした。文字通り、言葉が出なかった。ここにいる女は、夫が、この何週間か週末を、自分の妹とセックスして過ごしてきたことを考慮に入れ、落ち着いた話し合いで解決するのではなく、その事実をてこに鞭打ってやろうという気になったのだろうか。スティーブの方は、すでに心の痛みは消えていたと感じていた・・・だが、バーバラが言うことも正しい。今や、心の痛みはおあいこになっているのだ。そもそも、彼女が痛みを感じていると仮定してのことだが。 いや、痛みは感じているのだろう。その様子は見て取れる。バーバラは感情をコントロールし続けていたが、心痛の状態は、目の表情や、張りのない口元、額に浮かぶしわに現れていた。 大型のデスクの向こうから、遠慮がちに咳払いをする音を聞いて、スティーブもバーバラも、この場にいるのは自分たちだけではないことを思い出した。二人とも同時にカウンセラーの方に顔を向けた。 「どういうことか、お聞きしてもよろしいですかな?」 「あら、スティーブはまだ話していなかったのですか? 彼は、この何週間か週末を私の妹とセックスをして過ごしてきたんです」 バーバラは、平然と、あからさまに言ってのけた。 スティーブはたじろいだ。こんな言い方で事情を話すのは、全然よくない。ヒューストン氏は、即座に姿勢を正して座りなおした。 「妹さんはお幾つで?」 「次の金曜に19歳になります。・・・満19歳に」 ヒューストン氏は強張った顔をした。スティーブを睨みつけることはしまいと堪えているようだった。そして、厳格な声でスティーブに向かって言った。 「カーティスさん。こんなことはまったく何ににもならないことだ。復讐については離したはずです。仕返しは決して答えにならないと・・・この点については同意したはずですぞ。まったく、全然、理解できない!」 「彼女の方から誘ってきたんだ・・・」スティーブは弱々しく反論した。「僕からではない・・・」 「そんなことはほとんど関係ないのですよ、カーティスさん。あなたは大人です。若い、感受性が強い女性とそういう行為を行うべきではないと、しっかり分かっているべきでしょう! それに・・・」 「いえ、実際は・・・」とバーバラが口を挟んだ。 「・・・感受性が強いと言う言葉で、『うぶな』といった意味を含意しているとしたら、それは・・・何と言うか・・・スティーブが私の妹としたことには関係ないんじゃないかと・・・」 ヒューストン氏はまばたきをした。どういう意味なのか分からなかった。 「妹のキンバリーは、コカインと他に2種類の薬局処方の薬物の中毒なんです。ヘロインにもちょっと手を出している・・・」 バーバラは、すらすらと話し続けた。 「・・・それに、彼女は、この4年間に、覚えているだけでも76人の男と関係を持ったこと、それから16人から20人くらいの女性や彼女と同じ年代の女の子と関係を持ったことを認めているんです」 ヒューストン氏はあんぐり口を開けてバーバラを見つめていた。30年近く、家族のカウンセリングを続けていたが、何を言ったらよいか、さっぱり分からなかった。
彼女は、誘惑するような雰囲気で立ち上がり、俺のところに来て、手を差し出した。その手を握ると、立ち上がるように手を引っ張られた。 「そんなに加わりたいなら、ちょっと見物させてあげるわね」 俺は彼女の手を握りながら、にやりと笑っていた。 彼女は事務室の裏手のドアへと向かった。 「この入り口は、会員用の入り口じゃないの。私専用のドア」 電子式のキーパッドに4桁の数字を打ち込むと、小さなブザーの音が鳴った。彼女のマニキュアの指がドアノブを握り、回した。ドアが開くと、下から聞こえてくる音が突然、大きくなった。彼女はちょっと振り向いて、俺に「ついてきて」と声に出さずに言った。 螺旋階段があり、そこを降りていく。下の階は、レストランの地下に当たるところだ。天井は6メートルほどの高さで、普通の地下室よりずっと天井が高い。そこを進んで行くと、また別のドアが出てきた。心臓がドキドキする。 ドアが開き、俺は探していた所にとうとう辿りついたと知った。 多分100人くらいいるのじゃないだろうか。かなり混雑していて、皆、いくつかの小さな丸テーブルの回りに立っていたり、座ったりしている。女の数も何人いるか分からない。服を着たままのから、半裸になっているのから、全裸になっているものまで、様々だった。だが、大半が胸を露わにしていたし、中にはパートナーと性行為をしている女たちもいた。 俺を案内してくれている彼女は、俺をメインステージへと導いて行った。管理者専用のテーブルにつき、俺たちは腰を降ろす。この場所で一番よく見える席だった。そして、そのステージで展開している光景を見て俺は驚いた。 ステージには一組の男女がいた。共に、モデルのような、素晴らしい身体をしている。男の方が、女のパートナーをパッドつきの小さな椅子に座らせた。女の両手首にはパッドつきの手錠が嵌められていて、腕を可能な限り左右に引っ張られている。足首にもパッドつきの拘束具が嵌められ、こちらも左右に引っ張られていた。両手、両脚を大きく広げたまま椅子に座っている形だ。当然、陰部が完全に男にさらけ出されている。 男が女の前にひざまずき、顔を陰部に埋めていくと、スポットライトが灯って、二人に当てられた。その二人を多くの男女が見ている。 ちらりと観客の方を見てみた。驚いたことに、女たちの中には、椅子に座って脚を広げ、忙しそうに指を動かし、自慰をしている者が何人もいた。さらに、別のテーブルでは、3人ほど、女たちが天井から延びている拘束具で両手首を止められ、バンザイをする形で、吊り上げられていた。その女たちに、相手の男がセックスをしている。ほんとにすごいところにきたと思いながら、俺は、ステージに目を戻した。 隣に座る彼女が言った。 「ここの音楽は、普通の音楽とはちょっと違うのよ」 「どんな風に?」 彼女はタバコを取り出し、火をつけ、一服だけ吸い、すぐに灰皿に置いた。 「ベースの周波数が人間の体のリズムにマッチするようにプログラムされているの・・・」 「・・・その効果として、人は自制心を緩められ、性的に興奮することになるのよ。さらにオルガスムも、他のどんな時よりも強力になるの・・・」 「・・・あまり強烈なので、女たちはしょっちゅう失神してしまうわ」 そう言って彼女はまたタバコに手を伸ばした。 俺は観客の方を振り返った。男たちの中には自分でペニスをしごいているものが何人かいたし、女も何人か自慰の真っ最中になっていた。だが大半の男女は、セックスを始めていて、ステージで行われていることを真似ているようだった。
ある金曜日の午後だった。授業が終わった時、マイケルズ先生は教室の出口で私を呼び止めたのだった。 「ちょっとだけ研究室に来てくれない?」 何の用事だろうと思いながら、先生の後について、別の研究棟へ歩いた。そこには心理学の実験室がある。 照明を灯しながら、いくつか部屋を通り抜け、最後に、ある部屋に来て先生は立ち止まった。 「こっちに来て」 そう言われ、私は先生が立っているところに近寄った。すると先生は私の腕を取った。そして、気がついたときには、私は、手首に手錠を嵌められていたのだった!! 片手がパイプにつながれている。 「先生!」 私は、ショックのあまり、どう考えて良いか分からなかった。 「君に見せたいものがあるのよ」 先生は、そう言って、床の上に広げられていた毛布を取り上げた。 女の人が3人、転がっていた。全員、縛られて、猿轡をされている! 「先生、何をしてるんです?!」 私は、助けを求めて叫び声を上げようとしていた。 「ここの部屋は、防音になっているの。だから叫んでも無駄よ。これから私が言うことをおとなしく聞きなさい!」 「な、何をするんですか?」 私は、叫ぶの諦め、しぶしぶ、問いかけてみた。 「言ったでしょ! 黙って聞きなさいと!」 私は、口を閉ざした。マイケルズ先生は気が狂ったに違いない。どうやったら、ここから逃れられるだろう? これから何が始まるの? 「君にチアリーダをあげようと思っているの」 「何を?」 「君のチアリーダよ。君が熱をあげているチアリーダ。彼女、君のものになるわ」 「マイケルズ先生、お願いです、私をここから出して・・・」 「最後まで聞きなさい!! 君の好きなチアリーダをここに連れてきてるわ」 先生は床に転がる3人を指差した。 「ブルネットの髪の色をしてる娘を全員、連れてきたから、この中の一人が、君の好きな娘のはずね。これから、その娘に君のことが欲しくなるようにさせるつもり」 「先生、お願い!」 「まだ、話しを聞こうとしてないようね!」 先生は、少し、苛立ったような声になった。 「彼女が君のものになるのよ。君が望むことを何でもするようになる。その代わり、私は一つだけ望むことしてもらうけど」 「お願い! 私を離して!」 怖くなった私は叫び声を上げた。すると、先生が近づいてきて、私の頬を平手打ちした。私はびっくりして先生を見つめた。
パート2:ディアドラの話 とうとう、やったわ。ずいぶん久しぶりに、私は男性に対して自分を解放することができた。いや、ひょっとすると、生まれて初めてかもしれない。もちろん、頻繁にではないけど、これまでセックスをした経験はある。相手の数も数名。私は、うぶな娘ではない。 それでも、生まれて初めて、というのが正直な感想だった。舞踏会にデビューしたての生娘のような感覚。完全に男性に影響を受けやすい危険な状態。それと同時に、完全に受け入れて欲しいと待っている状態。でも、それは、そもそも、どういう意味だろう? そう、誘惑に負けやすい状態というのが合っているかもしれない。とても、とても、負けやすい状態。 これで、私は死んでしまうかもしれない。私は、この素敵な若者と、この種のリスクを犯しても大丈夫なの? でも、彼は信頼できる。とても良い人だから。心の奥から良い人だから。だけど、これは何? 強力すぎる肉欲を経験しているところなの? それとも、もっと何か大きなものが隠れているの? そもそも、肉体的な欲望というのは、現実的な価値に基づいてるものなの? 私は彼に本当に惹かれていると言えるの? そんなこと、分かりっこない。 どうしても、妹のドニーに相談しなくちゃいけない。彼女なら私の感情を明確にするのを助けてくれるはず。いま、ここにドニーがいてくれたら。彼女なら、何をすべきか、どう反応すべきか知っているはず。 私は、前から、大きな決断は妹の手助けなしでしたことがない。それが変なことだというのは分かっているけど、私と妹はそれだけ親密なのだ。私が知ってる、どの姉妹より、親密な関係。私たちは、一つの鞘に納まった2個の豆のようなもの。ドニーなら、アンドリューを見て、どこからどこまでが肉体的な欲望で、どこから精神的に惹かれている部分なのか、言い当てることができるのじゃないかしら。 アンドリューは私に愛の行為をした。私は、下品な言葉で叫んだりすることはほとんどない。ママやパパが、私がアンドリューに言った言葉を聞いたら、死んでしまうかもしれない。これまでの人生で、「ファック」といった言葉を使ったことは、10回もないのではないかと思う。なのに、今の私は、「ファック」と言う言葉のことばかり考えいているのだ。と言うのも、うまく言い表せる言葉がそれしかないから。確かに、アンドリューは私を愛してくれたけど、最初の時は、文字通り、彼は私にファックしたとしか言えない。あれは、決して愛の行為などとは呼べないものだった。純粋にファックそのもの。あんなに完膚なきまでファックされたことは、これまで一度もなかった。 私は、4年近く、セックス相手なしで生きてきた。多分、そのせいで、いくらか性欲が募っていて、それが解放されるのを待ち構えていたのかもしれない。アンドリューが、その積もりつもったものをすべて解放してくれた。アンドリューが私の中に引き起こした欲望の大きさと言ったらなかった。あれを超える欲望を持ったら、私はまったく手に負えなくなることだろう。 そして、あの、素敵な、ケダモノのようなファックが終わった(申し訳ないけど、他の言い方が思いつかない)。私は抱きとめられるのを待っていた。そして、アンドリューは私の腕の中に入ってきて、二人はキスをした。ロマンティックな、心のこもったキス。感謝と約束を表わすキスである。たった今、互いに相手に与え合ったものに対する感謝を表わすキスであり、そして、これから訪れるはずのものを約束するキスでもある。
「できません!」 イサベラは叫んだ。予想される痛みが恐ろしい。それに、快感を味わってしまうことも恐ろしい。いまだに、彼女の秘苑は、レオンに乙女を破られた時のことを思い出し、きゅーっと引きつるのだった。 「わしに、またお仕置きをさせたいのか?」 レオンは、親指で彼女の陰核をなぞりながら、脅かした。イサベラは、感じる部分をくりくりとこねられ、思わず身体がえび反った。 イサベラは、レオンの言葉に、自分が、いつ攻撃されても逃げられない脆弱な姿でいることを、いやがうえにも思いしらされ、身体を震わせた。いま自分は、裸で太腿を広げてレオンの上にまたがっているのだ。その男根は直立し、威嚇するように、肉の入り口にあてがわれている。その恐ろしい大きさと強さ。しかも、両腕は後ろに拘束され、動かせない。 従う他はないと観念し、イサベラは、眉にしわを寄せながら、目を閉じた。あの、耐えがたい激痛に備えて、ゆっくりと、少しずつ腰を落としていく。 イサベラは、レオンの分身が体内に滑り込んでくるのを感じた。未熟な膣壁が、彼の硬い肉柱にめりめりと広げられていくのを感じる。だが、予想した激痛とは異なり、熱く甘美な痛みしか感じないことに、イサベラは驚いた。でも、痛みであることには変わりなく、彼女の唇から、ああッと声が漏れた。 目を閉じたまま、さらに、ゆっくりと腰を沈めていった。レオンの分身の大きさに自分の狭い肉筒が慣れていくのを待ちながら、徐々に、奥へと取り入れてった。 緊張した時間が5分ほど続いた。イサベラはとうとうレオンの分身を根元まで納めきっていた。彼女の白桃のようなつるつるの尻の下、レオンの毛むくじゃらの睾丸2個がぴったりと密着している。イサベラは、大変な苦行をなし終えたかのように、レオンに覆いかぶさり、彼の肩に顔をうずめ、ハアハアと息を乱して休んだ。 「いい子だ」 レオンは仰向けのまま、かすれた声で囁いた。 「今度は、わしに乗馬するのだ。わしの肉棒を使って、自分で動くのだ」 イサベラはレオンの言った意味が分からなかった。レオンは、それを察し、両手で彼女の腰をしっかりと押さえて、動きを導いた。腰を持ち上げ、先端だけが収まるほどにした後、力強く、元へ押し下げ、引きつけた。巨大な肉棒で串刺しにする。 「ああぁぁぁッ!!」 数分かけてやっと成し遂げたことを、一気に行われ、イサベラは悲鳴をあげた。同時に、レオンも極上の刺激に、うっと低いうめき声をあげた。 だが、レオンは責めを緩めたわけではない。両手でしきりにイサベラに動くよう急かした。それに促され、イサベラも、試しがちに腰を上げ、そしてゆっくりと、ためらいがちに、また腰を落としていった。両手を後ろに縛られたまま、レオンの勝ち誇った瞳を見つめながら腰を沈める。 「うーん、それで良い」 レオンは唸った。 再び、イサベラは動いた。前より滑らかな動きだった。それに、たとえ両手を縛られていても、自分が動きを自由にでき、レオンの分身を取り込む速度を制御できることを悟り、動くことにためらいがなくなるのを感じた。そして、それと共に、自分がこの行為を楽しんでいることを知り、悔しくもなる。この男が自分の身体に対して行うあらゆる罪深い行為。それを喜んでいるとは。こんなことをしていたら、いつか堕落してしまうことになる・・・ だが、彼女は、レオンがもたらす肉体の刺激に、あまりにも無力だった。
ゲイルが舌を尖らせて、私の喉に突き入れ、そして、引き下がった。それから、また奥へ突き入れ、引き下がる。まるで、ペニスのように私の喉奥へと出し入れを続けた。私は、フェラチオでペニスをクライマックスに導く時のように、彼女の舌を強く吸いたてる。 私自身もクライマックスに近づいているのを感じた。両手でビクトリアの頭を掴んで、ぐいぐい引き寄せる。 ゲイルは、そんな私を見て、私の両手を握って、ビクトリアの頭から離させた。そのまま、両手首を頭の後ろへと回し、ソファの背もたれに押し付けた。両手を拘束され、頭の後ろに固定される形になる。 一方、ビクトリアも、ゲイルが私の両手首を押さえるのを見て、私の両足首を掴んだ。足が床に押さえつけられる。 手足を動かそうとしたけれど、二人にがっちり押さえ込まれ、動かせない。身体を完全に拘束されたような気持ちになった。私は、どこまで体の自由がきくか試しながら、もがいた。その間も、ゲイルとビクトリアとジェニー、その3人が、私の体のそれぞれの分担部分に集中している。 ジェニーは、私の胸を熱くさせていたし、ゲイルは強引といえる動きで、私の口に唇を密着させ、舌を突き入れ続けていた。呼吸が苦しくなっても許してもらえない。そして、ビクトリアは、私の足を押さえつけたまま、夢中になってクリトリスを舌で弾き続けている。 身動きできない感覚と、全身に与えられる刺激に、私はとうとう限界を超えた。ゲイルの口の中に叫び声をあげ、背中を反らせてジェニーに胸を突き出し、腰を浮かせてビクトリアの口へとバギナを押し付けた。愛液がどっと湧き出て、ビクトリアの口へとあふれ出るのを感じる。彼女は、ズルズルと音を立てて、私の体液を吸い、舐めていた。歯で、軽くクリトリスを噛んでいる。 頭の中、キラキラと星がまばたくのを感じながら、ゲイルの口の中に舌を突き出し、彼女の舌を私の口の中に吸い込んだ。涙が自然とあふれ出て、頬を流れるのを感じる。私は、これまでの人生で、最大級といえる激しいクライマックスに、どっぷりと浸かった。
ビリーは、見ていて、ほとんど立っていられなかった。男が妻にまとわりついているのを見ながら、ブリイと一緒に帰れるチャンスがあった時に、ここを出られたら良かったのにと後悔した。いま、ジョーンズは、ビリーがずっと待ち望んでいたことをしようとしている。ブリイとのセックスだ。 ジョーンズはブリイのショートパンツを脱がしにかかっていた。ブラジャーとマッチしたパンティが姿を現す。 「ゆっくりと回って見せろや。ここにいる男たち全員に、お前の前も後ろもよく見てもらうんだ」 ブリイが、おどおどと一回転して見せると、ジョーンズは、彼女をビリヤード台へと連れて行き、彼女を抱え上げて、台の上に乗せた。指で合図を送って、ブラジャーとパンティを脱ぐように指示する。だが、ブリイは、ジョーンズが望んでいることを理解できなかったか、あるいは、従いたくなかったのか、何もしなかった。 その結果、ジョーンズは、乱暴にブリイのブラを掴み、ぐいっと下にさげて、胸を露わにした。ブラからはみ出た豊満な乳房が顔を出した。 「わ、分かったわ。自分でするから」 かすれた声でそう言い、ブリイは自らブラを外し、そしてパンティも脱ぎ捨てた。 全裸になったブリイは、改めて、部屋にいる男たちを見回した。誰もがじろじろと自分の裸を見ている。そして、ビリーと視線が会った。 「ごめんよ、ブリイ」 ブリイは、泣きそうな顔で、激しく頭を振った。「違うわ。全部、私のせいなの」 二人の会話を無視し、ジョーンズがブリイの肩に手をかけ、そのまま、仰向けに押し倒した。それから腰を引き、露わになった股間がビリヤード台の端に来るようにさせた。ぐいっと両腿を割り、大きく開かせる。そして自分のズボンを降ろした。パンツの中から、かなりのサイズのペニスが出てきた。 ジョーンズは、自分で、しこしこと数回擦った。充分に勃起するのを待つ。亀頭からプレカムの滴が出てくると、ブリイの陰部にぬるぬると擦りつけた。ブリイ陰部は、すでに愛液で濡れているではないか。すでに興奮してるのか。ジョーンズにとっては嬉しい驚きだった。 だが、それはジョーンズの間違いだった。その湿り気は、前にモーテルでビリーと絡み合った時の名残だったのである。 ともあれ、ジョーンズは、その巨根でブリイの陰部を突き始めた。入り口をちょっと突いては、砲身で濡れた陰唇をなぞり上げる。 ブリイは、ジョーンズがすぐに挿入してくると感じ、股間に目を落とした。そして、泣きそうな声を上げる。 「ああ・・・ビリー、見て・・・この人、コンドームをつけてない!」 ジョーンズは、依然として、亀頭でブリイの陰唇を擦り続けていた。彼は、少し様子が変だと、驚いていた。ブリイが逃れようとしていない点だった。彼女はこのように犯されることを望んでいないはずなのだが。ひょっとすると、このセクシーな女の中には、淫らな欲情が隠れているのかもしれない。それは、やがて、この女の理性を上回り、裏切り始める可能性がありそうだ。 ジョーンズは、自分の興奮がピークへと高まっていくのを待ちながら、依然として、ブリイを焦らし続けた。こんな、信じられないほどいい女とやったことはない。綺麗で愛らしい顔と、やりごたえがありそうな、見事なボディ。まさに完璧だ。
電話に出た父は、とても晴れ晴れとした、快活な声を出していた。父の声を聴いた瞬間、自分がこれから父を苦しめようとしているのを思い、電話をするんじゃなかったと後悔しそうになった。 「お父さん、僕だよ、スティーブ」 私は、無意識的に、普段使っている、女の子っぽい甲高い声で話していた。 「スティーブ、ちょっと声の様子が変だな。大丈夫なのか?」 と心配そうな父の声。 私は本来の男の声を使うのを忘れてしまったのだった。咳払いをしてから、返事した。 「大丈夫だよ、お父さん。そっちはどう?」 「私は大丈夫。それより、何か問題でもあるのか? 何か困ったことでも?」 父の声には、ちょっといぶかしがっている調子が入っていた。 私は、10歳の頃までは父に電話をしていたが、その後は一度もこちらから電話をしたことがなかった。今になって電話をかけたことで、父は疑念を抱いたに違いない。 「いや、大丈夫。何も問題はないし、困ってもいないよ」 「そうか、良かった。ともかく電話してくれて嬉しいよ。そろそろ、お前の誕生日が近づいてきた頃だと思っていたところなんだ。一緒に祝いたいとね」 父は安心した声に戻っていた。 一つ、父のために言っておくべきことがあって、それは、父が私の誕生日を忘れたことがなかったということだった。いつも、私の誕生日に何かしてくれた。たいていは、一緒にレストランに行って食事を取った。私の誕生日は、次の金曜日だった。だから、父と会う機会を持つのに格好の理由となると思った。父と一緒に祝う誕生日は、これが最後になるだろう。それだけは、確信していた。 「僕もそうしたいよ」 「良かった。それじゃあ、金曜日の7時に、フランクリンの店で会うというのはどうだろう?」 「分かった。そこでお父さんに会うよ」 私は、この電話も、もう終わりに近づいてると、少し安心した気持ちになっていた。そして、少し話しを続けた後、互いにさようならと言って、電話を切ったのだった。後は、金曜になるのを待つだけになった。 電話を切るとすぐにトレーシーが、どんな感じだったか訊いてきた。レストランで会うことになったと伝えると、彼女は、その時のために新しいドレスを買わなくちゃいけないわねと言った。 それを聞いて、私は、新しいドレスを買いにショッピングに出かける楽しみに、興奮し、夢中になってしまった。だけれども、その日の夜、ベッドに入り、落ち着くと、父はどんな反応をするかと心配になったのだった。 マークは、この週、出張していて、木曜まで帰ってこない。それなので、私はトレーシーと一緒にベッドに入っていた。 トレーシーは優しく前戯を繰り返し、私の心から父のことを振り払わそうとしたけれど、うまく行かなかった。トレーシーがしようとしていることに入っていけるほど、くつろいだ気分になることができない。 トレーシーは私を興奮させることを諦めたようだった。 「お父さんが何をするか、心配しているのね? お父さんが、レストランで騒動を起こすと思うの?」 私は頭を振った。 「いや、そういうことだけは、父は決してしないとはっきり言えるわ。たとえ警察署であっても、公の場所で騒動を起こしたりは、父は絶対にしないと思う。そうはならないと思うわ。多分、黙って店から出て行って、その後は、2度と私に口を聞かない、とそういう反応をすると思う」 私は、そう言いながら、涙が頬を伝うのを感じた。 トレーシーは私を抱き寄せ、囁き声で言った。 「それなら良いわ。つまり、お父様が、あなたを傷つけたりしないならね。少なくとも公の場所では。私とマークも付き添うから、お父様があなたをどこかへ連れて行って、痛めつけたりするようには、決してさせないから」 「ええ、でも・・・本当の気持ちでは、父には、少なくとも話しをするまでは、立ち去ってもらいたくないの。多分、父は、むっとして出て行ってしまうだろうとは分かってるけど、そうなって欲しくないと期待しているの」 私は涙を流しながら話した。トレーシーは優しく私をなだめながら、気持ちは分かるわと言っていた。でも、私にはトレーシーにも私の気持ちは理解できていないのじゃないかと思っていた。このことについては、誰にも私の気持ちは理解できないと思っていた。
「報復」 第8章 Chapter 8 10月下旬 木曜日:夫婦合同カウンセリング 彼はリラックスしていた。大半、気分よくいられた。確かに、依然として、モンゴメリー一家に対して行ってしまったことについて、嫌なことをしてしまったと感じていたが、それでも、あれには目的があったのだと考えていた。 あのビデオで、キムが強力なドラッグをあからさまに使用するのを見ていたし、彼女が週末泊まっていったこの2週間、何度も彼女がトイレへと席を外し、不自然に長時間、そこに篭るのを知っていた。そういうふうにトイレに篭ってから出てきたときは必ずと言ってよいほど、キムは目をギラギラ輝かせ、顔を火照らせ、いつセックスを始めても構わないような雰囲気に変わっていた。キムが、スティーブの家に薬物を持ち込み、使っているのだろう。誰にでも想像できることだった。 先週の日曜日、キムが帰って行った後、スティーブは、便器の後ろに小さな包みが押し込められているのを見つけた。小さな布袋の中には、残余物がほんの少ししかなかったが、彼はそのすべてを集め、暖炉に放り込んだ。彼は、めったに暖炉に火を入れない。そもそも、ここ南テキサスでは、暖炉を焚かなければならぬことなどほとんどない。それでも、その日は、暖炉に火を入れる理由があったのである。 もう一つ、スティーブは、キムが明らかにポルノに興味を持ち、自らポルノ映画を撮っていることも、非常に危険だと感じていた。ロイドとダイアンが自分の娘を何とか助けてあげられたら良いと願うスティーブだった。遅すぎでなければ良いのだがと。 ヴェルン・ヒューストンは、スティーブが急に平静になった理由を知らなかった。だが、その彼の雰囲気に、安心していたのは事実だった。ここ何週間か、スティーブ・カーティスは、個人カウンセリングでも夫婦カウンセリングでも、非常に攻撃的になっていて、しかも、ますます、その度合いを高めてきていたのだった。 だが、もし仮にヒューストン氏が事実を知らされたら、彼は、この夫婦についての仲裁は諦め、すぐにでもタオルを放り込もうとしたことだろう。彼が知っているどんなカウンセリングのテクニックにも、さらに同業のカウンセラーが勧めるどんなテクニックにも、このような事態をうまく収めることができるものはないだろう。 ヒューストン氏は、スティーブがちょっと席を外し、ヒューストン氏の秘書のところに行って、これまでのカウンセリング料の清算をする様子を、目を細めて見ていた。そして、彼は急に疑い始めたのだった。 ヒューストン氏は心理学者ではない。だが、こういうことに関して、長年にわたる経験を持っているのも事実である。荒れ、すさんだ人間が、突然、平穏に変わる。さらに、し残していたことを片付け始める・・・えてして、こういう行動は何かを警告するサインとなっている。ヒューストン氏は、急に口が渇いたように感じ、唇を舐めた。ともかく、もっと知る必要がある。 スティーブは、オフィスに戻り、ヒューストン氏のデスクの前にある椅子に腰を降ろした。この椅子には、もう何ヶ月も、毎週水曜日の午後と木曜日の夕方、座ってきた。スティーブは辺りを見回した。この部屋のすべての特徴を逐一確かめるように見回し、そのすべてを記憶に留めようとしているようだった。ここに来るのも、今回で最後になるかもしれない。スティーブは、改めてそう思い、喜んだ。 椅子にゆったりと座り、脚を伸ばし、左の足首の上に右の足首を乗せた。口元にはかすかに笑みが浮かんでいた。スティーブは、こういう良い気分になるというのはどういう感覚か、忘れてしまうところだったなあと思った。 ヒューストン氏が切り出した。 「どのくらいバーバラさんを待ったらよいか、分かりませんね。奥さんは、今夜、遅くなるとかあなたに言っていませんでしたか?」 すでに、普段、カウンセリングが始まる時刻より、10分も遅れていた。 スティーブは頭を左右に振った。 「いえ・・・しばらくバーバラとは話してませんから。でも、今夜は多分、来ないんじゃないかと思いますよ・・・」 スティーブは不注意にも、そう付け加えた。 「・・・今は、もう夫婦関係は終わったと思ってるんじゃないんですかねえ。ようやく、納得したんじゃないかと・・・」 スティーブは口元をきりっと締めた笑顔を作った。両脚を前に伸ばし、お腹の上で両手の指を絡ませ、握る。 突然、部屋の外の方で人の声がし、スティーブもヒューストン氏も驚いた。スティーブは上体を起こし、身体をひねらせてドアの方を見た。 ドアが急に開けられたのだろう。再び締まるまで、外で交わされていた二人の会話がヒューストン氏のオフィスにまで聞こえてきたのである。会話する声、そしてポーズが入り、次に内側のドアが急に開いた。 バーバラが入ってきて、ドアを閉める。彼女はスティーブにもヒューストン氏にも目をくれず、いつも座っている椅子に向かって進み、きっぱりした態度で腰を降ろした。 バーバラが入ってきて椅子に座るまで、スティーブは彼女をじっと見ていた。彼は、彼女がここに来るとは予想していなかった。もっとはっきり言えば、彼女は2度と姿を見せないだろうと思っていたのだった。しばし、信じられないという面持ちで彼女のことを見ていた。それから、ゆっくりと元の姿勢に戻り、椅子に背中を預けた。 「遅れてごめんなさい。タクシーの予約を入れたんだけど、時間通りに来なくて」 バーバラは落ち着いた声で言った。
その後、どうなるか、俺はじっと待っていた。例のウェイトレスは他の客の応対をしていて、全然、こっちには反応していない。延々と待たされている感じだった。 そして、突然、事務室のドアが開いた。出てきた人を見てビックリした。背の高い、ブルネットの女が、セクシーなラテックスのドレスを着て出てきたのだ。俺のテーブルにやってくる。信じられないほどセクシーなハイヒールを履いている。そいつを見たら、男なら誰でもよだれを垂らすだろう。彼女は俺のテーブルに来ると、手を差し出した。 「一緒に来て」 そう言って俺の手に指を絡めてくる。 彼女の柔らかいセクシーな指を握りながら、俺は立ち上がった。彼女は、俺から手を解き、事務室の方へ向き直った。 「ついてきて」 彼女の後に続いて歩きながら、俺は心臓がドキドキしているのを感じた。ぜったい何かある。多分、裏部屋があって、プライベートなクラブが開かれているのかもしれない。事務室に入ると、彼女はドアを閉めた。 「そこに腰掛けて」 そう言って、彼女はデスクの前に行き、そこにある椅子に腰を降ろした。 腰を降ろす時、前屈みになったので、ドレスの中、彼女のたっぷりとしたおっぱいの谷間を見ることができた。黒のラテックスのドレスは、胸元が深く切れ込んでいて、しかも、ノーブラなのだろう、乳首の突起が生地の上からはっきりと見えていた。 彼女はデスクに手を伸ばし、タバコを一本とって、セクシーな赤い唇に咥えた。ライターをカチッと鳴らす音。俺は固唾を呑んで見ていた。他には何の音も聞こえない。 彼女は、一回だけ煙を吸い込み、すぐに灰皿にタバコを置いた。それから、顔を上げ、俺の目をまっすぐに見つめた。そして、少し間を置いてから話し始めた。 「君は何歳なの?」 「18」 また、タバコを取って一服した。その間、まるで俺の心を読んでいるように、俺の目を見つめていた。 「この場所は、どうして知ったの?」 また、一服、吸いながら言う。 「ウェブで」 俺は、少し、おどおどしながら言った。 彼女は、今度はワイングラスを手にした。飲みかけだったらしく、すでに半分ほどなくなっている。そのグラスから、一口、啜って、言った。 「ここは、君のような人が来る場所とは思えないわね・・・」 と言って、片手を軽く挙げた。俺の名前を訊くような素振りだった。 「名前はジャスティン。・・・でも、どうして?」 俺はできるだけ自信に溢れている雰囲気を作って、名前を名乗り、逆に問いかけた。彼女と同じように、片手を上げて見せ、名乗ってもらうのを期待した。 「このクラブは高級なの。君のような人には手が出せないわ」 彼女が名乗らなかったので、少しがっかりした。 彼女は、またタバコを吸い、俺はそれを見ながら待っていた。またワインを一口啜った後、また俺の目をまっすぐに覗き込み、口を開いた。 「現金で5000ドル」 俺は溜息を漏らした。もちろん、そんなお金はない。 彼女は、座っている椅子を少し後ろに押し、脚を組んだ。脚を組む時、ほんの一瞬だったが、ラテックスのドレスの下、パンティがちらりと見えた。 まるでパワーゲームをしているようで、俺と彼女の間、嫌な沈黙が漂っていた。 沈黙の間、突然、何か音がした。音楽の音とそれに紛れて、かすかに女が叫ぶ声が聞こえてくる。女の声だと分かり、俺はまた心臓が高鳴った。ベースの音で床が振動している。下から聞こえてくるようだった。 「それに加えて、テストに通る必要があるわ」 彼女は、タバコの煙を吐きながら言った。 「身体検査?」 「いえ、違うわ。5000ドル持ってきなさい。その後で、テストのことについて話すから」
「Experiment 実験」 by deirdre 初めて、マイケルズ先生と会ったのは、ルームメートのシンディと一緒にキャンパスを歩いていた時だった。偶然、先生の顔を見かけたシンディが、呼び止めて私を紹介してくれたのだ。 「こんにちは」 先生は、親しみ安そうな雰囲気で、私に声をかけてくれた。でも、どこか、一緒にいて居心地が悪くなるような雰囲気がある人だった。 私が先生のクラスに登録するまで、先生に会ったのは、それだけだった。正直、私は先生の授業に出る必要はなかった。学位のために心理学系の授業で取らなければならないのは一つだけだったし、すでに入門コースの授業を取り終えていたからだ。でも、シンディに、是非とも、もう一つ取っておくべきと言われ、取るとしたらマイケルズ先生の授業にすべきと言われたので、仕方なく、選択授業として登録したのだった。どうしてシンディは、特にマイケルズ先生の授業を取るよう、あんなに声高に言い張ったのか、ちょっと変な感じがしたのは事実だった。 でも、授業が始まると、マイケルズ先生はとても魅力的な先生であることが分かった。それに、彼女は、私たち学生にとっても優しくしてくれる。学生の誰にでも、すれ違った時などに、いつも、立ち止まって話しかけてくれる。ある日、課題を取りに、先生の研究室に行った時があったけれど、結局、一時間も先生とお喋りを続けていた。どの教授たちも、先生と同じように、気軽に付き合えるようになってくれたら良いのに、と思った。 それで、ある日のこと、授業が終わったあと、私は先生のところに立ち寄って、お喋りをしたのだった・・・ただ、なんとなく、先生と話したい気持ちになっていたのだと思う。先生と会って、少し、雑談した時だった。先生が、一緒に夕食に行きましょ、と私を誘ってくれたのだった。私はすぐに賛成した。そして、結局、私と先生は、とあるバーに行って、ちょっとしたオードブルを食べていたのだった。 その夜は、先生といろんなことをお話しした。話しの話題は、いつの間にか、男性のことやデートのこと、そしてセックスのことになっていた。すでに何杯かお酒も飲んでいたからか、私は先生に、他の時なら誰にも話さないような個人的なことを話していたと思う。でも、先生は、とっても、話しやすい人だったから。 「ねえ、君は女性に惹かれる感じがしたことはある?」 先生は、私がバイセクシュアルかどうか訊いていた。どうして、この話題になったのか覚えていないけれど、全然、場違いで不自然な質問ではなかったと思う。先生は、私がちょっと沈黙したのを見て、それが答えだと解釈したようだった。 「真剣に惹かれたこと、っていう意味でよ?」と先生は付け加えた。 「何と言うか・・・」 「あら、何も恥ずかしがることじゃないわ」 先生は、私の秘密の気持ちを察してしまってるの? 「だれか、可愛い同級生とか・・・誰が、お気に入り?」 「これって、恥ずかしすぎるわ、先生!」 「心配しないで、大丈夫だから。心に思っていることを他の人に話すことは、精神上、良いことなのよ。私を信頼して。で、誰?」 「あの・・・」 私は、そこでまた、間を置いた。「・・・チアリーダの一人のことを・・・ブルネットの髪の子なんです」 このことを誰にも話したことがなかったし、話すなんて予想もしていなかった。でも、実際、私はそのチアリーダに惹かれていたのは事実だったし、夜に、彼女のことを思っていることも、時々あったし、彼女を見かけると、実際、少し興奮するのも本当だった。 「その子のことを知ってるの?」 「いえ、全然! ・・・ただ、試合で見かけるというだけです」 「なるほど。単に心を惹かれているということだけなのね。大丈夫。恥ずかしがることはないわ。私たち女性には、珍しいことじゃ全然ないんだから」 先生は、それから、いろいろ話して、そういう感情を抱くことには、何も恐ろしいことなどないと、私に言い含めた。私は、内心、この種の感情にはずいぶん悩まされていたのだけれど、そのことについては先生に漏らしたりはしなかった。ともかく、この話題については、会話は、それだけだった。この日の後は、私は、この会話のことをほとんど忘れていたと思う。
ディアドラは、欲情の炎を眼に浮かべて、僕を見ていた。僕の指のリズムに合わせて腰を動かしている。彼女のあそこは、僕自身が放った体液と、彼女の甘いジュースが混じった濃密な味がしていた。 ディアドラの腰の動きは次第に激しくなってきた。今は、目を閉じて、いやいやをするように頭を左右に振っている。強いオルガスムへ至るふちに達しているようだった。だが、僕としては、まだ、いかせるわけにはいかない。 僕は、ディアドラの局部に対する攻撃の速度を落とした。激しい沸騰状態から、くつくつと煮えている状態へと戻す。もっとも、煮えている状態といっても、沸騰状態であることには変わりない。ただ、少なくとも、過剰に沸騰してしまう危険性だけは避けることができる。 ディアドラは、再び、目を開いた。また、瞳にあの輝きが浮かんでいる。驚いたような顔をしながら、笑顔で僕を見ていた。オルガスムぎりぎりだったために呼吸が乱れていたが、やがて、落ち着き、僕が定めた、もう少しゆったりとしたリズムへと戻っていた。 そして、僕は再び彼女を沸騰状態へと導き、また、ギリギリのところで攻撃を緩めた。それを何度も繰り返した。繰り返すたびに、彼女の興奮のレベルは上昇しているように思えた。官能の高まりに責められ、苦しそうな表情を浮かべたディアドラの顔。これは僕が見てきたうちで、最も美しいものだ。 今は、ディアドラは、両膝を開き、胸にくっつくほどに折り曲げ、両手を僕の頭にあてて、自分に引き付けている。陰部は大きく広がって、僕を迎え入れ、もっともっとと要求しているようだった。 ああ、本当に大好きだ。彼女のことが愛しくてたまらない。僕はディアドラのクリトリスを唇で挟み、ちゅうちゅうと吸い、舌の平面で舐めあげた。人差し指をあそこの中に入れ、Gスポットをなぞり続けた。 「あ、あああぁぁっ!」 彼女が叫び声をあげているのが聞こえる。突然、ディアドラは全身を弓なりにさせて、のけぞった。まだ、叫んでいたようだが、音が聞こえなくなった。彼女の陰部がキューっと収縮し、僕の指を固く締めつけるのを感じた。左右の太ももに力が入って、両側から僕の耳を塞いでいた。僕の頭を押さえる手に力が入り、ギュッと自分の中心部に引き付けて離さない。 僕はさらに攻撃の圧力を強めた。強引に彼女のオルガスムのレベルをより上へと引き上げていく。 急に彼女は両腕を宙に上げ、バタバタさせた。顔を見ると、白眼を剥いている。そして、とうとう、もうこれ以上、官能の嵐に自ら積極的に参加することができなくなり、ぐったりとして、まったく動かなくなってしまった。 僕は優しくクンニリングスを続けていた。クリトリスには触れないようにして。ディアドラは、ほとんど目を閉じていると見まがうほどに細く目を開けて、僕の口唇攻撃を見続けていた。そして、間もなく、彼女は再び反応し始めるのを感じた。彼女は、今まで潜伏していた自分のセクシュアリティに目覚め、それにすっかり浸っている。 ディアドラは、僕に腕をのばして、上にあがってくるよう、促した。僕は彼女の手を握り、ゆっくりと彼女の身体を這いあがった。そして僕たちは唇を重ねた。僕の顔は彼女のエロティックなジュースですっかり濡れていたにもかかわらず。 そして、キスをしながら、僕は再び彼女の中に滑り込んだ。 ゆっくりと、安定したリズムで出し入れの動きを始めた。前後に動きながら、少し腰を回転させる動きも混ぜた。前後の動きによる快感に、新たに、横の快感も加わる。極上の快感だった。ディアドラの柔らかく、温かい内壁。それによって優しくマッサージされている。 ゆっくり快感を味わいながら出し入れし、腰を回し続ける。かなり長い時間、その動きを続けた。その間、ずっと僕たちは互いの瞳を見つめあっていた。 この女性に対して、どうしても愛しい気持ちがあふれてくる。僕たちは、アウストラロピテクスたちが始めた絆の持ち方と同じように固く結ばれていた。その絆は、人類の歴史と同じく、長い歴史を持つ。いや、人類という種よりも古いだろう。真に愛し合うすべての男女に当てはまる、あの親密な絆。ディーディと僕はそういう絆で結ばれているのだ。僕はそう感じた。彼女もそう感じて欲しいと願った。 そして、とうとう、僕にも激しい情熱が襲ってきた。徐々に力を加えつつ、やがて本格的に動き始めていた。肉欲が愛情を上回っていく。激しく下半身を彼女にぶつけていた。打ち込むたびに、ディアドラは低いうめき声をあげていた。彼女の両脚が僕の腰を包んでいる。彼女は全身を完全に僕に委ね、任せた。 より強く、激しく。二人一緒にどんどん高みへと上昇していく。二人とも、互いの性器を密接に接合することで一つになることを達成しようとする、その行為だけがすべてを支配する段階へと向かう。そして、とうとう、その一つになる状態が訪れたのだった。 ペニスが大きさを増し、精液を何発も彼女の子宮へ打ち出し、振り撒いた。ディアドラは両腕を僕の首に巻きつけ、離すまいと必死にしがみついていた。両腕、両脚で僕を包みこみながら、彼女の全身が硬直し、うち震えている。何か分からぬことを呟き、そして、オルガスムに達したことを告げる、大きく、鋭い悲鳴を上げたのだった。 そして、その後、何分か、僕たちは固く抱き合ったまま横たわっていた。ディアドラは目を閉じたまま、僕は彼女の首筋、頬、まぶた、そして唇へとキスをした。そして、ようやく彼女はまぶたを開いた。疲れ切った表情のまま、口元をゆがめるようにして微笑んでいた。 彼女が囁いたような気がした。「死にいたるセックス」と。
イサベラは身体を離そうとしたが、レオンが陰険に目を細めるのを見て、たじろいでしまった。唇を噛んで、堪える。 「わしに盾突こうとするのではない。常にわしが勝つことになるのだから」 レオンは、そう言いながら、イサベラの敏感なうなじに手を伸ばし、彼女の髪の毛に長い指を絡ませた。そして、無慈悲にも、ぐっと力を入れて髪を下に引っ張ったのだった。 突然、髪の毛を引っ張られ、苦痛を訴える弱々しい声がイサベラから漏れた。この痛みから逃れる方法は、両膝を曲げることしかない。レオンは、手の力を加減して、イサベラの姿勢を思いのままに操った。彼女は、否応なく、椅子に座るレオンに両脚を開いてまたがり、両膝で彼の腰をきっちりと挟む姿勢を取らされたのだった。 レオンの股間はますます張り詰めてきており、そのすぐ前で太腿を大きく開き、秘部をさらけ出すことになってしまっている。 このような姿勢を取らせてもなお、レオンは彼女の髪を離さない。さらに強引に髪を引っ張り、イサベラの顔を自分に引き寄せた。彼が着ている軍服の柔らかい生地で、すでに固くなっているイサベラの乳首を擦る。と、同時に、唇を彼女の唇に押し付け、強引にキスをした。まるで懲罰を加えているようなキスだった。 むさぼるようにイサベラの唇を奪う。歯で彼女の下唇を噛み、引っ張る。イサベラが、唇を引っ張られ、その痛みに声をあげ、口をあけると、レオンはすかさず、舌を彼女の口の中へ突き入れ、熱くぬめった彼女の口内を這い回った。 もう一方の手は、イサベラの尻の丸みを擦り、さらには、その尻頬の谷間に滑り込んだ。そして、さらに、とろけ始めた美肉の峡谷を進み、その先にある、悦びをもたらす一粒の真珠にたどり着いたのだった。早速、巧みな指使いで、その、ひくつく肉芽を弾き、撫で、軽く叩き始める。 「ん、んんーッ!」 イサベラは、口を塞がれたまま、悩ましげな声を上げた。レオンの邪悪な指による侵入を防ぎたいのに、両脚を閉じることができない。 「ふーむ。どうやら、お前はこうされるのが好きなようだな。違うか、盛りのついた子猫よ?」 やがてイサベラは、レオンの手に踊らされて、腰を蠢かせ始めていた。指で、あの秘密の場所の中を探られ、かき回され、こねられる。それにより、下腹部の奥で、妖しい、恥知らずな興奮が高まってくるのを感じていた。 ふと、レオンの指が引き下がっていくのを感じた。 「んんッ! んん、んんッ!」 イサベラは、キスをされた口のまま、苦情を言うような声を上げた。だが、その後、また指が彼女の入り口を擦るのを感じた。そして、すぐにまた中に入るよう、イサベラ自身がその指に向かって腰を沈めたのだった。 だが、その時になって、彼女は恐怖の事実を悟ったのだった。中に滑り込もうとしていたのは、指ではなく、彼女が恐れる太く勃起した肉塊だったのである。 イサベラは、沈めかけた腰を途中で止め、身体を強張らせた。レオンにまたがったまま、あの肉棒の先端部だけを中に入れたまま、そこで止まる。 「わしのすべてを中に飲み込むのだ」 レオンは命令した。手でイサベラの絹のような背中をさわさわと愛撫しながら。
彼女の側から 私たちは、みんな、床の上にぐったりと横たわっていた。誰もが、乱れた服のまま。みんなの下着が、あたりに散らかっている。激しい行為のせいで、ビクトリアも含めて、みんな、お化粧が乱れていた。 ビクトリアは、ソファに背中を預けて、ぐったりとなっていた。お腹にドレスを巻きつけたまま、酷使されたペニスがかろうじて隠れている。顔には満足した表情を浮かべ、口元から、彼女自身が出した精液や私たちの体液を、だらしなく垂らしている。とてもセクシー。 ジェニーが、そのビクトリアの元に擦り寄った。ストッキングに包まれたままの太腿に優しく手を這わせている。私がビクトリアの顔を見ているのに気づくと、彼女は私の方を見て微笑んだ。そしてビクトリアに顔を近づけ、口からとろりと流れ出ている体液をぺろりと舐めた。 「もったいないわよ」 とジェニーは言って、ビクトリアの脇腹を軽く小突いた。 「ああ、流れてると知らなかったから」 と、ビクトリアは力なく微笑んで応えた。 ビクトリアは、だるそうにしながらも、手を伸ばして自分のピンク色の可愛いパンティを拾い、スパイク・ヒールに引っ掛けないよう注意しながら、ストッキングの脚を、それに入れた。ソファに背中を押し付け、軽く腰を持ち上げて、パンティを履いていく。そして股間の位置を調節。彼女が、あのシルクの肌触りを気持ちよいと感じているのは明らかだった。 ビックが、女性化への道を進むこととそれに伴う性的悦びを、心から気に入り始めているのだろうなと私が感じたのは、多分、このときのビクトリアを見たときだったと思う。 ゲイルとジェニーは、ビクトリアが服の乱れを整えるところを見ていた。スパイク・ヒールで美しさが強調されている、見事な脚。スカートの裾を正して、きれいに整える。それから、頭を軽く振って、ブロンドの髪の毛が自然な感じに顔を包むようにさせる。長い髪よりも、このショート・ヘアの方が彼には似合っているように思った。 私自身、彼の美しくてセクシーな姿を見ながら、興奮して、軽く身震いしていた。グラマー写真館は、確かに、彼に素晴らしいお化粧を施してくれたのだと、改めて思う。今はちょっと乱れてしまっているが、それでも、そう思った。特に、目の回り。彼の瞳は、今は、女性的なセクシュアリティーを湛えて、輝いていた。彼のペニスを目にしていなかったら、多分、決して彼を男性だとは思わなかっただろう。 ゲイルが私に擦り寄ってきた.私がビクトリアを見て、ゾクゾクとしているのに気づいたよう。妖しい光を目に浮かべながら、私の顔を両手で優しく押さえてくる。そして、二人、見つめあった後、私たちは唇を重ねていた。目を閉じて、彼女のキスを受け止めた。柔らかな舌が口の中に滑り込んできて、私の舌を探し出し、絡ませてくるのを感じる。 私も積極的に舌を絡ませ、ゲイルのキスに応えた。彼女が漏らす官能的な吐息を吸いこむ。ゲイルは私の胸に両手を伸ばし、ブラジャーの中に指を入れ、乳首を指で転がしたり、つねったりを始めた。 誰かが私の腰に手をかけるのを感じ、私は目を開いた。ビクトリアが膝をついて座っていて、私の股間へ顔を近づけている。彼女の舌が私のラビアに触れたのを感じ、それを迎え入れるために、私は腰を押し付けた。すぐにクリトリスを見つけ出し、舌先でこねり始めている。 ジェニーも、仲間はずれになるまいと、私の後ろに来て、ブラウスのボタンを外し始めた。さらにブラのホックを外し、胸を露わにする。ゲイルと私がキスに夢中になっている間、ジェニーは私の前に来て、胸に口を寄せた。歯で乳首を捉え、軽く噛んだり、吸ったりを繰り返してくる。 3人がかりで責められるのは、今度は私の番ということ? 私は、体のどこか一箇所に意識を集中させることが、ほとんどできなくなっていた。ゲイルにキスされ、ジェニーに胸を愛撫され、ビクトリアに陰部を攻められている。私も、ゲイルのキスに答え、股間をビクトリアの口へ押し付け、同時に、ジェニーの口へと胸を押し付けたりを繰り返していた。 ジェニーがもう一方の乳房に手を伸ばしてきた。乳首をつねってくる。電流のような快感が走り、私はソファの背もたれに背中を押し付け、胸を突き出して、それに耐えた。もう一方の乳首は、ジェニーの歯に挟まれている。ジェニーは、さらに強く乳首をつねると同時に、歯の方でも痛いほどに噛んできた。痛みが、熱い炎となって乳房から全身に苦しい快感が走った。
ビリーがジョーンズに訊いた。 「妻のこと、傷つけたりしないよう注意してくれるか?」 「俺は、自分の持ち物は大事にする主義だ」 「いつ、彼女を帰してくれる?」 「あんたの奥さんを返すなんて、一度も言ってねえぜ」 ビリーは怒りを爆発させ、ジョーンズに突進した。しかし、ジョーンズに掴みかかる前に、この店の者が二人出てきて、その巨体の腕でビリーを捉え、押さえつけた。ビリーは激しくもがいたが、体の大きさが違いすぎる。 ジョーンズが続けた。 「まあ、俺もリーズナブルな男だ。お前の奥さんが、俺の指示にためらうことなく従って、俺を喜ばせてくれたら、月曜の朝には返してやってもいいぞ。それに、お前もおとなしくしているなら、今夜、俺がお祝いに開くパーティに出るのも許可してやろう」 ビリーは暴れるのをやめた。だが、巨体の二人の男は、彼の両隣に立ったままだった。何かしようとしたら、即座に押さえつけられるのだろうとビリーは悟った。 「それでいいんだよ。それじゃあ、ちょっとお楽しみの時間にするか」 ジョーンズはそう言って、ブリイの方を向いた。「名前は何て言うんだ?」 ブリイはかすれた声で応えた。「ブリイ」 ジョーンズは笑顔で続けた。「良い名前だな。さて、ブリイ。あんたは、俺が言うことを何でもしなくちゃいけねえのは分かっているよな?」 ブリイは頷いた。 「よろしい。じゃあ、まずは、その金を俺によこしてもらおうか」 ブリイは言われた通りに、金を渡した。 「次に、あんたの身体をじっくり見せてもらうことにするか。立ち上がって、ゆっくり、回って見せてくれるか」 ブリイは、ゆっくりとスツールから降りた。どんなことが自分を待ち構えているのか、不安でならない。ジョーンズは、くるりと回るよう、手で指示して見せた。ブリイは、かなりぎこちない動きで、その指示に応じた。ジョーンズは、途中で、遮った。 「そんなんじゃダメだな」 ジョーンズは店の者に音楽を鳴らすように言い、それから、またブリイに顔を向けた。 「俺たちにダンスを踊って見せてくれるか?」 部屋に音楽が流れると、ジョーンズはダンスを踊るよう、身振りで示した。 「セクシーに踊ってくれよ、ブリイ」 ブリイは、恥ずかしそうな顔をして、ためらった。 「おい、ブリイ。俺を怒らせたいとは思わないだろう? えぇ?」 ブリイは頭を縦に振り、ゆっくりと身体を揺らし始めた。 「踊りながら、両腕を上に持ち上げてくれるか?」 指示の通りにして踊ると、結果として、胸を前に押し出す姿勢になっていた。ジョーンズはブリイの後ろへと歩るいた。次の瞬間、ブリイが気づくよりも前に、ジョーンズは彼女のトップを捲り上げ、頭から脱がしたのだった。 男たちがいっせいに口笛を吹き、歓声を上げた。ブリイの可愛い赤のレース・ブラが姿を見せたからである。 ジョーンズは両手をブリイの腰にあて。それから、その手を上へと滑らせた。手のひらをお椀の形にして、ブリイの乳房を持ち上げる。わざとタプタプと揺すり、男たちに、ブリイの胸がどれだけ大きいか、どれだけ重量感があるかを見せ付けた。 ジョーンズは、顔をブリイの美しい髪の毛に埋もれさせ、細く女性的な首筋にキスを始めた。ブリイは、この男にまとわりつかれるのを嫌悪していたものの、男の愛撫を受け、乳首が勃起してくるのを感じた。
3ヶ月が過ぎようとする時には、誰もが私の変化に気づいているようだった。裸の私を見た人に限ってのことだけれど。胸は大きくなっていた。ブラジャーを満たすほどにはなっていないけれど、Aカップならほぼ満たすほどになっていた。乳首も、高さも大きさも、元のほぼ3倍に膨れていたし、乳輪は50セントコインほどの大きさになっていた。 体毛も変化を見せていた。もはや、ひげはほとんど剃る必要がなくなっていたし、たとえ生えてきても、細く柔らかい毛に変わっていた。髪の毛は、前にも増してボリューム感が出てきているようだった。いまだ、体毛リムーバーは使っているけれど、先月は、1度しか使う必要がなかった。ただ、脚の毛だけは例外で、そこはいつも無毛状態に手入れし続けていた。 常時コルセットをつけていたおかげで、いまや、すっかり女の子っぽい腰つきになっていた。誰もが、砂時計の形になっている私の胴体に目を奪われていた。一度、マークに言われたことがある。後ろからセックスすると、本当に、女の子にしているのと同じ感覚になると。 このような体の変化で、一つだけ、困ったことがあった。それはペニスである。今は、前に比べて少し小さく、細くなっている。たいていの時は、問題なく勃起ができるが、何度か、勃起するまで時間が掛かったことがあった。それに、勃起せずに射精してしまったことも、2、3回あった。エーカーズ先生にそのことを話したら、摂取するホルモンを調整してくれた。おかげで、その問題はほぼ解決できている。 そろそろ豊胸手術を受けても良いのではないかと感じていた。エーカーズ先生は、ホルモン注射で自然には、これ以上、胸が大きくならないと判断したら、次の段階として、手術を行うと言っていた。唯一の問題は、豊胸手術を受ける前に、エーカーズ先生に加えて、マシューソン先生の了解を得る必要があるということだった。と言うのも、私はマシューソン先生の手術を行って欲しいと思っていたから。マシューソン先生は、トレーシーの豊胸手術を行った先生で、是非とも先生にして欲しいと思っていた。トレーシーの胸は、豊胸しているとは、まったく感じられない。私の胸もトレーシーの胸と同じように素敵にして欲しいと思っていた。 エーカーズ先生もマシューソン先生も、同意書にサインすることを了解してくれた。ただ、3つ条件があった。第1の条件は、術後も半年はセラピーを受け続けること。第2の条件は、1年間、ホルモン治療も受け続けること。この2つの条件には、私もまったく問題がなかった。ホルモンについては、マリアがいまだにいくらか取り続けているのを見ていたし、何年も続けていると知っていたので、条件になくとも、摂取は続けるつもりでいた。 第3の条件は、他のに比べて、ずっと同意しがたい条件だった。先生たちは、私に、自分の父親に、どうしようとしているか説明するよう求めたのだった。ただ連絡するだけではダメで、実際に父親に会い、話しをすること。そして、本当に会って説明したか、証明することを求めていた。 先生たちが言うことは正しいと分かっていた。私自身、父に会い、自分がどれだけ彼に傷つけられた思いだったか伝えなければならないと感じていた。だけど、先生たちは、私に、女の子の姿で会いに行くよう求めていた。私も、いずれ、そうするつもりではいたけど、私の頭の中では、例えば、父の臨終のときなどに、その姿を見せようと思っていたのだった。だけど、私が望むものを手に入れるためには、他の選択肢はなかった。すぐに、女の子の姿で父に会いにいかなければならない。 父とは、家を出た日からずっと会っていない。父は東海岸に引越し、計画通り、望んでいた仕事についていた。しかし、依然として、何週間に1回は、会議のためにこちらに飛んできていると語っていた。 ある月曜日、私は、トレーシーに付き添ってもらいながら、受話器を取り、父に電話した。
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