 05_03 男の子もカワイクなれるんだから トミー・ヒルフィガー 紳士服の革命
 05_02 誰にでも、友達仲間の中にひとりだけどこか完全にはフィットしてない友達がいるという経験があると思う。その友達は、いつの間にか友達仲間に加わっていて、どういうわけか、みんな、彼だけを外すことを考えなくなっていたとか。それは自然なことである。人間は変化するものだから。 僕たちの場合は、トビーがそういう友達だった。彼以外の僕たちはみんな普通の男子だったが、トビーだけは……トビーは、「普通の男子」という言い方が決して当てはまらない。彼は普通の男子のように振る舞おうとしていたけれど、僕たちみんな知っていた。毎年、ハロウィンになると、トビーは必ず女の格好になった。……しかも、彼は女として充分通るのである。可愛い顔をしていて、彼自身、それを自覚していた。だけど、ハロウィン以外の時は、彼は普通の男子のように振る舞おうとしていた。それは見せかけだったのか? それとも彼は本当の自分を知らなかったのか? 誰もここまでやるつもりはなかった。僕たちは、最後はこんなふうになるようにと計画したわけではなかった。たいていの男子がそうであるように、僕たちはフットボールに夢中で、スーパーボールは、僕たちにとって最大のイベントだった。みんなで出かけ、ビールを飲んだり、好き放題に食べたり、大騒ぎしていろんなことをする。そして、もちろん、僕たちはいろいろ賭けをした。おカネを賭けるわけではない(僕たちみんな、おカネを賭けるほど金持ちじゃなかったから)。僕たちは、相手チームのジャージを着たりとか、バカなことをすることを賭けにした……そういうバカなことはみんなも分かると思う。 でも、トビーは違った。彼は、自分がフットボールについてたくさん知識を持ってると思っていた。彼は自分のチームが勝つと自信があった。もっと言うと、彼は自信があるあまり、自分が賭けに負けたら、1ヶ月間、僕たちが望むことを何でもすると言ったのだった。そして、もちろん、彼は賭けに負けてしまった。 試合が終わるころには、みんな少し酔っていた。そして誰かがトビーに化粧しろと言ったのだった。自己弁護させてもらえれば、トビーは化粧したら、ほとんど女の子と区別できなかった。サラサラの髪の毛、タイトなタンクトップ、それに優しい顔つき……それもあって、何と言うか、期待しない人がいるだろうか? 彼がアレをしたのはお酒のせいだったのか? 僕たちが彼にアレをさせたのはお酒のせいだったのか? 僕には分からないが、彼は最後には床にひざまずいて、僕たちひとりひとりにフェラをしたのだった。 しかも、最高のフェラチオだった。 これからの1ヶ月、とても楽しくなる予感がする。
 05_01 最近、学生社交クラブの新入りイジメが問題として現実化している。学生が傷害を受けたり、侮辱されたり、さらにもっと悪い事態になったりすることが珍しくない。しかし、最も広くいきわたってる新入りイジメの形態は、性的な性質を帯びたものである。伝統的に、男子学生社交クラブでは、入会希望者に女性の服を着せるなどして侮辱しようとしてきた。しかし、女性的役割をかなり極端に求める驚くべき新しい流行が生じてきている。入会希望者が女性のように踊ることを強制されることもあれば、現会員たちに強制的にフェラチオをさせられる場合もある。さらには、女性として強制的にセックスを求められることもある。通例、そのようなやり方で標的とされる入会希望者はわずかである(最も女性的な容姿の者が狙われるのが一般的だ)。しかし、そのように標的にされた者は、大学在籍期間中ずっと学生社交クラブのセックス玩具同然になるのが典型的である。これは正しいことだろうか? もちろん正しくはない。だが、このことは、ひとつ疑問を提起する。このようなことをさせられる男子たちは、実は、喜んでしているのではないかという疑問である。あるいは、少数のトップクラスの学生を除くと、たいていの男子は、一度このような味を味わった後は、このタイプのセックスを拒めなくなるものであるということの証明になっているのではないか?
 04_09 誕生日おめでとう! しばらくぶりだね、ジョナサン。君の旧友のクレイグだよ。このカード、気に入ったかな? 多分、気に入ってないだろうな。アハハ。お前も、これを見たとき、自分の息子たちだと気づいたと思う。ふたりとも、お前が最後に見たときからちょっと変わってしまったけれどもな。 何が起きたんだと思ってるんじゃないか? 訊いてくれて嬉しいよ。これは、お前が俺を罠にかけたせいで起きたことだ。ああ、俺を警察に売ったのがお前だというのは知ってるよ。俺は国外に逃げなくちゃいけなかった。何もかも、お前が例の計画を黙っていられなかったせいだ。自白する他なかったってか? 5年はそんなに長いくないと思っただろ?だが、今となっては、ずっと長く感じてるだろうな。ムショで夜な夜なレ〇プされて楽しんでるか? ああ、あれは俺からの贈り物だ。連中がお前に何をしてるか、俺には想像しかできないが。ケダモノ連中だし。 俺は急いで国外に行く必要があったが、お前の息子たちを連れ去る時間は設けたぜ。お前の息子たち、俺とお前は友達だと思っていたからな。どうやって、彼らをこんな格好に変えたかって?……まあ、それは教えるつもりはねえよ。 だが、こいつら、なかなかえげつないエロ娘になってるぜ。お前、もう少し躾けて育てるべきだったな。だが、心配するな。俺がふたりの面倒をちゃんと見てやってるから。それと、お前もムショから出たら、姿を消すことだな。お前も同じことをされたいなら別だが。もっとも、お前だと、これほど可愛いメス犬にはならないとは思うが。だが、最近は豊胸手術も進化してしな。まあ、うまくいくと期待してるぜ。 お前の親友より ジョナサンへ
 04_09 「ああ、ジェイムズ先生」 ピートは息を切らせて喘いだ。上下に跳ね動いている。「あたし……うぐっ……分からないの……ああっ!……いいっ!……これって!」 そして、その時、ジェイムズはこの男子の中に射精を開始した。ピートのどん欲なアヌスの中に何ガロンとも思える多量の精液を注ぎ込んだ。ジェイムズのペニスが柔らかくなっても、ピートは動き続けた。彼がもう一回望んでいることは明白だった。 「分からないって、何がだ?」とジェームズが尋ねた。「私がお前に強要したわけじゃないぞ。それにお前もずいぶん楽しんでるだろ?」 「い、いえ、そうじゃないの。え、ええ。楽しんでるわ。でも、これってなんか……」ピートの声は次第に小さくなり、彼はジェイムズから顔をそむけた。「こういうことしたの初めてだったから。それに、あたし、他の人に、シシーとかそんなふうに思われたくないし……」 始まりは突然だった。ピートは成績についてジェイムズ教授と面談していたのだが、次の瞬間、彼は床にひざまずき、教授にフェラチオをしていたのだ。とは言え、どうしてそんなことをしたのか、彼は知っている。落第するなんて選択肢はありえなかったから。だが、こんなことをするとは自分でもほとんど信じられなかった。こういうことをする人間ではない。別に男が好きなわけではないのだ。 だが、ピートがどう言おうが、どう思おうが、それよりはるかに大きな声で彼の行動が物を言っている。何かエクストラな課題を出してほしいとか言えたかもしれない。だが、彼は、女性的な格好をし、女性的な言葉を使いつつ、強くほのめかしたのだった。成績のためなら何でもすると。どんなことでもすると。ピートは自分が何をほのめかしてるか、充分に自覚していた。 「誰もそんなことは思わないだろう。もっと言えば、誰にも知られないはずだ」とジェイムズは言った。 「ああ、ありがとう!」 ピートはほとんど叫び声になっていた。そして、再び、お尻のところで何かがヒクヒク動くのを感じたのだった。「2回戦の準備ができたみたいね!」
 04_08 モデル業はずっと女性が支配する職業であった。確かに、過去には男性モデルもいたが、常に、どこか2番目の地位にあるものとして見られていた。真のスターモデルは女性なのだった。デザイナーたちは自分たちの服のモデルには女性モデルを求めたし、実際、そうなっていた。 だが、不思議なことが起きた。何年かにわたって、女性モデルが少しずつ女性的でなくなってきたのである。始まりは、胸が平らな女性モデルを好む傾向から始まった。そして、その流れは、腰のほっそりした女性を好む傾向へと拡大した。その後、肩幅の広い女性を求めるようになるなど、非女性化が続いたのだった。 男性モデルは、それとは異なる道をたどったように思われる。デザイナーは中性的な男性モデルを求めた。その後、可愛いルックスの若者を求め、その後、とうとう、2020年に、ファッション業界は取り繕うのをやめ、乳房があり、髪が長く、腰も大きく、女性的な表情を備えた男性モデルを使い始めたのだった。 多少時間がかかったが、これまでも常にそうであるように、男性、女性にかかわらず、美を構成する概念は、どのようなルックスのモデルが好まれるかに応じて変化していった。若い男性は、雑誌で見るモデルのようなルックスになりたいと思いながら、成長した。そして、現実に、彼らはそういうルックスになっていった。 どのようにしてそれが可能になったかについては立ち入らない。それを論じるのは科学者の仕事だ。だが、どれだけ私たちが変わったかを知るために、『プレイガール』誌(現在、年間売り上げでは『プレイボーイ』誌をはるかに上回っている)の2034年のプレイメイトである、ケニー・ハリソンの姿を見るとよいだろう。 10年、20年の時間で多くのことが変わることがあるのである。
 04_07 143日目。ちょっと頭が変になり始めてる。サインアップした時、どういうことになるかは分かっていた……少なくとも、分かっていたつもりだった。国のために役立ちたいと思っただけだった。このプログラムに参加すれば、それができると言われた。国に大きな貢献ができると。だけど、鏡を見るたび、自分の決断は正しかったのかと疑ってしまう。彼らが最初に私にアプローチしてきた時、これは何か手の込んだジョークじゃないかと思った。他にどう考えろと言うんだろう? 何と言うか、すごく狂った話に聞こえた。もうちょっと詳しく話すべきかな…… 誰かを潜行捜査のために送り込むというのは別に新しい考えではない。もう何世紀もそんなことは行われている。そして、この国の政府も例外ではない。この国は、すでに、何百もの(多分、何千もの)犯罪組織やテロ組織に潜行させてきた。大半は、比較的容易だった。ある程度の演技能力のある人間を偽の経歴を持たせて送り込む。後はうまくやると。もう少し難しいケースもある。犯罪者かテロリストといった、誰か別の人間になりすますケースだ。難しいが、それなりに成果は大きい。 今の時代、私たちの国にとって最大の脅威はテロリズムだ。問題は、多くの場合、テロリストたちの信頼を得るのが非常に、非常に難しいという点だ。特にテロ集団のリーダーに取り入る場合が難しい。連中は簡単に多くの人を近づけたりはしない。近づけるのは、何度も信頼がおける人間だと行動で証明した、すでに知られた性質をもつ者だけだ。 そこで国の人たちはあるアイデアを思い付いた。女性を送り込むのはどうだろうかと。 確かに、一理ある。女性は男性よりもはるかに容易にテロリストたちに近づける。しかも、コラテラルダメージ( 参考)も少ない。確かに女性だと、気が進まないことをしなくてはならないだろう。だけど……まあ、それが仕事だと言える。人命が掛かっているのだ。適切な人間がいたら、しなくてはいけないことをするのは当り前だ。そういうわけで、このハーレム計画が生まれた。 アラブ世界では、美しい白人女性に対して、異常なほど大きな需要がある。(贈り物や、ぜいたくな暮らしや、法外な報酬の形で)対価をもらう女性もいれば、売り飛ばされる女性もいる。今の時代、認めたくはないが、世界ではいまだ奴隷制度が大きな役割を果たしている。そこで政府は、その需要に付け込むことにした。 まずは、政府は女性を集めることに特化した機関を立ち上げた。信用を作り上げ、紹介者をねつ造した。たった3年で、その機関は、王子からシークや裕福なビジネスマンに至るクライアントから接触を受けるまでになった。もちろん、その政府機関は実際にサービスを提供しなければならない。その機関は、世の中で勝ち組に入りたがっている若いアメリカ人の女の子たちを集めていた。6桁のサラリーのためなら、ほとんどどんなことでもしようと、そのチャンスに飛びついた若い女たちがいかに多くいたか、驚くに値する。 次に、その機関は、彼女たち若い女の子たちの中に特別訓練を受けたエージェントを混ぜて、最も多くの情報が得られそうな場所へと送り込んだ。そのエージェントたちのおかげで、現在までで、600人近くの危険なテロリストや国際犯罪者の逮捕に至っている。そのプログラムは、絶対的な先例のない大成功だった。 だが、それはそこで終わらなかった。そうでなければ、私がここにいる理由がない。 彼らが私に近づいてきたのは、私が陸軍の基礎訓練を開始して1週間に入ったときだった。彼らは私が賢いことを知っていた。だが、それ以上に、私は彼らが求めていた身体的特徴を持っていた。 世界で最も力があり、しかも、捕らえるのが難しいテロリストの中に、非常に特殊な嗜好を持っている者がいた。彼はハーレムに女性は求めていなかった。女性化した男を求めていたのだった。彼は、ありきたりな女装者や異性装者は求めていなかった。彼は、女性的な美しさを持っている者を求めていた……しかも女性化したがらない者を求めていた。 彼は、ハーレムに入れる者を本人の意思に反して女性化し、その心を打ち砕くのが好きだったのである。多分、その人物は、そういうことを通してアメリカの若者を破壊し、意に反してセックスを懇願させるという考えが気に入っていたのだろう。あるいは、少なくとも、そういうことだと機関の人は私に言っていた。 もちろん、その政府関係者は自分ではその仕事をする気はなかった。その仕事を専門的に行う者たちがいた。そしてまんまと術中にハマったのだった。そこに私が加わった。 私は元々体が小さかった。それに……ルックスも可愛いと言える。だからこそ、自分は軍隊に入ったのだと思う。軍に入れば、自分をもっと男らしくしてくれるだろうと思ったのだ。一種、皮肉だと言える。ともあれ、5ヶ月間、集中的にホルモンセラピーと訓練を受け、私は小柄で可愛い存在から、美しくてセクシーな存在に変わっていた。 明日、旅立つ予定になっている。だから、これが日誌の最後になるだろう。どのくらい向こうにいることになるか分からない。何年にもなるだろう。どうして、これをすることに同意したのだろうか? 国のために自分ができることをしたかったからだろう。その気持ちがあったからこそ、ここまでやってこれた。
 04_06 あんた、あたしのこと分かってない。あんたが分かってないことは分かったわ。これは一時的なことだ思ってるだろうけど、これがあたしなの。それを踏まえて対処してよ。 お化粧するのは、お化粧した自分の顔が好きだから。化粧した後の目の表情が好きだから。自分が一番よく見えるようにすることの、どこが悪いのよ? 髪の毛を伸ばしてるけど、ヘアスタイルでいろいろ試すのが好きだから。それって、そんなに悪いこと? 男子のヘアスタイルってすごくつまらない。こっちの方がずっと面白いもの。 別にスポーツも得意じゃないけど、気にならない。あたしは自分の体が好き。この世の中での自分の立ち位置が好き。だから、なんで、体つきを変えるためにジム通いして何時間も無駄にしなくちゃいけないのか、全然分からない。 女の子の服を着るのが好き。男子の服よりずっと可愛いもの。それに体にフィットするし。あんたたちの時代に戻るのはイヤ。あたしがパンティを履いたりブラをつけても、別に変じゃないわ。あたしがスカートを履いたり、タイトなベビードールのTシャツを着たり、ぴちぴちのジーンズを履いても、別に変じゃないもの。 これがありのままのあたしなの。あたしを受け入れるか拒絶するかのどっちかにしてよ。どっちにせよ、あたしは、あんたが男はこうあるべきって鋳型にハマる気はないから。それを踏まえて、対処してよ。
 04_05 「ヤダ! どこでそれ見つけたの?!」 とトビーは叫んだ。 彼の父が答えた。「お前の部屋でだよ。学校から持ち帰ったお前の持ち物の中にあった。お前に荷解きに取り掛かってもらおうと思ってたんだが……」 「あたしの物を勝手に調べる権利はパパにはないわ!」 「問題はそこじゃない。困ったことがたくさんあると思ってるんだよ。まずはその服。それに、これだ……それから、裸の男が満載の怪しい雑誌も何冊かあった。……それにその化粧。ネイルも……」 「説明するわ! あ、あたし、ガールフレンドと一緒に住んでるの。それ全部、彼女の持ち物よ。あたしと彼女の箱がごっちゃになってしまったんだわ」 「うーむ。一応、説明はつくみたいだな。でも、ちょっと思うんだが、お前、ひょっとして、シシーかなんかになってるんじゃないのか?」 と彼の父は微笑んだ。 「ええ? それってバカみたい。あたしがシシーって? まるで、本当みたいな言い方だわよ」
 04_04 なるべき男になりなさい。 シシーでも誇りをもって
 04_03 アレンとアレクシスは典型的な双子ではない。もちろん、顔は似ている(もっとも、瓜二つというより兄妹に近いが)。だが、それを除くと、ふたりは赤の他人同士と同じくらい違うと言ってよい。実際、ふたりはあまり仲良くないとも言える。 だが、ふたりとも楽しんでることがひとつだけある。それは、弱い男の子を支配すること。いつも同じ流れだ。アレクシスが誰か哀れな女っぽい男の子を引っかける。そして、徐々に時間をかけて、その男の子を女性化していく。その後、アレンが登場し、アレクシスのしたことをいっそう強化するいう話だ。 そうなったら、そのシシーがふたりの間に挟まり、バージンのアヌスをアレンに犯され、同時にアレクシスの女陰を舐めるようになるまで、あっという間だ。 完全ではないが、兄妹は協力し合うものなのだろう。
 04_02 ビリーは事実上スーパーヒーローである。いや、事実上ではない。あらゆる意味で彼はスーパーヒーローだ。だが、マントを羽織ってるわけではないし、特別のコスチュームがあるわけではない。そのまんまの彼である。だが、恐ろしい不思議な出来事があっただけ。その出来事で、悪に立ち向かうのが彼の仕事となった。いや、仕事ではなく生まれながらの役目と言ってもよい。彼こそはスレイヤーなのである。驚くべき人間を超えた力と敏捷性と器用さ。それが彼の天賦の才能。だが、これら才能には代償も伴った。 説明すべきだろう。どの世代にも、ひとりだけ選ばれた者が現れる。その選ばれた者は、バンパイヤや悪魔や闇の勢力に、たったひとりで立ち向かわなければならない。彼女こそが唯一無二のスレイヤーなのである。 私の説明で彼女と言ったことに注意してほしい。スレイヤーは必ず女でなければならないのだ。この一つについては例外はない。少なくとも、ビリーが登場するまでは例外がなかった。私は彼のウォッチャーである。私は彼の旅を導くために送り込まれた。 ある種の間違いはあるものだと知っている。男の子のスレイヤー? そんなものありえない。だが、これまで何度となく、ビリーは、その戦いを通して、彼こそが真のスレイヤーであると証明してきた。だが、副作用もあった。 分かると思う。18歳の誕生日をすぎると、ビリーは変化してきたのだった。もともと大柄な男子ではなかった。だが、彼の体つきは……彼の体は間違いなく女性的になってきている。だが、最も悩ましい点は、彼がそのことを全然気にしていないように見える点である。ゆっくりとではあるが、より女性的な服装を好むようになっており、今や、常時、パンティを履き、ブラジャーをつけている。 この宇宙は、間違いに気づき、それを直そうとしているのだろうか? それとも、悪魔が彼に呪いをかけたのだろうか? 私はどうしてよいか分からないでいる。歴代のウォッチャーで、このような状況に直面した者はひとりもいない。だが、すぐに何か手を打たなければならないことは知っている。私は、ビリーが男性を見るときの、どんな目つきをしているか気づいているのだ。より重要なこととして、男たちが彼を見る目つきにも気になる。私たちは、ビリーに使命に集中してほしい。気を散らせてはいけないのだ。
 04_01 ボクシングには、長い誇るべき歴史がある。ボクシングは、ムハマド・アリやジョー・フレイザー、そして「シュガー」レイ・レオナルドといった偉大な選手を生んできた。だが、2000年代に入り、ボクシングの人気は下降線をたどり始めた。真のファイターがいなくなったせいだと言う人もいれば、新手の格闘技が登場してきたせいだと言う人もいる。理由が何であれ、2015年までには、ボクシングは絶滅の危機に瀕していた。そんな時、メリッサ・マクアダムズという救世主が現れたのである。 「呼びたければ、あたしたちのスポーツをシシー・スポーツと呼んでいいわよ。別に気にしないから。いや、気にするわね。あたしたち、真剣なのよ。これから新しい方向へと進むつもりなの。あたしたち、エンタテイメント第一、競技第二でいくつもり」これが彼女の有名な言葉である。この発言の後、新たな歴史が始まったと言われている。 筋肉隆々の、男性的な選手は姿を消した。その代わりに、細身の両性的な男の子たちが登場した。そして彼らは、(ビキニパンツとピンク色のグラブだけの)ほぼ全裸状態で「戦った」。もちろん、彼らが本気で戦っていないことは誰もが知っていた。彼らは演じているのだと。だが、人々がどうして夢中になったかについては幻想はない。人々は大挙をなして夢中になったのである。チャンピオン決定戦がテレビ視聴率の記録を破り、人々は本格的に注意を向けたのだった。 時が経つにつれ、試合をする男の子たちはどんどん女性的になっていった。この写真は、2025年のSBL(Sissy Boxing League)チャンピオンであるティミー・ナブ・サイモンである。 だが、シシー・ボクシングの射程は何もエンタテイメントに限られてはいない。その人気は、一般的な男性の服装、行動様式、および、理想的な男性を構成する認識をも変えたのだった。そのような変化がたった10年の期間で起きることがあるとしたら、続く数年のうちに何が起きるか、考えてみるのも良いだろう。
 03_09 ハリーはずっと前から俳優になりたいと思っていた。映画を観て育ち、すでに幼い頃に、自分は銀幕に映りたいのだと自覚していた。だから、多くの初心な若い男女がそうであるように、彼は18歳になるとすぐに、バッグに荷物を詰め、ロスアンゼルスへと旅立った。 そして、そんな多くの初心な若い男女がそうであるように、彼はすぐに、俳優になることは想像していたよりもずっと、ずっと難しいものだと気づくのだった。演劇の才能のある者ですら、何かブレークが必要なのである。だがハリーには、その肝心のブレークがやってこなかった。すでに何ヶ月も経っていたが、何も起きない。 もう荷物をまとめて故郷に帰ろうとしていた時だった。ひとりの男が彼にあるチャンスを持ち掛けたのである。その男は正直にハリーに言った。その映画はポルノだったのである。ハリーは2日間、どうしようかと葛藤したが、結局は、妥協することにしたのだった。俳優になるためにはどんなことでもすると。この役は一時的なものだ。映画の世界に入るための一歩に過ぎないのだと。 だが、撮影現場に行くと、その映画が想像していたタイプのポルノとは違うことに気づいた。後で分かったことだが、ポルノで人気があるのは、可愛い、合法的な年齢に達したばかりの若い女の子ばかりではないのである。可愛い、合法的な年齢に達したばかりの若い女性的な男の子も、同じくらい人気があるのであった。……そして、そんな若い男子は女の子と同じタイプの「役」を演じるよう期待されているのである。 それから2年。ハリーはこの業界で最も人気があるポルノスターのひとりになっている。これは、大きくなる時に想像していた仕事ではないが、少なくとも、演技はできるようになっている。例えば、この写真のシーン。彼は女性相手のこのシーンで、心から喜んでいるように見える。だが彼は男優相手の方が嬉しいと思っているのが事実なのである。
 03_08 私は彼らのプレーを見るのが実に楽しい。彼らは、このような行為で快感を得たいと思ってるのだろう。女の姿をしてる相手にペニスを舐めさせて気持ちよくなろうと。確かに、その気持ちは分かる。だが、実際は、彼らはこのような行為では、まったく満足を得られていないのである。現時点では、彼らが性的な喜びを感じられるのは、アナルセックスをされた時だけなのだ。だが、彼らは依然として男でありたいと思っているのだ。 彼らが必死で懇願してくるまで、私は彼らを犯してあげないことにしている。それが彼らに対する懲罰である。では、彼らはどんな罪を犯したのか? アメリカの帝国主義? 傲慢さ? 関係のない地域へ顔を突っ込む行為? ああ、そのすべてが彼らの罪だ。 億万長者で良心の呵責を感じなければ、どんなことでも成し遂げることができるものだ。アメリカという国は必要なのかもしれないが、私は、一度にひとり、旅行客をさらっては、欲求不満を晴らしている。 2年ほど遊んだら、彼らをアメリカに返すつもりだ。彼らの家族に、彼らアメリカ男性がいかに簡単に操作されるかを見せてやろうと思ってる。
 03_07 私は彼と一緒でいたかった。彼と出会った瞬間から彼を愛していた。ひとめぼれだったのか? 多分そう。でも、彼は私にはあまりにも合わない。私はそれを知っていたし、彼も知っていた。 私たちは友達同士でいようとした。でも、ふたりとも相手の気持ちを知っていた。ふたりとも愛し合っている。たとえ、それを認めることができないとしても。一体、何が問題だったのか? その答えは、私がレズビアンだということ。私は性的には女性にしか惹かれない。生まれつきそうだったのか、成長過程で私の中に組み込まれてしまったのか? 生まれか育ちかの議論に入るつもりはない。ともあれ、私はレズビアン。それでおしまい。それが私。 だから、何が問題だったか分かると思う。私は男性とは一緒になれない。私はそういうふうにできていない。でも、魂の点では、彼が私にとって一番の人だった。今ならそれが分かっている。彼のために、自分を変えたいと思った。単にスイッチを切り替えて、別の人間になれたらいいのにと思った。でも、できなかった。 ほぼ2年間、互いに思っていないフリを続けた後、とうとう、私たちは気持ちを打ち明け、愛し合うことにした。その時は、簡単だと思った。私が、自分はストレートな女だと言い、彼とやってしまえばいいと。私の方では彼に愛情を持っていたのだから、簡単にできると。 でも、そういうふうにはいかないもの。そうよね? 自分は、もっと柔らかな体の人、もっと女性的な人に抱かれたいのだと気づいた。私は女の人が欲しいのだと。私は彼にそのことを告げた。すると、驚いたことに、彼は、もし私が相手が女の人でないとダメなら、彼の方が女性になったらどうだろうと言ったのだ。そんなことはやめてと彼を説得しようとした。でも……彼は強情だった。 2年近くかかったけれど、彼はとうとう私のために変身してくれた。確かにペニスは残っているけど、それを除くと、すべてすごく女性的になっていて、ペニスの存在は問題ではなくなっていた。そして、彼とのセックス……もう夢のよう。彼も心から楽しんでくれた。一度も彼のペニスに触れてもいないのに、すごく感じてくれていた。時間が経つにつれて、私と彼との関係では、彼の方が女性となるのがはっきりしてきた。私がストラップオンで彼にエッチすることの方が多くなっている。 しばらくは、何もかも素晴らしかった。ふたりとも幸せだった。あの時までは。 その日、家に帰り、部屋に入ると、彼は知らない男性の上に乗っていたのだった。もちろん、私は激怒した。でも、すぐに私は悟ったのだった。彼をこうしたのは自分だと。私は彼に女性になってほしかったのだ。そして、その通りになったのだと。ただ、予想していなかったことは、彼が私と違って、レズビアンではなかったということ。
 03_06 トミー・チャンはソニーをにらみながら、彼のペニスを舐め続けた。彼はかつてはひとかどの人間だった。男だった。だが今は……今は、おしゃぶり好きのありきたりな淫乱にすぎない。 トミーはかつて中国で最も強力な三合会( 参考)のひとつを仕切っていた首領だった……それが、こんな姿に成り下がってしまった。今は暴力団のセックス玩具となっている。逃れることはできない。運命に屈服する他、道はない。 その取引は最初からよくなかった。トミーはそれを知っていた。だが、当時、彼はあまりに自信に溢れていたのである。一体、彼を叩き潰せる者などどこにいようか? それに、たとえ、そういうことがあったとしても、彼は死を恐れていなかった。そして、彼は、その取引を進めたのであった…… おかしかった……トミーは取引の詳細すら思い出せない。普通の麻薬取引だった。そんなことは何百回も経験していたトミーだった。だが、彼は別の暴力団を裏切ろうとしたのであった。そして……まあ、結果として、それはうまくいかなかったと。 トミーの組織と相手の組織は抗争状態に入った。トミーの団員たちは、ひとりひとり、殺されていき、とうとう、トミーだけになってしまった。その時、ソニーが言ったのである。「コイツを見てみろよ……案外、可愛いじゃねえか。見ようによっては、エロ女みたいに見えるぞ。みんなでこいつを犯してやろうぜ」 そして、彼らはトミーをレ〇プしたのだった。 最初は痛かった。だが、しばらくすると、トミーは自分でも知らぬうちに快感の喘ぎ声をあげていたのである。その後は、彼にとってすべて終わったと言える。彼らはトミーを殺さなかった。そして、彼らにシシーのセックス・スレイブにされても、彼は逃げようとすらしなかった。 犯罪は割に合うのか? それは、その人の見方によると言える。
 03_05 「お、お前なのか?」とハーマンが問いかけた。「どういうことだ? 私には……理解できない」 イアンは豊かな胸を隠し、答えた。「パパ、ちょっと複雑な話なんだ」 呆然としたままのハーマンを見て、イアンは続けた。「ちょっと。後ろを向いて。何か着るから。そしたら、全部話すよ」 ハーマンは息子の言うとおりにした。 「もう、いいよ……」 ハーマンは向き直り、タイトなタンクトップとパンティだけの姿の息子を見た。「ボク、フットボール部の男子学生たちと知り合ったんだ……どんなタイプの学生か、分かるよね? あの人たちは、事実上、キャンパスでは王様なんだよ。確かに、フットボールのプレーはすごい。で、数学や科学は? まあ、あまりできないわけ。そこで大学は、成績が優秀だったボクをチューターとして雇い、その学生たちに教えるようにさせたんだ」 「最初は、全然、無邪気なからかいだった。みんなボクを高校の時と同じように扱ったよ……つまり、スポーツがまるでダメなガリ勉としてね。でも、彼らもボクの指導が必要だったわけで、ボクの指導を我慢して受けていた。そして、ある日、彼らの寮の部屋に行ったら、彼らがいたんだ。ひとりは丸裸だった。もうひとりはブリーフだけの格好。多分、ボクはじっと見つめてしまっていたんだと思う。というのも、気づいたら、ふたりとも笑って、ボクのことをシシーだってからかっていたから」 「それから2日くらいしたら、ボクに対するからかいが、少し違ったものに形を変えてきたんだよ。……しつこいくらいに、俺たちのちんぽをしゃぶりたいんじぇねえのかって訊くんだ。それはジョークだった。毎回、そう言っては大笑いしていたから。でも……何と言うか……ボクはそうしたいと思ったんだよ。どうしてそんなことを思ったか、自分でも分からない。あんなタイプの男の人を見たことがなかったのは確かなんだけど、でも……すごく逞しくって……。フットボールの選手なわけで……。2週間くらいそんな状態が続いていて、彼らがまた同じことを言ってからかってきた時、ボクは思わず、ヤリタイって叫んでしまったんだよ」 「みんな、最初、びっくりしてた。でも、みんなが一斉にペニスを引っ張り出すまで、そんなに時間はかからなかった。そして、その時の初めてのフェラチオの後、すべてが変わってしまった。みんな、ボクにどんな服を着るべきか、どんなふうに振る舞うべきかを指示し始めた。そして1ヶ月もしたら、ボクはいつもパンティを履いて、女の子の服装をするようになっていた。さらにもう1ヶ月した時には、ホルモンを摂り始めていたんだ……」 「そして、その結果が、今のボクなんだよ」
 03_43 ラリーは仕事が欲しかった。彼は、これが経済と言うものだと自分に言い聞かせた。何か経験を積んでおけば仕事を得るのが簡単になるだろうと思った。だが、事実はというと、彼は、たいていの人が従業員として求めるイメージには合わなかったということだ。彼は、充分、ルックスは良い(ハンサムと言うより可愛いと言った方が良い)。だが、背が小さく女性的だった。 そんな時、彼の友達の友達が彼に仕事を紹介してきた……清掃員の仕事だった。それはラリーが夢に描いていた仕事ではなかったが、給与は素晴らしかった。仕事の初日、職場に出向くと、どうしてペイが良いか、理由が分かった。清掃とは言え、可愛く、半裸に近い服装をした女性をメイドとして雇う会社だったのである。ラリーは即座に帰りたいと思った。そうすべきだったのだろう。だが、彼は与えられた制服(とウイッグ)を身に着け、初日の仕事に向かったのだった。 その2年後。彼はまだメイドをしている(ほかにもちょっとエクストラな仕事も。「特別サービス」で彼を呼ぶこともできる)。食べていくためにはこれも仕方ない。
 03_42 トニーは最高の時が過ごせると思ってた。今日はハネムーンだった。だけど、どうしても我慢できなかった。新婦の彼女がスパーに行ってる間、彼は彼女のドレスを着てみたいと思ったのだった。ヒールを履き、持ってきたウイッグを被り、パンティを履こうとした時だった。彼女が帰って来たのである。その結果、生じた口論は熾烈だったが、あっという間に終わった。結果、彼はヒールとウイッグだけの姿でホテルの部屋から追い出されてしまったのだった。 もう、この結婚は破局に至ったのだろうか? それとも、新しい夫婦関係が見えてくるのだろうか? トニーには分からない。
 03_41 「何これ!……」部屋に入ったメイシイが言った。「サムなの?」 サムの顔に浮かんでいた笑みは、瞬時に消え去った。「ぼ、ボクは……」彼は体を隠そうとした。 「どういうことなの? なんで、そんな格好をしてるの? おへそにピアスなんかしてたの?」 メイシイは矢継ぎ早に問いかけた。 「き、君が女子高生の妄想があるって言ったから。君を驚かせようと思って……」サムは泣きそうになっていた。「ボク、可愛いと思わない?」 「もしあたしが女子高生になったらって言ったけど……」その時メイシイは彼氏の目に涙が浮かんでるのを見た。「もちろん、あなた、可愛いわよ。ちょっとびっくりしたって、それだけよ」 確かに彼女は驚いていた。自分の彼氏がシシーだなんて思ってなかったのだから。
 03_40 こんなことがあなたのシシーには起きないように シシーには、普通のペニスサイズについて非常に歪んだ感毛を持っている者が多い。自分のペニスが普通のサイズであると思い、本物のペニスを見てパニックを起こすケースが頻繁に起きている。 だが、そういう事態は簡単に対処できる。できるだけ頻繁に、本物のペニスを見せることだ。自分たちのペニスは本当のペニスではないことを分からせることだ。 恐怖におののくシシーなど、誰も欲していない。すべきことをすること。それが大切なのだ。
 03_04 友達ができたと聞いたとき、ああ良かったと思った。ゲイリーは高校まで、学校の中の人気の点では芳しくなかったから。それはゲイリーが悪いというわけではない。高校生というのは、息子みたいな男子にはえげつなく振る舞うものなのだ。息子は隠そうとした。普通の男子と同じでいようとした。だが、私が見る限り、それはうまくいっていなかったと思う。小柄で、女性的で、恥かしがり屋なわけで、他の男子とうまく合うわけがなかった。 大学に行ったら、少しはそんな状態から脱皮できるだろうと期待していた。実際、脱皮はできたのだろうと思う。ただ、それは私が思っていた形でではなかった。 息子のスマホでこの写真を見つけた。……この写真、息子が誰か男に送った写真だった。ここに映ってる女の子たちが誰か、私には分からない。それに、息子がいつ髪の毛を伸ばし始めたのかも知らない。 この女の子たちが息子をまったく性的な目で見ていないことは分かる。息子が彼女たちの仲間になっていることは明らかだ。 息子はシシーなのだ。私はその事実を受け入れたほうがよさそうだ。
 03_39 お父さん。ボクは大学でたくさんお友達ができたよ。お父さんが、ボクがこの大学に行くのは反対だったのは知っている。でも、うちの家計からすれば他に行ける大学がなかったのも知ってるよね。伝統的に黒人専用だった大学も、最近は、白人学生に奨学金を出して、学生の多様化を図っているんだよ。ボクはラッキーだったかも。全国的に有名だった大学にタダで入れたんだから。 しかも、学生社交クラブにも受け入れられたんだよ! 2ヶ月間、入会のためのイジメを受けたけど、とうとうやったんだ(普通はもっと長いんだよ)。確かに変なことをさせられたけど、ボクが正規のブラザーになるまであっという間だったよ。 とにかく、社交クラブへの入会の試練をちゃんと受けたのかって信じてもらえないかもしれないから、写真を添付するね。四つん這いになっているのがボク(すごく面白い遊びをしてたんだよ)。そして、脇に立っているのが、試練を監督してるジャマーカス。すごく楽しかったよ!
 03_38 左「これで分かったでしょ? どうしてあたしがあなたのアレをキュートって言ってたか。勃起して7センチ。そうとしか言えないわよ……少なくとも、本物のおちんちんを見たら、分かるわよね?」 右「あ、あたし……こんなに大きくなるなんて知らなかった。これってすごく……触ってもいいのかしら?」 ビクターは他に何と言ってよいか分からなかった。本心から、触ってみたいと思った。両手で包んで、固くなるのを感じてみたかった。床に正座して、口を開き、味わってみたかった。だが、それよりなにより、この男性に強引にテーブルにうつ伏せに倒され、妻の見ている前で無茶苦茶に犯されたいと思った。 多分、これはすべて彼の妻が計画したことなのだろう。彼の妻は最初から彼がシシーであることを知っていたのだろう。多分、それゆえ、彼女は彼に化粧をするように仕向け、一緒にヘアサロンに行くよう誘ったのだろう。あるいは、ひょっとすると、それゆえ、彼女は(まだ1年前にもなっていないが)ハネムーンの時から毎晩ストラップオンをつけて彼のアヌスを犯し続けてきたのかもしれない。 最初から彼女の思った通りになっていたのだろう。そうでないなら、どうして彼女がこの男性を家に連れてきたのか説明がつかない。 だが、ビクターのそんな疑問や心配も、生まれて初めてペニスを口に含んだ瞬間、頭の中から消えていた。その後、彼は永遠にシシーとなったのだった。
 03_37 トミーは髪を伸ばすことに同意した。化粧も始めた。舌にピアスをすることまでもした。すべて、この議員の求めに応じてであった。なんだかんだ言っても、インターンの身である。このような権力の持ち主を怒らせることは、キャリア上、自殺することに等しい。だから彼は求められたことに応じた。 彼もバカではない。議員が彼をじろじろ見てるのを知っていた。この議員は可愛いシシーをそばにはべらせるのが好きなのである。とはいえ、これはトミーにとって素晴らしいチャンスだった。このようなインターンのチャンスを死ぬほど求めている人は多い。 そんなある夜のこと。トミーがオフィスで書類仕事をしていた時、例の議員が入ってきた。彼は何も言わず、トミーの前に立ち、ズボンのチャックを降ろし、見たことがないほど大きなペニスを引っ張り出した。トミーはびっくりして息を飲んだ。 そして、その瞬間、トミーは悟ったのだった。自分はお飾りのためにここにいるのではない。インターンシップの期間中、自分はこの議員のセックス玩具になるのだと。 トミーは生唾を飲み、口を開き、キャリアを積むために仕事を始めた。
 03_36 最近、夜の街に遊びに出かける身支度をするのに、ガールフレンドより時間をかける男性が珍しくなくなっている。そういう男性がソング・パンティを履き、髪を伸ばし、化粧をし、体毛を剃ることも珍しくない。 これこそ、私が男女平等と呼ぶものである。
 03_35 カルバンクライン 紳士服をもっとしなやかに
 03_34 私は男ではない。女でもない。私はシシー。それを自慢に思っている。自分が何者かを隠さないこと。美があれば世界に叫べる。「これが私。私をちゃんと扱え」と。
 03_33 この中にひとりだけ違う人がいます。
≪前ページ | HOME |
次ページ≫
|