 03_32 シシー男子高校生 ストレートな男性に何十年にもわたって自分のセクシュアリティに疑問を抱かせる存在。
 03_31 マリオはいたずらっ子だった。人にトリックをかけるのが大好き。でも、大きくなるにつれて、彼は単なるトリックに興味を失った。楽しくなくなったということではない。そうではなくて、あまりに簡単すぎてスリルがなくなったのである。そんな時、彼はインターネットであちこち見ながら(そしてセクシーな女の子たちの写真を見ながら)、究極のトリックをしようと思いついたのだった。……自分の写真を撮って、女の子として投稿するというトリック。 でも、マリオは何事も中途半端にはしない性質である。全力を尽くす。彼は全身の体毛を剃り、ダイエットとエアロビを始めた。説得力のある姿にならなければならない。そうでなければ、ちゃんとしたトリックとは言えない。6ヶ月後、彼は満足できる状態に達した。何枚か写真を撮った(たいていは、パンティだけを履いたお尻の写真)。彼は正体がバレるものは何も写らないよう注意を払った。 思った通り、大ヒットした。誰も彼を男とは思わなかった。もちろん、その反響を受けて、彼はいっそう女性化に拍車をかけた。病みつきになったと言ってもよい。人の注意を惹くことがたまらなく気持ちよかった。 今の彼がこれである。ほぼ1年後の彼。だが、彼はいまだ秘密を公表していない。
 03_30 ボクたちは18歳で結婚した。高校を出てすぐに。でも、これはよくあること。結婚に飛びつく若者は多い。その点で、ボクたちは普通だ。でも、ボクたちと他のカップルの類似点は、その点まで。 ボクは元々、男性的な男ではなかった。そして、その点こそが、スーザンがボクを好きになった点だった。彼女はボクにできるだけ女性的になるよう勧めてくれた。そして、ボクもそう言ってくれる彼女が大好きだった。結婚式の時、ボクも彼女もふたりともウエディング・ドレスを着た。ボクたちのことを知らない人が、ボクたちをみたら、どっちが本当の女性か分からないだろう。ボクはそれを自慢に思っている。 新婚初夜、ボクたちはふたりのベッドに男性をひとり招き入れた。あの夜が、ボクが生まれて初めてアヌスを貫かれた初めての夜だった。でも、もちろん、その夜が、それを味わう最後の夜にはならなかった。 そんなふうにボクたちは生きている。何度も男性を交えて3人でプレーする。典型的な夫婦でないかもしれないけれど、ボクたちにはこれでうまくいっている。 ところで、この写真を見て、ボクたちに何か文句を言える?
 03_03 ジョーイは何と言ってよいか分からなかった。彼は予定より早く家に帰ったのだった……早くも彼はそれを後悔している。玄関ドアを入ったところで、彼は、何も言えず突っ立っていた。目の前に展開する光景を理解しようとして。 ここにいるのは、ジョーイの人生でも最も大切なふたり。ガールフレンドのバネッサと、ルームメイトのトニーである。……そのふたりが素っ裸でいる。バネッサは階段に座って、小さなピンク色のバイブをトニーのアヌスに入れている。 この人がトニーだとジョーイは分かってる。親友の面影が見えている。……でも、知ってるトニーとはあまりに違っていた。ジョーイが離れていたのはたった半年。なのに……なんてことだ! トニーの髪は長くなっていた。化粧をしているし、体毛はすっかり消えていた。どう見ても女の子にしか見えない……脚の間の小さなモノを除いては。 ガールフレンドが浮気をしていた。それだったならジョーイも対処できただろう。愉快なことではないけれど、何とか対処できたと思う。相手が自分の一番の親友だからとやり過ごすことができたかもしれない。 でも、ここにいるふたりは、どう見ても、レズビアンのカップルにしか見えなかった。「いったいどういうこと?」 丸々1分も沈黙を続けた後、ジョーイはようやく呟くことができた。 トニーが彼の方を振り返った。少し顔を赤らめ、にっこりと微笑んだ。バネッサも笑顔になった。 「ねえ、一緒にしない?」 と彼女は言った。
 03_29 どうしてよいか分からない。この手の状況のために参考にできる本が出てるとは思えない。というか、ボクは自分はゲイではないと思ってる。ただ、彼がすごく……すごく可愛いく見えると、それだけなんだ。それに、彼が下着姿で部屋を歩き回る様子も……。 ボクの義理の弟は、ずっと前からこんな感じだったわけではない。かつては普通の男だった。分かってるよ、普通ではなかったかもしれない。でも、分かると思うけど、彼は男だったんだ。それが今は……ボクが知ってるたいていの女の子よりも可愛い。そして、彼もそれを自覚してると思う。ボクが彼をじっと見つめてるところを何回か見つかってる。どうしても見つめてしまうんだ。でも、そうならない人っていないと思うけど。 このことは、誰にも言えない。何て言えばいいんだ? 本当に、どうしてよいか分からない。
 03_28 ボクはシシーではない。男が好きなわけでもない。本当に。ただ……何と言うか、事は、思い通りに進まないものだということ。簡単に済むはずのことだったのに。……たった2日ほどちょっとスイッチするだけのことだったのに。でも、実際には、そう簡単には進まなかったのだった。 ボクと姉は双子だ。事実上、瓜二つと言っていい。確かにボクは髪を短くしてるし、ジェンダーも異なる。だけど、それを除くと、ボクたちはそっくりに見える。だけど、似ているところはそこまでだ。ボクがずっと前から物静かで控えめなのに対して、姉は非常に社交的だ。それに、勉強ではボクは子供の頃からずっと優秀だけど、姉は勉強ができなくて苦しんでいるのは秘密でも何でもない。そして、そこが問題だった。 姉はチアリーダーの奨学金を得ていた。でも、奨学金は一定レベルの学業成績を収めていることが条件となっていた。さっきも言ったように、姉は勉強は全然得意じゃない。手短に話すと、姉は単位を2つ落としそうになっていて、ボクのところに助けを求めてきたのだった。ボクは勉強を教えようとしたけど、姉は全然理解できない。どうしたらよいか分からなかった。姉は、落第したら奨学金を失うことになってしまう。 その時、姉はあることを思いついたのだった。姉の代わりにボクがテストを受けたらどうだろうと。ちょっと化粧をしてウイッグを被ったら、誰も違いに気づかないだろうと。ボクは、しぶしぶ求めに応じた。 テストは計画通りに進み、ボクはこれで合格だろうと思った。だけど、その時、姉のボーイフレンドが教室を出るボクを見かけたのだった。どうしたらいいだろうと思った。その場で、ボクが誰であるかを彼に言うわけにはいかなかった。それを誰かに聞かれたら、どうなるか分からない。そこでボクは彼に体を触られるがまま、彼に合わせることにしたのだった。 その後、どうなったのかよく覚えていない。でも、気づいたときには、ボクたちは彼の寮の部屋でふたりっきりになっていた。そして、ボクは床に正座し、彼のペニスをしゃぶっていた。裸にされていた。だから、彼はボクが姉でないことを知っていた。だけど、彼もボクもそのことについては何も言わなかった。 さっきも言った通り、事は思い通りに進まないことがあるものだ。
 03_27 自分がしたことを自慢に思ってるかって? んなわけないでしょ。でも、これはやらなくちゃいけなかったの。あの子はあんなダメ人間になってたから。毎日、自分があの子の実の母じゃないって思い知らされたわ。毎日、あの子は辛辣な言葉をあたしに投げつけた。毎日、言葉でビンタを食らっていたようなもの。なんとかしなきゃと思ったのよ。 でも、あなたのせいで、できることはほとんどなかった。あなたの会社が中東で仕事を拡大しようとしてて、あなたはその指揮をするために1年間、息子とあたしのふたりだけで暮らせということでしょう? 一緒に中東に行くのは危険だからと。あたしが10代の扱いずらい息子の面倒を見ろと。ましてや、その息子はあたしのことを受け入れていないのにね。息子があたしのことを邪悪な義母と見てるなんて忘れちゃってさ。だけど、何とかしないと。こうなったのもあなたのせいなんだけど、仕方ないわよ。 何とかしてあなたの息子とつながる方法を見つけなくちゃいけなかった。彼はあたしのことをすごく憎んでいる。他の男の子たちとは違う。それはあなたでも分かってるわよね。彼はちょっと女性的なの。みんな、彼はゲイかもしれないと思ってた。そして、あたしたちの推測は正しかったと分かった。そこであたしは計画を練ったわ。庭師が裸でいるところを彼がたまたま見かけるように仕組んだわけ。まあ、その後は、彼はもともとの本性に従って進んだわけだけど。あなたの息子のようなシシーが、見るからに逞しい男性の裸を直面したわけでしょ? 彼、何分もしないうちに庭師の前にひざまずいていたわ。美味しそうにべろべろしてた。そこにあたしが現れて、たまたま「目撃」しちゃったと。……そして、仲間に加わったと……。 その後は完成まであと一歩ね。あたしとあなたの息子は、事実上、姉妹と同じになっていた。今は、しょっちゅう、彼と男を共有しているわ(あたしが浮気してること怒らないでね。ていうか、あなたも中東に行く前から知ってたでしょ、それは)。 あたしがしたことが正しかったか間違いだったか、あたしには分からない。でも、彼が前より幸せなのは確かよ。それは考えに入れておくべきことじゃない?
 03_25 かつて彼はちんけなイジメ野郎だった。いや、普通の意味で言ってるのではない。あんな小さな体で? あんな体であいつが肉体的に誰かをイジメるなどありえないだろう。 彼はハッカーだった。個人情報の泥棒。しかも彼はその能力に優れていた。何百人もの人々が汗水流して稼いだ貯蓄をこっそりかすめ取っていた。にもかかわらず、彼は捕まらなかった……国には。 どんなケースでもそうだが、いかに能力が優れていようとも、いかにうまく逃げ道を隠しても、どこか、誰かが見つけてしまうものなのである。そして、私は2百万ドル近く失った後、このギャレットを見つけ出すことを人生の仕事に決めたのだった。 彼を見つけたとき、彼が18歳そこそこなのを知って私は驚いた。ちょっとした天才なのだろうと思った。ともあれ、彼は小柄で、やせっぽちで、全然、人を脅かすような雰囲気がない人間だった。身を隠す信頼がおけるコンピュータがなければ、彼は単なるやせっぽちの子供にすぎなかった。 最初、私は彼を警察に受け渡すつもりでいた。本当にそう思っていた。だが、そうはしなかった。できなかったと言ってもよい。こんなルックスの若い子を刑務所に送ったら、恐らく最後には刑務所から死体で出てくることになるだろう。確かに彼は大変な犯罪を犯したが、それほどの仕打ちを受けるほどのことはしていない。とは言え、彼は処罰を受ける必要はあった。そういうわけで、私が彼の身元を引き受けることにしたのだった。特に何かを考えていたわけではない。単に、彼の頭部をぶん殴り、気を失ったのを見て、車のトランクに入れ、運び去っただけだ。自分がしたことを理解したのは、それから何時間も経ってからだった。誘拐は、厳しい処罰を受ける。私はパニックになった。いったいこれからどうしたらいいのだろう? それから3時間もしてからだろうか、ようやくあることを思いついたのだった。あまりにもありえない状況を作り上げたら、誰も彼のことを信じなくなるのではないかと。 計画は単純だった。彼を女性化する。本人の意思もないのにそれを行うことなんてありえない。そう思い込むのが普通の人だ。そこで私は彼を車のトランクから出し、自分の家に連れ込んだ。そして、彼に2つの選択肢を説明した。女性化に従うか、さもなければ、牢獄に行くか。刑務所に行けば、確実にレ〇プされ、どのみち、女のように扱われるだろうと。選ぶのは自由だと。彼は恐怖のあまり、私自身も誘拐の罪で刑務所に入れられる可能性を考えもしなかったようだ。 2時間ほど考え続けた後、彼は同意した。 どのようにして彼を女性化したか、その方法は説明しない。だが、この姿が1年ちょっとした後の彼である。彼はほぼ8ヶ月近くコンピュータに触れていない。彼は幸せを感じているのではないかとすら思っている。 彼に誰かボーイフレンドを紹介してあげなくてはと最近思っている私だ。
 03_24 ビクターズ・シークレット 女だけがいろんなこと楽しめるって変。
 03_24 マジで……あたし、男に見える?
 03_23 「ボクたち変化してると思うんだけど。ボクたちが気づいてないだけじゃないかと」 「おい、トム。バカなこと言うなよ。ちゃんと見てみろよ。俺たちまともな男だぜ」 「そうかも。最近、学校で変な目で見られてるよね、ボクたち。だから、ボク、ちょっと気が変になってるのかもしれない」 「あいつらはヤキモチを焼いてるだけ。このおっぱいを見ろよ。こんな胸をしてる男が何人いるかって?」 「誰もいないよ。ただ……まあ、ボクには分からないけど」 「落ち着けって。俺たち、みんなのあこがれになってるんだ。いいから、試着を始めようぜ。あのフットボールチームの男たちが俺たちを週末に映画に誘ってくれた時に、いい感じの服を着ていたいだろう?」 「ああ、それで思い出した。ボク、サマンサに試着室での写真を撮って送るって言ってたんだ。彼女、ボクたちにはそんなことする勇気あるわけないわって言ってたんだよ」 「はあっ? サマンサの方が冗談キツイぜって!」
 03_22 可愛いは、女だけのものではない。
 03_21 「ふたりを見てよ。大変な一日を終えて、すっかり疲れ切ったって感じ」とサマンサが言った。 メーガンが答えた。「当然よ。ふたりとも何時間もやってたんだから」 「そうよねえ。それに考えてみて? ふたりとも自分は男だと思っていたのよ!」とサマンサが声をたてて笑った。 「この人たち、あたしたちと結婚した時、こんなふうになるなんて思ってもいなかったんじゃない? 笑えるわ」 とメーガンは笑みを浮かべながら言った。 「でも、この娘たち、可愛いカップルになるんじゃない?」とサマンサは感慨深げに言った。 「確かに。ほんと、そうなるわよ」
 03_20 「ヤダ、マジで! 彼、ほんとにやってる!」 グラントは、可愛らしく、しかも嬉しそうにペニスを咥えながら、女の子たちのひとりが叫ぶのを聞いた。 すべてが抑制が効かない状態で展開していった。「真実か挑戦か」( 参考)……どうして自分が「挑戦」と言い続けたのか自分でも分からない。最初は、みんなは服を脱ぐ挑戦を彼にけしかけた。次はパンティを履く挑戦をけしかけた。そして次にはブラをつける挑戦(ブラの中には詰め物をして)。さらに次にはお化粧。次はウィッグ。さらに、他の女の子が脱いだシャツを着ること(彼女は挑戦を受けて、そのシャツを脱いでいた)。 そして最後に、みんなは彼に他の男にフェラをすることを挑戦としてけしかけた。彼はすでにしたたかに酔っていたが、抵抗できないほど酔っていたわけではない。にもかかわらず、最後には、彼はその挑戦を受けたのだった。 だが、相手の男のチャックを降ろした時、奇妙な興奮が彼を襲った。相手のペニスを握り、優しくストロークした時、ムラムラと欲望がわいてくるのを感じた。 そして、生まれて初めてソレを口にした時、満足感が心にわいてきたのだった。酒に酔って朦朧となりながらも、彼は、これが最後のフェラになることはないだろうなと思ったのだった。
 03_02 どうして、これをするのに同意してしまったか分からない。前に女装したことはないし。多分、ボクの彼女がしつこく求めていたように思ったからかも。あるいは、ボクがこの衝動をずっと前から抑圧し続けていたからかもしれない。 ハロウィンだった。……分かってるよ、ありきたりすぎると言いたいんだろ? ハロウィン・パーティに女装する男は多い。でも、ボクの場合は……まあ、ボクはちょっと夢中になりすぎたのは本当だ。このパーティのために全身の毛を剃ったから。どうして彼女がボクにランジェリ姿で行くよう求めたのか分からないけど、初めてあの可愛いコスチュームを着たとき、すごくフィットしてる感じでびっくりしたんだ。まるで、こういうのを着るようにボクの体はできてるんじゃないかって……そしてボクは真剣に自分の姿を見てみた。 ボクの体って前からこんなだったか? 腰がすごく丸みを帯びてる。前からボクの顔は、こんなに優しい顔をしてたか? 自分は小柄だってのは知ってたけど、こんなに可愛い感じだったか? それに、脚の間のアソコ……確かに盛り上がってるけど、ほとんど見えない。前からこんなに小さかったのか? 初めてコスチュームを着たとき、思わず、叫んでしまった。ボクの男らしさって、ちょっと体毛を剃ったり、女っぽいコスチュームを着ただけで完全に消えてしまうほど、もろいものだったのか? でも、彼女はとても献身的にサポートしてくれた。彼女は僕がすでに知っていたことをはっきりと認めてくれた。ボクの体は全然変化していなかったのだ。ずっと前からボクの体は女性的だったのだ。そして、そんなボクを彼女は好きだったということ。 ハロウィンが近づく頃には、ボクはすっかり準備ができていた。コスチュームを着て、ウィグをかぶり、お化粧をした。女装した男には見えないのは分かっていたけど、気にならなかった。気分が良かった。生きてる感じがした。 この写真は、パーティに行く前のボクと彼女の写真。もちろん、赤い服を着てる方がボク。 こういうことをこれからも続けるのか? ボクには分からない。でも、彼女のために、こんなふうな姿になるのは、これが最後ではないのは、はっきり自覚している。
 03_19 チャドは寮の自室の中、立ったまま物思いにふけっていた。 自分はシシーなのか? 違う、もちろん、違う。ボクは女が好きだ。じゃあ、どうしてパンティを履くのが好きなんだ? 履き心地が良いから。そうだよ。快適だから履いてるんだ。これが普通可愛いデザインなのは嬉しい偶然にすぎない。それに、ソングを履くとお尻が素敵に見えることも偶然だ。これを履いてるからと言ってボクがシシーだとはならない。ただ、ボクは現実的なだけだ。 体の毛を剃ってるのは? 高校の時、水泳をしてた時から、毛を剃るのが普通になっていただけだ。今は毛を剃らない方が変に感じてるだけ。それに剃った方が見た目もいいから。体毛を剃ってる男はたくさんいる。毛を剃ってるからと言ってボクがシシーだとはならない。 それに、お腹が見えるシャツを着るのが好きだからと言って、誰が気にするんだろう? 自分の体を自慢に思ってる。それを見せびらかせてどこが悪いんだ? それにお化粧も……ああ、お化粧をすると自分のいいところがはっきり見せられる。自分のいいところを見えたいと思うからと言って、それでボクがシシーだということにはならない。 チャドは頭を振り、物思いを振り払った。そして、試合に出るだろうセクシーな男たちのことを思った。 まあ、多分、彼はシシーなのだろう。単に、彼自身がそれを認めることができないだけなのだろう。
 03_18 かつて、フォーチュン誌のトップ500社の一つのCEOであったロバート・ハモンド3世は、今やありふれた娼婦に成り下がっている。まあ、小さなコブみたいなペニスはまだ残っているわけで、正確には「ありふれた」とは言えないが、言いたいことは分かるだろう。毎晩、彼は街角の持ち場に立ち、自分の売り物になるところをせっせと訴えている。すでに何百本もペニスをしゃぶってきた。数えきれないほどアヌスを犯されてきた。 かつての彼を思わせるところは、かすかにしか残っていない。ホルモンと手術の効果が表れている。彼はもはや男性ではない。 だが、なぜ? と皆さんは思うだろう。強欲だったから? 部分的にはそう。残虐だったから? やはり、部分的にはそれも理由と言える。だが、真実は、我々が彼をこう変えた理由は何百もあれど、特に際立った理由がひとつあるということだ。彼は何千人もの従業員たちの年金をはく奪したのである。そして、その後、その従業員たちを理由もなしに解雇したのだ。 その結果が、今の彼である。当然の報いである。彼は、皆さんへのメッセージとなっている。強欲だけに基づく意思決定を考えるときには、彼がどんな運命をたどったか考えることだ、ということ。 次はあなたにしようか?
 03_17 男の子も美しくなれる。 可愛くなりたいなら、それはあなたの選択。男でいたいなら、それもそれで良し。でも、社会があなたにこうあるべきという存在に自分を縛り付けるのはやめなさい。 どのジェンダーかは、あなたの脚の間に何があるかとは関係ない。それは気持ちの持ち方によるもの。 あるがままのあなたが、本来のあなた。だから、それを隠そうとしないこと。 あるがままの自分を心に受け入れること。 あるがままの自分を愛すること。 あるがままの自分でいることを楽しむこと。
 03_16 そちらのプログラムに、謹んで私の兄をご紹介させてください。兄の年齢(20歳)の男子は通常受け付けないことは存じておりますが、その規定に例外を設けるべきだと存じます。兄こそ、女性化にぴったりだと思うからです。 ともあれ兄を見てください。すでにシシーと言えるでしょう。ですから、一線を越えるよう仕向けるのはそれほど難しくはないはずです。それに、そうされることで、兄も現在の状態よりずっとずっと幸せになれると私は思っております。 兄は女物の服を着ていないと言っております。ですが、この服をご覧ください。このような服が男性向けに作られているはずがありません。それに兄が身に着けている下着も、パンティのようにしか見えないモノであります。ですが、奇妙な服装をする男性が多いのも事実です。ですから、兄が幸せになるというのは、別に服装のことが理由ではありません。 私は、兄が男性を見るときの目つきを見て知っています。兄は女の子が好きだと言ってますが、彼が男性を見るときのような目つきで女性を見たことなど、一度も見たことがありません。 兄はフェム・ボーイ・プログラムにぴったりの人間だと思います。是非とも、兄のことをご検討ください。
 03_15 「いいねえ、ボビー。その調子だ。最高だよ!」 ボビーはこの新しいモデル仕事についてよく分かっていない。もう何年も、仕事を得るのに苦労してきた。もうモデルになるのを諦めようとすらしていた。 だが、その時、ある男が彼に声をかけてきたのだった。彼は、自分の会社はボビーにピッタリの新しい服飾製品を売り出そうとしていると言っていた。 もちろん、モデル仕事を得ようと必死のボビーだった。そのチャンスに飛びついた。小さな布切れみたいな下着を渡された時、ちょっと怪しいとは思った。どう見てもパンティにしか見えなかったから。さらに不安は募っていった。化粧をされ、ヘアスタイルも決められたから。 丈の短いショートパンツとタイトなシャツ。少し女性的だったけれど、ボビーにはこの機会をはねのける余裕はなかった。そして、その後は、ハイヒールを履かせられた。 多分、彼はこの会社の名前にもう少しだけ注意を払うべきだったのだろう。この会社の名は、シシー・ウエアだったのだ。
 03_14 ブリットは、振り返り、ロッカールームの奥に立ってるコーチを見て、にっこり微笑んだ。コーチのズボンの前、こん棒のように勃起した盛り上がりがはっきり見えた。コーチは自分たちの行為を止めるつもりはないと分かり、ブリットはさらに嬉しそうな笑顔になった。 実際、これは不思議なことだった。ほんの2ヶ月前までは、ブリットはスター選手でクオーターバックをしていたのである。前からシシーだったわけではない。だが、ある出来事が起きたのだった。始まりは、寄宿舎にいたゲイの生徒であるポールに言い寄られ、不適切な関係を持ってしまったことだった。ふたりは現場を押さえられてしまったが、放校されることはなく、ふたりとも容認されたのだった。 そして、その後、事態は奇妙に変わっていく。ブリットには説明できないが、続く何週間かの間に、彼はどんどん体が小さくなっていくように感じたのだった。それと反比例して、男性への淫らな気持ちが募ってくるのも感じていた。次第に女性的な服装をするように変わっていき、自分は男性ではなく女性であると認識し始めたのだった。 まるで、あたかも外部の何らかの力が働いて彼をシシーへと押しやっていたようなものだった。時々、彼は自分でもどうしても抑えきれなくなるのだった。 今こうしてジェイと行為をしているのも、そういった抑えきれなくなった気持ちに駆られた結果である。本当はジェイとセックスなんかしたくないと彼は思っている。ましてや、こんな他人目につく場所でなどしたくない。にもかかわらず、彼はどうしても抑えきれなかった。ポールに隠れて浮気するなどしたくなかった。だけど、気がついたときには、四つん這いになってジェイの大きなペニスをアヌスに受け入れていたのだった。 しかも、この瞬間が、嬉しくてたまらない。 ポールと関係を持ってしまったことが、ダムを決壊する結果になったという、それだけのことだったのだろうか? 彼はもともとシシーであり、偽りのマッチョという仮面を被っていただけだったのだろうか? それしか本当の説明はないだろう。誰かが彼に無理強いしてこんなふうにさせているということではない。そんなことはバカげている。
 03_13 1999年に「シーズ・オール・ザット」( 参考)という映画が公開された。その映画では、人気者の男子高校生が「冴えない」女子生徒をプロムの女王様に変えるという任務を受けるのだった。たいていの人が知らないことだが、これは実話に基づいている。 しかし、たいていのハリウッド映画では、実話に基づいているということは、実際の事実から大まかなアイデアだけ拝借して作った映画だということを意味している。しかし、この映画の場合、プロデューサーは物語を完全に真逆の方向でとらえた。 確かに、基本的な流れは同じである。つまり、冴えない人物を取り上げて、プロムの女王へと変身させるという流れである。。だが、ひとつ重要な違いがあった。問題の冴えない人物とは、本当は、男の子だったのである。 最初から最後までジョークのつもりで起きた出来事だった。男の子がプロムの女王? 本当に? だが、問題の男子生徒は典型的な男子ではなかった。彼が持つ、男性としては情けない特徴(小さな体格、なよなよした性格、女性的な振る舞い)が、彼を完璧な候補者にしたのだった。 そもそも、彼はゲイだったのか? そうかもしれない。しかし、もっと可能性が高いのは、彼は単に他人に受け入れられることを切望していたということなのだろう。彼は「その他大勢」の存在であることを求められ、その存在に甘んじていた。彼は、他人に気に入られようと、あこがれの人が言うとおりのことを何でもした。そしていつの間にか、彼は女性的な美しさを絵にかいたような存在になっていた……そして彼も恋に落ちたと。 映画のように、良いことも悪いこともあったのか? そうかもしれない。だが、そういう出来事は重要ではない。重要なのは、ふたりは、その後、幸せな人生を送ったということ。 映画についての皆さんの感動を台無しにするつもりはないし、実名を挙げるつもりもないけれど、写真を一枚お見せしよう。見て分かるように、ふたりは幸せなカップルで、キッチンで愛し合っている(ふたりはちょっと露出趣味があるが)。ふたりは幸せそうに見えるでしょう?
 03_12 従弟が大学を卒業し、僕のところに住まわせてくれと言ってきたけど、僕はどうしようか迷った。でも、彼は僕が住む都市で職を得たので、まあ、彼には他に頼る人もいないことだし、仕方ないかと僕は承諾した。 驚いたことに、彼は完璧な同居人だった。清潔好きだし、整理整頓もちゃんとするし、物静か。滅多に僕の邪魔になることはない。部屋代も割り勘にしてくれて、期日きっかりに払ってくれる。 男なのに秘書の仕事をすると聞いて、確かにちょっと変だなとは思った。でも、彼に言わせると、就職したてのレベルでは、それは良い仕事なのだと言っていた。僕に口出しできることではなかった。 ちょっと彼の服装が変わってきた時も、僕は全然気にしなかった。やがて女性のスーツを着始めたのに気づいたけど、まあ、似合っていたからいいかと思った。彼の人生だし、僕は、それを批判する立場にはない。 でも、部屋に入って、彼がシビアン・マシン( 参考)に乗っているのを見たときは、これは僕にも関係することだと思い始めた。胸も大きく膨らんでるのも、もちろん問題だった。そこで僕は、仕事の契約はどうなっているんだと訊いた(もちろん、彼がマシンから降りて、服を着た後だが)。 彼の説明によると、彼の仕事には一定の条件があるらしい。服装規定だけにとどまらない。もちろん彼は自慢げに語ったわけではなかったが、彼は「上に登る」ために、上司と寝ているらしい。 そんなことをするのはおかしいと伝えた。彼自身の力で「上に登る」ことができるとも言った。でも彼は話しを聞こうとしなかった。これしか道がないと言い張った。 彼のことは、僕には関係のないことだ。それは知っている。でも、その「上に登る」という話自体がただの言い訳に過ぎないと思った。でも、どうでもいいや。これは彼の人生なのだから。
 03_11 あなたが、ちょっとエッチなことをしたいなあと思い、あなたの彼氏がいそいそと服を脱いで、四つん這いになり、お尻を高々と掲げたら、多分、あなたは、あなたの思い通りになるシシーを手に入れたと思ってよい。 あなたがすべきことは、ディルドを装着して、仕事に取り掛かること。それがベスト。
 03_10 「ビーチに行く準備ができたよ!」 とフェリックスは叫んだ。 アニーは彼を見て溜息をついた。「ねえ、あなた。ちょっとお話しなくちゃいけないみたい……」 「何について?」 「その格好について……」 「でも、このピンクの水着はボクに似合ってるって言ったじゃないか」 「ええ。でも……もう、あなたはホルモンを摂取してる。だから、トップもつけなくちゃいけないわ……」 「どういうこと? まだ、目立ってないよね?」 「あなた、もう、あなたのはあたしのより大きいわ!」 フェリックスはため息をついた。「そうかもしれないなあ」 「それに、アレも押し込んだ方がいいかも。小さいのは分かるけど、それでも、ちょっと盛り上がってるから」
 03_01 彼が本当にしたなんて信じられなかった。確かに、テレビでスカートやドレスを身にまとう男の子たちは見ているけれど、それはただの風変わりなファッションの流行にすぎないと思っていた。パラシュートパンツ( 参考)とか、そんな感じの。 ある雑誌で「あなたの彼氏をあなたのお好みの可愛らしい彼氏にする方法」という記事を読んだ。その記事では、男の子の中には彼女のために可愛らしくなりたいと思ってる人がどんどん増えていると述べていた。あたしは本当かなと疑っていたけど、記事の中で引用されてた発言の中にはすごく説得力のある意見があった。なので、あたしも彼氏のアレンに試してみようと思った。 思ったより、ずっと簡単だった。実際に彼を説得することも必要なかった。単に、一緒にショッピングに行って、あるスカートを見ながら、彼に、これってあなたに似合うかもと言っただけ。その次の日、彼はそのスカートを履いてあたしの家に現れたのだった。そこであたしは、そういう服を着るなら脚の毛を剃らなきゃダメよと言った。そしたら、彼はその通りにしたのだった。最近、お化粧をする男の子が多いらしいわと言ったら、彼は実際にお化粧を試すようになったのだった。 それから2ヶ月の間に、彼はテレビに出てたどの男の子よりも可愛らしくなっていた。 いま、あたしは、別の記事に出てたことを試してみようかなと思ってる。その記事の題名は、「ストラップオン:未来のセックス」という題名。
 66_Working late 「残業」 サマンサは夫のオフィスのドアをノックしたが、返事がなかった。多分、こんな遅い時間なので、みんな仕事に忙しく、返事しないのだろうと思い、彼女は勝手に中に入ることにした。緊急時のためにもらっている鍵を使い、カギを開け、ドアを押した。 「カイル?」と、サマンサは、スパゲッティでいっぱいのラップで包んだプラスチック製のボールを抱えながら、夫の名を呼んだ。そして、そのボールをかざし、言葉をつづけた。「また、どこからかテイクアウトしてほしくなかったの。だからあなたに夕食を用意して持ってきたのよ」 それでも返事がなかったので、彼女は誰もいないオフィスの中を進んだ。箱状の作業デスクをいくつも通り過ぎるが、誰もいない。そして、一番奥の夫のオフィスへと向かった。何のためらいもせず、彼女はドアを開けた。 次の瞬間、彼女が持っていたボールが床に落ち、パスタと赤いソースが安手のカーペットの上に散らばった。 「何なのコレ?」 と彼女はつぶやいた。 「ちょ、ちょっと待って、説明するから」とカイルは言った。だが、彼の姿は、どう見ても、淫らな秘書同然の格好にしか見えなかった。赤いレザーのミニスカートとお腹が露わになった黒いトップの服装。明らかにウイッグと分かる髪の毛の彼は、サマンサが結婚した男性とはとても見えない。 「説明? ……説明って、どういうことなの、カイル? あなた、その服って……」 ちょうどその時、カイルの個人用のバスルームのドアがいきなり開いた。そして、そこから女性の声がした。「準備はできたかな、淫乱? お前に仕事を続けさせるかどうかが掛かってるんだぞ。お前がこの仕事を続ける価値があるかどうか、どんなふうに私を納得させるつもりなのか、楽しみだな」 その直後、カイルの秘書であるサオリーズが姿を見せた。小柄でネズミを思わせるブロンドの女性であるが、その時の彼女は、サイズが合わない男性用のスーツを着ており、ズボンの社会の窓からは巨大な黒いディルドを突き出していた。それをしっかり握りながら、オフィスの中に大股の歩みで入ってきたところだった。 「えっ? ヤダ」 彼女はさっきまでの偉そうな声の調子から急に自信なさげな声に変わった。「ああ、困ったわ……」 「一体何なのよ!」 サマンサが叫んだ。「これが、残業だと言ってた時にしていたことだったの? あなた……あなた、その格好ってまるで……」 「ぼ、ボクは……すまない、サム」とカイルは懇願し、両手を掲げ、サマンサを抱き寄せようとした。「そういうつもりじゃないんだ……」 「やめて!」 とサマンサはカイルを叩き、突き放した。「分かってるの? こんなこと、知りたくもなかった」 それからサオリーズの方を向いて続けた。「彼をあんたにやるわ。彼女と言うべきかしら。どんな変態じみたことをやりたがっても、あんたたちふたりの間だけのことにして」 「でも、サム、ボクは……」 「イヤと言ったはずよ! わざわざ家に帰ってこなくていいわ。すぐに弁護士から連絡がいくでしょうね」
 66_Wonder woman 「ワンダーウーマン」 「こんなのバカげてる。ほんとに、間抜けすぎるよ」 「いいから黙れって。ブツブツ文句を言うのをやめろよ。すごく似合ってるんだぜ」 「でも、ワンダーウーマンなんかイヤだよ! どうして、フラッシュとかでダメなのかなあ。スーパーマンでもいいし、他にも……」 「お前、そのコスチュームが最高だからだよ。これは何百回も言ったはずだよ、チェイス。勝ちたいんだろ?」 「最高って、どうかなあ。そうかもしれないけど。でも、ボクがワンダーウーマンにならなくたって、ボクたち勝てると思うんだよ。サイボーグになってもいいよ。だったら気にしない。でも、会場をこれを着て歩き回るのだけはイヤなんだ。この……ミニスカートを履いてなんて。そしたら、去年と全く同じことになってしまうよ」 「そして、去年は俺たち1位になったんだよな? お前がスーパーガールにならなかったら、俺たち本当に勝てたと思ってるか? 無理だよ。少なくとも女の子がひとりは加わっていないと、コスプレ・コンテストにはどのチームも勝てない。それに、その女の子は可愛ければ可愛いほど有利なんだ」 「でも、ボクは今日一日中、オタクの群れに追い回されたんだよ! しかも、あいつら、すぐに手を出してボクの体をベタベタ触りまくるようになったんだ。後もうひとりでも、ニキビ顔のオタクがボクのお尻を握ったりしたら、ボクは気が狂っちゃうよ、デレック! ほんとに気が狂うよ!」 「大丈夫だって」 「本物の女の子がチームにいればいいんだけど」 「そうか? コミックブックのコンベンションのために喜んで仮装してくれる女の子、お前、誰か思い当たるやついるのか? いねえだろ? 俺にもいねえよ。だから俺たちにとっては、お前がベストの選択肢なんだよ、チェイス。お前もそれは分かってるだろ?」 「分かったよ! でも、来年は、また男役に戻るからね、いいね?」 「ああ、いいとも。了解。好きな役を言ってくれ。それじゃあ、その可愛いお尻を振って車に乗り込もうぜ。そして、今年もコンテストに優勝するんだ」
 66_Willing slave 「自ら喜んでなった隷従」 「その調子、いい子ね」と元妻が猫なで声で言った。「すっごく大きいおちんちんでしょ。入れてもらうの。いい子なら喜んで入れてもらうものよ」 そんな元妻の言葉を無視しようとしつつ、彼女の新しい夫の腰の上にまたがり、そのペニスの先から根元まで、突き立てられる感覚を味わう。だけど、どうしても彼女の言葉が聞こえてしまう。その言葉が非常に屈辱的であるにも関わらず、自分は本当に聞きたくないと思っているのか、自分でも分からない。自分は完全に男性性を奪われてしまった。自分自身の姿なのに、この体を見ると本当に自分なのか認識できないほど。それほど女体化されてしまった。友人たちはみんな離れていったし。妻にも離婚された。今の自分は、自分の家の中であるにも関わらず、そこに囚われたセックス・スレイブにすぎない存在となっている。だけど、ああ、この屈辱感がこの上なく美味で、たまらない。 始まりは、夫婦生活にスパイスを加えようとしただけの無邪気なものだった。元妻は3人プレーをしてみたいと言い、自分は形だけは反対したけれども、最終的には同意した。あの時、もし毅然と断っていたら、自分の人生がどうなっていただろうと想像する時がある。いまだに夫婦でいただろうか? 自分が男のままでいたのは確かだと思う。でも、あの時、私は拒否しなかった。そして、その結果、人生は永久に変わってしまうことになったのだった。 その「3人プレー」は、すぐに、明らかに寝取られ時間の様相を帯びるように変わっていった。素裸で、部屋の隅に立ち、私には決してできないやり方で別の男が妻を犯しているのを見る。それを見ながら自分の小さなペニスをしごく。そういう時間が普通になった。そして、私はその感覚がたまらなく好きになったのだった。あの劣等感。あの屈辱感がたまらない。幸福に満ちた屈辱の時間。そんな時間であったにもかかわらず、私はもっとその感覚を味わいたいと思った。 元妻も、私のそういう嗜好を見抜いていた。多分、最初から彼女の計画だったのだろう。それから間もなく、夫婦のベッドに別の男性を招き入れることがごく普通のことになった。そして、行為が終わり、妻が、他の男性とつながった部分を口できれいにせよと命ずると、私は喜んで彼女の脚の間に顔を埋めたのだった。舌に触れる放出されたばかりの新鮮な精液の味。私はその味の虜になった。 その後、私と元妻の関係は変化していった。ふたりは決して平等な関係ではなくなった。多分、最初から平等なんかではなかったのだろうと思う。そして、夫婦生活も、ふたりの支配関係を反映する形に変容していった。私はどんどん従属的になっていった間も、妻はそれには飽き足らず、男らしさと言えるものから、さらに遠くへと私の限界を広げていった。そして、気づいたときには、私は日常的にランジェリーを身にまとうようになっていた。ランジェリーを着ることは、当時の私にとって劣等感を高めることにしかならなかった。こんな下着を身に着けるなんて、私は男ではない。そう自分でも知っていたし、元妻も知っていたし、彼女の愛人となった数多くの男たちも知っていた。妻の使いまくられた陰部から男たちが放った精液を啜り舐める間も、妻や男たちは私を嘲り煽った。 それでも、男にフェラチオをするように元妻から初めて命令された時は、さすがの私もためらった。そして、命令に従わなかったことで、私はお仕置きをされた。妻の体を好き放題に使った男の見ている前で、妻の下着を着た姿で、妻の膝に覆いかぶさらせられ、スパンキングをされる。これほど屈辱的なことはない。そして、その夜は、結局、妻がまさに最初に命じた通りのことを私が行うことで終わった。もっとも、真っ赤に腫れたお尻の痛みに耐え、涙でマスカラをにじませながら行ったのであるが。 そこまでで終わったと言えたらいいのにと思っている自分がいる。でも、私は、妻の中に隠れていた、それまで存在していたとは思ってもいなかった部分を目覚めさせてしまったのだった。彼女は、私を女性化することに憑りつかれていったし、それと同じ程度に、私の方も、彼女のすべての命令に従うことに憑りつかれていったのだった。あまりに献身的になりすぎ、豊胸手術を受けるように彼女が強く言い張ったときも、私はためらわずに同意した。それに、仕事を辞めるように命じられた時も、家の中の住み込みメイドになるように命じられた時も、私はためらいすらしなかった。彼女が離婚届を見せたときも、素直に応じた。それに、彼女が現在の夫と結婚した時も、私は指輪を預かる役として結婚式に参加したのだった。首にカーラーをつけ、他に何も身にまとわぬ姿で、教会の中央の廊下を進んだ。一歩進むたびに、背中に、私の元の友人たちのため息が聞こえた。私はそれが嬉しかったし、元妻もそれは同じだった。 いま、私は喜んで隷属する生活を送っている。私は、自分の立場についてなんら幻想を持っていないし、私に会う誰もが、私を見たままの存在として見ている。つまり、自ら進んで喜んで女性化された奴隷として見てくれている。そして、私自身、それ以外の存在として生きようとはしていないのである。
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