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67 Hope 「希望」 

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67 Hope 「希望」

昔……とは言っても、そんなに昔のことじゃないけど……もし、誰かが私について、男の中の男に少しでも及ばないようなことを仄めかしたら、私はその人を殺しただろう。比喩的に言ってるのではない。文字通りの意味だ。私はその人の命を奪い、しかも、それをすることは完全に正当なことだと感じたことだろう。

多くの仲間たち同様、私は私が育った環境の産物だ。……向こう見ずで、冷酷、平気で殺人をする人間。注意してほしいけど、私は言い訳をしようとしてるのではない。私は、悪い生き方を重ねてきた悪人だったし、今も毎日、それを自覚しながら生きている。しかし、あのような環境で育ったわけで、事実上、そうなる他に生きる選択肢はなかった。殺すか殺されるかの毎日。支配するか支配されるかの毎日。男になるか、ビッチになるかの毎日。そして私はビッチではなかった。

しかも、私は、男らしく生きることが得意だった。周りの誰もを、女々しい連中だとバカにした。だけど、心の奥では……今でも認めるのが辛いのだけど、でも、心の中では、自分が他の男たちと違うことを知っていた。私は頑張った。本当に、一所懸命に頑張った。自分が演じている男の中の男。本当にそうなりたいと思っていた。そして、しばらくの間は、この変装した自分こそが、演じている役割こそが、真の自分なのだと自分を納得させていた。でも、それは嘘だった。

時々、私は自分で自分自身の失脚を招いたのではないかと思う。そうすることが理にかなったことだったかもしれない。今は分からない。どうであったにせよ、警察が踏み込んできた時、私は逃走した。後ろを振り返らなかった。

ようやく警察の踏み込みによる騒動が落ち着いた頃には、私はすでに国の半分は横断していた。新しい名前、新しい身分を得た。目の前に新しい人生が広がっているのを感じ、これを機会に、ずっと前からなりたいと思っていた人間になろうと決意した。

難しいことだったけれど、自分が本当になりたいと思ってるものに向けて頑張っているのだと思えたから、これが一番良い形だったと思う。20年にわたる偽りの男らしさを拭い去ろうと必死に頑張った。自分に強いるようにして、それまでの人生であれほど大きな部分を占めるようになっていた男らしい振る舞いを捨て去った。古いアイデンティティを放り投げ、新しい女性的な自己を全面的に受け入れた。

そして、ああ本当に、私は幸せを感じた。それまでの人生で初めて、幸せを実感した。確かに、女性への移行期間中は、それなりにじろじろ見られた。笑い声も聞こえた。性差別的な憎悪の言葉も浴びせられた。でも、体が変わりながら、新しい外面に包まれ、より居心地がよくなりながら、私は間違いなく幸せを感じていた。

その幸福感は怖くもあり、自分のものではないような感じもあった。私はこんな幸せを受ける価値がなかった。自分がしてきた悪事の数々、それまでの自分という人間のことを思えば、こんなに幸せになる価値がないと。

振り返ると、私はふたつの異なった人生を生きていたように感じられる。思い出の中で男だったことで良かった思い出がほとんどない。

突き詰めると、以前と比べて最も大きな違いは、今の自分は未来に向けて希望があるという点だと思う。以前は、自分の人生は破滅に向かう運命だと思っていた。でも今は? 今は本当の人生に向けての希望がある。幸せな人生に向けての希望。そして、思うに、それこそ誰もが求めているものなのだ。


[2018/04/27] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

67 Good girl 「行儀のよい娘」 

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67 Good girl 「行儀の良い娘」

「ヘザー、お願いだから……」

「もう、ケビンったら。そんな大したことじゃないでしょ? あたしのお友達にあなたの可愛いウインナーを見せてあげるだけじゃない? みんな、あなたがあたしの元カレって信じないのよ。信じられる?」

「でも……」

「どうしてほしいか言ったわよね? だったら、言われたとおりにすること。そうじゃない?」

「わ、分かったわ……」

「みんな、見て。ここにいるのがケビン。あたしの高校時代の彼氏。信じてくれるか分からないけど、元クオーターバックのスタメンだったのよ!」

「ええっ、マジで? あんなにちっちゃいのに!」

「今はね。でも、前はずっと大きかったわ。でも、そのために彼はすごくトラブルを起こしっちゃったの。あんまり何度も浮気をしたので、彼も、何回やったか忘れてると思う。で、あたしは現場を押さえちゃったのね。そうでしょ、あなた?」

「お願いだから、パンティを履かせて?」

「ダメ。そのまんまでいなさい。とにかく、あたし、現場を押さえて、彼を捨てたのね。でも、それだけじゃ気が済まなかった。ダメ、ちゃんと償わせなくちゃって思ったの。その頃、催眠術のことを知ったのよ。これ、他の人には秘密なんだけど、あの催眠術、ちゃんと使うと、すごく強力なのよ。完了した頃には、この可愛いおバカさん、新しい服を買いにショッピングに連れてってって、もう、ウルサイくらいおねだりしてたわ。彼のご両親にはトランスジェンダーだったとカミングアウト。そして、近づいてくる男たちとは、誰かれ構わずエッチしまくりになったの」

「あたし、そんな悪い娘じゃないわ……」

「いいえ、あなたは行儀の悪い娘だったわ。で、その後、あたしは大学に通い始めて、正直、彼のこと全部忘れたのよ。まあ、飽きてきたのだと思う。じゃあ、どうして今ここにいるのかって? 彼、いきなり現れて、元に戻してくれってあたしに頼んだのよ。ほんと、残念なんだけど」

「ほんと? ほんとに元に戻してくれるの?」

「ダメ。あたしたちみんながちょっと楽しむまでは、ダメよ。ケビン、どう? あたしのお友達とちょっと楽しみたいと思う? 約束するわ。もし、行儀の良い娘でいたら、元通りにすることを考えてあげてもいいわよ」


[2018/04/26] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

67 Getting through the day 「今日一日を生き延びる」 

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67 Getting through the day 「今日一日を生き延びる」

時々、将来のことと同じくらい昔のことについても考える。そんなふうに生きるのはイヤなことなのは分かってるけど、でも、私たち誰でも、時々、罠に落ちてしまうことがあるものよね? 自分がどうして今のようになってしまったか、振り返りたくなるのは誰でもあることだと思うの。これまで達成してきた自分を誉めて、大成功したと大喜びする人もいれば、反対に、過去の失敗を嘆いて、逃げる人もいる。正直に言うけど、私は自分が本当のところどっちのグループに属しているか不確かな気持ち。

ここまで、ずいぶん頑張ってきたのは確か。成長期のかなりの部分を、イジメられることを恐れて毎日ビクビクしながら生きていたやせっぽっちで友達がいない少年から、美しく、自信に溢れた女性へと変わった私は、かなり長い旅路を辿ってきたと言える。その途中には、でこぼこ道もあったし、道に外れたことも山ほどあった。でも、私はここまでやって来た。昔は、可能性がないと思えていたけど、何とかして、私は自分が憧れていた人間になることができた。この事実には、少なからず誇りを持っている。

でも、その誇りの上に覆いかぶさっているのが、迷いと恐れの影。男の子だったかつての自分の名残。それは、ほとんど透明で、気にならない時もあるけど、逆に100%に近いほど不透明になって、私の精神全体を脱出できない暗黒へと投げつけることもある。そういった時、私は、むかし私をイジメていた人たちが突然現れて、私に憎悪の言葉を投げつけ、私を地面に押し倒し、私を散々殴りつけてくるのではないかと、半ば本気で思ってしまう。

そんなことを思うなんてバカげているのは分かっている。あの時の男子たち……今は成人した男たちだが……まさに同じ彼らが、今は、私に話しかけるために、少しだけでも話しをさせてと、それだけのために床にひれ伏しているのだから。私とベッドを共にするチャンスが得られるかもしれないと淡い期待を抱きながら、甘いたわごとを私の耳に囁きかけてくるのだから。そして、そんな男たちの期待に、私は応じてしまう。ああ、本当に、私はそんな自分が大嫌い。でも、私が、そういうふうに承認されることを心から求めているのも事実。これまでずっと、そんな承認を求めてきたし、これからも、ずっとそうだろう。そう思うと怖くなる。

この承認要求、燃えるようなこの要求。これは、憎しみによってさらに燃え上る。自分の心の中にそんな憎しみがあるのが分かる。私は、自分が自分の心にふさわしい肉体を持って生まれてこなかったことを憎んでいる。だからこそ、女性になった自分を男たちが求めることで、自分が承認された気持ちになれるのだ。

自分が心にふさわしい肉体を持って生まれなかったことを憎んでいる。それに関しては、私自身と性差別主義のモラル戦士たちの意見が一致する点だ。皮肉だとは思う。私も彼らも同じことを求めているのだから。つまり、私が普通になることを求めているのだから。私は「普通」の女性になることを求め、醜悪な性差別主義者たちは、私に女性でなく、「普通」の男性になることを求める。

この気持ちを跳ね除ける戦いは常時続く。私は、意識的に自分を強いて、現実の楽観的な側面に心を集中させるようにしている。この世界はどんどん良くなっているのだと。口汚く怒鳴り散らす性差別主義的な考え方は弱体化していくのだと。私には、私を愛してくれる人々がいるし、私もお返しに彼らを愛していると。

かつて、私は、いま私が当然と思っている生活を夢見て過ごしていた。ツインベッドに仰向けになりながら、キーキー鳴る天井ファンを見つめ、いつの日か美しい女性に成長するのだと夢見ていた。いま私はそんな女性になっている。そして、結局のところ、それだけあれば、私は今日一日を生き延びることができるのだ。


[2018/04/26] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

67 Fruition 「結実」 

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67 Fruition 「結実」

ハーベイは驚いた。「バリーか? 一体どうしたんだ? なんで裸になってるんだ? それに、お前、なんかオカマみたいに見えるぞ」

「あら、ハーベイ、あたしもあなたに会えて嬉しいわ」バリーはサングラスを鼻梁に沿って、ちょっと押し下げた。「あなたは少しも変わっていないわね」

「お前の方は変わりすぎだろ」ハーベイは以前の仕事仲間を見ながら言った。

「気づいてくれて嬉しいわ」と女性的な声が聞こえた。ハーベイは振り返り、後ろからケリーが大股で歩いてくるのに気づいた。ケリーはバリーの妻である。ケリーは、ありきたりのショートパンツとTシャツの姿だが、そんな普段着姿でも彼女の夢のようなボディの素晴らしさは隠せない。ケリーはバリーたちのところに近づくと、腰を曲げて、バリーの頬に軽くキスをした。「何か飲み物が欲しいわ。ねえ、あなた? お願い、あたしのために何か飲み物をもって来てくれない?」

ハーベイは、こんなに素早く動くバリーを見たことがなかった。それに、こんなに女性的にいそいそと動くところも。大勢のパーティ客たちの間をするり、するりと通り抜けていくバリーの姿。歩くときの、くねくね揺れる腰つきは明らかにセクシーな女性の腰つきに他ならなかった。

ハーベイはケリーに顔を向けた。「一体、これはどういうことなんだ? バリーに何をしたんだ?」

「あたしが? あたし、何もしてないわよ。彼はただ目覚めただけ」

「何言ってるんだよ、ケリー。君は前から人を操るのが好きなビッチだったじゃないか。俺は、君が俺の親友に何をしたって訊いてるんだ」

「親友?」 ケリーはうふふと笑った。「ハーベイ、あなたたち友達なんかじゃなかったわ。一度も。同僚ですらなかった。あなたはバリーを利用したでしょ。あなたも知ってるんじゃない? あなたが彼を追い出した後、ビジネスはどうなったのかしら? それが理由で、あたしの招待に応じて、ここに来たんじゃない?」

「仕事は順調だよ」とハーベイは嘘をついた。実際には、惨憺たる状態だった。バリーは会社のイノベーションの裏方として、ずっと会社を支えてきたエンジンだった。当然、彼が抜けた後、会社は停滞状態になっていた。

「ビジネス・ニュースを読んだわ。あなた、もがき苦しんでいるんでしょう。だから、金の卵を産むガチョウを取り戻しに、ここに来たんじゃない? まあ、がっかりすることになるでしょうね。今のバリーはあの可愛い頭の中に、何のアイデアも持っていないと思うわ」

「お前、彼にいったい何をやったんだ?」 とハーベイは声を荒げた。

「あれこれ、ね」 とケリーはあいまいな返事をした。「元々、彼はあんまり自己主張するタイプじゃなかったし。天才的なのは確かよ。でも、チカラで仕切るタイプじゃなかった。あたしは、彼のそんなところをちょっと強化してあげただけ。彼はあたしを愛していた。今の彼は完全に献身的になってる」

「それに、なんで裸に?」 ハーベイは、少し小さな声になって訊いた。

「ええ、そこが重要なところ。昔のバリーは、プールに来てもシャツを脱ごうとしなかった人よね? 覚えている? でも今は、どう? もう、彼ったら、今は完璧に露出狂になっちゃってるの」

「お前、彼を変えたんだろ……」

「忠実な可愛いシシーに? ええ、その通りよ」

「お、お前、モンスターか? ひどすぎる!」

「あら、お願いよ。そんな大げさに言わないで。以前の彼はみじめだったの。でも彼は今は幸せなのよ。みんな、幸せになるべきでしょ?」

「幸せだって?」

「訊きたいようだから教えてあげるけど、あたしも幸せだもの。あたしには可愛い奴隷ちゃんができたし、あなたの会社は下火になった。白状するけど、こんなに完璧に計画通りになるなんて思ってもいなかったのよ。あたしがあなたの秘書だった当時は、とても難しいだろうなって思っていたもの。最終地点がすごく遠く見ていたもの」

「お、お前がすべてを計画したのか?」

「あんた、バカ? 当り前じゃないの。女性化の件は違うかもしれないけど。それって、生理的に起きちゃったことだから。でも、その他のことは、そういうこと。あたしはバリーを誘惑した。あなたを操って、バリーを会社から追い出すように仕向けた。あたしにとっては、そんな悪いことじゃないわ。あたしのこと、あんた何て呼んでいたっけ? 電話に出るしか能のない、頭の悪いカラダだけの女だっけ? その頭の悪いカラダだけの女があんたを破滅させたのよ、ハーベイ。もうあんたが這い上がる道はないわ」


[2018/04/26] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

67 Fear 「恐怖」 

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67 Fear 「恐怖」

これまでの人生、私は傍観者だった。時が私の横を通り過ぎていく間も、私は横に立ち、その流れの仲間に入ることを夢見つつも、次々に流れ去るのをただ見ているだけだった。でも、私は決してその夢を現実にしようとはしなかった。もちろん、自分の夢を追求しないのには理由があった。おカネの問題。生まれつきの性別の問題。社会的な圧力。それらを私がどう呼ぼうとも、せんじ詰めれば、それらはひとつの単純なコトに帰着する。私は恐れていたのだ。

恐怖は障壁である。恐怖は私たちが進むのを阻止する門番である。門の向こう側が見えているし、そこで暮らしたいと思う。だけど、たとえ自分がなりたいと夢に思うものに触れられそうなほど近づいた時ですら、私たちは手を伸ばすのをためらってしまう。理想をつかむのをためらってしまう。そして、「もし、あの時、ああしていたら」という気持ちに苦しめられ、行動を起こさなかった結果をいつまでも思い悩んでしまう。追求すべきだと心の奥では分かっていたのに追求しなかったことを後悔し続けてしまう。そういう点で言えば、私もその例外ではなかった。

自分が追求すべき道だと思ったのに、その道から目を背けてしまった最初の時のことを覚えている。小さかった頃、多分7歳か8歳の頃。私は姉の持ってる人形で遊びたいと思った。本当にあれで遊びたくてたまらなかった。だけど私は我慢した。人形遊びは男の子がする遊びじゃないと考えたのだった。無意識にそう思ったのではなく、意識して、そう思い込んだ。私は、ティー・パーティごっこやおままごとをしたいなんて全然思っていないというフリをして、外に遊びに出たのだった。

あの時のことがその後の私の人生を決めた。頭の中、女性になりたいという声が聞こえてきても、その声を心の奥底に押し込んだ。その声は消えることはなく、しょっちゅう私の耳に囁きかけ続けていたけれど、たいていの時は、その声は迷惑な雑音以外のものではなかった。その間も、私は姉の服などを試着し、女装に手を出し続けていたが、それは短時間で終わる行為で、いつも最後は後ろめたさを感じ、後悔するのであった。

しかし、ついには、そんな生活も次第に深化し、行為が現実化していった。他の人にとっては、私は普通の男性にしか見えない。妻を持ち、子を持ち、仕事も友人も得た。誰も私の秘密を知らない。誰も、私が心に隠し持っている憧れを知らない。

夢遊病状態で生活していたと思う。ネットにつなぎ、怖さのあまり自分ではできないことをすべて行ている人たちの話しを読む、そんなわずかな空き時間のために生きているような毎日。動画を見たり、話しを読んだり。その間もずっと、昔からの夢と現実を一致させることができるだけのチカラが自分にあったらと願い続けた。

そんなある日、あのことが起きた。まるで脳の中の堰が一気に壊れたかのように、私は突然なにも気にしなくなったのだった。自分がしあわせになるにはどうしたらよいか分かった。そして、私はそれを実行したのだった。

あの日、私は変身することに決めた。そして、以来、私は一度も過去を振り返ることはなくなった。今はどうなっているのか? 私は自分が生きたかった人生を生きている。確かに、後悔はある。その後悔とは、どうしてもっと早くこの決断をしなかったのだろうという後悔だ。確かに、中傷されることもある。私もそれなりにヘイトを経験してきた。だが、それは、ずっと前から自分がなりたいと思い続けてきた人間になったことに比べれば、小さな代償にすぎない。


[2018/04/26] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

67 Family reunion 「家族との再会」 

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67 Family reunion 「家族との再会」

いつかはこうなると思っていた。別に実家から遠く離れたところで働いていたわけじゃないし、あたしの過去を知る人と出くわしてしまうのは予想すべきだった。まあ、本当は予想はしていたかもしれないけど、無意識的にその危険性を無視していたのかもしれない。あるいは、心の奥で、こうなることを求めていたのかもしれない。どちらにせよ、あたしは遅かれ早かれこういうことが起きるだろうなと思っているべきだった。そうすれば、弟がベッドに座って、混乱した表情であたしを見つめてるのを見ても、あたしは驚いたりしなかったはず。

「くそッ」 ドアを入りながらつぶやいた。

「君を知ってる気がするんだけど」と彼は頭の中の記憶を探りながら眉をしかめた。「どこで会ったんだろう?」

彼の顔を見て、やがて、どういう形か分からないけど、分かってしまうだろうと思った。だから選択肢はふたつ。彼に本当のことを話して、こっちの条件で取引をする。それか、自分の仕事を普通にこなし、バレてしまった時は、彼にすべてを任せること。

「ラッセル、こんにちは。お久しぶりね」とあたしは言った。

「君は誰? どうして俺の名前を知っている?」

あたしは顔にかかった赤毛の髪を掻き上げた。「ええ、それについてはね……」

「あっ……ああっ……何てことだ」 彼はとうとう気づいたようだった。「カレブ? そんな、ありえない……」

「バレた」とあたしは無理に笑顔になった。彼の目はあたしの裸の体を行ったり来たりして、視線をあたしの身体中に這わせていたけれど、頭の中が高速で回転してるのが分かる。

「な、何が起きたんだ? ああ、なんてことだ……こんな……」

弟と最後に会ったのは5年前。あれから、あたしは誰も想像できなかったほど変わった。確かに、以前からみんなあたしがトランスジェンダーであることを知っていた。結局は、それが原因となって、あたしはこれだけ長く家族と会わなくなってしまった。両親は認めてくれず、あたしがカミングアウトすると同時にあたしを家から追い出した。弟は、あまりに他人の目を気にすぎて、変態の兄とコンタクトを取ることができなかった。

「何が起きたか、分かってるんじゃない?」 とあたしは言った。

「でも、い、今の兄さんは……」

「売春婦。そう、結果はこの通り。世の中、17歳の若者にはあまり仕事がないものよ。特に、女になる途上にいる者に仕事なんかないわ。だから、できる仕事をしたわけ。この世の中、わりとたくさんいるのよ。あたしのようなオンナにおカネをたくさん出してくれる男たちが。でも、そんなこと、改めてあんたに言う必要ないわよね? ここに来てる以上、あんたもそのフェチについては良く知ってるでしょ?」

「ぼ、僕は別に……別にゲイとかじゃないけど」

「そんなことどうでもいいわ。本当にマジでどうでもいい。あんたがどう思ってるかとか、どんな人とヤリたいと思ってるかとか、ママやパパのこととか、どうでもいいの。みんな、あたしを見捨てた。みんな、あたしが自分たちの小さな世界に合わないという理由で、あたしを狼たちの元に投げ捨てた。でも、いいこと教えてあげるわ。あたしは、そんな状況を最大限に利用したの。できることをしてきたし、それを恥とは思っていない。だから、行けばいいわ。ママに言えばいいわ。パパにも。知ってる人みんなに、自分の兄はシーメールの娼婦になったと言えばいいわ。あたしはもう気にしないから」

「ご、ゴメン、カレブ。本当にごめん」

「何がごめんよ。それにあたしの名前はカレブじゃないの。今はアナなの。だから、あたしがうちの用心棒たちを呼ぶ前に、ここからとっとと出て行くことね」


[2018/04/20] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

67 Escape 「脱走」 

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67 Escape 「脱走」

「さあ、早く!」とライアンが言った。「何か服を着て、俺について来いよ。家に戻る方法を見つけたと思うんだ」

ジャスティンは信じられなそうな顔をして、古くからの友だちの顔をじっと見つめた。そしてようやく口を開いた。「家に帰る? どうしてボクが家に帰りたいって思うの? ここは楽園だよ」

「何だって? 何を言ってるんだ? ひょっとすると……ああ、なんてこった……お前、連中にそそのかされたのか? そうだな?」

「そそのかされた? ボクは別に誰にもそそのかされてなんかいないよ。ボクはただ、故郷へのノスタルジーで盲目になってなんかいないと言ってるだけ。ボクには真実が見えてると言ってるだけ」

「真実? 真実って何だよ?」ライアンは声を荒げた。ライアンは、今やほとんど昔の面影のない友人を睨みつつ、声がパニックで引きつってるのを感じた。「真実は、連中が俺やお前や他の男たちを変人の群れに変えてしまったことだろ! 自分の姿を見てみろよ。エロ雑誌の見開きグラビアに出てる女みたいになってるじゃないか!」

「なに言ってるの?! ボクは自分が前より良くなってると思ってるんだよ。でも、見開きグラビアに載るにはもっともっと頑張らなくっちゃと思ってる。それに、キミこそ……」

「黙れ!」とライアンは叫んだ。「そんなの誉め言葉にも何にもならない。お前はそんな姿になってはいけないんだよ。俺にもおっぱいなんかあってはいけないんだ。長い髪の毛もいらないんだ。それに、それに……。俺は故郷に帰りたいだけだよ。故郷に戻って本当の自分に戻りたいんだ」

「ああ、ライアン。ここが君にとっての故郷だよ。この島が聖地なんだって、ここに居られて幸せなんだって早く理解できれば、それだけ早く、本土に戻るなんてバカな考えを捨てることができるよ。ちょっと考えてみて? ここでは、何でも用意されている。食べ物も、服も、娯楽も。ボクたち完全に贅沢三昧の生活を送ってるんじゃない? なのに、あっちに戻る? あっちに戻ったら、キミもボクも無職のニートに戻っちゃうんだよ。1ヶ月もすれば、また路上生活だよ。一体どうしてあっちに戻りたいなんて思うの?」

「俺は……俺は……女の子みたいな格好がイヤなんだ。女みたいな服を着るのがイヤなんだ。俺は……俺は男になりたいんだ」

「ああ、可哀想に……それってありえないよ。もう元の姿には戻れないの。それは分かってるんじゃない? この島から出られたとしても、本土にたどり着けたとしても、あの人たちがキミを連れ戻さないことにしたとしても、キミは2度と男には戻れないんだよ」

「でも、連中は俺たちを変えたんだ。だとしたら、俺たちを元に戻せる人もいるはずだよ。俺はそう信じてる」

「ムリ。できっこないよ。でも、いいことを教えてあげるよ。キミには何が必要か分かったから。ボクの後について来て」

「ど、どこに行くんだ?」 ライアンは抵抗する気力が失せるのを感じていた。

「ボクを信じて」 ジャスティンはそう言ってビーチを進んだ。「ボクも2週間くらい前までは、今のキミと同じだったの。でも、あの人たちに助けられたんだ。ボクたちがどれだけ運に恵まれているか、あの人たちに教えてもらったんだよ。それ、知りたいと思わない? 気持ちを落ち着かせたいと思わない? 幸せになりたいと思わない?」

「し、幸せ?」ライアンはつぶやいた。

「そう、幸せ。あの人たちに会えば、嫌な気持ちを全部吹っ飛ばしてもらえるよ。そうしたら、ボクたち一緒に幸せになれるよ」


[2018/04/19] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

67 Crazy 「狂ってる」 

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67 Crazy 「狂ってる」

「これって変なことだと思う」とあたしは言った。声がかすかに震えていた。不安に思ってる気持ちがバレないようにと願った。その不安感をさらに偽装するため、軽く微笑んだ。

「僕もそう思うよ」と彼は答えた。彼の瞳の中、肉欲的な欲望が見えた。それに、精神的な愛情も。彼は近づいてきて「でも僕は気にしない」と言った。

怖くなって、目を背けた。彼が怖くなったのではない。自分が怖くなったのだ。自分がしようとしていること、ここまで自分を変えたこと、そして、その目的。それが怖くなった。

健康的ではないのは知っている。正直に言えば、「健康的」という概念から最もかけ離れたことだと思う。あたしは打ちひしがれていたし、それは彼も同じだった。ふたりとも、落ち込むなら、ふたり一緒に落ち込んでいたいと思っていた。それはそんなに悪いことなの? 幸せになるために、できる手立てが何であれ、それを一緒に行おうと思うのは、そんなに悪いことなの? 愛する人を失った喪失の痛みを慰めあいたいと思うのは悪いこと? あたしは、それは悪いことではないと、あたしたちは完全に間違っていないと、無理にでも思い込もうとした。でも、心の奥では、理性的に分別を働かせた。彼も同じだった。

「彼女に会いたいの」と呟いた。「ほんとに、ほんとに彼女に会いたい」

「僕もだよ」と彼が囁いた。彼はあたしの近くにいて、彼の温かい呼気が頬に伝わった。

「これは間違ってること?」 とあたしは顔を上げ、彼の瞳を見つめた。彼の目が潤んでいるのが見えた。あたし自身の目に涙が溢れてきているのと同じように。

「僕は気にしない」と彼は繰り返した。彼の気持ちは分かっている。もう、ふたりとも、気にしていない。彼は手を差し出し、あたしの顔を撫でた。「本当に君は彼女にそっくりだ」

「分かってる」とあたしは答えた。この点が重要なところだった。あたしはずっと前から姉に似ていた。実際、双子なのだから当然。でも、あたしは、姉が死んだ後、さらに姉に似るように努めた。悲しみに打ちひしがれ、頭がはっきりしてる時はまれだったけれど、そんな希な時に冷静に思えば、自分は狂ってると分かっていた。整形手術を受けたり、姉の服を着たり、名前を変えたり。狂ってると分かってても、やめることができなかった。自分は本当に姉にそっくりになりたいのか、自分でも分かっていなかったと思う。ただ、鏡を見るたび、死んだ姉があたしを見てるように思えた。そして、一瞬にせよ、姉が亡くなったことを忘れられた。一瞬にせよ、自分は独りではないと思えた。

そして彼は、変身したあたしを見て、ためらうことすらしなかった。彼は、死んだ恋人と、目の前に立つ、彼女のコピーの区別をしなかった。彼はあたしを……姉を……とてもとても情熱的に愛してくれた。姉の死は穴を残したけれど、あたしはその穴に完璧に嵌った。

自分が狂っているのは知っている。でも、あたしは彼と同じく、それを気にしない。今後も一切。


[2018/04/19] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

67 Cosplay 「コスプレ」 

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67 Cosplay 「コスプレ」

アーロンは手の込んだウィッグの毛を引っ張り、無駄な抵抗とは言え、少しでも居心地の良い形にしようとした。彼のガールフレンドのミアが、彼の手を叩き、やめさせた。「それ、いじるのやめなさい。せっかく固めたのに解けてしまうじゃない」

「でも、これ、すごく居心地悪いんだよ。それにこの衣装……ボクはこれが誰のコスプレかすら知らないんだから」

「ストリート・ファイターのレインボー・ミカよ」

「でも……」

「でもも何もないわ。あんた、コスプレするのに同意したでしょ? 今になって辞退するなんて許さないからね。それに、すごく似合っているのよ」

「でも、ボクのお尻がこんなに丸出しになってるんだよ。……これ、何と言うの? ショーツでないのは確かだよね?」

「それの呼び方なんて関係ある? あんたのお尻、最高だわ。お尻以外のところも最高。誓ってもいい。あんた、ぶっちぎりで優勝するわよ。他の男の子たち、あんたの半分にも及ばないわよ」

アーロンはため息をついた。ミアと言い争っても無意味だと分かっていた。彼女は、あるB級ビデオゲームのキャラのコスプレ大会に彼を出させると、心に決めたのだ。彼が何を言っても、何をしても、それを変えることは不可能だったし、そのコスプレ・コンテストの不思議なルールも変えられなかった。そのルールとは、女性キャラに扮するのは男に限定し、女装した参加者同士で競わせるというルールである。彼は、大会会場に来て初めて、様々な男たちが、皆、伝統的な女性のコスチュームを着てるのを知った。しかも、このコスプレ大会の暗黙のルールとして、女性キャラのコスチュームは信じられないほど露出的なものとされていた。アーロンは、自分のために選ばれたコスチュームが、そんな中でも最もスキャンダラスなコスチュームにランクされるのを知った。

「じゃあ、とっとと済ましてしまおうね? コンテストが早く終われば、それだけ、早くこのバカげた衣装を脱ぐことができる」

「あ、あんたに言っておくのを忘れてた。コンテストの後、ここで、大きなパーティがあるの。それに出席することになってるわ」

「でも、ボクは着替えを持ってきてないよ!」

ミアは肩をすくめた。「じゃあ、どんな衣装で出るか分かるんじゃない? 落ち着いて。あんた、最高なんだから。これであんたにおっぱいがあったら、本物の女の子じゃないなんて言えないと思うもの」

アーロンは、それを誉め言葉と取ってよいかどうか分からなかった。いちど、大きく深呼吸をした。「じゃあ、行こう」 これも運命とあきらめたアーロンだった。

[2018/04/17] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

67 Competitive 「恋敵」 

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67 Competitive 「恋敵」

「さあ、おふたり。前に出て。真ん中に立って。彼氏のジェロームがすぐにここに来るから。あんたたちふたりを彼に見せびらかしたいの」

「か、彼氏?」

「あら? 言ってなかったっけ? あたし、地元に彼氏がいたってこと? 彼とは長距離恋愛みたいなことをやってたけど、あたしたち女の子同士でしてたら、ちょっと、あたしイライラしてきちゃってて。あんたたちふたりが、もう2週間ほど張り合い続けてていたら、あたしも諦めてたかもしれないけど。あ、彼が来たみたいよ」

「やあ、遅くなってごめん」

「全然。ねえ見て。あなたにあたしの特別のお友達を紹介したいの。ねえ、おふたりさん? こちらがジェローム。ジェローム? これがクロエとクラリス」

「クロエとクラリス? おいおい、こいつら男じゃねえか」

「ええ、そう。かつてはカールとロブだったの。でも、ふたりとも、あたしが女の子の方が好きかもと思ったみたいなのよ。どこでそんな考えを吹き込まれたのか知らないけど、いつの間にか、ふたりとも競い合ってドレスを着たり、振る舞い方もどんどん女っぽくなっていって。あたし、ふたりに本当のことを言う勇気がなくって、ずっと黙っていたけど。ほんの1週間前まで、ふたりとも、まだ、あたしに対してチャンスがあると思っていたみたいなの。ほんと哀れね」

「でも、ふたりとも嬉しそうな顔をしてるじゃねえか」

「あら、違うわ。ほんとに違うわよ。ふたりとも互いに嫌っているの。でも、安心して。あなたがここにいる間は、ふたりとも良い娘でいると誓わせたから」

「良い娘ねえ。ふーん。それってどういう意味だ?」

「そうねえ、まずは、ふたりに、あたしたちのためにちょっとしたショーをしてもらうことができるわね。興味ある? ふたりのあのちっちゃいモノは、もう勃起しないの。でも、ふたりが使えるディルドなら、たくさんコレクションしてるわ」

「そうか、面白そうだな。早速、見せてもらおうか」

「ええ、あと、もしふたりとも上手にできたら、ふたりに後始末の仕事をさせてもいいんじゃない? あなたとあたしの……再会のご挨拶をした後の後始末だけど」



[2018/04/16] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

67 Committed 「本気の仕事」 

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67 Committed 「本気の仕事」

「自分のミッションを理解してるか?」 とエージェント・マイケルズが訊いた。

ルイスは腰に手を当て答えた。「バカか、サム。俺は自分の仕事を分かってる」

「エージェント・マイケルズと呼べ。ここから1歩外に出たら、お前はルイス・ロドリゲスではない。お前はローラだ。ローラは俺の相棒ではない。ローラは俺とため口を聞く間柄ではない」

「俺がすべきことは分かってる。いいから、服をよこせよ」

エージェント・マイケルズは衣類の山をルイスに放り投げた。「潜入しろ。そして仕事をするんだ。捕まるなよ。お前を助ける余裕はないからな」

「分かってる。それとも何か? お前、俺が失敗するかもしれないと思ってこれをヤルとでも思っているのか? 神に誓うぜ。俺を子ども扱いするのはやめろ。何が重要かは分かってる。自分の仕事も分かってるんだ」

ルイスは内心イライラしてるのを隠さなかった。イライラの原因は、大半が、思考に染み込んでくる不安感だった。あれだけ準備をしたものの、あれだけたくさんの訓練をしたものの、自分がこの役割を相手に納得してもらえるように演じ切ることができるか、自信がなかった。ほぼ3ヶ月にわたる綿密なプログラムの結果、彼には、ほんの小さな痕跡を除いて、男性性のほとんどすべてを失っていた。にもかかわらず、依然として、自分が成り済まそうとしている存在として、あの連中に納得してもらえるかどうか、分からなかった。

だが、仕事は仕事だ。これは必要なことだ。

「お前ならうまくできる。その姿、大したものだと思う。今のお前はトンプソンの好みのタイプそのものだ。お前が違うなんて、あいつは微塵も思わないだろう」

「違うって、シシーとは違うとかか? それとも娼婦と違うとかか?」

「考え直してるんじゃないだろうな?」 とマイケルズが訊いた。

「もちろん、考え直しているさ! 1度ばかりか、2度、3度と考え直してる。だが、俺は何が問題か知っている。俺は仕事を完遂する。これが終わったら、元の自分に戻る」

「ああ、俺は理解してるよ」

「本当か? 俺はこれから、ウチの隊の半分を殺した男のちんぽをしゃぶることになるんだぞ。あいつに抱かれることになるんだぞ。俺はこれからあいつの完璧なセックス玩具のふりをすることになるんだぞ。しかもお前は俺はもう……」

「もう後戻りはできないんだ」とマイケルズは元相棒の言葉をさえぎった。「書類は中に入ってる。かかわっている人間全員に関して、お前はローラだ。ルイスは死んだ」

「分かってる」ローラは気持ちを落ち着かせようとしながら答えた。「そして俺は俺の仕事をやる。だから、せめてお前には俺がこれを喜んでやるとは思わないでほしいんだ」




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67 Close 「あと一息」 

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67 Close 「あと一息」

別に、あたしは、最初からセクシー女になるつもりでいたわけではない。誰でもそうだとは言えないけど。でも、だからと言って、あたしがセクシー女そのものだという事実は変わらない。

ちょっといい? あたしには分かる。あなたはあたしを見て、こういう姿になるのを望まなかったならどうして、こういう姿になったのか分からないと言うと思う。多分、あなたは、あたしがずっと前からこうなることを夢見てきたのだと思うだろう。子供の頃にバービー人形を見て、「こんなふうになりたい!」と言っていたと、そう思うだろう。

まあ、こう言っては大変申し訳ないけど、あなたは完全に間違っている。あたしは、他のたいていの男の子と同じように育ってきた。当時なら、あなたも、あたしと他の男子との違いが分からなかっただろう。もっと言えば、あたし自身、思春期に差し掛かるまで、自分には他と違うところがあることに気づいていなかった。

その時のことをはっきり覚えている。姉のパンティがそこにあって、誰も見ていなかった。正直、自分でもなぜなのか分からないけど、あたしはそれをポケットにしまった。あの時まで、あたしは、女物の服を着るなど一度も考えたことがなかった。でも、あの夜に、すべてが変わった。

自分の部屋に入って、ドアにカギをかけ、そのパンティに脚を通した。その下着でぴっちりと下半身を包んだ瞬間、あたしの中の何かが目覚め、そして、その結果、あたしは生まれて初めての射精をしたのだった。あの時、パンティを履いたあたしは、他に何をしてよいか分からなかったので、ベッドに飛び込み、掛け布団の中に潜った。でも、うつ伏せになったとき、その圧力がとても気持ちいいのに気づいたのである。特に、シーツとシルクのように滑らかなパンティが擦れる感覚にうっとりとなった。

本能的に、あたしは腰を上下に振り始め、その動きによって、ゾクゾクするような快感が股間に広がってくるのを感じた。たった数回、腰を振っただけで、あたしは、あの生まれて初めての射精に至った。そしてあの瞬間から、あたしは完全にこれにハマったのだった。

でも、あたしは、この行為を隠し続けた。あたしと同じことをする人が世の中には何千人もいるのを知ったときでも、あたしは隠し続けた。自分と同じような男子についての話しを読んだ。美しい女性になるためにホルモンを摂取したり、整形を受けたりする人の話しも読んだ。ペニスがついた美しい女性たちのビデオを何本も見た。そして最後には、自分が何を求めているか、自分のために何をしたいかを悟ったのだった。

そして、高校を卒業すると同時に、あたしは自分がしたいと思ってきたことを開始した。そのためのお金をどうやって都合したかを自慢するつもりはない。カメラの前でアソコをいじって見せるのは屈辱的だったけれど、整形手術やホルモンは高価だった。それに、ホルモンや手術の結果を見るたびに、もっと多くを求めるようになっていった。もっと大きくしたい、もっと女性的になりたい、もっとセクシーになりたい、と。完璧になりたかった。

あたしの変身が、女性の肉体を得るだけでは終わったと言えないのは知っていた。肉体の特定部分が異様に巨大化することで達成されると。手術を受けるたびに、完璧さの目標には近づいたけれど、同時に、欠点も浮き彫りにされることにもなった。そして今は? 今、あたしは、さらに良い姿を求めるという永遠に続く自己改善の循環を繰り返している。

そういうわけで、今のあたしの姿がある。あなたはあたしを見て、整形ありありのセクシー女と思うだろう。自分でもそう思う。でも、あたしは、もう1回だけ整形手術を受ければ完璧になると思っている。毎回思っている。実際は1回で終わるわけではないと分かっているのに。もうやめたいと思っているけど、どうしてもやめられない。本当にやめたいと思ってるのに。でも、もう少しで完璧になれるのだ。あと一息なのだ。


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67 A secret 「秘密」 

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67 A secret 「秘密」

「まあ、これってちょっと恥ずかしいわ」とライリーが言った。

この言葉、今の状況を表す言葉では全然ない。カイルの言葉に詰まった反応を見ても、それは明らかだった。「で、でも……えーっと、君は……」

ライリーはにやりと笑い、下を向いて自分の体を見た。「ちょっとショックだったかも。隣に住む女の子にはおちんちんがついていたなんて、思ってもいなかったものね?」

「ぼ、ボクは……」

「ちょっといい?」 と彼女は体を屈め、つるつるの脚に沿ってパンティを引き上げた。「この土地が先進的な地域じゃないのは知っているの。それに、あなたがすごくビックリしてるのははっきり分かる。でも、このこと、他の人に言わないでもらえると、すごくありがたいんだけど。新しく引っ越してきた女の子ってだけでも、いろいろ嫌なことがあるの。それが、ましてや新しく引っ越してきた男の子だったと分かったら、もっと嫌なことがあるのよ。言ってる意味が分かると思うけど」

彼女は、タンクトップを着て、裸体を隠しながら、この男の子、いつになったら開いた口を塞ぐのかしらと思った。この男の子はあたしと同じ年だ。自分と同じ高校3年生。それに、この男子はちょっとぎこちない感じはあるけど、そこがまたキュートだと思った。ブロンドの髪、青い瞳、そして、自分はうまく慣れられない中西部の人間らしい無邪気そうな性格。彼女はそう思った。

「君は男なんだよ」とカイルが言った。

「目はいいのね」とライリーは答えた。「でも、違うわ。正確には違う」

「でも、君には……あの……」

「ちんぽがついている。そうよ、その点は1分前にも話したと思うけど。いい、聞いて、カイル……カイルって名前でいいのよね? いい? だからこそ、取引なの。誰にもこのことを言わない。いい? 体を変えるとき、そのせいで、もう3回も転校しなきゃいけなかったんだから。もう転校はこりごりなのよ」

話す様子は平然としているけれども、この何年かはライリーにとって信じられないほど辛い日々だった。女性化には結果として様々な恥ずかしい状況に対処する必要がある。ライリーは、そういった女性化の現実に対処しなければならなかったのに加えて、彼女が男子ではないという理由で彼女を嫌い、イジメをする数多くの群れをなす者たちと対決する必要もあった。もちろん、彼らはライリーが女性的な男の子であった時も彼女をイジメたが、彼女が女性化を始めると、そのイジメはいっそう激しくなった。それは身体的な暴力を受けるという形で頂点を迎え、彼女は3日間、入院することになった。その事件の後、彼女の両親は転居することが最善と考えたのだった。

でも、今、ライリーは、それを過去のこととして前に進んでいる。いや、前に進もうとしていると言った方が正確だろう。

「だから、お願い。あなたはこういう状況に巻き込まれる筋合いじゃないのは分かってるわ。そもそも、あたしのこと、まだ知らないわけだし。でも、あたしを信じて。この秘密は絶対に守ってほしいって本気で言ってるの」

カイルはしばらく沈黙していたが、ようやく口を開いた。「分かった。誰にも言わない。君が言ってほしいと言うまでは、決して」


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67 A new life 「ニューライフ」 

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67 A new life 「ニューライフ」

目が覚め、まばたきをした。一瞬、何が起きたのか思い出せなかった。だが、分からない状態はすぐに終わった。バスルームの中、見回したが、何もなかった。パニックになりかかり、過呼吸状態になった。苦しく呼吸をしつつ、何が起きたのか理解しようとした。

ボクは誘拐されたのだ。寮から共用施設に行く途中、ふたりの黒服を着た男たちに待ち伏せされたのだった。気がつくと、外から見えないようにされたバンの後部座席にいた。体を縛られていた。殺されると思った。その時、男のひとりがボクに睡眠薬の注射をし、何秒も経たないうちに、ボクは意識を失った。

「よろしい」と聞き慣れない声がし、パニック状態のボクの思考を中断させた。顔を上げたら、裸の女性がいた。少なくともボクには裸の女性と見えた。豊かな胸。柔らかそうな体つき。そしてペニス。彼女にはペニスがあった。「目が覚めたようね」

「こ、ここはどこだ?」 声がかすれていた。口の中が乾いていた。「お前は誰だ?」

彼女は微笑んだ。「落ち着きなさい」と彼女はボクの横にひざまずいた。ボクの頬に手を伸ばし、優しく撫でた。「可愛いわね。どうしてあなたを選んだか分かるわ」

ボクは彼女から離れたい衝動を感じた。「な、何が起きてるんだ?」

「そうよねえ。新しい女の子にとって、これがすごくビックリすることだってこと、時々、忘れちゃうのよ」

「ぼ、ボクは女の子じゃない」

「今はまだ、ね。でも、いずれそうなるわ。どこで拉致されたの?」

ボクは彼女に話しをした。少なくとも記憶がある部分は話した。そして尋ねた。「ボクはどうなるんだ? ボクの親は、身代金なんか払える余裕がないよ」

「身代金? あら、違うわよ。そんなのが目的じゃないの」

「じゃあ、何が目的なのか言ってくれ!」 ボクは大きな声を出そうとしたが、出てきた声は、かすれてて、半分囁き声のようなものだった。涙が溢れてくるのを感じた。「何が起きてるのか教えてくれ。お願いだ」

彼女は立ち上がった。「この役目、嫌い。説明する役になるのって大嫌い」 彼女は溜息をつき、ボクに背中を向けた。目に手を当てていた。ようやくこちらに向き直ったが、心配そうな表情をしていた。「あなたが知っている人生は、もう終わったの。まず最初に理解しなくちゃいけないことは、その点。どこに住んでいたとしても、自分をどう認識していたにしても、それはもうお終い。これからは、あなたは、彼らが命ずるものにしかなれないの」

「彼らって誰なんだ?」 彼らが何を望んでいるのか、それをまず訊きたかったが、訊く衝動を抑えて尋ねた。

彼女は肩をすくめた。「正直、あたしも知らないのよ。あたしはここに来て、もう3年になるわ。彼らが誰か、いまだに分からない。彼らがどうしてあなたみたいな男の子を連れてくるのかも分からない。彼らが欲しがるような可愛いトランスジェンダーの女の子たちなんか、この世の中、たくさんいるのに。でも、うちのクライアントたちは……クライアントたちは、強制的に女の子にされる男の子を求めてたくさんおカネを出すの。一種の変態的なフェチなんだろうけど」

「クライアント?」

「あなた、娼婦になるのよ」彼女はまったく間を置かず即答した。「おカネをもらって男たちと寝るの。でも、その前に、あなたは変わらなくちゃいけないわ。たくさん変わる。彼らがあなたを仕事に就かせるようになる頃には、あなた、本当に女のような体になってるし、女のように感じるし、振る舞うようになってるでしょうね。ただ、一か所だけ違うわ。あなたの脚の間についているモノは例外。彼らは、ソコだけは残してくれるのよ。正直、それって残酷なジョークだと思うけど。どうせ役に立たなくなるんだもの。あたしたちが何を失ったかを思い出させるためのモノとして、ただぶら下がってるだけ」

ボクは再びパニックになるのを感じた。彼女が言ってることはありえないと思いつつも、彼女自身が、その言葉の生き証人になっているように思えた。「ぼ、ボクたちはここから逃げなくちゃ」と言葉を詰まらせながら言った。「そうだよ、逃げなくちゃ。ここから逃げなくちゃ!」

彼女の鋭い笑い声が、ボクのパニック状態をナイフのように切り裂いた。「逃げる?」と顔に手を当てながら言う。「不可能よ。たとえ、この建物から逃げられたとしても、外は南米のどこか知らない場所なのよ。アメリカに戻れるとでも思う? 無理よ。あたしたち、ここに居続けなくちゃいけないの」と彼女はボクの横にひざまずいた。「でも、ここの生活、そんなに悪くもないのよ。少し経てば、あなたも仕事を楽しむようになるわ。そして、あなたが上手になったら、ちゃんとご褒美も出してもらえるから。この状況を最大限に活用できるかもしれないの。でも、今は、逃げることは忘れなきゃダメ。逃げるなんて話してるのがバレたら、彼ら、あなたを見せしめにするでしょうね」

「み、見せしめ?」

「あなたの両目をえぐり取る。あなたの舌を抜く。そんな姿にしてから、勝手に生きていけって街に放り出す。そんなことされた人、見たことあるわ。あたしなら、最悪の敵に対して、そんなこと絶対に望まない。だから、諦めた方がいいの。言われたとおりにすること。そうしたら、あなたの新しい人生を、最大限にいい人生にできるわよ」


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67 A changed man 「変えられた男」 

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67 A changed man 「変えられた男」

ボクはため息をついた。「カレン、そんな目でボクを見るのやめてくれない?」

「どうしても見てしまうのよ」と彼女は目に涙を浮かべた。「あたしは、ただ……あたしはどうしたらいいの?」

「別に何も。ボクは依然として君の夫だよ。分かってるだろ?」

「あたしの夫? こんな夫? 本気で言ってるの? ドニ―、自分の体を見てみなさいよ! 信じられない」 と彼女は頭を左右に振った。「これがあなたが悪いわけじゃないのは分かってるけど、だからと言って、あたしがこれでOKだなんて思ってほしくないわ。あなたがこんな姿になっているのに、あたしたちが以前の状態に戻れるなんて思えるわけがないでしょ」

「それは分かってるけど、でも、ボクたちは依然として……」

「何よ? あたしとあなたは何だっていうの? 夫と妻? あんた、どう見たって女じゃないの、ドニー! 女よ! さらに悪いのは、今のあなたがあたしよりもずっと綺麗になってること。あなた、まるでモデルのように綺麗じゃないの!」

「それは分かってる。でも……」

「でも、何よ! あなた、そのカラダでスーツを着て、前のような男に戻るつもりなの?」 カレンは両手で顔を覆い、さめざめと泣き始めた。ようやく顔を上げたら、マスカラは乱れ、両目が赤く縁どられていた。「あの時、あなたは行くべきじゃなかったのよ。あたし、何か悪いことが起きると思っていたのに」

「実験室で爆発があったのは知ってるよね? ボクのDNAも突然変異を起こしたのを知ってるよね? それでボクはこうなってしまった。お願いだよ、カレン。こんなことになるなんて、誰も予測できていなかったんだよ」

「ええ、あなたがこういう姿になってしまうのは誰も分からなかったわ。でも、あたしは、あなたが行くべきではないと分かっていたの。……行かないでって言ったのに。なのに、あなたは行ってしまった。どうしても行かなくちゃって」

「ボクには選択肢はなかったんだ」とボクはつぶやいた。

「いいえ、もちろん別の選択はあったわ。それに、正確にどんなことが起きるかは予測できなかったかもしれないけれど、それでも、ひどく悪いことになる可能性があることは分かっていたはず。危険があるのを知っていた。なのにあなたは実験室に行ったのよ。そして、1年近くもあたしを置き去りにして。連絡も一切なし。あたしは、ずっと、ただここに座ってあなたが帰ってくるのを待っていた。期待しながら。悪いことが起きませんようにと祈りながら。そして、結果はと言うと、その悪いことが起きてしまって、あたしの夫はいなくなってしまったと知らされたのよ」

「ボクはまだ君の……」

「違うわよ! 違う! あたしの夫は男なの! ドニ―、今のあなたが何者か、あたしには分からないけど、あたしの愛する夫じゃないのは確かだわ。あなたは、あたしが一緒になった男性じゃないわ!」

「な、何を言ってるのか……」 ボクは声がかすれていた。

「出て行ってって言ってるの。何か服を着て、出て行って。こんなこと、あたし、耐えられない!」


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67 A bigger fish 「より大きな魚」 

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67 A bigger fish 「より大きな魚」

「よーし、お前ら」とジミーはあたしの腕をつかみ、引っ張って横に立たせた。あたしも、この大男に逆らおうと思うほどバカではない。すでに、逆らったらどうなるかは身に染みて知っているし、それを繰り返すつもりもない。「よーく、聞け」

部屋の中、男たちは、ぶつぶつと呟いていたが、一斉に沈黙した。そして、あたしの方へ眼を向けた。だが、彼らの視線はというと、直接あたしに向けた視線はない。あたしの後ろの方とか、足元とか、ちょっと横の方とか。誰もがあたしに目を向けているが、微妙に視線を外していた。彼らは、あたしがどういう運命をたどったか、改めて知りたいとは思っていないのである。だが、ジミーは逆のことを考えていた。

「お前ら、このオンナ見えるよな?」 ジミーはどすの効いた声で唸った。図太い声が部屋に響く。あたしはうつむき、磨かれたコンクリートの床に目を落とした。「よーく見ろ。このデカいおっぱい」と彼は荒々しくあたしの胸を握った。「この丸々とした尻」と今度はあたしの尻頬をピシャリと平手打ちした。「そして、この可愛い顔」とあたしの顎をつかみ、ぐいぐい握る。

男たちは一瞬、ざわめいた。その理由は知っている。ここにいる男たちが最後にあたしを見た時、あたしが彼らのボスだったのだ。あれから1年半しか経っていないが、ずいぶん前のことのように感じる。自分では、あの頃の自分と今の自分は違った人間とは感じていない。同じ自分と感じているのだ。だが……。

ジミーは乱暴にあたしを近くのカウチへと突き飛ばした。そしてフランキーを指さした。フランキーはあたしの一番古い友人だ。「フランキー! このオンナをヤレ。この場でだ。今すぐにだ」

フランキーは、ジミーの命令にためらうことすらしなかった。フランキーは、あたしが子供の頃に初めて強盗をやったとき以来の相棒だ。あたしと一緒に、この街の犯罪の大半にかかわり、あたしの真の相棒であることを行動で示してきた男だった。だが、そのフランキーが、直ちにズボンを脱ぎ、あたしの脚を大きく広げ、使いこなれたあたしのアヌスに太いペニスを突き入れた。それを受けて体が自動的に反応し、娼婦らしいヨガリ声が口から洩れた。その間もジミーは話しをつづけた。

「これがお前たちの元ボスだ」と顎であたしを指した。「よく見ろ。喜んでるのが見えるだろう。こいつは、これから俺のクラブで働くときも、こうやって喜びまくるだろう。すでに壊れたからな。完全に。後戻りは不可能だ」

そこまで言って、ジミーはため息をついた。「俺もこんなことはしたくはなかったんだ。もっと平和的にシマを渡してもらいたかったんだよ。ジョニーにはシノギを払ってはどうかと言ったんだ。そうすれば手下たちも、そのままでいいとな。小さいだろうが自分の王国を持てて、仕切り続けることができたし、誰も傷つくことはなかった。だが、こいつは、自分が実際より強いと思ったらしいんだな。俺に歯向かえると思ったんだ。ダメだったけれどな」 ジミーは指を伸ばし、男たちに向け、ひとりひとりの顔をゆっくりと指さした。「お前たちもだ。俺に歯向かうことはできねえぞ」

ジミーは最後に指先を、親友に犯されているあたしに向けた。フランキーの下腹があたしの尻頬を叩く音と、あたしの喜びに狂うヨガリ声が部屋に響いている。「俺に歯向かったらどうなるか、これがその代償だ。誰であれ、俺のカネに手をつけたら、こういうことになる。こいつはお前たちの中でも一番の男だった。だが、俺には、その一番の男ですらこんなエロ女に変えることができる。当然、こいつよりも弱いお前らなら、こんなふうにするのはもっと簡単だ。忘れるなよ。お前たちが俺の言うことを聞かなかったら、俺のクラブには新入りのエロ女がいくらでも増えて、繁盛することになるからな」

ジミーはそう言って部屋から出て行こうとしたとき、「ボス!」と男たちのひとりから声がかかった。ジミーは振り向いた。「俺たち、このオンナをどうすれば?」

ジミーは肩をすくめた。「こいつは、明日までお前たちが好きにすればいい。楽しめ!」

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08 New swimsuits 「新しい水着」 

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08 New swimsuit 「新しい水着」

最新の水着のはずだった。ディーンのガールフレンドが彼に絶対よと言った。まさにこのタイプの水着を着た水泳選手が最近、新記録を立てたのだと。もちろん、ディーンは彼女の言葉を信じた。どうして彼女が嘘をつくだろうかと。

それでも、彼はこの水着を着ると、依然としてすごく体を露出してる気持ちになった。形の良いお尻の部分が大きく露出してて、気になってしまうのである。それに、流体力学上の理由からとは言え、ペニスを股間にしまい込まなければならないことも、少し気になっていた。だが、記録のために彼はそれをしたのだが。

ディーンはどれだけ体が変わったか自分で気づいてるのだろうか? 彼はもともと痩せた男子水泳選手ではあったが、2年前に彼女と付き合い始めてからは、ほとんど別人のようになっていた。彼女からもらったビタミン剤のせいだろうか? それとも彼女が好きだというので伸ばし始めた髪の毛のせいだろうか? あるいは、体毛を剃り、つるつるの肌になり、軽く毛要しているせいかもしれない(彼女は化粧をしてる男子は多いと言っている)。

いずれにせよ、18歳の彼は急速に変化を遂げている。そして、これから彼はどんな変化を遂げることになるのだろうか?


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08 New look 「新しい気の持ち方」 

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08 New look 「新しい気の持ち方」

ミッキーは何年も、あらゆるタイプのからかいの標的とされてきた。他の男子たちは、彼をゲイとかシシーとかオカマとか何百もの呼び方で呼び、悪口を浴びせ続けた。たいてい、彼は、じっと我慢して、無視し続けた。泣き出してしまうこともあった。落ち込むこともあった。一度、相手とケンカしようとしたこともあった(壮大な不成功に終わったが)。いずれにせよ、悪口は止まらなかった。

だが、高校3年になる前の夏、ミッキーはある決心をしたのだった。もし、それを抑制できないなら、それを積極的に受け入れてしまえ、と。そして、彼は髪を伸ばし始め、化粧をするようになり、どんどん女性的な服を着るようになった。生まれつきの女性的な傾向を無理やり抑え込もうとするのをやめたのである。

夏休みが明け、3年生の学年が始まる時までには、彼は変身を遂げていた。それまでの女っぽい男の子から、学校のたいていの女の子より可愛いシシーへと変身したのだった。もちろん、からかいは続いたが、ミッキーはからかわれても、それに合わせて受け流すようにした。ゲイとかシシーとか言われても、その通りと受け入れた。冗談を言われても、その通りだよと自ら認めて受けて立った。

やがて他の男子たちはミッキーのことを気にし始めたのだった。もちろん、ミッキーもそれに気づいていた。そして、毎日、体育の授業の前に男子ロッカーにおいて、彼は他の男子たちにちょっとしたショーをして見せてあげた。服を脱ぎ、パンティひとつの姿になと、ロッカールーム中の目が自分に向けられているのを知るのだった。

結局、シシーであることはそんなに悪いことではないと思うのだった。


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08 Little brother 「弟」 

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08 Little brother 「弟」

弟のボビーは、来年、大学生活を始めたら、乱暴に事実に目覚めさせられることになるだろうと思う。いま弟の周りの人はみんな彼をシシーだと知っていて、単に、みんな、それを無視してるだけ。弟は可愛いから。みんな、彼のことが大好きだから。

でも、大学に入って、寮のルームメイトがボビーは毎日パンティを履いてると知ったら、そのルームメイトは何て言うだろう? それにボビーの衣服(ドレスやスカートやタイトな女性物のズボンやブラウス)を見たらどう思うだろう? それにボビーのヘアスタイルや化粧していることや体毛の処理をしているのを見たら?

弟はからかわれるだろうか? それとも、ここにいる時のように、みんなに受け入れてもらえるだろうか? 後者だといいのだけれども。

でも、どうしても想像してしまう。もし、周りの男子学生たちがボビーを利用しようとするのではないかと。何と言うか、ボビーは外見で言えば女の子そのものと言っていい。しかも、女の子の中でも超一級のすごく可愛い女の子。自慢するわけではないけど、私は高校卒業の時、プロム・クイーンに選ばれた。だけど弟は、そんな私よりもずっとずっと女らしいのだ。もし、男子学生たちが、弟のキュートな顔と小柄で女性っぽい体を見て、本物の女の子とあまりに近いので、弟が男であることなど問題ではないと思ったら、どうなるだろう? ボビーは抵抗するだろうか? 抵抗できるだろうか?

ボビーはずっと前から男の子には興味がないと言っている。実際、高校時代には可愛いステディのガールフレンドもいた。でも、私には分からない。……あれだけ女っぽくて、あれだけ可愛いのだから……。男の人と一緒になったらどんな感じになるだろうって、少なくともそういうことを考えないはずがないと思う。

それとも、弟はそういうことを考えたことがあるのかもしれない。考えてるけど、実行に移していないだけかも。

弟は、自分を女の子とは違う存在として見ていないのではないかとすら思ってる。私の前で裸になることを何とも思っていない様子。……というか、私の服を借りたりすらするし。それに、弟がつるつるの脚に沿ってレースのソング・パンティを引き上げ、履くのを見るたび、弟が本当に女性を異性と見てるのかすら怪しく思ってしまう。

でも、来週になれば、この答えも分かるだろう。来週、弟は大学の寮に引っ越す。そして私の疑問にも何らかの形で答えが与えられると思う。


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08 It's a living 「生活のため」 

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08 It's a living. 「生活のため」
小さい頃に、あたしは、どういうわけか分からないけど、男の人があたしに惹かれるのを知った。多分、あたしが比較的、体つきが小さかったからかもしれないし、顔つきが可愛らしかったからかもしれない。何かの化学反応みたいなものだったかもしれない。知らないけど。ともかく、これまでの人生、あたしはいろんなタイプの男たちに言い寄られてきた……しかも、たいていはストレートな男の人だった。そして時間と共に、あたしの方もちょっとだけ、そういうふうな状態が好きになっていた。あたしは、男の人に惹かれたかって? 多分そう。でも、当時、自分はどう思っていたかって、思い出すのが難しい。

でも、同じ経験をした人が多いと思うけど、学校を卒業した時、あたしは就職ができなかった。あたしが男の人に頼って生活するようになるのに時間がかからなかった。言い寄ってくる男の人にいろんな物を買ってもらって生活する。住まいとか車とか、いろいろ。

ホルモンも摂り始めた。それにいくつか小さな整形もした(もちろん男の人のおカネで)。今は……まあ、今は(名前は伏せるけど)とある有名なミュージシャンのステディなガールフレンドになっている。彼はあたしが欲しいものを何でもくれる。まあ、あたしの方も、彼がしてほしいことを何でもしてあげているんだけど。誰だって、どうにかこうにかして、生活していかなくっちゃいけないでしょ?

今あたしは幸せかって? そう思う。よく分からないけど。ステキな物を持つのは好きだけど、でも……よくわかんない。


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08 I can't believe he did it 「彼がヤルなんて信じられない」 

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08 I can't believe he did it 「彼がヤルなんて信じられない」

何年も前から彼は自分はシシーじゃないと言っていた。あんな服装をして、立ち振る舞いもあんな感じなのに、自分は普通の男だよと言っていた。みんな彼の言うことを信じていたかって? 多分、違うと思う。多分、最初は普通の男だったかもしれない。でも、時間と共に、彼が変わったのは確か。どうして変わったかって? 実際、それはすごく単純だった。

あたしたちみんな、こう考えている。つまり、たいていの人は、一番ミステリアスな雰囲気を持ってる性に惹かれるということ。たいていの場合、それが男に女が惹かれる理由だし、女に男が惹かれる理由。でも、あたしたちの友だちのランスの場合は、その正反対だった。あたしたちが小さかった頃から、ランスはいつも女の子たちと一緒に遊んできた。ほんと、彼はどこをどう取っても、あたしたち女の子のひとり。同じような服装をしてたし、振る舞い方も同じだし。姿かたちも似ていた。さらには、彼が一緒にいるときでも、あたしたちは裸になっても全然平気なレベルにまでなっていた。あからさまに裸を見せるために裸になるって感じじゃなくって、彼が部屋にいても、何も考えずに普通に着替えするって感じ。

思うに、あたしたち女の子は他の女の子に対していつもケチをつけてばかりいるので、それが、何と言うか、伝染したのだと思う。彼も女の子たちの欠点ばかりあげつらうようになった。あたしたちが男の子についておしゃべりするときは、その正反対。……そして、それも、また伝染したのだと思う。

ともかく、大学1年生の時の春休みに、それが一気に表面化した……(よくあるように)状況がちょっとワイルドになってきて、この、すごくキュートな男子がいたわけ。その男子はどういういきさつだったか素っ裸になっていた。それで、誰かが、ランスに、その男子のおちんちんに触ってみたらって、何も考えずにけしかけたの。正直、大変な間違いだった。……ランスはまさにあたしたちのような顔つきになり、あたしたちのように行動したわけ。

躊躇ったのは、ほんの数秒だけで、彼はアレに触った。単に触るだけじゃなく、握ってしごき始めたし、やがて、それは本格的なおしゃぶりへと。いったん、口に入れた後は、もう平気で吸い始めた。

多分、彼の中で、そういう気持ちがしばらく前から膨らんでいたのだろうと思う。だって、ランスは、ヤッテる間、周りを見ることもせず、夢中になっていたもの。まるで催眠術に掛けられているみたいだった。



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08 He noticed! 「バレた!」 

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08 He noticed! 「彼にバレた」

ちゃんと分かっていたんだよ。レディーがする座り方も、脚を組むこととかも。何ヶ月も、行儀を会得するのに使ってきたのに。最初は抵抗した。なんだかんだ言っても、オレは……23歳の男なわけだし。女になりたいなんて思ってもいないし。ましてや10代の女子高生なんて! でも、オレはそれに文句を言える立場にはない。自分がどうして女体化されたかも分からないんだ。ただ、気がついたら、こうなっていた。これは実験なんだよって、あの人たちは言ってるけど……

自分の正体を誰にも知られないようにしろと言われた。そんなの簡単だと思っていた。見た目が女子高生なのは確かだし。それに1年近くに及ぶトレーニングや条件付けで、ほとんど、女子高生っぽく振る舞うしかできない体になっていたし。

その学年、ほぼ、うまくいきそうにまでなっていた。彼らは最後までうまくいったら、オレを解放すると言っていた。だが、その時、彼に見られてしまったんだ。

教室で座って従業を聞いていたけど、無意識的に脚を上げてしまって。バレないようにストップしたと思ったんだが、クラスメートのあいつが(ジェレミーって名前のフットボール選手が)オレのパンティのアソコが小さいけど盛り上がってるのを見てしまったんだ。ああ、バレてしまったと思った。ヤバいよ。解放されなくなってしまう。

その時、あいつがニヤリと笑ったんだ。オレも笑顔で返した。ひょっとすると、あいつとオレとで何か妥協点を見つけられるかもしれないな。


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08 Happiness is 「幸せとは」 

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08 Happiness is 「幸せとは」

これは世界中のすべてのシシーたちに当てはまること。自ら喜んでにせよ、強制されて偽よ、無知だったからにせよ、催眠術を掛けられたからにせよ、自覚していたにせよ、そんなのは関係ない。すべて同じことだということ。

この嬉しそうな笑顔。生まれて初めて本物の男性の放った精液を味わった時の、この嬉しそうな顔。これは世界中のシシーに普遍的なこと。嬉しくてたまらないことがはっきりと顔に出ている。そんなことないと否定する人もいるし、この単純な人生の真実を素直に認め、受け入れる人もいる。

多分、これが彼らをシシーにならしめているところなのだろう。いかに心の奥深くに埋め込まれていようとも、コレが欲しい、コレなしでの人生が想像できないという自覚が、この世の中で、自分の立場を受け入れつつ、それでもこの世の中で生きていこうとする意志を維持し続けている力なのだろう。脅迫されたからこうなったのだとか、強制されたからこうなったのだとかは関係ない。そもそもシシーでなければ、そういう状態を受け入れることはないのだろうから。中核的なコアの部分で「ちんぽが欲しい」という部分がなければ、シシーになることはないのだ。


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08 Hanes 「ヘインズ」 

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08 Henes 「ヘインズ」

ヘインズ。大胆になれ。ユニークになれ。自分自身になれ。

男性のために前がつるんとなるパンティを。

もう、不格好な隆起で恥ずかしい思いをしなくてもいいのです。


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08 For his sister 「姉さんのために」 

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08 For his sister 「姉さんのために」

口に1本。アヌスにも1本。カメラのフラッシュに、ジェレミーは顔を上げた。彼は自分がどんなふうに見えているか知っている。腰のトランプ・スタンプ(参考)。ネックレスやイヤリング。なかんずく、女性的な曲線豊かな体。だが、彼は他にどんな選択ができただろう? 彼はほぼ2年間、この姿になるよう頑張ってきた。そして目的まではあとわずかなのだ。本当にあとわずか。

こんなことをする価値があるのか? もしジャニスを見つけることができるなら、価値があると言える。ジャニスは海外にいるとき誘拐され、奴隷として売り飛ばされた。ジェレミーはジャニスが連れ去られる直前、彼女にあと一歩のところまで近づけたのだが、ほんの数分だけ遅かった。船が出て行くのを見て、彼はすぐにある計画を立て始めた。

まずは、彼は自分の体を変え始めた。ホルモン、手術、ダイエット……考えられる限り女性に近づくことをすべて行った。その次に、彼は立ち振る舞いについて、テレビで見る女性をマネて自己トレーニングを始めた。そしてとうとう、若いうぶな女性に見えるほどになったとき、自ら誘拐されるように仕組んだ。自分の姉が誘拐されたのとちょうど同じように誘拐されるように仕向けたのである。彼の計画は、現代の奴隷組織の内部に潜入し、それによって姉を探し出すというものだった。

そして、それは実際に上手くいった。姉は中東にいるらしい。とある石油王のセックス・スレイブになっていると。その石油王の名前も得ていた。自分の体が永遠に、完全に女性化してることは大きな問題だったか? それまでに品性を劣化させるような数々の行為を行ったが、それは大きな問題だったか? いいや、違う。ジャニスを見つけ出せるなら、そんなのは問題でも何でもない。

その時、このふたりの男が、ほぼ同時に絶頂に達した。ひとりは彼の口に、もうひとりは彼の見るからに女性的な、充分に使いこなれたアヌスに精液を放った。もちろん、ジェイミーは淫乱娼婦のように喜びの声を上げ、それを受け止めた。あともう少しで、姉さんを見つけることができると彼は思った。もう少しで、この生活から足を洗うことができる、と。


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08 Feminized husbands 「女性化された夫たち」 

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08 Feminized husbands 「女性化された夫たち」

この3人、かつては本当に「男らしい」男だった。あるいは、そういうふうに振る舞っていただけかも。フットボール、野球、ビール、アクション映画。男らしさを過剰に演じていると言えるほどだった。彼らの妻たちは、夫の行状に愛想が尽きほとほと困っていたが、ある日、そのひとりが非常に新しい方法を提案したのだった。彼らの男らしさを試練に晒したらどうだろうかと。

彼らを女性化するのは、それほど難しくはなかった。妻たちは、単に、彼女たちの望みに従うまではセックスをお預けにするという方法を取った。もちろん、急にではなくゆっくりと開始した。まずは、体毛を剃ることを要求した。毛を剃ってる男は多いし、その方がずっとセクシーに見えるわよと妻たちは言った。当然のように、夫たちはそれに従った。次に妻たちは夫に髪の毛を伸ばしてはどうかと言った。ちょっとだけでいいからと。その次には夫たちの服装について徐々に変化をもたらした。最初は、彼らの衣類の色のパレットにピンク色や他の女性的な色彩を混ぜ始めた。その後、衣類を男性的なスタイルから、よりユニセックスなスタイルへと変化させた。そして、数カ月にわたる条件付けの後、
とうとう彼らはあからさまに女性服である服を平気で着るようになっていた。

本格的な変化が始まるのはその後。「そのズボン、ちょっとだけ体重を減らしたら、すごく似合うようになるんじゃないかしら」とか、「あなた、もっと曲線がはっきりした体になりたいと思ってるんじゃない?」とかと言うようにした。常時、プレッシャーをかける。これが計画のカナメだった。そして、その後、(何ヶ月も前から「彼ら」とは言えなくなっているけど)彼らにホルモンを投与し始める。3人とも、体が変化し始めていても、文句ひとつ言わなかった。当然のこととして受け入れていた。多分、3人とも変化をただ見てないフリをしていただけなのだろう。

女性化への最後のステップは、妻たちの間では愛情をこめて「ストラップオン・テスト」として知られていた。内容は、その呼び名が示す通りである。妻たちは普通の形でのセックスを拒否し、その代わり、夫たちにストラップオンを使ったアナルセックスを導入した。そして夫たちは、それをシシーのように受け入れたのである。彼らはシシーになってしまったのか、あるいはずっと前からそうだったのかは分からないが。

この計画が実施されてから2年半経った今、3人はあらゆる意味で「男らしさ」からかけ離れた存在になっている。もっと言えば、彼らは、妻たちよりも女性的であると言える。


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08 Contest 「コンテスト」 

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08 Contest 「コンテスト」
もう4年以上、ボクはこの島にへばりついている。信じてくれるかどうか分からないけど、ボクがここに来たときは、普通の男だった。マッチョじゃなかったのは誰よりも速く認めるけど、いわゆるシシーでもなかった。ボクは普通だった。

4年前、ボクはあのバカげたコンテストに参加したのだった。コンテストと言うより社会実験だったのかな。何でもいいや。ともかく、ルールは単純だった。男女のカップルでこの島で生活すること。でも、条件があった。男性は女性に従わなければならないという条件。言いたい気持ちは分かる。そんなに悪い条件でもないだろって? それは間違い。その「従うこと」の中には、服装、振る舞いから、愛し合い方に至るすべてが含まれていた。

最初の1年はきつかった。ドレスやビキニやランジェリを着るのに慣れるのは難しかった。ベッドで「女性」になるのに慣れるのは、もっと難しかった。でもボクは何とかやり遂げた。参加者の半分以上が、この最初の1年で脱落した。でも、ボクは残った。最後まで残ったひとりになれたら1000万ドルの賞金がもらえる。ボクはその最後のひとりになるつもりだった。

実際、2年目は比較的楽だった。自分の立場に慣れていたし、むしろ楽しむようにもなっていた。でも、その後に3年目が訪れる。条件が吊り上げられたのだった。ホルモン摂取、食事制限、エアロビ、そして手術が条件に加えられたのだった。それがアナウンスされた時、残っていた男たちのさらに半分以上が脱落した。ボクも、実際、脱落することを考えたけど、結局、頑張って残ることに決めた。

体が変化し始め、大きく膨らんだところと縮んだところがはっきりしてきた。それに合わせて、女物の服が体にぴったりするようになっていった。多分、彼らは特別に強力なホルモン剤とかを使ったのだろう。ボクには分からない。いずれにせよ、3年目をすぎたときには、ボクは以前のボクとは似ても似つかない姿になっていた。

今は、ボクも混ぜて2人しか残っていない。でも、ボクの方が有利だと思っている。もう一人の男の場合、彼の妻がしょっちゅう彼に暴力をふるっているのだ(悲しすぎることだが)。彼はやがて我慢できなくなるだろうと思ってる。こういう形でボクが勝つのは望んでいないけれど、ボクが一番になるだろう。


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08 A raise 「昇給」 

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08 A raise 「昇給」

ある日、目が覚めて、「ボクは秘書になりたい」となったとか、そんな感じではない。何と言うか、ボクは男だし。男は秘書にならないし。そうだよね?

でも、どうしようもなかった。ボクは仕事に就きたかったし、その会社はボクに仕事があると言ったんだから。服装規定に文句を言える立場じゃなかった。他の秘書たちと合わせないなんて出来っこなかった。パンティとかブラジャーとかスカートとか、他のいろいろに慣れるのに時間はかかったけど、その服装に何とか慣れるようになった。

その頃、ボスがボクにちょっと規定以外の仕事をしてほしいとほのめかした時、ボクは何となく上司が何を言ってるのか分かった。他の秘書もみんなしてることだったから。ボクはこの仕事を失う余裕はなく、上司の言いつけに従った。床にひざまずいて、彼のペニスをしゃぶった。その2週間後、ボクは昇給した。

だから、上司がボクのアヌスをやりたいって感じのことをほのめかしてきた時は、ボクも喜んで彼を受け入れた。もう一回、昇給したら、新しいアパートに移れる可能性がすごく大きくなるから。でも、まだ昇給してない。上司に抱かれる度に、今度は昇給してもらえるといいんだけどなあって思ってる。


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08 A new track 「新しいトラック」 

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08 A new track 「新しいトラック」

最近、学校で変な目で見られるようになった。イジワルな目で見られるというわけではない。何と言うか、みんながボクのことを気にしているような目でボクを見ているのに気づいたということ。言ってる意味が分かってくれるといいけど。……特に男子の目つきが変。

多分、2ヶ月くらい前にボクが本気でトラックを走り始めた時からだと思う。高校では陸上部に所属していたけど、大学では陸上競技で他の学生たちと張り合えるとは思っていなかった。そんな時、ボクはキャロルと出会った。今のボクの彼女。キャロルはボクに本気になって全力を尽くしてやってみなさいよって、熱心に勧めてくれた。そしてボクはその勧めに従った。キャロルは、有利と思えるところがあったら全部利用するつもりにならなければ、やる意味はないとも言っていた。

彼女が体毛を剃るべきと言った時、理屈があってると思った。体毛が空気抵抗を作ることはみんな知っている。そこでボクは体毛を全部剃った。最初は変な感じだったけれど、2週間もするうちに気にならなくなった。その後、キャロルはボクに新しいシューズを買ってくれた。それまでのシューズより軽くて、走りやすいものだった。唯一の問題はそのシューズがピンク色だったこと。でも、どうでもいいやとボクは思った。そして次に彼女はボクに新しいウェアを買ってくれた。肌にぴっちりしたウェアで、それを着るときは特別の下着を履かなくてはいけなかった。でも、しばらくすると、新しい下着にも慣れてきて、ボクはいつもそれを履くようになった。

最後にキャロルはボクに新しいビタミン剤を買ってくれた(毎日3回飲んでいる)。でも、2週間前、ボクは陸上部から追い出されてしまった。コーチは、ボクの記録がどんどん落ちてるからだと言った。でも、キャロルは、ボクが陸上部の他のメンバーより輝いて見えてるので、ヤッカミからだと思っている。

キャロルは本当にボクのことを応援してくれてる。


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07 The bachelorette party 「独身女子会」 

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07 The bachelorette party 「独身女子会」

彼を辱めようとか、そういうことで始めたことじゃなかった。無邪気なバカ騒ぎのつもりだった。みんなヒドイことだとは知っていたし、彼の気持ちを傷つけるるかもしれないと思っていたけど、みんな、これは、何年かした後、思い出して大笑いする、そういうタイプのことだと思っていた。

知っておくべきだったと思っている。彼の服装とか振る舞い方とかを。彼には男の友だちはひとりもいなくて、いつも、あたしたち女子と遊ぶ方を好んでいた。高校もずっとそうだったし、大学に入ってからも同じだった。彼は、女の子だけの友だちグループの中に混じった、ちょっと女っぽい男子。もっと言えば、あたしたちみんな、彼のことをそういうふうに思っていた。……男の子だけど、女の子だと。

彼がああいう振る舞いや身なりをするのは、そういう理由なんだろうなとあたしは思っていた。彼が内在的に他と違うとかそういうことではない。ただ単に、彼は、いつも女の子たちと一緒にすごしていて、女の子のように扱われつつ、そういう状態を拭い去ることができない、そういうタイプの男の子なのだと。だから彼はあんなに女の子っぽいのだろうと思っていた。彼がお化粧するのは、あたしたちがお化粧してるから。彼が女の子っぽく振る舞うのは、あたしたちの振る舞い方を真似してるから。あたしたちと一緒に遊んでいたいから、あたしたちの真似をしてるんだろうと。ともかく、あたしたち仲良し仲間のひとりが結婚することになり、あたしは、独身女子会を開く役になった。もちろん、彼も出席したがった……仲間外れにされたくなかったからだと思う。結局、彼も参加することになったのだけど、どうしてみんな彼を招待しなかったのかを彼に言う勇気は誰にもなかった。その理由は、その会に男性ストリッパーがくるということ。……彼はずっと自分はストレートだと言い張っていたからまずいことになるかもと、みんな、そう思っていた。

さっきも言ったけど、こんなふうになるはずではなかった。ちょっと恥ずかしい目に会わせてからかうだけのつもりだった……こんなことになるなんて。ただのイタズラと思っていたのに。

でも、彼がそのストリッパーを見た瞬間、彼の眼はその人の逞しい体に釘付けになった。そして、だんだん雰囲気が盛り上がっていって……そういう時、どんなふうになるか、みんな知ってると思うけど。気がついたときにはみんな裸になっていた。

笑うつもりはなかった。でも、彼を見た時、彼の顔を見た時……ストリッパーを見ながら舌なめずりする彼を見た時……。これは多分、ただのイタズラじゃすまなくなると思った。いや、これは彼にとって一生を変える夜になるんじゃないかと思った。この夜、彼は初めて自分が思っているよりも自分は女の子になっているのだと認めた夜になった。その夜、彼は生まれて初めてフェラチオをしたのだった……そして、これが彼にとって最後のフェラにはならないことも確かだった。


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