「バースデイ・プレゼント」 第9章 ドーナッツを食べた後、ドナは、シャワーを浴びて、ショッピングに行く準備を始めると言った。僕にも、化粧をし直し、新しくちょっと香水もつけ直したほうが良いと言った。彼女は寝室内のバスルームにシャワーを浴びに行き、僕は寝室の外にあるバスルームに行った。 鏡の前、ティッシュを使って、乱れた口紅をぬぐい取り、新しくつけ直した。唇の輪郭を描くようにして、口紅をつけ、唇全体にのばしていく。 ふと、自分は何をしているんだろうと思った。いつから僕は自分の唇のことを綺麗だと思うようになったのだろう。ドナが僕の唇にグロスを塗る前は、そもそも自分の唇のことを表現するのに、綺麗とかいう言葉を使うことすら考えなかった。それが今は、突然に、自分の唇を綺麗だと思っている。 口を半開きにして、ピンク色の舌を出し、唇にゆっくり這わせた。頭を振って、ブロンド髪の毛を自然な感じでふわりとさせる。ブラウスのボタンを2つほど外し、ドナの香水を黒いレースブラの谷間にスプレーした。それが蒸発し、胸の谷間から香りが立ち上ってくるのを嗅ぎながら、うつむき、自分の胸元をのぞきこむ。鼻から深呼吸し、豊かな香りを楽しんだ。 顔をあげ、鏡の中の自分を見ながら、ブラウスの中に片手を差し入れた。ブラジャーの中、自分の乳首をつねってみる。すると、全身に興奮が走り、ペニスが再び硬くなってくるのを感じた。ピクピクと跳ね、血液がそこに集まってくる。僕はもう一方の手で、その位置を整えた。鏡を見ながら、乳首をつねり、ペニスを撫でる。 ふと、自分がどんなことをしているのかに気づいた。僕は、鏡の中の女性に愛の行為をしているではないか。しかも、その女性は自分自身でもあるのだ。 僕は自分自身に対する愛撫をやめ、ブラウスのボタンを留めた。ブラウス、唇、胸、ブラジャー、パンティ、ガーター、ストッキング、そしてハイヒール。僕は何をしたんだろう? どこへ向かっていたんだろう? 鏡の中、誘惑する目で僕を見つめている、この女性は、いったい誰なのだろう? 僕はビクトリアとの恋に落ちている。だがビクターはどこにいるのだろう? ビクトリアがリアルになっていくのにつれて、ビクターがますます存在感をなくしていくように思えた。そんなことがあってはならない。僕はビクターだ。僕にはドナという妻がいる。仕事がある。僕はハンドボールを楽しむスポーツマンだ。僕は女ではない。 僕は、今や柔らかく萎えたペニスに手をあてた。・・・女であるわけがない。 興奮溢れるセックスは好きだが、今のセックス・プレーはやりすぎだと悟った。かつらをはずし、ブラウスを脱ぎ、カウンターの上に置いた。前のめりになり、苦労しながらもハイヒールの留め具を外し、足から脱ぎ、それもカウンターに置いた。きついジーンズのチャックを下ろし、腰をよじらせながら、尻を出し、皮を剥くようにして足から外した。 体を起して鏡を見た。化粧顔、黒レースのブラジャー、黒いガーターベルトとストッキング、そして黒の絹パンティの姿がそこにあった。僕は決意を固めて、鏡の中の自分にバイバイと手を振った。 ブラを腹まで降し、半回転させてホックを外す。パンティを脱ぎ、ブラと一緒にカウンターに置いた。ガーターのホックを外し、それも脱ぐ。それからスツールに座り、ストッキングを注意深く丁寧に丸めながら脱ぎ去り、それもほかの衣類と同じ所に置いた。 もう一度、鏡を見る。素っ裸。体毛がない。だが胸元からは香水の香りがしてくるし、顔にも化粧がついたまま。 「ビッキーちゃん、さようなら。楽しかったけど、僕は自分に戻らなければならないんだ」 そう言って、シャワーに入った。お湯を調節し、コールド・クリームを取り顔を洗い始めた。お湯で顔を洗い流した後、体に石鹸をつけ、香水の香りを洗い落した。ホラー映画の有名なせりふが頭によぎった。 「戻ってきたぜ!」 『エルム街の悪夢』に出てくるフレディーの声を真似て、にやりと笑いながら、シャワールームを出た。寝室に入り、引出しからBVDと、僕のジーンズ、シャツ、そして白いソックスを出した。素早くそれに着替え、テニス・シューズを履いた。 再び、鏡の中を見る。この2日間ほど、いろんなものを着せられ、女のように泣かされたにもかかわらず、ひどい顔をしてるわけでもないなと思った。にやりと笑い、男が着替えるには、女ほどは時間がかからないものだなと思った。
カウンセリングのその後の時間は、スティーブのためにバーバラとヒューストン氏にはどんなことができるかを探すことに変わった。スティーブの感情を和らげるために必要なことは何か? バーバラは道を外す前、彼のどのような要求を叶えていなかったのか? スティーブは、フラストレーションのあまり、目を剥いた。彼は、こんなたわ言を、一刻も早く終わらせたいだけだった。それが今は、ただ話しを聞いているだけでは済まなくなり、話し合いに参加するよう求められている。話せ、話せ、話せ。そればかりを、求めてくる。 ヒューストン氏は、最初のカウンセリングの時に、スティーブとバーバラに記入させた質問紙を取り出した。 「多くの点で、お2人は、感情的に必要としていることに関して、大変似た考えを持っています。ご主人、あなたは、男女関係における主要な要求として、セックスよりも思いやりを優先させてすらいる。大半の男性は、最も重要な要求としてセックスを挙げるものですよ。ということは、お2人の性的要求は満たされていたと考えてよろしいのでしょうね」 スティーブは、突然、不満の声を上げた。 「それは間違いだ。哀れなレイフと僕には一つだけ共通していることがある。どちらも、僕の妻からセックスをさせてもらっていないし、させてもらっていなかったということだ」 声に皮肉が混じっていた。「・・・僕は、3月末から一度も、自分の妻とセックスしていない・・・それに、それ以前にもほとんどなかったようなもの」 「では・・・どの時点で、性行為が不満なものに変わったのですか?・・・例えば、お話ししてもらった、例の去年のクリスマス・パーティの前はどうでしたか? それまでは、満足できていた?」 「はい」とバーバラが答え、同時に、「いや」とスティーブが答えた。 バーバラは驚いた顔でスティーブを見た。その驚きの顔は、ほとんど瞬時に、怒りの顔に変わった。 バーバラが声を出す前にヒューストン氏が質問を続けた。「では、いつ頃から不満だったのですか、ご主人?」 スティーブはしばらくバーバラの顔を見つめながら、じっくりと答えを考えた。そして、ようやく答えた。 「新婚旅行から戻って2ヶ月ほど経ってから」 バーバラはハッと息を飲んだ。 「何ですって?」 二人の相違により、それからもう30分間、話が続いたが、最後には、スティーブはまったく話さなくなってしまった。彼の我慢の限界に近づいていた。 ヒューストン氏が、「トイレ休憩」を入れましょうと言った後、スティーブは、ヒューストン氏にもバーバラにも何も告げずに、カウンセリングが行われているビルを抜け出した。車に乗り込んだとき、携帯電話が鳴ったが、彼はそれを無視した。 ********
「グラフ先生? じゃあ、あの後、先生は独りで帰るわけにはいかなかったということかな? 警察を関与させなきゃ気がすまなかったと? あんたは一体何を考えたいたんだ? 俺があんたの人生を破滅されられることが分かっていなかったのか? お前にできることは、俺がお前にやったことを受け入れ、その思い出を大切に温めることだけだったのだよ。そうすれば、俺と2度と係わらずに済んだのにな。なのにそれをしなかったし、できなかった・・・」 「・・・だが、グラフ先生。今日は先生には運が良い日だったな。先生にもう一度、授業をしてやろう。この金曜日の夜、先生の旦那が出張で外泊するのは知ってるんだ。それが、何を意味するか分かるだろう? 俺が先生の家に出向いて授業してやるということだ。先生の家でな! 警察は呼ばない方が良いぜ。そうしたら、絶対、あんたの小さな秘密を撒き散らしてやるからな。去年の夏、自分の生徒とやりまくったなんてこと、旦那に知られたくないだろう? 教育委員会にも知られたくないよな・・・」 「・・・明日、先生はもう一通、手紙を受け取る。俺が先生の家にいく前日だ。この手紙も含めて、両方の手紙にある指示に忠実に従うことだ。さもなければ、先生の人生をボロボロにしてやる。旦那の職場に、俺と先生がやりまくってるのを映したビデオを送られたくないだろう・・・」 「・・・今夜9時、先生は、この手紙の内容を完全に理解したことの合図として、玄関のポーチ・ライトを点けること。電気がついてなかったら、俺はすぐに何箇所かに電話を入れる。そうなったら困ることになるだろうな。・・・追伸:『今年の最優秀教師』賞の受賞、おめでとう。ある意味、皮肉だよな。今は、俺が教師でお前が生徒のようなもんだから」 俺は文面を読み返し、プリントアウトした。先生の家の住所もシールにプリントアウトし、封筒に入れ、切手を貼った。靴を履きながら、思わず顔に笑みが浮かんだ。何日か後に、またグラフ先生の熟れた女肉を楽しめることになりそうだ。 外に出て、自転車に乗り、狂ったように漕いで郵便局に行った。係りの人に渡し、すぐに家に戻った。 自分の部屋に戻って、邪悪な計画についていろいろ考え始める。どうすれば、先生をこれまでにないほど燃え上がらせることができるか? この前は、先生は11回もいきまくった。まさに連続発火したような感じだった。今回は、前回を上回るよう、先生が限界を超えるような何かを考えておかなければならない。あまりにも激しく、タブーに満ちている何か。それによって先生が繰り返しクライマックスに達せるような何か。ベッドに寝転がりながら、俺は究極の計画を思いつき、にやりと笑った。
「早とちりしないで。何も、自慰をしなさいって言うつもりはないの。それに、率直に言って、すでに私は、あなたの日々の自慰行為については、知りたいと思う以上に情報を知らされているのよ。私も、自分のことについて、あまり愉快じゃない真実を語ることにするわ・・・」 「・・・私はデートしてないの。まったく! 男性とは、もう3年近くご無沙汰。本当に寂しくて気が狂いそうになることがあるわ。でも、そういう関係を築く時間がないの。本当に。出張の連続で、独りっきりで、見知らぬモーテルに寝泊りすることばっかり。独り、バーに出かけて、独りでいるビジネスマンに声をかけて、ちょっと気晴らしするというのが、どれだけ難しいか分かる? 私は、そういうタイプの女じゃないし。高慢だと思うかもしれないけど、私は、一夜限りの出会いはやらないの。少しでも恋愛関係になっていない男性とはセックスしたことがないの。実際、高慢さとは違うわね。ともかく愛のないセックスは楽しくないということだと思うわ。私自身の緊張をほぐす必要があると感じた時は、自分でした方がずっと良いと思っているの・・・」 「・・・でも今、私経ちはこの状況にいる。あなたが今の状態で困っている状況。そして私はあなたを困った状況から救い出してあげなければならないと思っているのよ。私が言っているのは、こういうこと。つまり、あなたのその緊張状態を、ありきたりな方法で解消してみることについて、どう思う? と訊いているの」 ディアドラは、唇をまっすぐに閉じたまま笑みを浮かべ続けていた。まるで、僕に、ドーナッツでも食べる? と訊いてる感じだった。 僕の方はと言えば、口をあんぐりと開けていたのは確実だった。僕は、ハエが飛び込んでくる前に、慌てて口を閉じた。 ようやく、話す言葉を見つけた。「ありきたりな方法で? ありきたりな!!! はい、そのありきたりな方法で緊張状態をほぐそうという試み、この上なく喜んでしてみたい。今、そう言いましたよね? それともただ僕がそう想像しただけ?」 ディアドラは手を伸ばし、テーブル越しに僕の手を取った。ああ、彼女の手はとっても熱くて、チャイナ・シンドロームの如く融けてしまいそうだ。地球の中心まで、すべてを融かして進んでいけそうじゃないか。 彼女は、優しく、物思いに沈んだ声で、自分の気持ちについて話し始めた。 「私は、この仕事を引き受けたし、振り返ることはしなかった。両目をしっかり見開いて、自分が何に従事しているかをはっきり見極めていた。でもね、私も女だし、男が恋しいとも思っているの。あなたは、ある意味、私に触れるところがあったと言えるわ。男性に惹かれた気持ちになったのは、ずいぶんしばらくぶりになるわ。私は、私とあなたの共同で行う仕事を進展させるために、コンサルティングの祭壇に捧げられたいけにえのようなものとして自分を提供しているわけじゃないのよ・・・」 「・・・正直言って、セックス自体は問題じゃないの。あなたのことが好きだし。とっても好きよ。だから、お互いに何かを与え合うことができるかもしれない。こんな風に話しを持ちかけたことは、これが生まれて初めてなの。あなた、その気がある? それとも、いつまでも劣等感の妄想におぼれたままでいるつもり?」 僕は、どう言えばよいのだろう? 「も、もちろん! その気があります! 僕は、あなたのテーブルから落ちる、どんな欠片でもよろこんで受け取ります。何でも言ってくれ。今日は、朝は自分のことがいやで堪らなかった。だけど、僕のコイツが言うことを聞かないから」 「オーケー! じゃあ、7時に私のホテルの前に車で迎えに来て。一緒にディナーを食べましょう。それから2人であなたの緊張状態をほぐすことにしましょう。それで良いわね? アンドリュー?」 「完璧です。どんなことでも。あなたが望むことはすべて、僕にとっての命令となります」 ディアドラはにっこり笑って言った。「それじゃあ、命令するわね。あなたはリラックスして、仕事に戻ること」
「この裏切り者のあばずれが!」 レオンは、そう呟き、娘の髪を容赦なき力で鷲づかみにし、顔を上げさせた。娘は痛みに泣き声を上げ、喘いだ。 「・・・私を放しなさい」 その娘の求めに、レオンはさらに強く髪を引っ張り、返答した。娘は、緑の瞳に、挑戦的な表情を浮かべつつも、涙を溢れさせた。その瞳を、レオンの怒りに燃える褐色の瞳が睨みつける。 「お前はわしの言うことを聞くことだ。わしは不服従が我慢できぬ。お前を懲らしめる方法はいくらでも知っている。やがてお前は、わしに許しを請うようになるだろう」 レオンは、鋭く迫力のある低音で、そう呟いた後、ようやく娘を放した。娘は恐怖に身をすくめ、できるだけレオンから遠ざかろうと引き下がり、結果、床にある皮クッションに尻餅をついた。レオンの堕天使よりも美しき顔から放射される恐ろしい決意と憎しみが、娘の記憶に刻印のように焼きついた。 レオンは、血に汚れたナイフを拾い、猫を思わせる優雅な動きで立ち上がった。娘は、レオンが高価そうな袖の生地を引き裂きながら、彼女から離れていくのを、恐ろしさに息を潜めつつ見ていた。 娘はこの男のことを知っていた。安全な隠れ家だった修道院から、剣先をかざして乱暴にわが身を引きずり出し、縛りつけ、南フランスへと連れて来た男たちが、その途上、行っていた畏敬に満ちた囁き声の会話から、この男のことを知っていた。レオン・ド・アンジェ。別名、金色のライオン。 「ただのかすり傷だ」 決して同情的ではない人質に、レオンはぶっきらぼうに伝えた。娘は、おののきつつも、長椅子と出口の間の距離を測った。私にできる? 「だが、お前の不服従は、懲らしめずに済ますわけには行かぬ」 娘は、まばたきをし、緑の眼を大きく開けて、この長身の男を凝視した。金色の長髪をストレートに垂らし、色黒の顔に異様なほど恐ろしい炎を目に浮かべている男。その熱い視線が、彼女の細く、無防備な体を這い降りていく。娘には、男の視線の熱さに抗う力がなかった。 「立て」 娘が動かずにいるのを見て、レオンは非常に落ち着いた声で言った。 「今すぐ」 レオンの声の調子に含まれる何かに、娘は、この男の言うことに拒否を試みれば、抜き差しならぬ危険な状態になると警告を発せられたように感じ、ゆっくりと体を起こし、よろけそうになりつつ立ち上がった。娘が。細身の体を、灰色の修行僧のガウンに包み、緑色の瞳で、男の肩から上をキリッと睨みつけながら、反抗的に立ちあがると同時に、レオンが再び口を開いた。 「身につけているものを脱げ」
「ポルノ・クイーンの誕生」 第5章 土曜日まで、私はデートのことでずっと興奮していた。デートに出かけるのは、本当に久しぶりで、長いことなかった。男の子としてデートをしたのは3回だけだった。そのうち2回はうまく行ったけど、残りの1回は失敗だった。この土曜日の夜は、私はうまく行くはずと思っていたけれど、どうなるかはしてみなければ分からない。 映画の前にディナーを食べに行くことを考え、私は、赤褐色のドレスを着ることにした。靴は黒のスティレット・ヒールのパンプス。ヒールの高さは10センチほど。下着は、持っている中で一番セクシーなのを選んだ。赤のコルセットをつけて脇を引き締め、いつもに増してウエストを細く絞った。そのコルセットにはブラの部分がついていないので、偽乳房を押さえるため、レース・ブラをつけた。コルセットについているガーターで、ストッキングを留め、ブラジャーにマッチしたパンティを履いた。首の周りには、喉仏を隠すための赤褐色のチョーカーを巻いた。 着替えをした後、バッグに荷物を入れた。一泊するのを見越して物を詰め込む。ヘレンと本当に一泊することになるかどうか分からなかったけれど、その準備だけはしておきたかった。お化粧品に、ナイティは2夜分。それに翌日帰宅する時に着る新しい服を詰め込んだ。 トレーシーは、今回も私に車を貸してくれた。おかげで、私は、この夜は、ベッドで過ごすことがありそうだと想定することができた。トレーシーは、私には、ヘレンを私のベッドに誘い込むことはしないと考えたのだと思う。それは、あまり慎み深いことは言えないから。とすれば、帰宅が夜遅くなるにせよ、翌日の早朝になるにせよ、車で帰られるようにと、私に車を貸すべきだと考えてくれたようだった。 ヘレンの家は、よく知らない場所にあったので、見つけるのに少し苦労した。間違った角を曲がってしまったのが2回、バックをして車の向きを変えたのが2回。でも、それだけで、彼女の家を見つけることができた。彼女の家は、細い、静かな通りにあった。街頭がほとんどないくらい道だった。 私が着いたとき、ヘレンも出かける準備ができていたようだった。彼女は黒いドレスを着ていた。太ももがかなり露出しているドレス。足には、ヒール高7センチほどの金色のハイヒール。ヘアも整っていた。彼女は輝いているように見えた。月曜日に会ったときよりも、ずっと輝いていた。玄関先で軽くキスをした後、2人で車に向かった。 最初、ヘレンが知っている小さなイタリア料理のレストランに行った。食事と一緒に出てきた前菜はとても美味しかったし、私が注文したフェットゥチーネ・アルフレド( 参考)も美味しかったけれど、これは、コルセットがきつかったため、3分の1しか食べられなかった。 レストランを出て車に戻った時、ヘレンが訊いた。 「フェットゥチーネ・アルフレドは美味しくなかったの?」 「美味しかったわ。でも、前菜の後だったので、あまりお腹に余裕がなかったの。このコルセットは、何より、体重を減らすのに役立ってるわ」 ヘレンは驚いた様子だった。 「どうして、コルセットを着てるの? あなたには、そんなの不必要なのは、誰の目にも明らかなのに」 私はヘレンの手を握った。「ありがとう。でも、私はやっぱりこれが必要なの。お腹の脇が引き締められて、とても女の子っぽい体つきになれるから。それに、一旦、着慣れると、そんなに辛くはないのよ」 ヘレンは私のお腹に手を這わせた。「そうなの、知らなかったわ。私、コルセットを持っていないし。でも、確かに、ドレスの下キュッと引き締まってる感じになってるわね」 「うふふ、私は15着持っているの。ほとんど毎日つけてるのよ。実際、この前の月曜日は着てなかったんだけど、着ていけばよかったと思っていたわ」 ヘレンは、私がずっとコルセットをつけてることが信じられないようだった。彼女は、映画館に着くまで、ずっとコルセットのことについて私に質問を続けた。
「報復」 第6章 10月上旬 木曜日:合同カウンセリング 合同カウンセリング。「夫婦カウンセリング」とも呼ばれる。スティーブは、この言葉が嫌いになっていた。最近の彼は、バーバラとヒューストン氏の会話を、傍観者的に座って聞くだけになっていた。二人の話題は、バーバラが彼女自身のことについて新たに発見した事柄、そして、その事柄が彼女の不倫にどのように関係しているかについてが主だった。 バーバラはセラピストのところに通い始めており、そのセラピストは、バーバラに、不安感と自尊意識の喪失による精神的不安定を患っているのではないかと、彼女に伝えていた。流産の後、特に心的不安定が表面化していると。バーバラは彼女の人生の様々な時期に、治療が必要なレベルまで鬱状態になったことがたびたびあったと言う。 バーバラは、自分自身の状態に関して見いだされた、このようなことすべてに傷つくことはなく、むしろ喜んでいた。スティーブの目で見た限り、彼女は、「自分が何者であるか」を見いだして大喜びしているようだった。ヒューストン氏のオフィスの外でバーバラと会うと、彼女は、スティーブが言う言葉のすべてに注意を傾け、明らかになっていることすべてに関してペラペラ喋り、この数カ月なかった、暖かい笑みを彼に見せるようになっていた。そのようなバーバラの変化すべてに、スティーブは気分が悪く感じた。何もかも、こんな風になるのが遅すぎたんだよ。いまさら何だっていうんだ。 この時も、バーバラは、ヒューストン氏と、自分のイメージがいかにみすぼらしくなっていたか、その自己イメージのために浮気にのめり込んでしまったかもしれないことについて、長々とした話しに入っていた。 「あのねぇ・・・」 スティーブは、突然、その話しに割り込んだ。「ちょっとだけ口を挟ませてもらうよ。それを言い終わったら、お二人の個人的なおしゃべりに戻ってくれて構わないから。君たちのやり方からは離れて、邪魔はしないつもりだから・・・」 「・・・何を言いたいかというと、こういうこと。僕は黙ってここに座って、この話を延々と聞いてきたわけだが、少し、わけが分からなくなってきているんだよ、バーバラ。この2、3週間、君が言ってきたことを聞いていると、君は、自分のことを犠牲者だと思っているようだけど、それは本当のことじゃないの? 僕には、君が本当にこういう問題を抱えていたのか理解できない・・・少なくとも、君が浮気をする前は、君は、こんな問題を抱えているようには全然見えなかった・・・」 「・・・はっきりと分かることは、君が、毎週木曜日、実に晴れ晴れとした顔つきで、目を輝かせて、ここに来ていることだ。君は、これまでになく、今が幸せと感じているように見えるよ。・・・だが、今、そうやって幸せに感じていられるのも、そうなった、そもそもの発端は、君が他の男に会い始めることにしたことだったはずだが・・・」 「・・・君は毎日、赤子のようにすやすや眠っているんじゃないかな。賭けてもいい、そうだろう。目の下にくまなんかないのも当然だ。僕はどうかって? 薬を飲まなきゃ眠れなくなってから、ずいぶん経ちすぎて、そうじゃない状態がどうだったかすら、もう覚えていない。でも、君は、毎朝、気分さっぱりと目覚めているに違いない。今日は、自分のことについて、どんな新しいことが分かるんだろう、自分のことについてどんな素敵なことが見いだされるんだろうと、死ぬほどわくわくしながら目覚めているんじゃないかな・・・」 「・・・バーバラ、君は、このカウンセリングでのことを今はものすごく楽しんでいるよ。君は不倫を犯した。だが、その結果、今は皆に手厚く扱ってもらっている・・・」 「・・・僕のことは覚えているのかな? 僕は、君に浮気された本人だ・・・君に裏切られた男だよ、バーバラ。確かに、僕はめそめそ泣き出したりはしない・・・だが、どうして、僕は、この苦しい状態を受け止めなければならない立場の人間になってしまい、君は、自分自身を新たに発見して喜ぶ立場の人間になってしまったのかな? どう言っていいか分からないが、すべて逆さまになっているように思える。君は浮気をしたのに、僕がそれに悩まされている。・・・泣き言を言いたくないが、こんな状態は全然フェアとは言えない」
「誰とやったか知ってるぜ」 第2章 I Know Who You Did Last Summer Ch. 02 by qqnforyou6 俺は、オナニーをしながらテレビの画面に目を釘付けにしていた。いきそうになっている。今は、グラフ先生が脚を上げ、俺の腰に絡み付けてきたところだ。ティッシュで包みながら、手を激しく動かした。先生のつま先が内側にきゅうっと反った瞬間、俺は達した。肉棒の中をぐぐっと走り上がって来て、ティッシュの中に熱く噴出した。その後、先生がボードにチェックマークを書くところまで見て、リモコンの停止ボタンを押した。2回ほど深呼吸をしてから、ベッドから起き上がる。トイレに行って、ティッシュを捨て、ついでに小便をした。 電話が鳴り、俺が出た。 「俺だよ、ブラッドだ」 震えてる声が聞こえた。ブラッドの声に何か普段と違う調子があった。 「何だよ?」 「お前の家に警察が来なかったか?」 「いや、何で?」 「この前、学校で何か起きたに違いないぜ。警察が俺の家に来て、卒業式の前日、放課後、どこにいたかとか俺に訊いたんだ」 俺は、一瞬、息が止まった。心臓の鼓動が速くなるのを感じた。神経がみるみる緊張してくる。 「警察はクラスの全員に訊いて回るって言ってたぜ」 そうブラッドが言った途端、玄関にノックの音がした。 「ブラッド、ちょっと電話を切るぜ。誰かが玄関をノックしている」 玄関の鍵を外しドアを開けた。警官が2人立っていた。俺は息を飲んだ。 「君は、ジャスティン・スミスかな?」 女性の警官が尋ねた。 「はい。何か?」 「私たちが調査していることに関して、2、3質問したいことがあるの」 俺は頷き、協力する姿勢を見せた。 「卒業式の前日、学校が終わった後、君はどこにいたのかな?」 女性警官が尋ねた。 俺は、間もおかず、すぐに答えた。「自転車に乗って家に帰りました」 「学校の周辺で、知らない人とか見かけなかったかな?」 男性警官が尋ねた。 少し考え込んでから答えた。「いいえ。あの日は、いつもと違ったことは何も見なかったと思います・・・何が起きたか訊いても良いですか?」 「先日、学校で事件があって、その調査をしているの」 と女性警官が言った。彼女は、また、ポケットサイズのメモ帳に目を落とした。 「先生の誰かに、敵意を持ってる生徒とか知らない?」 「いやあ、僕が知る限りは、誰も・・・」 体重を右足から左足に移動しながら答えた。「みんな、ようやく勉強から解放されるって、喜んでいましたよ。・・・先生の誰かが危害を加えられたとかですが?」 沈んだ顔を作って訊いてみた。 「今は、詳しくは話せないのでね」 男の警官が答えた。 女性警官はまたメモ帳を見て、何か書き込み、それから俺の目を覗き込んだ。俺は、心を読まれないでくれと祈った。 「卒業式の前日、グラフ先生が生徒の誰かに性的に暴行されたことについて、何か聞いていない?」 女性警官がいきなり訊いてきた。 俺は生唾を飲み込んだ。大きな音が出てただろう。「い、いいえ、何も・・・」できるだけ自然な声で答えた。また何かメモ帳に書き込んでいる。男の警官が言った。 「また、質問をしに来るかもしれません」 そして2人は、ゆっくり向きを変え、向こうに止めてあるパトカーへと戻って行った。 俺は玄関先に立って警官たちを見ていた。自分が何も関係ないという印象を与えるため、わざわざ手を振っても見せた。パトカーが走り去った後、俺はドアを閉め、自分の部屋に戻った。 まさか先生が警察に言うとは思っていなかったので、ショック状態だった。唖然としてパソコンの前に座る。 「あの、アバズレ・エロ教師め!」 小さな声でそう言い、気持ちが落ち着くまで、じっと座っていた。 しばらく経ち、パソコンのスイッチを入れ、立ち上がる様子を見ていた。 「どうして警察なんかに言ったんだ」 パソコンの準備が整った。 「もう一度、先生にみっちり教え込んでやらなきゃいけないってことだな!」 そう言って、ワープロソフトを画面に出した。少し考え、キーボードを打ち始めた。
僕の話を聞いて、ディアドラは、微笑んだ。半信半疑の笑みではなく、あの、ある種のスイッチをオンにするタイプの笑みだった。そして急に瞳を輝かせる。彼女がそれをしたら、僕は無力になってしまう。 「思うに、短期的な状況については、解決を試みた方が賢いんじゃないかしら。私たちの第一の義務は、このプロジェクトを、期日までに、限られた予算の範囲で仕上げること。私は経営コンサルタントだし、あなたはシステム・アナリスト。だったら、この2人の間なら、2人とも快適に仕事を進められるような解決案を思いつくことができるはずよ」 どうして、女性はこんな風に一気に方向転換できるのか、これは僕にとっては謎だ。僕は今、ここで、心情を吐露しているというのに、彼女の方はビジネスの話をしたがっている。彼女は、こういう風にして、境界を立て直しているということなのか。 ともかく僕はディアドラが考えていることが分からなかった。 「何のことか分からない。だけど、一緒にスムースに仕事ができる方法を思いつけるというなら、僕は全面的に賛成だ」 ディアドラは頷いた。 「良かった。というのも、実際、私は試してみても良さそうな解決案を思いついたから。私のこと厚かましいと思わないで欲しいんだけど、でも、アンドリュー、あなたがこの1週間ずっと、私に言わせれば、『ピンと固く張り詰めた』状態にいたのは、誰の目にも明らかだわ。あなたみたいに固くなっている男性を見たことがないと思うし、あなたほど、長い間、そんな固く張り詰めたままの人は、初めてなのは確かね。私の言ってる意味が分かればの話だけど」 彼女の言っている意味は分かっていたと思う。それに対して、どういう反応をするべきか分からなかった。つまり、この種のことに対して、どう言って謝るべきなのか? ミズ・マーティン、申し訳ございません、僕はあなたを思って3日間連続勃起していました、とでも言うのだろうか? 僕は、彼女は、僕が常時、股間を膨らませていたことに対して、考えられる答として2つ想定しているのではないかと思った。一つ目は、彼女は僕のことをセックス狂とみなしているかもしれないということ。どういうものか知らないが、常時、興奮状態で日々の生活を送っている男と考えているのかもしれない。 2つ目は、ひょっとすると、僕の状況は彼女自身によって直接引き起こされていると、ちゃんと分かっているのかもしれないこと。でも、男が、自分のことを思いながらしょっちゅう勃起させていると知った時、女性はどういう反応をするのだろうか? 軽蔑するかもしれない。だけど、勃起というのは、愛情表現の中でも、最も誠実なものとも言えるはず。自分の中に、25歳の男を淫らな想いで気が狂わんばかりにさせてしまうような魅力があると知っても、その女性の自意識が傷つくことはないと思う。 僕は、今後、ディアドラに対しては完全に正直になることに決めた。恐れであれなんであれ、包み隠したりしない。多分、酷い目に会うことになるだろうけど、構わない、こっちから望んで、そんな目にあってやろうじゃないか。 「私も、あなたに正直になっていいかしら、アンドリュー? あなたは私に正直に話してくれたし、そのことを心から感謝しているから。私は、誰とも交際していないの。それは言ったわね。顧客とは、決して係わらない。どんな小さな関係もダメ。そういうのは、ビジネス上、正しくない行いだわ。利害関係の摩擦が起きる可能性は際限なく存在するから。それが一番主要な理由。でも、それと少なくとも同じくらい重要なことは、私たち、このプロジェクトを成し遂げなければならないということ。性的な緊張によって邪魔されるわけには行かないの」 僕は、この話がどこにつながるのか分からなかった。 「それで、僕に何を言おうとしているのかなあ? 緊張をほぐすため、自慰をすべきだと言ってるの? でも、言うのも何だけど、この2日間、僕は10回以上、しているんです。でも、全然、効果がない。あなたが僕の近くに来るとすぐに、体の反応をコントロールできなくなってしまうんです。勝手に反応してしまうんだ。そいつは、僕がこの状況をどう思っているかなど、お構いなしなんです。そいつは僕のことを冷やかして笑ってると思う」
レオンは、マホガニーの大きな机に行き、その端に座った。両腕を胸の前に組み、捕らえた獲物を熟視する。 娘は、長椅子の上、ぴくりとも動かず、横たわったまま。か細い左右の手首は布で縛られている。細く長い指、そして、その先の爪は、ピンク色の完璧な楕円形をしていた。顔は、光沢のある深紅の布で覆われ、見ることができない。顔を覆う絹の光沢の布は、扇のように広がり、胸元へと続いていた。レオンの視線は、静かで、安定した呼吸に合わせて、上下動を繰り返す2つの小さな丘へと辿った。娘の他の体の部分は、修行僧が着る灰色の厚地服の下に隠され、謎のまま。 レオンは、この、気づかぬまま眠る生き物へと音を立てずに近づいた。この女が美しいか、美しくないかは、我が目的には関係がない。この娘は、望む、望まぬに関わらず、我が手に掛かり、屈服し、やがて呪われた子を身ごもることになるのだ。そして、時期が整えば、この女は、殺しを犯した父親を隠れ家の奥からおびき出す生餌となるであろう。 レオンは、長椅子の横にひざまずき、短剣を抜いた。娘の縛られた手首を、大きな手で掴み、縛られた布地を容易く切り解いた。足も同様に縛られているだろうと推測し、重たい灰色の裾を捲り上げ、驚くほど優美な足首を露わにし、拘束を切り解いた。 好奇心をそそられ、レオンは裾の中に手を指し入れ、クリームのように滑らかな肌に沿って探るように手を這わせ、膝頭を掴んだ。女が動かぬのを見て、彼は、意識を失っている囚われ女の秘密を探り知ろうと、無抵抗の太ももをぐいと引っ張り、開かせた。レオンの大きな手のひらが、女の柔らかな内腿を這い上がり、同時にごわごわと重たい服地を引きずり上げていく。 その太ももの頂点部を覆う茂みが、燃えるような真紅の髪に相応しきものか、それを探ろうと目を凝らすレオン。だが、突然、娘の両膝が弾かれたように閉じ、彼ははっと息を飲んだ。彼の手が、絹のような柔肌の太ももに挟まれ、捕らわれていた。 ~ * ~ 男に縛り布を切られる間、全神経を使って意識を失っているふりを続けたものの、彼女は裾から男の両手が這い上がってくるのを感じ、その衝撃に、本当に再び気絶しそうになった。この19年の人生で、これほど厚かましく肌を触ろうとした男は一人もいなかった。顔を覆うもつれた赤毛を通しては、男の動きを目で追うことは叶わない。だが、彼女は、なされるままに横たわりつつも、密かにゆっくりとした動きで、指を、ゆったりした袖の内側に隠し持っていた小さなナイフに近づけていたのだった。 侵入を進める手が、蛇の如く内腿を這い上がってきた時、彼女は、その手に引き起こされるわずかな体の震えによって、意識を取り戻していることが明らかになる前に、戦いを始めなければなぬと思った。 左右の腿を強く閉じ、男の手を挟んだ。手が動けなくなっているはずと、彼女は闇雲にナイフを男に向かって突き出した。ベールのためにおぼろげな視界ではあるが、できる限りの傷を負わせようと思いながら。 「くそっ!」 突然ナイフを突き出され、レオンは口汚く罵った。同時に、自由になっている手で娘の手首を掴み、骨が砕けそうな力で握り、ひねった。その苦痛に、娘の目に涙がこみ上げる。彼が、もう一方の手を娘の脚の間から捩り抜いたとき、ナイフが力を失くした手から滑り、毛皮の毛布に落ちた。真新しい血の色に染まっていた。
スティーブは、特に感情がこもっていない声で語り始めた。 「君に会う前だった。僕の隣に若い女性が住んでいた。彼女は、ある夜、働いていたバーから帰る途中、何者かにレイプされた。当時、僕は足首を骨折していたので、普段ならありえないことだったが、その女性と一緒になることが多かった・・・」 「・・・デビーというその女性は、レイプによる身体的苦痛はとても酷いと語っていた。その男が暴力的に挿入したことにより、外陰部やバギナ内部の痛みはなかなか消えないと。だが、それより酷いのは、自分のプライバシーの最深部が犯されたという感情だと言っていた。レイプ犯はデビーから自己の意識・・・それが何であれ、彼女に強さ、自信、そして、自分はこの世で他にいない価値ある存在だと思わせる気持ち・・・その自己の意識を奪ってしまったのだと。男は、彼女から、人間として生きていくための何か特別なものを奪い去ってしまったのだと言っていた・・・」 「・・・僕は、彼女に、理解できると話した。彼女の言った言葉を理解したので、そう言った・・・でも、実際には、僕は理解などしていなかった。いまだに、僕は、自分が彼女の痛みをほとんど分かっていなかったと思う。彼女は、僕が本当のところは理解していないことを分かっていたが、それでも、僕が心を痛めているのを見て、慰めとして僕の言葉を受け入れてくれたと思う・・・」 スティーブは、しばし沈黙した。 「・・・理解などしていなかったんだ。理解できるはずもない・・・だけど、バーバラ、今は、僕も少しは手がかりのようなものを得たと思っているよ。今の僕の気持ちは、彼女が感じていた気持ちと似ているに違いないと・・・」 彼は肩をすぼめた。 「・・・いや、考え直してみると、それも違うかもしれない。彼女と僕の経験は、根本的なところで違いがあるから。そこは認識している。でも、僕は、前とは違って、彼女が僕に言ったことを、ずっとよく理解していると思っている。ずいぶん長い間、考える時間があったからね。今は、彼女の喪失感を前よりずっと理解できる・・・」 「・・・別の言い方をしよう。僕はデビーなら、今の僕の気持ちを理解できるだろうと思っている。彼女なら、自分の全世界がひっくり返ることがどういうことか、はっきり分かると思うから・・・」 「・・・僕は、自分の核の部分・・・僕のすべて・・・それが僕から剥ぎ取られ、ずたずたにされ、ごみのように放り捨てられた気分だ。また元のように自分自身のすべてを取り戻せるか、分からない。腹の中から湧き上がる恐ろしい痛みや、胸を覆う氷のような冷たさは、いつまでも消えないだろう。・・・痛むんだ。酷い痛みだ。僕はその痛みを、ずっと身近に感じていかなければならないんだよ、バーバラ。僕は、それしか感じられない。それ以外では、自分は死んだような感覚しかない。バーバラ・・・死んだような感覚、それだけだ」 スティーブは立ち上がり、ドアに向かってゆっくりと歩いた。途中、振り返り、バーバラとカウンセラーを見た。 「バーバラ、君には、僕がどう感じているか、全然分からないだろう。でも、いつの日か、分かるようになるかもしれない。いつか、君が僕にしたようなことを、誰かが君にするかもしれない・・・その時、君も僕の気持ちが分かるのじゃないかな」 スティーブは振り返り、ドアを出て行った。彼は、実年齢より50は老けた男のように見えた。 つづく
ディアドラは、例の謎に満ちた表情を顔に浮かべた。僕は、結果がどうであれ、自分の運命に身を委ねることにした。この法廷のご慈悲にすがるだけだ。もう僕の運命は、自分の手を離れている。 「アンドリュー? あなた、私が35歳だと分かってるの? あなたより10歳も年上なのよ」 「ディアドラ、あなたは100万歳かもしれない。年齢などないも同じ。時間を超越しているんだ。あなたはモナリサだし、クレオパトラだ。あなたが4万年前に生きていたとしたら、クロマニヨンの画家たちは、あなたの体を、永遠に残る石壁に刻み描いたと思う。プラトンも、あなたのことを『女性』の完璧なモデルと考えたと思う。他の女性がすべて、あなたと比較され、その人たちのどこが欠けているかを見出される女性のイデアと。年齢はあなたには何も意味しない」 僕は口を開いただけで、この言葉がすべて、流れるように口から出ていた。前もって考えたわけではなかった。この3日間、僕の脳の中を駆け巡っていた思考だった。彼女に言えと言われたので、言っただけだった。こう言っても、少なくとも僕はまだ言い足りない気持ちだった。 でも、ディアドラは、このようなことを聞かされるとは思っていなかったようだった。僕は、彼女が僕のことを少しのぼせ上がってると思っただろうと推測した。そして何か優しい言葉で僕の思いを和らげてくれるんじゃないかと。だが、ディアドラは、彼女が前もって考えていたより、事態がはるかに深刻だと考えたようだった。 「アンドリュー。私は、率直に言って、この会社の社員に敵をいっぱい抱えている、ただの年増の女なの。この話は、それのこと? あなた、自分のポジションを高めるため、私をたらし込もうとしてるわけ? そうなら、そんなことにはならないと考えたほうがいいわよ、坊や!」 ディアドラが怒りを募らせているのが見て取れた。 「ちょっと待って、ディアドラ。あなたが僕に話すように言ったんだよ。覚えているよね。僕があなたに言い寄ることで、あなたが僕を助けてくれるなんてこと、考えてもいないんだ。むしろ、僕はあなたに首にされると思っていた。僕が黙っていた理由の一つは、それだったんだよ。残りの理由は、あなたが僕の世界とはまったく違う世界にいるということ。僕がいる階級とは、一段階上の階級にいる人。あなたは誰もが憧れて、歌には歌うけど、決して手が届かないスターのような人。あなたを前にしたら、僕なんか、ただの子供にすぎないのは分かってるんだ・・・」 「・・・あなたに対して、思ってることを正直に話せと言うなら、正直に話すよ。正直、僕が一番だ。この会社の従業員の中で、僕が一番有能だ。会社はどうすべきか見通せているのは、唯一、僕だけだと言える。他の大半の男たちは、ビジョンも何も持たない、ただの老いぼれどもだ。連中のことは好きだよ。僕のことを誤解しないでくれ。連中を敵視してるとか、そういうことはまったくない。ただ、うちの会社の幹部グループのうちでは、僕がトップにいるということ。でも、あの幹部グループがこの会社をダメにしているんだ。そういうわけで、あなたたちがここに来ているわけだし。僕は一番ではあるけど、この会社は困った状態にあるんだ・・・」 「・・・僕が、会社の将来についての僕のアイデアをあなたに吹き込もうとしたことは白状するよ。でも、うまくいくアイデアなのは事実なんだ。僕のあなたに対する感情がなんであれ、どの道、僕はそのアイデアをあなたに伝えたと思う。たとえあなたが60歳の黒人女性でも話したと思う。ビジネス限定の話だから。個人的なことじゃないから」 ディアドラは言葉に詰まってしまったようだった。 「アンドリュー、私は、仕事一筋の女なの。週80時間から100時間、労働する覚悟でこの仕事を受け持ったわ。国中を出張で歩き回り、連日ホテル暮らしで、交際もまったくなし。ええ、交際してる人がいないの。その時間がないのよ。私は、ほぼ、あなたの母親と言ってもおかしくない年齢だわ。あなたはとても優しいし、あなたのことが気に入ってるわ。でも、そういう時間はないのよ」 「ディアドラ、前にも言ったけど、僕はあなたに何の期待も持っていないんだ。僕たちの間では何も展開しないと、最初から分かっていたから。あなたは僕が住んでる星とはまったく違う星から来た人なんだ。あなたに対して体が反応してしまうのは、どうにもできずにいるけど、分かって欲しいんだ。それを止めることができたら、ぜひ止めたいと思ってることを。だけど、これは化学反応なので、僕のコントロール能力を超えているんだよ・・・」 「・・・自分の夢に思っている女性が、まったく手の届かない存在だと知るのは、楽しいことじゃない。もう2週間もすれば、あなたがどこかに行ってしまうことも知っている。ひょっとすると、この国のどこかに、あなたのことを情熱的に、そして永遠に愛している若者がいると知るのは、あなたの自己を少しは癒すことになるかもしれない。でも、本当に、僕は何も期待していないんだ。何も必要でないし、要求もされない。でも、これだけは言わせて欲しいんだけど、その年齢とかの話をしても、僕には全然効果がないだ。あなたが忙しいのは知ってるし、仕事と結婚しているような状態なのも知ってる。あなたは大都会へ、僕は田舎町へ別れることになっているのも承知の上なんだ。あなたがそう言えば、僕は全部、信じ込む。でも言い訳として年齢のことを使うのは止めて欲しいんだ。全然、効果がない」
「無垢の人質」 第1章 Innocent Pawn Ch. 01 by wishfulthinkingc http://www.literotica.com/stories/showstory.php?id=115090 「陛下」 書斎の入り口に、白髪を束ねた痩せた男が現れた。 「ジャン・クロード」 レオン・ド・アンジェは、顔も上げずに自分の召使の名を呼んだ。手に持つ羽ペンは、ページの上を走り、くっきりとした太字の文字を休むことなく書き続ける。 「ド・ロリエーの者が謁見を願い出ております。陛下にとって大変、興味深きものを持参したと申しております」 「ほう・・・」 レオンは呟き、羽ペンをインク壷に浸し、皮椅子の背もたれに背中を預けた。辛抱強く命令を待っている召使に目をやる。 ルビーに覆われた短刀を取り、その鋭い刃先を指でなぞった。突然、笑みが顔に浮かぶ。勝利と憎悪が混じった不思議な笑みだった。 「ここに通せ」 ジャン・クロードは深々とお辞儀をし、静かに部屋を出た。程なくして、一人の男を連れて戻ってきた。 ド・ロリエーの者は、闇のごとき黒い肌をしていた。黒皮のズボンと胴着のために一層黒さが際立っていた。腰に下がる長い剣。それだけが目で確認できる武器だった。 レオンは優雅に立ち上がった。立ち上がるだけで、容易に部屋の中、最も背の高い存在になった。 「カイン」 黒人はお辞儀をした。 「立って良い。我々の間に形式ばったことはないはずだ。特に、訓練場でお前を倒し、尻餅をつかせた後はな」 一瞬、黒い顔に白い歯が光った後、男は頷いた。 「何の用でここに来たのか?」 レオンは幅広の胸の前に腕を組み、尋ねた。 「私の君主に、陛下のたゆまぬご支援への感謝の印をお持ちするように命ぜられ,ここに参りました」 半年前のレオンの父の死に関して中心的な役割を果たした、ド・ロリエーの側近の一人が働いた裏切りに関しては、それ以上、説明の言葉はなかった。 「そのような贈り物は、友人同士の間では不必要なのだが。しかし、お前の主君には、そのような予期せぬ贈答に対する私からの心からの感謝を伝えてくれるとありがたい」 カインは礼をし、大股でドアへ歩み、大声で何事か命じた。すぐに男が現れ、若い娘を運び入れた。 レオンは、褐色の目を細め、ゆっくりと、その意識を失った娘の全身に視線を這わせた。顔を隠している深紅のスカーフ、地味な灰色のガウン、そしてそのゆったりとした裾から覗き出ているピンク色の足先を目に入れる。 レオンは、無表情のまま、男に、石製の暖炉の近くにある、背低の皮製の長椅子に彼女を降ろすよう命じた。男が、娘のか細き体を長椅子に優しく降ろし、部屋を出て行くまで、カインもレオンも、無言のままでいた。男が出て行くと、カインが口を開いた。 「この者は、イサベラ・マルジェリ・ダルサと言います。フレドリッヒ・ダルサ伯爵の生存している唯一の子」 「イサベラ・・・」 レオンは、呟き声で娘の名の音を口に出し、試した。レオンの父の残虐な殺戮に関わっていた男の娘。レオンは、勝利がこれほど手近に来ているとの思いに、彼は体の両脇でこぶしを握った。 「この半年、この娘の生存の痕跡を求めて、部下にイングランドとフランスじゅうを探させてきたのだ。だが痕跡を見つけられなかった」 レオンは、獲物からようやく視線を上げながら言った。「お前の部下はどこでこれを見つけたのだ?」 「フランス・アルプスの修道院です。ある修行尼が自由になるのと引き換えに喜んで情報を提供したのです」 「自由になる引き換えとは、修道院からか、それともお前からか?」 レオンはもの柔らかに尋ねた。 「これは、これは、修道院からですよ、陛下。世の中のことが分かり始めたらしい田舎娘で、修道院から逃れたがっていたのでしょう」 「では、この娘は?」 レオンは、今の心境とはかけ離れた気軽さを装って、尋ねた。 「私の部下には触れられておりません。処女であると申しております」 「それはいずれ分かることになろう」 レオンは引き出しを開け、重々しい銀の箱のふたを開けた。中から巾着を取り出し、カインに投げ渡した。カインもその部下も、ド・ロリエーに報酬をもらうだろうとは知っていたレオンだったが、彼等は、自分の部下ができなかったことを成し遂げたのである。その点でも、豪勢な報酬を与えるに値した。 「陛下、何とご寛大な」 カインは、レオンの寛大さに驚きつつも、それを素早く隠すべく、小声で呟いた。「私の部下も、同じように感謝するでありましょう」 「召使に、お前とお前の部下たちを台所に案内させよう。料理人がお前たちの求めに応じるはずだ」 カインは、退出を命じられたと理解し、頭を下げ、素早く部屋を出た。
彼女の側から 指をビクトリアの美しいブロンドの髪の毛に絡ませ、彼女のグロスで輝く唇を私のラビアに引き寄せる。彼女の柔らかい舌先が私の濡れた割れ目を探る。それに合わせて腰を突き上げ快楽を貪る。 彼女はソファの脇にひざまずいている。顔を私の秘密の場所に埋めながら。ブロンドの髪の毛は、私のお腹に広がり、シルクのブラウスが彼女の胸をきつく包み、ジーンズは彼女の淫らで曲線美に溢れるお尻の輪郭を描いている。 片方の膝は立てたまま、ハイヒールのつま先をカーペットに突き立てている。もう一方の膝は床につけ、足先を後ろに、足裏を上にしている。そのヒールは天井に向かってピンと立っている。 彼女の脚の間は見えない。だけど、あの黒パンティの中で何が起きてるかは想像できる。私の陰部になされている素敵なレズビアンの口づけ。そのキスが感じられる、舌の動く様子が目に見えるよう。同時に、私は、この、私に口唇奉仕をしてくれている素敵な女性が、私の愛する夫であるということも知っている。 目を上げ、テレビの中のシーンを見てみた。3人の美しい女性が愛し合っている。そのうちの2人は、信じられないほど体を密着させた形で縛られていて、ドアの上の横棒に吊り下げられている。その2人がクライマックスに達したちょうどその時、私も頂点に達した。強烈な電流が私の頭を直撃し、爆発し、大きな滝のように、轟音を立てて崩れ、流れ落ちていくのを感じる。熱を持った水が、頭の奥から全身に怒涛となって流れ落ち、体全体から、緊張と力を洗い流していくのを感じる。 私はがっくりとソファに背をもたれさせた。ビクトリアは、素敵な舌で私のラブ・ジュースを美味しそうに舐めている。 彼女の顔を私の顔に引き寄せ、キスをした。2人の口紅をつけた唇が、互いに相手を覆いつくそうと競い合い、2人の舌が絡み合う。彼女の口が私の愛液の味がするのに気づいた私は、急に、彼女のあそこの味を味わいたくなる。 彼女を立たせ、私はその前にひざまずく。ジーンズのチャックを降ろし、ヒップの下まで引き降ろす。可愛い黒シルクのパンティがあらわになる。彼女のペニスはパンティの上に頭を出していた。そのパンティを、睾丸が出きるところまで降ろし、私はすぐに口に入れた。 彼女の香水の香り、そしてつるつるに剃ったお腹の肌の滑らかさ。手をガーターのストラップの下に滑り込ませ、両手で彼女のお尻を押さえた。頭を沈め、そして持ち上げる運動を始める。彼女の固いペニスに沿って上下に動かす。その間も、吸い込みつつも、舌で全体を舐め回る。 彼女は私の頭を掴んで、体を支えた。ヒールを履いているのでバランスを崩しそうになってるのだろう。私も彼女のお尻をしっかり押さえ、彼女を支えた。それから、右手の中指を、彼女のお尻の割れ目に沿って滑り込ませ、その奥のバラの蕾を擦る。 そこを擦る私の指に彼女が反応するのを感じる。私の指に、かすかにお尻を押し返している。頭を後ろに倒し、口を半開きにさせて、喘いでいる。 私はもっと深く吸い込み、喉の奥へと彼女を導いた。同時に指を彼女のアヌスに深く押し込む。その中の前立腺を見つけ出し、優しく擦り上げた。 彼女が震えだし、両脚を強く踏ん張るのを感じた。そして私の口の中に撃ちだすのも。私は少し引き下がり、彼女が出す愛のローションを吸い、飲んでいく。かすかに塩味がするそれを味わい、いくらか口の中に溜め込みながら、彼女が柔らかくなるまで、ゆっくり飲み下していく。 果てた彼女を床に引き降ろし、優しく、だけど、ねっとりと彼女の可愛い口にキスをした。彼女が出したジュースを彼女にも分け与える。彼女の口にそれを押しこむと、彼女は驚いたように目を見開き、私を見つめた。でも、私の舌に促されて、彼女はそれを受け入れ、飲み込んでいった。 彼女を誘うようにしてカーペットに横たわらせ、二人並んで横になった。彼女は私の腕に頭を預け、私はシルクのブラウスの上から、彼女の乳首を優しく撫でる。私の夫が、こんなにセクシーで、繊細で、女っぽく、そして素敵なセックス相手になるとは、夢にも思っていなかった。 私は、2人の愛の行為において、先導役になるのを楽しんでいたし、想像と感情の領域で、ビクトリアをさらに開発していくことにも喜びを感じていた。彼女は、わずかにしか抵抗しなかったし、予想外の従順さで私の支配になびき、調教を受け入れてくれた。夫も、私と同じくらい、この新しく見出した豊かな官能性を楽しんでいるのが見て取れる。そして、多分、この快楽を、無制御にならないようにして拡大していくためには、どんな類のことをすればよいのか、思いをめぐらしていることも。 私は、このプレーを一種の定例行事のようにはしたくなかった。そんな風にしたら、すぐに飽きてしまうのは確かだから。それに、私たちどちらにとっても品位を落とすような行為にも入り込みたくはなかった。 「ビクトリア? このプレーを続けるとして、どんなことをしてみたい?」 「横になりながら、僕も同じことを考えていた。僕たちが受け取ったEメールを読むと、公の場で女装したり、女物の服を買い物したりして興奮する男たちがたくさんいるようなんだ。僕も、外出した時、時々、恐ろしいと思ったことがあったけど、同時に危険なスリルを感じたのも事実だよ」 「私も同じようなことを考えていたわ。セックスは大好きだけど、異性装の性的魅力の追求には、セックス以上の何かがあると思うの。ショッピング旅行に出かける計画を立ててみない? この都市の遠く離れた反対側辺りで」 ビクトリアはにんまり笑った。口紅がずれてるし、髪も乱れきっている。 「この上なく同意だ。自分でも同意するのが信じられないけど。多分、僕は、正気を失ってるんだろうな。でも、君のせいで、僕は旅に出てしまったし、この旅は、どんどん引き返すのが難しくなってきている。そのショッピング、女性が同行者でもいいよね? 多分、男物を着たままで買い物に行くのは難しそうだから」 彼は私の腕に包まれながら、顔をすり寄せ、優しく私にキスをした。とても女っぽい振る舞いだったし、気持ちの篭ったキスだった。 つづく
始めに、私は、自分が何者で、どうして女の子になりたいか、グループの前で、短くスピーチをしなければならなかった。スピーチは、最初は難しかった。というのも、私自身、どうして女の子になりたいか本当には分かっていなかったら。話すのが難しい状態は、初めて女の服を着始めた時にどんな感情を持ったかを話し始めるまで続いた。私は、女の子の服を着た時に、生まれて初めて自分らしく感じられたと、正直に話した。スピーチが終わる頃には、私はほとんど泣きそうになっていた。 他の人も、どう感じたかを話してくれた。それに、その人たちが、女装をすることで、家族に拒否されたことも。年下の子は、年が若く、まだ両親と生活しているため、いまだ自分を素直に表現することが許されずにいると話した。 ミーティングが終わる頃になると、私はトレーシーとマークに出会って、非常に運がよかったのだと悟っていた。マリアも加えて、トレーシーとマークは、私の支援の点で、非常に素晴らしい環境を作ってくれているのだと思った。私自身が計画して女性化しようとしても、これほどうまくはいかなかっただろう。最初に、トレーシーが私に女の子の服を着るようにさせてくれたこと。その幸運に、私は神様に感謝した。彼女は、最初から、私にそういう側面があることを見抜いていたに違いない。 ミーティングの後、エイクレス先生は私を連れて、彼女のオフィスに行った。オフィスに入るなり、先生は私に尋ねた。 「ステファニー? ホルモンで、何か具合が悪くなったところない?」 「ないと思います。そもそも、何の変化もないように思ってるんですが」 先生は微笑んだ。「まだ、効果には気づかないはず。でも、私が気にしているのは、あなたの食欲と性的な反応なの。まだ、前と同じように、勃起する?」 「食欲は変わりません。あと、性的な反応についても、知る限り、同じだと思います。つまり、何の問題もなく勃起できるということですが」 「そう。それは良かった。あなたのような女の子の中には、食べ物に関して、ホルモンの影響で困る人がいるのよ。食欲が出なくなるらしくて、ものすごく体重を落としてしまうの。もう一つは勃起の件ね。ホルモンによって、ときどき勃起の力が弱くなったり、ペニスの長さが短くなったり、体積が減ったりすることもあるの。そういうことが起きたら、私に話してね。そういった症状を抑える別の薬に変えられるから」 その後、先生は注射器を取り、それにホルモンを注入した。 「あなたの場合、問題はなさそうだから、これから少し量を増やすことにするわ。だから、何か変化に気づいたら、必ず私に話すこと。いいわね」 先生は私に注射をした。 「じゃあ、また来週ね。来週も、今日と同じ話題について話すことになると思うわ。このグループは、まさにそういう話をする場にすぎないかもしれないから」 私は、お尻にかすかな痛みを感じ、財布は200ドル分軽くなった状態で先生のオフィスを後にした。 木曜日、私はヘレンに電話をし、デートの約束を確認した。 「正直、あなたに、デートをキャンセルされるんだろうなって思っていたのよ。そうならなければ良いなあって期待はしていたけど」 2人で、何をし、どこに行くか話し合った。それから着ていく服の話に話題が変わった。ヘレンはジーンズを着るタイプの女の子で、私はドレスを着るタイプ。結局、私が着て行こうと思ってたドレスのことを話したら、彼女も同じようなドレスを着てくることに決まった。 つづく
やがて2人とも体の震えが収まった。クリスはジャネットから引き抜き、彼女を再び、前に向かせた。優しくキスをし、二人とも服の乱れを直し始めた。ジャネットは、ドレスの裾を上げて、ストッキングのしわを伸ばそうとした時、クリスの精液がバギナから流れ出るのを見た。 突然、クリスは彼女の前にひざまずき、太ももの間に顔を寄せた。そして顔をあげ、驚いている彼女に微笑みかけた。 ジャネットはクリスが頭を傾け、自分の濡れた穴に口を寄せるのを見た。 「あ、そんな・・・」 彼の舌がぬるぬるになっている穴に入ってくるのを感じる。 「ああぁっ、あああぁぁぁぁ・・・!」 辺りに聞こえそうなほどの大きな声を上げてしまう。彼の頭を両手で押さえながら、ジャネットは叫んだ。 「ああ、クリス、何てことをしてるの!」 ジャネットが再びクライマックスに達し、体を振るわせ始めるのに、さほど時間は掛からなかった。セックスにより広げられた女陰を優しく舌で癒されることがこんなに素敵な感覚をもたらすとは。ジャネットには初めての経験だった。 「ああ、気持ちいい! 感じる! また、いくぅぅぅ!!」 ジャネットは喘ぎながら、自分から股間をクリスの口に押し付けた。 やがてジャネットのオルガスムが終わり、クリスは、手の甲で口を拭きながら立ち上がった。顔を落とし、彼女の股間を見ると、いまだに陰唇から彼が出したものが滴っている。だが、クリスは、それを拭うものを持っていなかった。 「ごめんなさい」 「いいのよ。気にならないから」 ジャネットは微笑んだ。 2人はオークの巨木のところへ戻り、置きっぱなしにしてあった毛布を拾い上げ、丘を下って、自分たちの車に戻った。ジャネットの太ももには、まだクリスの体液が流れていた。それを感じるたびに、ジャネットは、疲れた体を小さく震わせた。 クリスは、いつかはジャネットのことを忘れるだろうとは思っていたが、同時に、それには多分、長い時間が掛かるだろうとも思っていた。ジャネットのような女性と再び巡りあうことができるか、自信がなかった。 クリスが大学に戻る2日前、彼はもう一度、ジャネットに会いに行こうと決めた。ジャネットから借りていた本が数冊あって、それを返しに行こうと思ったのである。 ジャネットの家の前に着いたとき、玄関前の通路に見知らぬ車が止まっているのを見た。玄関のベルを鳴らし、出迎えを待った。ドアが開いた時、クリスは、ハッと息を飲みそうになった。彼は、今まで見たうちで二番目に愛らしい瞳を見つめていた。 「はい?」 若い娘が、口をあんぐりあけたままのクリスに声をかけた。 「あ・・・あの、ジャネ・・・レドモンド先生はご在宅ですか?」 「ええ、いますよ。何か御用ですか? 私は娘のマーシャですが」 「ああ、マーシャさん。僕はクリスです。この夏、お母さんのところで働いていたんです」 「あら、あなたがクリス!」 マーシャは、にっこり笑って言った。「母から、あなたのことについて、いろいろ聞いているわ」 白い歯を輝かせて言った。 クリスは、「いろいろ聞いている」というのがどういう意味かよく分からないものの、顔が赤らむのを感じた。 「あ、あのー、・・・この本を返したいと思って来たんです。あなたから先生に返してくれると、ありがたいですが」 クリスは、マーシャの愛らしい顔を覗きこみながら、心臓が高鳴るのを感じた。 「ええ、分かりました」 マーシャは本を受け取り、家の中に置きに入った。再び、ドアの外に出てきながら、彼女は訊いた。「ブラッフォード州立大学に行くんですよね?」 「ええ」 「私、そこに転学しようと考えているの。それ、どう思います?」 「素晴らしい学校ですよ。パーティもたくさんあるし」 クリスは微笑んだ。 「あ、そうだ。私、ちょっと何か食べに出かけようとしていたところなの。一緒に行かない?」 「ほ、ほんと? ぼ、僕でよかったら」 クリスは、慌て、どもりながらも返事した。家の中から、とても馴染みがある香水の香りが漂ってくるのに気づいた。 「良かった。もし良かったら、お母さんのBMWに乗って行きましょう」 「ええ、もちろん、構いません」 「じゃ、あなたが運転ね」 マーシャはそう言って、クリスに車のキーをトスした。 2階の部屋の窓、薄地のカーテンの陰からジャネットは、クリスとマーシャが車へと駆けていくのを見ていた。ジャネット? あなた、あの若い2人が一緒になったら、あまり面白くない? ジャネットは溜息をつきながら、微笑んだ。悲しみが混じった喜びの気持ちに、心が疼くのを感じた。 おわり
バーバラは、どうしてポーターと付き合うようになったか、その理由についてはよく分からないと言った。流産の後、気が落ち込み、孤独感を感じていたと言う。秘密を打ち明けることができる人がそばにいなかったので、孤独で傷心していたと。・・・だが、どうして、そんなに孤独感に悩まされたのかは、よく分からないと言った。 「・・・その答えを見つけようと、セラピーのカウンセリングを受けたこともあったの。カウンセリングで分かったことがあったら、あなたに打ち明けようと・・・」 「・・・どうして、他の男性が近づくのを許したのか・・・どうして、彼との交際が。ますます不適切になっていくのを許したのか、それを自分の中で正当化したのか・・・なぜ、自分の価値観を曲げて、自分に対する言い訳を取り繕うようになってしまったのか・・・そういう問題については、まだ答えがわかっていないわ。でも、真正面から取り組めるようになったら、そういう問題もあなたに打ち明けようと思っていた・・・」 「今、確かに分かっていることがあって、それは、流産した後、自分の女らしさが大きく減ってしまったように感じたこと。体重も減って、女っぽい魅力が欠け、男性から求められない存在になったように感じていたの。そんな時、レイフは何度もお世辞を言ってくれた。私の話しをいつでもよく聞いてくれたし。そして、数ヶ月の期間のうちに、いろいろなことが連鎖していったの・・・」 「僕が話しを聞こうとしなかったって?」 スティーブが口を挟んだ。「僕が君のことを美しいと言わなかった? 愛していると言わなかった?」 バーバラは大きく深呼吸した。 「スティーブ、そんな風に感じるなんて、私はとても狭量なのよ。分かっている。実際は、そうではないのに。でも、そう感じたのは事実だったの・・・ちゃんと考えていなかったけど・・・しっかり理由を挙げて考えていなかったのは、ほとんど確かだわ・・・でも、私は、あなたは私の夫なのだから、私のそういう気持ちを分かってくれるべきだと感じていたの」 「ふーん? 理屈が通らないよ」 スティーブは、言い返した。 「理屈が通らない話しだと言ったはずよ」 バーバラは冷静に答えた。「それは分かっているの。・・・でも、あの時、あの場所では、私はちゃんと考えなかった。そのまま、レイフが言い寄るのを受け入れてしまったの」 「自分にお世辞を言ってくれる男がいたから、その男が優しくおしゃべりをしてくれたから、だから不倫を犯したと、そう言ってるのかい? そんなバカな」 「いや、ご主人。不倫をする女性の30パーセントから40パーセントは、自分の心の理由から、そうするのです」 ヒューストン氏が素早く口を挟んだ。彼は、場が険悪になるのを鎮めたかった。 スティーブは、ムッとした顔でヒューストン氏を見た。確かに、専門家が言うのだから、受け入れてやろうとは思うが、女性が浮気をする言い訳として、こんな話は馬鹿げてるとしか思えない。 「ご主人? 男性と女性は、異なった理由で、行動をするものなんです。男性としてのあなたや私にとって『理屈が通る』と思えることが、女性にとって、いつも同じことを意味するとは限らないものです・・・」 ヒューストン氏は優しい口調で続けた。「・・・ご主人が、例えば、身体的に具合が悪いなどといった問題を抱えて、落ち込んでいるとします。そういうときに、ご主人が、浮気をするため他の女性を求めることは多分ないでしょう・・・でも女性の場合、そういうことをする可能性がかなり高いのです」 スティーブは、不満感から、唇をキッと結んだ。彼は理由が欲しかった。自分の妻が浮気をした理由として、突っ込みを入れ、しっかり検討できるような何かが欲しかった。それがはっきりすれば、修復できるかもしれない。だが、これでは、あまりにも実体がなさ過ぎる。 バーバラが、困ったような声で話し始めた。「スティーブ? 私がどれだけ申し訳なく思っているか、それを伝える言葉が、私には見つからないの。あなたを酷く傷つけたのは分かっているわ。間違ったことをしてしまった。自分のしたことがあまりにも恥ずかしく、自分でも耐え切れないほど。あなたの気持ちも分かるつもり。あなたに何とかして償いをしたくて・・・それで・・・」 「嘘だ!」 スティーブが言葉をさえぎった。「僕がどう感じているか、何も分かっていない。分かるはずがない!」 スティーブは椅子の背もたれに背中を預けた。頭を後ろに傾け、じっと天井を見つめた。
俺は、先生の足を肩に乗せたまま、立っていた。先生は、教卓の上にぐったりと横たわり、オルガスムの高みからゆっくり回復してきているようだった。俺にやられ、うっとりと横たわる、先生の美しい裸体が、そこにある。 その裸を鑑賞した後、俺は、先生の足を肩から降ろし、ガウンを着始めた。先生は横たわったまま、まだ起きようとしていない。俺は、先生が自筆でサインを書いたパンティを拾い、それから先生の唇に優しくキスをした。先生も舌を出して俺の舌と絡ませた。恋人同士がするようなロマンティックなキスだ。 ボードを見て、チェックマークを数えた。グラフ先生は11回もいったのかと驚く。それから教室の隅に行って、ビデオレコーダからビデオを取り出した。教室のドアの鍵を開けながら、振り返って、もう一度だけ先生の姿を見た。乱れきった白肌の裸体が横たわっていた。俺は静かにドアを開け、外に出た。 廊下を走り、校舎を出て、自転車に乗った。急いで家に帰る。自分の部屋に戻り、ガウンをクローゼットに掛けた。それからバスルームに行き、シャワーを浴び、そして親たちと夕食を食べるためキッチンに行った。 夕食の後、また自分の部屋に戻り、ビデオをデッキに入れ、俺と先生の行為を見始めた。俺は、本当に計画を遂行したのだ。信じられない思いだった。俺はにんまり笑いながら眠りに落ちた。 次の日の午後、俺は卒業生の帽子を被り、ガウンを着て、両親に学校まで送ってもらった。この日は親も学校に留まり、卒業式を見ることになっている。 少しドキドキしながら教室に入った。驚いたことに、教室には俺が一番乗りだった。さらに驚いたことに、グラフ先生がすでにデスクに座っていたこと。今日の先生は、ちょっと雰囲気が変わっていた。いつになく明るい。生徒たちが教室に入ってくるたび、明るい声と顔で挨拶をしていた。 集合した後、俺たちは全員、卒業式をしに講堂へ入った。卒業証書の授与式が始まる。俺の番が来て、俺はグラフ先生の前に立った。先生から証書を受け取る時、わざと指が先生の指と触れるようにさせた。一瞬、視線が合い、俺の心臓も、先生の心臓も、鼓動が止まったように思った。俺は証書を受け取り、平然を装って席に戻った。 つづく
「ディアドラ、これから話すよ。でも、僕はあなたの言葉を信じて話すということも分かって欲しい。僕を問い詰めたりしないって言ったけど、その言葉、真剣に言ったことだと信じているんだ。僕は無害な人間だ。僕の中には卑しく暴力的なものがない。そのことだけは信じて欲しい。僕は、他の人に対して偏執的な感情を抱いたりするようなタイプでもない。根は、お気楽な男なんだ。それが僕の話し。その点だけは、分かって欲しいところなんだ」 ディアドラは、再び、あの半信半疑の笑みを浮かべた。「分かったわ。あなたは無害な男。私自身、それ以外に考えてもいなかったけど。それで? 話の続きは?」 僕に残された選択肢は、彼女に、僕の理論のことについて話すことだけだと思った。 「始まりは、月曜日に僕たちが握手をした時だったんだ。何か魔法のようなことが僕に起きたんだよ。いや、でも、魔法のはずがない。僕は考えて、それはあなたの肌と関係があると理論化したんだ。僕は、あなたに対して好意的に反応するよう、前もって性向が決定されているんだと。それは認めなくちゃいけないと。あなたの声は音楽のようだ。僕は、ここ何週間か、僕の秘書と冗談を言いあっていたんだ。こんな素晴らしい声は、一体、どんな肉体が発しているんだろうとね。でも、僕があなたの声とかに妄執しているとかではないんだ。ただ、素敵だと思っただけ。素敵な声だと・・・」 「・・・そういうことがあったから、あなたと初めて会うときは興奮していた。でも、それ以外の点では、あなたに対して、何の先見も持っていなかった。僕は、生身のあなたが、素晴らしい声が持っている考えられないほど高い基準にふさわしい、素晴らしい人だった場合、どうすべきか、という不測の事態に備えた計画を立てていなかった。実際、キャロルに、あなたが60歳の黒人女性だと聞かされ、半分、納得していたくらいだから・・・」 「・・・そこで、あなたと会った。すごい美人だった。OK、それはそれで、楽しく仕事ができる、と思った。これからの3週間、目にも耳にも、甘美な人と一緒に仕事ができるんだな、と。本当に幸せだった。でも、そのとき、あなたが微笑んだんだ。ディアドラ、あなたの微笑みは、男に対してはフェアじゃないよ。あの時、そうだったように、あなたの瞳が輝いた。その瞬間、僕は魅せられてしまった。僕が思っていることが分からないなんて言わないで欲しい。多分、どんな男もあなたの瞳を見つめる機会を求めて命を懸けるだろうと思う。少なくとも、僕はそうだ。でも、それですら、やろうと思えば、僕は、何とかしのげると思うんです。問題はあなたと触れたことだった・・・」 「・・・あなたに触れた途端、僕は完敗してしまった。多分、あなたの体の化学的性質と関係があると思う。あなたの身体的構成に含まれる何かが、僕の身体的構成に含まれる何かと、完璧にフィットしているんです。少なくとも僕の見方からすると、そうなんです。中毒的性質もあると思う。あなたのそばに行くといつでも、この化学的誘引が活性化し、僕の普段の自我をのっとってしまうようなんだ。突然、あなたのことしか考えられなくなってしまう。本当にすみません。心配しないで欲しい。僕はストーカーとかじゃない。あなたに妄執を抱いているように見えるかもしれないけど。いや、ちくしょう、実際、妄執を抱いているじゃないか。でも、僕が倫理的な一線を越えてしまうのではといった心配は、決してご無用ではあるんです。あなたに、話しなさいと言われたから、こうして話しているわけだし。ある意味、こうして話せて、喜んでいる部分もあるんだ。あなたのような素晴らしい人は、どれだけ素敵な人か、どれだけ魅力的な女性か、人を虜にし、どこを取ってみても魅了的だと、一生、毎日、語り続けられるべき価値があるのだから・・・」 「・・・もう、これ以上、このことについては言いません。僕のことについて気を揉む必要はまったくないということだけは分かって欲しい。僕はフェミニストなんですよ。信じてくれますか? 僕は、職場でのセクハラには断固として許容しない立場です。信じてください。あなたを居心地が悪い気持ちにさせるつもりはまったくないんです。あなたからは、男女の関係について何の期待も持っていない。ですから、もし、あなたがよければ、このまま普通に仕事を続けたいのです。どうか、この件を、このまま放置して、風化するに任せてくれたら、助かるんです。どうか!」 僕は、必死に訴え、話しを終えた。
ドナは、そう言って僕のお尻を軽く叩き、玄関から送り出した。僕はバッグを手に車に向かった。車に乗り込み、ハイヒールを履いた足で何とかペダルを踏むので、ぎこちなかったが、何とか道路に車を出す。車を出すとき、隣人の一人が僕の方をじっと見ていた。彼の顔には不思議そうな表情が浮かんでいた。 ドーナッツ屋の前に車を寄せ、エンジンを切り、車のドアを開けた。両脚をそろえて外に出してから、体を持ち上げるようにして降りる。注意深く横に体をよけてから車のドアを閉め、歩き方に注意しつつ店の前へ歩いた。 店の中に入った途端、数人の男性客の視線を感じた。コーヒーを飲みながらテーブルに座っていた男性たちで、瞬時に私の体に視線を走らせている。ああ、こういうことが、女の人たちが毎日経験していることなのか、と思った。 少し体を揺すりながら、カウンターへ歩いた。彼等に目の保養をさせてあげる。カウンターで注文をしたとき、レジにいた10代の若者が、鼻を膨らませるのに気づいた。僕の女物のボディー・スプレーの香りを嗅いだのだろう。彼はお釣りを出そうとして、コインを全部床にばら撒いてしまった。 「まあ。でもそのままでいいわ」 できるだけ可愛らしい裏声を使った。「後であなたが拾ったら、それを自分のものにしていいわよ」 ドーナッツが入った箱とコーヒーを受け取り、セクシーに歩いて店を出た。食べ物を持ちながら車のキーを出すので苦労していると、車から降りたばかりの男性が、駆け寄ってきた。 「おや、手伝いましょう」 そう言って、ドーナッツの箱とコーヒーを持ってくれた。 「ありがとう」 と答え、車のドアを開け、乗り込んだ。彼からドーナッツとコーヒーを受け取る。 「いいえ、どういたしまして」 彼はにっこり微笑んで、ドアを閉めてくれた。 僕は、女性が僕たち男性に対して持っているパワーのことを分かり始めていた。車の中、ミラーに映る自分の顔を見ながら、そのことについて、しばし、考えた。なるほど、男に対してパワーがあるんだなあ、と改めて感じた。 家に戻り、食べ物やキーやバッグを抱えながら、玄関に向かった。玄関ドアの突起部にヒールが引っかかり、ちょっとよろけてしまった。家に入り、小部屋のドアのところに行く。中では、ドナが、昨夜、撮ったビデオを見ながら、自慰をしていた。僕が帰ってきたのを見て、ドナは照れ笑いをした。 「ビッキー? 手伝って。私をいかせてくれない? もうちょっとでいくところなの」 僕は食べ物を置いて、ドナの足の間にひざまずいた。 「喜んでいたしますわ。ドナ様」 できる限りの愛らしい裏声を使って、そう答え、今、やり方を調教されている作業を始めた。実際、非常に上手にできたと思っている。
私は、マリアと一緒にシャワーを浴びてから、身支度を始めた。あまり裾が短すぎないドレスを選んだ。ピンク色で、裾は膝から5センチほど上の長さ。ノー・スリーブのドレスで、外が暑いことを考えると、それで完璧だと思った。ドレスの下には、ソング・パンティ。白のコルセットをつけてウエストをキュッと絞った。このコルセットにはブラもついているので、それで偽乳房を包むことができる。またガーターの機能もあって、それを使って、薄地の肌色のストッキングを吊るした。靴には、ヒール高7センチのミュール( 参考)を選んだ。 鏡を見て、とても清純な印象の格好になったと感じた。少なくとも、そういう印象になるように狙っていた。それからお化粧をし、夕食のテーブルについた。 夕食は、あまり豪華なものではなかったし、これから初めてグループ・ミーティングに行く緊張から、あまりたくさん食べられなかったのも事実だった。出かけるときになり、トレーシーは私に車のキーを手渡し、気をつけてねと言ってくれた。それに何か連絡する必要が生じたときのために、彼女の携帯電話も貸してくれた。 注意深く運転してミーティングに向かった。免許証には、まだ男の子の格好の写真がついたままなので、警察に止められたくなかったから。女の子の格好をしているという理由で逮捕したりはしないだろうけど、どんな形であれ、警察と何かするのは避けたかった。 ミーティングは、私の担当医のオフィスがある建物と同じ建物の中で行われた。私のお医者さんのところに行く代わりに、その2階上にある心理医がいるオフィスに向かった。ミーティングが開かれている部屋に入ったが、私が、そこに来た一番最初のようだった。他には、何か書類を見ているグレーのスーツを着た年配の男性しかいなかった。 私が何か探している様子でいるのを見て、その男性が声をかけてきた。 「今晩は。何か御用ですか、お嬢さん?」 「今夜、グループ・ミーティングがあると聞いてきたんですが。エイクレス先生からの紹介で」 先生からもらったカードを見ながら答えた。 その男の人は、ちょっと書類をチェックし、それから立ち上がって言った。 「あなたはステファニーさん、別名スティーブンさんですね? 私がドクターの、マシューソンです。このグループは私が担当しているのです。エイクレス先生も、間もなくいらっしゃるでしょう」 彼は私に一枚の紙を渡した。 「できれば、これに書き込んでくれると助かります。質問アンケートです。あなたがどういう人か、理解するために役立たせたいのです」 書かれていた質問は、エイクレス先生に初めて面会した日に先生にされた質問とほとんど変わらなかった。あの日と同じ答えを書いたつもりだったけれど、まったく同じかどうかは自信がなかった。記入を終えるとすぐに、グループに入ってる他の人たちが到着し始めた。 グループは、私を含めて10人から成っていた。そのほとんどが、女性の格好をした男性だった。40代くらいの年配の男性もいれば、20代の男性もいた。私よりも若い男の子も、2人いた。その若い子のどちらも、いわゆるドラッグの格好はしていなかったが、非常に女性的な印象だったのは事実だった。
クリスはジャネットを抱き寄せた。ジャネットの裸の胸が彼の胸板に押し付けられる。 「ダメよ」 そう言って抵抗したジャネットだったが、クリスが彼女を反転させ、岩の方を向かせても、あらがったりはしなかった。彼女の乳房は、今は、滑らかな冷たい岩に押し付けられていた。ジャネットは肩越しに振り向き、もう一度だけ、弱々しく訴えた。 「クリス、私たち、しちゃいけないのよ」 クリスはジャネットの訴えを無視し、ドレスの裾を捲り上げた。彼は、ジャネットが、今日もパンティを履いていないことを不思議に思った。自分にさよならを伝えに来た日なのだから、なおさらだった。そのクリスの目に、ジャネットがすでに愛液を出し、脚を伝って流れでているのが見えた。 クリスはジャネットに覆いかぶさり、首筋にキスをしながら、ペニスの先端を濡れきった陰唇にあてがった。 「ああ、気持ちいいよ、ジャネット」 クリスは、亀頭が膨れた陰唇の中に吸い込まれていくのを感じ、かすれた声を上げた。温かく狭い肉筒にゆっくりと吸い込まれていく感覚は、まさに天国に登る気持ちだった。クリスは、これが最後のセックスだろうと分かっていた。だから、どの瞬間もじっくり味わおうと、ゆっくり優しく動き続けた。 クリスが安定したリズムで出し入れを始め、体を擦り合わせる快感が高まってくるのを受け止めながら、ジャネットは下唇を噛んで、声を上げないようにと耐えていた。2人とも興奮していて、岩の向こう側にある小道を何人かが歩いても、気にしなかった。辺りには、2人が漏らす小さなうめき声、そして体が優しくぶつかり合う音だけが響いてた。 「ああ、クリス、私、いきそう・・・」 ジャネットはそう囁いて、彼の股間に向けて強く押し返した。。 「あああぁぁぁぁ・・・」 ジャネットは、小さな声で、長く、ゆったりとしたよがり声を上げた。同時に快感に体を小さく震わす。 クリスのペニスを包む肉襞が収縮を始め、それを受けてクリスも限界に近づいた。彼も小さな囁き声で、切羽詰った気持ちを伝えた。 「僕もいくよ、いまいくよ」 「きて、きて、きて」 ジャネットは、クリスがクライマックスに近づいているのを知り、何秒も経たない内に、再び絶頂に導かれていった。 クリスは唸り声を出すまいと、唇から血が出そうなほど固く唇を噛んだ。次の瞬間、彼のペニスは痙攣を始め、ジャネットの体内に噴射を始めた。みるみるジャネットの中は体液でいっぱいになり、収まりきれないものが、溢れ出てきた。ジャネットの膨らんだ陰唇を濡らし、クリスの睾丸を濡らしていく。
木曜日:合同カウンセリング 「スティーブ。あなたに謝りたいの・・・心から謝ります。私は、長い間、あなたを傷つけたし、裏切ったし、騙し続けてきました。私は、あなたに対して、あんなことをして、これからずっと、申し訳ないと思い続けるでしょう。あなたは、今すぐには、私の謝罪を受け入れることができないと思っているわ。あなたの心をあまりにも遠ざけ過ぎてしまった。それは分かっているつもりです・・・」 「・・・私は、自分が、あなたや私たちの夫婦関係に対して行ってきたことを理解せずに、これからも手を組み合ってやっていきましょうと言い続けて来ました。その点に関しても、済まないと思っています。私の愚かな頭で考えて、結果、こんな大変なことになってしまった。もはや、わがままな幼い女子高生気分でいてはいけないことが分かったの。自分のやりたいことだけを押し進め、自分の望みや要求だけを通すために、他の人には、その人の望みや要求を取り下げさせることを期待する。そんなことが、いつも可能なわけではないと分かったの」 カウンセリングが始まってから、30分近く経っていた。その時間の大半、スティーブはバーバラに矢継ぎ早に質問を浴びせ続けた。彼は、バーバラが、質問全部に対応し、大半の質問に躊躇わずに答えたことに、非常に驚いた。 バーバラは、思い出せないこともあったが、その場合は思い出せないと答えた。彼女は、個々の出来事についてすべて覚えておくように、日記やメモのようなものを残しているわけではないことを、あらためてスティーブに伝えた。それに、これほど時間が経過してからも思い出せるような強い印象を彼女に残さなかった出来事もあった。スティーブは、その説明を受け入れたが、できるだけ思い出すように努め、後からでも彼に話すよう要求した。バーバラは、不明だった件をメモに書きとめ、思い出したら話すことにすると約束した。 この日、初めてバーバラは、レイフ・ポーターと一緒にいるところをスティーブに発見された日のことについて、すべてを語った。公園に行く車の中で、バーバラ自らブラジャーを外したらしい。ブラウスのボタンを1つ外すだけで、それができたらしい。彼女がそれができることは、スティーブ自身、何度も見たことがあるはずと言った。どうやってするかは、たいした謎ではないはずと。ブラを外した、時と場所、そして誰と一緒の時だったか、それが悪いことだったのは分かっていると彼女は言った。あの日の午後、レイフ・ポーターとセックスをするつもりはなかったけれど、もし、そういうことをする局面になったら、してもよいと思っていたのは確かだった、と彼女は告白した。 「・・・私、興奮していたの。ブラを外し、その後、公園という言わば公共の場で、下着も脱いで、セクシーで淫らな気分になっていた。そういう気持ちが、一緒にいるべきではない夫以外の男性と一緒にいるという状況にスパイスを加えていた。レイフが求めてきたら、多分、私は、その時に身を任せ、彼の求めに屈していたと思うわ・・・」 「・・・でも、レイフは、あなたがサンダーバードの後ろに車をぶつけ、水の中に押してきた時、まだ、そういう動きに出ていなかったの。彼は、ズボンのチャックを降ろして、自分であれを擦っていたわ。でも、私に触って欲しいとは言っていなかった・・・」 「・・・私たちの密会を邪魔したのがあなただと知った時、最初は、怒りを感じたし、その後、すごく怖くなった。顔に水をぶっ掛けられた感じだった。比ゆ的にもそうだったし、実際、文字通り、そうなったんだけど。汚い泥水まみれになった自分の姿を見て、その瞬間、これまでの自分の世界を自分の手で滅茶苦茶にしてしまったと悟ったの。どうやって元に直したらよいか分からないまま・・・」 「かきまぜた卵をどうやって元に戻すんだ?」 スティーブが口を挟んだ。 「それはできないわ。できることは、パックに残っている他の卵が全部割れないですむ道を探すだけ」 バーバラの率直な返答に、スティーブは、しばし口ごもった。
廊下にいたのが誰かは分からない。だが俺も先生も、その人がいなくなるまでじっと息を潜めて動かずにいた。 その人がいなくなった後だった。グラフ先生は突然、体を起こした。俺の方へ向き変わって、手探りで、教卓にたどり着き、その上に乗っかった。そして、俺の方へ脚を広げながら、後ろに両手を突いた。 俺は、先生の足の間に位置取り、股間に目を落とした。先生のおまんこがぱっくり口を開けている。その入り口に俺はちんぽをあてがった。 「やって!・・・はめて!・・・」 そう言いながら俺の体を引き寄せる。俺は先生に覆いかぶさるようにして、ヌルヌルの穴に分身を沈めた。顔を近づけ、唇を重ねる。すぐに俺の舌と先生の舌が、絡み合った。 先生はストッキングを履いたままの足を俺の肩に乗せた。柔らかいふくらはぎが俺の首を挟む。俺は落ち着いたリズムで出し入れを続けた。先生のおまんこは本当にヌルヌルになっていたが、締りは強く、引き出る動きをすると、つるんと外にはじき出されそうになる。だが、そうなる前に、すかさず、ズブリと奥まで突き刺した。中の熱さは驚くほどだ。 俺と先生の口は密着させたまま。2人ともふんふん鼻を鳴らしながら、熱っぽくキスを続けた。 「んんっ! んんっ! んんっ! んんっ! んんっ!」 先生の鼻息がだんだん乱れ、先生がまたいきそうになっているのが分かった。唇を合わせたままだからか、先生のよがり声が俺の脳の中に大音響で響いてる感じだった。耳で聞いてるというより、ちんぽで直に聞いてる感じだった。 突然、先生は横に手を伸ばし、ボードにチェックをつけた。俺から口を離し、激しく頭を左右に振り、叫び声を上げた。 「ああ、いっくううぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」 俺も容赦しなかった。先生の太ももを抱きかかえ、さらに激しく打ち込み始めた。俺と先生の股間がぶつかり合い、バンバン音が鳴った。俺は、自分がエッチな先生を懲らしめてる感じがした。 先生は、呼吸困難になったように、ハアハア、ゼエゼエ、荒く呼吸していた。そして、また、ボードに手を伸ばし、チェックマークを書いた。 「ああ、また、いくぅぅぅぅ!!!」 先生は、俺の下で、激しく乱れ、いきまくっていた。体を激しく上下に波打たせているので、おっぱいがぶるぶる揺れていた。俺はそのおっぱいを鷲づかみにして、揉みまくり、乳首をつねって、引っ張った。 「ああ、いや、ダメ、ダメ、また、いく、いく、いくぅぅぅ!!!」 叫びながら、また横に手を伸ばしチェックマークを書く先生。 俺の体も先生の体も汗まみれになっていた。先生は、何度もいきっぱなしで、泊まらなくなっているようだった。 「もっと、ちょうだい、もっと、もっと、ああん・・・」 俺は、本当に全力を使ってちんぽを叩き込み続けた。全力疾走している時のように、息が乱れる。先生もうるさいほど叫び、あえぎ続けていた。タマがキンキンと痛くなってくるのを感じる。俺も先生も、2匹の動物のように、バンバン体をぶつけ合っていた。 「ああ、深いところに当たってるわ・・・」 どこか妙に落ち着いた声で先生が言った。次のオルガスムが来るのを堪えようとしているみたいだった。さらにもう2分ほど体をぶつけ合っていると、先生がまた喘ぎながら言った。 「ああ、いい・・・これだったのね・・・ああ・・・」 突然、先生のおまんこがぴくぴく痙攣しだし、俺のちんぽを締め付け始めた。絶妙なリズムで繰り返し締め付けられ、俺は睾丸の中が煮えたぎってくるような感じがした。 先生は、また手を伸ばし、特別大きなチェックマークを書いた。書いた後、すぐに、先生の体はコントロールを失ったように、ぶるぶる震えだした。両脚が俺を挟み込み、放すまいとしてくる。おまんこの中も俺のちんぽをがっちりと咥えこみ、ぎゅるぎゅる絞り込んできた。 ちょうどその時、俺のタマが収縮を始めたのを感じた。ちんぽの中をスペルマが走り流れ、先生の子宮の奥に噴出する。何発も、何発も出ていって、先生の柔らかいおまんこの内壁をとろとろにコーティングしていった。 「あああ・・・・いい・・・・」 俺の熱いスペルマに体の中を満たされたのを感じたんだろう。先生はうっとりとした声をあげた。俺はちんぽを引き抜き、先生の体の前で、激しくしごいた。最後の何発かが白い紐となって、先生のおっぱいや腹に降りかかった。
「アンドリュー、私たち話し合う必要があるわ。私たちの間で何が問題なのか知る必要が在るの。私たち大きな仕事を抱えているのよ。私たちの仕事に運命が掛かっている人がたくさんいるの。このプロジェクトを進行させるに際して、私たちの間に、いかに小さくても摩擦があってはいけないのよ。もし私のことが嫌いなら、何とかできるわ。ランチを食べながら、ボブ・サイモンと話しをしたの。私たちが必要と感じた場合、チームとなるペアを交換しても良いって言ってたわ。私はメリッサ・トーマスとペアを組んで、あなたはボブとペアを組んでもいいって」 僕はパニック感が押し寄せてくるのを感じた。自分は、ディアドラと一緒に働くことすらできないほど、へまな動きをしてしまっていたのか。確かに、ディアドラと分離されて仕事をした方が仕事はうまくやれるだろう。だが、それは、ディアドラと一緒に仕事ができなくなることも意味しているのだ。それの方がダメージは大きい。まさに、最悪の大惨事じゃないか。 「ディアドラ、そういうことじゃ全然ないんだ。あなた以外に、僕が一緒に働きたいと思っている人はいないんです」 さあ、どうだろう? 変な言い方じゃなかったはずだ。小学生のように、彼女に泣いてすがりついたりはしていない。事実を端的に述べただけだ。実務的な口調で、平坦に。土下座するような雰囲気は出ていなかったはずだ。単に、彼女と一緒に働くことを気に入ってること、できれば、その状態を続けたいことを言っただけだ。 だが、ディアドラは僕の考えには組していないようだった。 「じゃあ、何が問題なの? あなたが、これまで会ったうちで最も神経質な人間であるか、他に何か原因があるかのどちらかでしょう? ねえ君! 私は、人から、あなたが神経質な人間ではないと聞かされているわ。だったら、何んなのよ?」 僕はコーナーに追い詰められていた。逃げ出す道を探していた。だが、この女性に、心の中を打ち明けることは、選択肢から除外だ。第一に、彼女は僕の世界の住人ではない。第二に、僕たちは仕事を一緒に行っている間柄だ。第三に、セクハラとなる可能性がある。スリー・ストライクでアウトだ。僕にできることは、暗い表情で、何も問題はないんだと訴えることだけだろう。 「アンドリュー、ちゃんと話して。私はボブとパートナーを交換したいとは思っていないの。でも、そうしなければいけないなら、そうするわ。この仕事は、それだけ重要な仕事だから」 僕はみじめな顔をしていたと思う。「ディアドラ、僕の問題は仕事関係ではないと思う。今している仕事とは何も関係ない。あなたと仕事をするのを楽しんでいないからという理由では、決してないのは本当だ。僕自身で対処しなければいけない問題なんだと思う」 「ねえ、アンドリュー? 私たち、何週間か一緒に仕事をしてきて、お互いを分かり合ってきたわよね。確かに、直に対面したのはつい先日だわ。でも、私に関しては、充分信頼を感じてもらっていると思うけど。そのガードをちょっとだけ下げられるほどの信頼は。約束するわ。あなたが何を言おうとも、最大限に秘密厳守するから。そのことであなたを問い詰めたりしないから」 僕は、「ああ、分かった」と呟いた。自分はもう少し大人だと思っていたが、他に何と言えただろうか? 言ったら言ったで後悔するし、言わなかったら言わなかったで後悔するだろう。何をしても、言っても、そして何をしなくても、言わなくても、この状況は、その時より、ましになっていただろう。ともあれ、言うことで自分が完璧なバカに見えさせてしまうと知りつつ、そのことを話すというのは、非常に難しいことだった。
ベッドに向き直り、そこに置いてあった黒サテンのシャツを取り上げ、腕を通した。素晴らしい肌触りだった。ボタンを留めながら、うまくボタンが留められないのに気づいた。よく見ると、普段の男物シャツとは反対のボタン付けになっていたのだった。ブラウスだったのである。僕はボタンを留め、鏡の中を見てみた。素敵なブラウスだった。光沢があってキラキラ輝き、体にぴったりフィットしている。胸のところも、見栄え良くつきでている。 次にストーン・ウォッシュのジーンズと取り、脚を通した。これもまた、ジッパーのところが普通とは反対になっていた。腰を揺すりながらジーンズを引き上げ、軽くジャンプして、お尻のところをフィットさせた。ジッパーを上げる時、息を吸って腹をへこませなければならなかった。チャックをあげ、ボタンを留めたあと、振り向いて、もう一度、自分の姿を見た。ジーンズが腰から脚にかけてぴちぴちに密着している。これも素晴らしく似合ってるとは思ったが、非常に動きづらかった。ガーターの止め具のところが浮き出て、見えている。 床には黒いストラップつきのハイヒールが置いてあった。ベッドの端に座り、ヒールにストッキングを履いた足を入れようとした。ズボンがきついので、非常に苦労した。何とか履いた後、安堵の溜息をつきながら立ち上がった。黒いストッキングを通して、かすかに足の爪に塗ったピンク色が見える。ヒールのおかげで、お尻が突き上がる感じになり、ふくらはぎの線が強調されて見えた。鏡の中の自分が凄いと感じた。セクシーだ。ドナの助けを借りずに、自分だけで、この姿に変身できたことが信じられなかった。 ヒールで床をコツコツ鳴らしながら、小部屋に入った。ドナはソファに座ってテレビを見ていた。彼女はまだガウンを羽織ったままだった。 「まあ、素敵じゃない!」 ドナはにっこり笑いながら僕を見た。 「ありがとう」 そう答えて、くるりと一回転してみせた。僕は、この女装ごっこはもう止めようと決心したことをすっかり忘れていた。 「ねえ、あなた? テーブルの上に黒いバッグにお金と車のキーが入ってるの。お願いだから、ちょっとコーヒーとドーナッツを買ってきてくれない?」 僕は、テーブルに行きかけて、立ち止まった。唖然としていた。 「こんな格好じゃ、行けないよ」 「こんな格好って?」 「女物の服だよ!」 ドナはソファから立ち上がり、僕を寝室の鏡の前に連れて行った。 「あなたの姿を見てみて? 何が見える?」 「美しいブロンドの女性。でも、この衣装の下に何が隠れているか、僕は知ってるんだよ」 「それはそれでいいの。他の人は誰も知らないんだから。ジェニーが教えてくれた歩き方を忘れないこと。それに明るい裏声で話すことも忘れないでね。唯一の問題は、あなたに誰か男性が近寄ってきた時どうするかだけ。さあ、お願いよ、ドーナッツを買ってきて。私、ちょっとゆっくりしていたいの」
水曜日。この日も、マークの書斎にいたところを、ローレルに見つかり、彼女に犯されたのだけど、体を洗い清めた後、トレーシーを捜しに家の中を歩いた。トレーシーは、プールサイドで日光浴をしていた。私は日焼けオイルのビンを見つけ、彼女の脚に塗り始めた。トレーシーは私が塗り始めるまで、私が来たことに気づいていなかった。 彼女は目を開け、にっこりと微笑んだ。「ありがとう、気が利くわね。あなたもビキニに着替えて、一緒に日光浴しましょう。あなたが今週分の仕事をこなしておこうと、一生懸命してるのは分かっているわ」 10分後、私はトレーシーのいるプールサイドに出た。新しい赤のストリング・ビキニ( 参考)を着た。股間のアレがかろうじて隠れる程度で、胸を隠す部分の布地があまりに小さいので、偽乳房をつけることができなかった。 プールサイドに出て行くと、トレーシーは腹ばいに横たわるように言った。背中にローションをつけてくれると。言われた通りにした。彼女は私にローションを塗りながら話しかけた。 「今夜は、例のグループの最初の夜じゃなかった?」 「ええ、そうです。来るように言われているんです。よろしいですか?」 「もちろん、構わないわよ。大きな変化をしちゃう前に、何か、カウンセリングのようなものを受けて欲しいと思っているの。で、どうやって行くつもりなの?」 トレーシーは私の肌にオイルを塗りこめながら訊いた。 「タクシーで行くつもりです。一人で行くつもりだから」 トレーシーはふざけ半分に私のお尻を叩いた。「タクシーなんかダメよ。あなたがタクシーが来るのを待ちながら、一人で立っているなんて、私は許さないから。私の車を使いなさい。そうすれば一人で行けるでしょう? 運転はできるわよね?」 「ええ、本当に車を使っていいのですか? すごく高級な車なのに」 あの車を使えるかもしれない可能性にワクワクしていたけれど、慎重に尋ねてみた。 「うふふ、もちろんよ。保険があるし、あなたなら慎重に運転するだろうと分かっているから」 「ありがとうございます、ミス・トレーシー。とても嬉しいです」 「気にしなくていいわ。それより、私に話したいことは他にあるんじゃない?」 どういうわけか、トレーシーはすでにヘレンのことを知っているような気がした。 「ええ・・・撮影の時にいたヘレンが、セット以外の場所で、私と会えないかと訊いてきたんです。今度の土曜にデートをすることになったんですが、まだ、確かにデートをするとは返事していないんです。彼女とデートに出てもいいですか?」 「マリアから聞いたわよ。撮影の後、あなたたちだけでどこかに隠れたそうね。彼女とセックスしたの?」 私は嘘はつけないと分かっていた。嘘をついたらどんな罰を下されるか知っていたから。だけど、そもそも嘘をつく必要性も感じていなかった。他の人とセックスしてはいけないと言われたことがなかったから。 「撮影の時のセックスシーンで、私も彼女もすごく興奮してしまってて、2人で倉庫に入って、高ぶった気持ちを落ち着けあったんです」 「そう・・・それなら、ぜひ、デートにいってらっしゃい。ここにいる私たちと違って、彼女はあなたと同じ年頃だし。もし、いい感じのデートができたら、日曜日にヘレンをここに連れて来るといいわ。彼女、とても可愛い子なんだけど、恥ずかしがり屋なところがある感じだから」 その話の後、トレーシーと数時間、日光浴をしてくつろいだ。1時間くらいして、ローレルとマリアも私たちに加わった。夕食の準備をする時間になり、私はシャワーを浴び、グループ・ミーティングに行く準備を始めた。
ジャネットの唯一の気がかりはクリスのことであった。すぐにクリスに伝えなければならないとは分かっていた。だが彼を傷つけたくもなかった。 ジャネットはウェインと話し合った後の土曜日、クリスと彼女のお気に入りの場所、すなわち、公園のオークの木の下でクリスと会った。ジャネットは、もはや会うことはできないと伝え、泣き出したし、クリスも泣いたが、最後には、分かったと理解を示した。 クリスは、最初から、この関係は長続きするものではないと分かっていたのであるが、それでも、ジャネットと一緒にいられる時間を長続きさせたいと願っていた。だが、いくらそう望んでも、やがて彼は大学に戻ることになるし、その後も彼の人生は続くし、ジャネットの人生も続くと、頭では分かっていたのだった。 クリスはもう一度だけジャネットにキスをしたいと思ったが、土曜日の午後でもあり、公園には人が多く、それは叶わなかった。 「一緒に来て。いい場所を知ってるから」 ジャネットは、そう言ってクリスに手を伸ばした。 2人は公園の奥へ進み、木々の中、踏みならされた小道を歩いた。途中、ジャネットは小道からはずれ、かなり大きな岩の陰に入った。小さなくぼみのようになっていて、覗こうとする目から3方とも守られている。 そこに入るとジャネットはクリスを両腕の中に抱き寄せ、優しくキスを始めた。クリスの舌が彼女の口に入ってくるのを感じ、彼女は喘ぎ声をあげた。1回のキスが、次のキスを招きよせ、2人の気持ちが高まっていく。 クリスが手を這わせ、胸を愛撫しはじめても、ジャネットは止めることができなかった。むしろ自分からブラウスの前を開き、ブラジャーを押し上げ、乳房をあらわにしたのだった。 「クリス、ここで止めなくちゃいけないの」 ジャネットは、クリスのペニスが自分の腹部を押すのを感じ、小さく息を喘がせながら言った。クリスの気持ちが痛いほどよく分かる。ジャネットは、耐え切れなくなり、仕方なく彼を岩に押し付け、その前にしゃがみこんだ。困っているクリスを助けてあげなければ、と感じてだった。素早く彼のジッパーを降ろし、ジーンズの中に手を入れながら、彼女は彼の顔を見上げ、微笑んだ。 今度は、クリスが息を喘がせる番になった。ジャネットが口を開き、彼の分身を口に含んでいくのを見る。どうすればクリスが喜ぶのかを心得た動きで、唇と舌が、ペニスの頭部を舐めまわり、クリスはうめき声をあげた。クリスは彼女の頭を両手で押さえ、ゆっくりとしたペースで前後に動かした。いつまでもこの状態が続いて欲しいと、ゆっくり動かす。彼は、自分の膨らんだペニスに愛の行為を行っているジャネットの愛らしい顔のことを、しっかり記憶に留めようとした。大きく口を広げ、彼の武器を含んだ頬がぷっくり膨らんでいる。肉茎が唾液で光っている。 突然、クリスはもっと欲しくなった。手を伸ばして彼女を立たせ、囁いた。 「したいんだ・・・」
「・・・私は州警察でもパートでカウンセラーをしてるんですが、州警察はFBIと一緒に仕事をすることがあるわけですよ。そしてFBIは、いくらでも、コンサルタントを抱えていて、その中には、この分野での専門家もいる・・・私の話しについてこれていたら分かると思いますが。ともかく、ちょっとコネを使いましてですね、知り合いの友達の友達を紹介してもらったのですよ。それで、その人が、いろいろ仕事を差し置いて、今朝、このオフィスに来てくれたのです・・・」 「・・・ご主人、検査の結果、奥さんの性関係に関しては、回数も・・・その・・・行為の種類に関しても、偽りはないと判明しました」 スティーブは1、2分、ヒューストン氏の言葉を考えていた。彼の顔からは、何を考えているのか分からなかった。 ようやく、スティーブが口を開いた。「ひょっとして、僕は騙されているのだろうか。バーバラが、あの間抜け男に、2回ほど手でして上げただけというのは、信じがたいです。ですが、本当に機械がそういう答えを出したと言うなら、受け入れることができると思う・・・」 「・・・でも、それで何かが変わるとお思いなら、それには同意しかねます」 スティーブは、少し間を置いて続けた。「そういうことがたった一回だったとしても・・・あるいは、何らセックスにかかわることがなかったとしても・・・バーバラが他の男と会い、僕をないがしろにして、楽しんだという点は依然として変わらない事実なのですよ。それに、程度の違いがあれ、今回は3回目だったということを思い出して欲しいものです。過去に2回、同様のことがあった・・・過去の2回に関しても、バーバラを許した僕は正しかったと言いそうな人間は、100万人探しても一人もいないでしょう。だが僕は、そんな愚かなことをしてしまった。僕は3度目の過ちはしたくないのです」 「奥さんは真実を言っていた・・・私も、ようやくその点は認めました。そして、奥さんは、月曜に、これからは真実を話し、何も隠そうとしないと約束してくれたのですよ」 スティーブは、口をきっと結んだ。「バーバラが、あなたにでなく、僕に真実を話すと約束してくれてたら、ずっと良かったと思いませんか?」 「いや、奥さんは、先週の木曜日に、ちゃんと真実を話したのだと思いますよ。ちょっと・・・何と言うか、その確証を必要としただけなのではないですか?」 スティーブは、まあ、そうかも、と言わんばかりに肩をすくめて見せた。 「これは取っ掛かりなのですよ、ご主人・・・」 ヒューストン氏は、声に懇願するような色合いが出ないよう、注意しながら言った。懇願している調子で言ったなら、スティーブは、そこに突っ込みを入れ、否定的に反応してしまうだろう。そんなことになったら、もはや希望はなくなる。 「・・・ご主人と奥さんは、これまでの関係で、非常に痛々しく、非常にダメージが大きい出来事を3回経験してきた。それに対処しなければならないのは事実。ですが、その3回の出来事を除くと、デートの時期に和解した後、及び、結婚仕立ての頃には、かなり長い時間、お2人の仲が良かった時期があったことになるでしょう?」 スティーブは頷いた。 「ご主人、そのような楽しかった時期を、本当に忘れたいと思っているのですか? あなたと奥さんが、よりを戻す方法を見つけられるかもしれないチャンスが、いかにわずかなものであれ、存在するというのに?」 スティーブは、悪意に満ちた目でヒューストン氏を見つめた。 「ヒューストンさん、ということは、僕と取引しようとしているのですね? これまで起きたことをすべて否定してくれと僕に頼んでいるのですね? 怒りを脇において、この結婚がこんな風になってしまったことに対し、僕がいかに失意を感じていても、それを無視しろと言ってるのですね? ・・・僕に、感情をすべて抑制するのをやめる理由が充分にあるとお思いなのですね? 感情をあらわにすれば、妻が、これまでのくだらない出来事の数々にふさわしい女だったと判明するかもしれないと。わずかであれ、そんな可能性があるから、それを受け入れろと?」 ヒューストン氏は心の中で、スティーブが言ったことを反芻した。 「そう、そういうこと。・・・今の言葉、どこかでリハーサルなさっていたのですか?」 「いいえ。・・・この2年ほど、僕は、自分の上司は言うに及ばず、市役所や州政府の、驚くほど高い身分の連中に口頭で報告しなければならないことが何度もあったのです。機転を利かせて、事態を先に進める方法が、自然と身についてしまっているのですよ・・・」 そこまで言ってスティーブは間を置いた。「いいでしょう」 「え、何と?」 「僕は、毎週水曜日の午後、個別カウンセリングとやらを受けに、渋滞の街中をわざわざやってくることに慣れてしまったようですし、毎週木曜の夜に、妻が新しい作り話を繰り出すのを聞きに来るのにも慣れてしまったようです。・・・ええ、もうちょっとだけ付き合いますよ・・・でも、です・・・でも、そのうち、新しい仕事で頭がいっぱいになって、こんな解決には何の役にも立たないことを続けるのは止める日が来ると思いますよ。僕の言ってる意味、お分かりですよね、ヒューストンさん?」 「完璧に、分かります。ですが、続ける気があるのでしたら、まだ希望はある。ただし、続けるのでしたら、是非とも、カウンセリングに参加する気持ちで来て欲しい。もし、その気がないのだったら、こちらにいらっしゃらなくても構いません」 ヒューストン氏は、そこまで言って、スティーブの反応を観察した。「お互い理解しあえたと考えてよろしいでしょうか?」 「ええ、そう思います。分かりました」 スティーブはそう答えた。 ********
俺は立ち上がった。先生の髪の毛はもはやバサバサで、きれいなカールも解けて、ぺったりした感じになっていた。肌にはうっすら汗が出て、光ってる。俺は、静かに先生の周りをまわって、先生の美しい体を鑑賞した。先生は、スカーフで目隠しされているが、顔が輝き、興奮しているのが分かる。おとなしく立って、俺の次の行動を待っているところからすると、先生はこの状況を喜んでいるのがわかる。俺はつま先から頭のてっぺんまで、じっくり先生のセクシーな体を鑑賞した。 そしてゆっくりと近づき、ブラウスの袖の結びをほどいた。両腕を垂れさせ、ブラウスを引き降ろす。脱がしたブラウスを教卓に放り投げた後、ブラジャーをつかんで、引っ張った。驚いたことに、先生は、自分から両腕を動かし、ブラの肩紐からのがれた。 そして俺は、一歩下がって、改めてもう一度、先生の裸体を鑑賞した。13センチのハイヒールからすらりと伸びた、ストッキングに包まれた美脚。ふくらはぎに絡みつくストラップのおかげで、美しさが強調されている。そして、その上にある、まさに成熟した女の陰部、腹、そしておっぱい。 俺は先生の横に移動し、体を前のめりにさせた。両腕を前に出させ、ホワイトボードのマーカー置きのところをつかませる。俺は、先生の体をほぼ90度に折り曲げる形にさせた。先生は、素早く、手首に結び付けておいたマーカーのキャップをはずし、ボードに2つ、チェックマークを書いた。俺がすでに2回、先生をいかせたということだ。 次に俺は先生の後ろに立ち、裸の尻頬を優しくぴしゃりと叩いた。柔らかな尻肉がブルブルと波立ち、美尻が震える。俺はもう一度、叩き、先生の尻肉がブルブルするのを見た。 「ああ、いいぃぃ・・・」 俺に叩かれて、先生が色っぽく喘ぐのを聞き、正直、びっくりした。 俺は先生の後ろに位置どり、腰を押さえた。中腰になってから、ちんぽを先生の脚の間にあてがい、両膝を伸ばした。俺のが先生のおまんこのビラビラに挟まれ、割れ目をこすりあげる形になる。ゆっくりと腰を前後させ、シャフトを使って割れ目を擦りあげる。前の方に目をやると、俺の亀頭が先生の股の間から顔を出したり、ひっこめたりするのが見えた。 やがて、グラフ先生は、腹の底から出すような声で、うめいた。 「ううぅぅぅ・・・もお・・・早くやってよ!」 ボードにしがみつきながら、うめいている。 俺は、いったん引きさがり、ちんぽの頭を先生のおまんこの入口にあてがった。そしてゆっくり押し込んでいく。先生も尻を押し返してくるのを感じた。先生の狭い穴に出し入れを始めると、先生は、ハアハアとした息遣いから、悩ましい声を出すようになった。 「んんん・・・うんん・・・ああん・・・ああん・・・」 先生のおまんこの締め付けの強さは信じられないほどだ。ぎゅうぎゅう締め付けてくる。気持ちよくてたまらない。最初はゆっくりと動いていた俺たちだったが、だんだんテンポがだんだん速くなっていった。 突然、先生が動きを止めて、マーカーを握り、ボードにチェックマークを書いた。ぶるぶる小刻みに震えて、じっと耐えている。俺はかまわず打ち込みを続けた。 やがて、先生は、また、尻を打ち返し始めた。尻を突き出すたびに、先生の穴から汁が出てきて、俺のちんぽやタマを濡らした。 そしてまた突然、先生が叫び声をあげた。 「うっ! あああん・・・いい・・・いく、いく、いくっ!!!」 さっきよりも強いオルガスムなのか、激しく体をくねらせ始めた。 「あっ! あっ! あっ! あっ! あっ! ・・・いい! いい! いく! いく! いくうぅぅぅ!!!」 またボードにチェックマークを書いた。 俺は、ますます激しく打ち込みを続けた。もう狂ったように、バンバン、突きまくった。その何秒か後、先生は三つ目のチェックマークを書いた。先生のまんこは愛液で洪水状態だ。穴の中がますますヌルヌルになっている。 俺は、先生の腰を押さえていた手を離して、軽く先生の尻を叩いた。 「あうっ!」 先生は、電撃を食らったようにぶるんと体を震わせ、またチェックマークを書いた。 その後の先生は、すっかり乱れ切り、あん、あんとよがりながら、ぶるぶる震えっぱなしだった。 「もっと、やって!・・・あああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 そのオルガスムから落ち着き始めた、ちょうどその時、ドアの外で声がした。俺も先生も、凍ったように動きを止めた。 ドアを開けようと、ノブをがたがた回そうとしている。 「グラフ先生? 中にいらっしゃるのですか?」 廊下から呼びかけている。この時、先生が大声をあげ、助けを呼ぼうとすればできたはずだった。だが、先生は尻を突き出したまま、じっと息をひそめて動かなかった。
| HOME |
次ページ≫
|